今回は国家資格である行政書士はどんな資格なのか・どのような試験が行われるのかについてご紹介していきます。
行政書士の勉強法や難易度を司法書士や社労士などの他の国家資格と合格率・勉強時間を比較しながら詳しく記載しています。
合格するための情報として参考にしてみてください。
「行政書士」は国民にもっとも身近な「街の法律家」とも言われています。
国民と行政の間に立つ法律の専門家として、近年活躍の場が広がっています。
行政書士になるためには、以下のいずれかに当てはまる必要があります。
行政書士になる人の中で一番多いのが、行政書士の資格を持っている人ですが、そのほかにもなる方法はあります。
該当する他の資格とは、弁護士資格・公認会計士資格・税理士資格などが挙げられます。
行政書士が行うことができることは、大きく分けて下記の3つに分類されます。
●官公署へ提出する書類、権利義務や事実証明に関する書類を作る「書類作成業務」
●その申請を代わりに行う「許認可申請の代理」
●クライアントからの相談を受け、アドバイスを行う「相談業務」
行政書士の資格を活かせる仕事としては、個人で行政書士の業務を行う会社を開業すること、または、行政書士法人で働くということが挙げられます。
一般の企業では、行政書士の業務を行うことができませんので、ご注意ください。
行政書士の資格を取得していれば会社法などの知識が身についているため、企業では法務部や総務部で働くことができるため、就職・転職活動で役立てることができます。
資格を持っていることで開業の知識がつき、一生の仕事につくこともできます。
また、行政書士について勉強することで、法律に関する知識を得ることができるので、他の資格が取りやすくなります。
行政書士の勉強方法はこちら
行政書士の試験概要 | |
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受験資格 | 年齢・国籍に関係なく、だれでも受験可能 |
受験料 | 10,400円 |
試験日程 | 令和5年11月12日(日) |
行政書士の試験は、年に1回毎年11月の第2週の日曜日に行われます。
試験会場は、全国に設置され、試験時間は午後1時から4時となっています。
問題形式 | |
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試験科目 | 法令等5科目+一般知識等 |
出題方法 | 択一式+記述式 |
試験は3時間行われ、全部で60問あり、300点満点となっています。
法令等5科目は、憲法、行政法、民法、商法、基礎法学の知識を見極める設問があります。
一般知識は、日本の政治や経済・社会に関する知識を問うものとなっています。
設問数ですが、一般知識から14題、法令から46題の割合で出題されます。
行政書士試験に合格するには、以下3つの要件のいずれもを満たす必要があります。
●法令等5科目(計244点)の得点が、122点以上である者
●一般知識等科目(56点)の得点が、24点以上である者
●試験全体の得点が、180点以上である者
この基準を満たせば、誰でも合格することができます。
令和4年の合格率は、受験者の約12%のようです。
受験者の半分以上は男性であり、受験者数が最も多いのは40代、合格者が最も多いのは30代となっています。
受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|
47,850名 | 5,802名 | 12.13% |
以下は平成25年~令和4年の行政書士試験の合格率の推移を表しています。
例年10%前後で推移しており、難易度が高い試験ではありますが、競争試験ではないので合格基準点をクリアさえすれば誰でも合格できる試験でもあります。
年度 | 倍率 |
---|---|
平成25年度 | 10.10% |
平成26年度 | 8.27% |
平成27年度 | 13.12% |
平成28年度 | 9.95% |
平成29年度 | 15.72% |
平成30年度 | 12.7% |
令和元年度 | 11.48% |
令和2年度 | 10.72% |
令和3年度 | 11.18% |
令和4年度 | 12.13% |
行政書士試験は60問・300点満点の試験です。
出題方法は択一式と記述式になっており、選択問題が1問4点なのに対し、記述問題は1問20点の配点となっています。
非常に記述の配点が大きく、毎年合格者は10%程度と低い割合で推移しています。
行政書士試験では法令等5科目と一般知識が出題されます。
法令等5科目からは憲法・行政法・民法・商法・基礎法学の知識問題が出題され、一般知識からは一般的に日本の政治経済・社会に関する知識問題が出題されます。
