桜蔭中学校 サクラカゲチュウガッコウ

静かで濃密な6年間が教えてくれた誠実に考えるということ

桜蔭の校舎に初めて足を踏み入れたとき、張りつめたような空気と静けさの中に、不思議と安心感を覚えました。派手さはないけれど、皆が真摯に学びと向き合っている。そんな空気に惹かれて、この学校を本気で目指したのが小学校5年の終わり頃でした。SAPIXでは、特に算数と2の記述に力を入れました。桜蔭の問題はどれも、設問の裏にある「本質」を問われているようで、答えを書く前に深く考える癖が自然と身につきました。試験本番は静かで、問題用紙の中に自分の世界をつくるような、そんな感覚だったことを覚えています。 入学後は、周囲の優秀さに圧倒されながらも、友人たちの真面目さと誠実さに支えられて、少しずつ自分のペースで歩みを進めました。教科書の行間を読む授業、ノートの取り方一つにも工夫が求められる毎日。簡単ではありませんでしたが、「考えることを誠実に続ける」という姿勢が、桜蔭の6年間で私の中に根付きました。現在は研究補助職として働いておりますが、静かに、しかし確かに物事と向き合う力は、間違いなくこの学校で育まれたものです。桜蔭で過ごした日々は、今でも思考の軸として、私を支えてくれています。