60問中、法令問題が75%、一般知識が25%の割合で出題されます。
法令問題をしっかり勉強しないと、行政書士試験には合格できないため、難易度が高いと言われています。
マークシートで問題数の少ない宅建士試験と比べると、記述式も含まれる行政書士試験の難易度は高いことが分かります。
これに対し、社労士試験や法律系の中で最も難易度が高い司法書士試験よりは、難易度が低いです。
資格 | 合格率 |
---|---|
司法書士 | 約4% |
社労士 | 約7% |
行政書士 | 約10% |
宅建士 | 約15% |
司法書士試験は法律系の試験の中で最も難易度が高いと言われています。
司法書士試験の合格率は約4%です。
25人に1人受かる割合です。
行政書士試験の合格率は約10%なので、司法書士試験の方が難易度が高いことが分かります。
社労士試験は難易度が高く、合格率が低いと言われています。
社労士試験の合格率は約7%です。
15人に1人受かる割合となっています。
行政書士試験の合格率は約10%なので、社労士試験の方が難易度が高いことが分かります。
宅建士試験は社会人でも多くの方が受けている人気の試験です。
宅建私も難易度が高く、合格率は約15%です。
7人に1人受かる割合となっています。
行政書士試験の合格率は約10%なので、宅建士試験の方が難易度が低いことが分かります。
試験 | 勉強時間(目安) |
---|---|
行政書士 | 約900時間 |
司法書士 | 約3,000時間 |
社労士 | 約1,000時間 |
宅建士 | 約500時間 |
4つの試験で比較すると、司法書士・社労士・行政書士・宅建士の順に勉強時間が必要だということが分かりました。
最も難易度の高い司法書士は約3,000時間勉強しなくてはなりません。
合格難易度が低いほど勉強時間が必要です。
行政書士試験を受験する方はまずこれだけの勉強時間をどう確保できるか考えましょう。
✔合格率は例年10%前後を推移
✔難易度は高いが誰でも合格を目指せる
✔勉強時間の確保ができる学生は有利に
しかし、決して簡単な試験ではないので、対策が必要です。
行政書士試験合格に必要な勉強時間は約900時間と言われています。
1年で対策をするためには、1日2~3時間勉強する必要があります。
試験は1年に1回のため、1日あたりの勉強ができる時間を逆算し、勉強をスタートさせましょう。
行政書士の試験内容はこちら
予備校では傾向を分析し、次の試験で出題されやすい法令に絞った対策を行います。
模擬試験により、自分自身に足らない知識を洗い出すことができるのもメリットと言えるでしょう。
また独学で一人で勉強しているとどうしても怠けてしまうことがありますが、予備校や専門学校で勉強しているとそうは行きません。
真剣に勉強している同じ目的を持った仲間という意識が芽生え、勉強にも身が入るようになるでしょう。
最もオーソドックスな手段は専門学校や予備校などに入学し、通学しながら必要な知識を身につけることです。
しかしこの方法は時間の制約を伴うことが大きなネックといえます。
そこで忙しい人にとってのベストな手段が通信教育です。
隙間時間を活用した学習や、予備校よりも料金が低く抑えられている点がメリットといえます。
✔専門学校や予備校を使うのが近道
✔忙しい方には通信教育がおすすめ
✔無理のない方法での対策が最も大切
今回は国家資格の1つである行政書士についてご紹介しました。
行政書士の合格率は約10%ですが、きちんと勉強時間を確保すれば、合格基準を超えることができる資格であると考えられます。
試験では、行政法や民法などの法律知識と一般知識の両方が問われますので、効率的な学習をすることが不可欠です。
自分に合った無理のない学習方法を見つけて合格を目指しましょう。
「行政書士」に関してよくある質問を集めました。
行政書士とは、国民に最も身近な「街の法律家」と言われ、国民と行政の間に立つ法律の専門家です。主な業務は「書類作成義務」「許認可申請の代理」「相談業務」の3つに分けられます。記事では詳しく行政書士の業務内容について解説しています。詳細はこちらをご覧ください。ぜひ参考にしてみてください。
行政書士の合格率は例年10%前後です。宅建士と比べると難易度が高くなりますが、司法書士や社労士と比べると合格率は高くなっています。行政書士試験は難易度は高めですが、基準点を取ることができれば誰でも合格できる試験です。詳しくは記事内をご覧ください。
行政書士試験には合格基準が明確に設けられており、3つの基準のいずれもを満たす必要があります。どんな基準を満たす必要があるのかは、記事内で解説していますので、是非参考にして下さい。詳細はこちらを参考にしてください。