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更新日 2020.10.12

大学無償化とは?その要件や支援内容・手続き方法を解説します

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大学無償化の制度をご存知でしょうか。

既に実施されているこの制度、実は内容をあまり把握していない方も多いのではないでしょうか。

この制度は、金銭面で困難を抱える世帯の子供の高等教育修学を支援するためのものです。

したがって誰でも対象になる制度ではありませんが、情報は知っておいても損はないでしょう。

今回はこの大学無償化について、基本的な内容や要件、手続き方法などについて見ていきます。

大学無償化とは?

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大学無償化の制度は、正式名称を「高等教育の修学支援新制度」と言います。

令和2年4月1日から実施されています。

この制度を簡単に説明すると、意欲があるにも関わらず金銭的理由で進学できない子供たちを支援するために、大学・短期大学・高等専門学校・専門学校を無償化するというものです。

大学無償化と聞くと大学の学費が全て無料になるような印象を受けるかもしれませんが、実際には様々な要件があります。

詳しい内容についてはこの後見ていくことにしましょう。

✔大学無償化制度は令和2年4月からスタート

✔無償化の対象は、大学・短期大学・高等専門学校・専門学校

✔金銭的理由で進学できない子供たちの支援が目的

大学無償化の対象となる要件

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大学無償化にはいくつかの要件があります。

この制度は、金銭的理由で高等教育を受けることができない者への支援や、高等教育を受けさせる余裕がないから子供を持つことを控えていた夫婦への支援を通じて、社会で自立し活躍できる人材を育てることが目的です。

金銭に余裕がある者や意欲の低い者に対して支援をするという制度ではありません。

このため、本来の目的に合致しているかどうかを判断する要件が設定されているのです。

家計の経済状況に関する要件

所得について

世帯所得の目安は、市町村民税の所得割額で決まることになります。

要件に関する計算式は、『市町村税の所得割の課税標準額×6%-(調整控除の額+税額調整額)』です。

ここで算出した額について、学生等及びその生計維持者の合計額が下記の表の基準額に該当することが必要になります。

区分 基準額
第Ⅰ区分(標準額の支援) 100円未満
第Ⅱ区分(標準額の2/3支援) 100円以上~25,600円未満
第Ⅲ区分(標準額の1/3支援) 25,600円以上~51,300円未満

また、対象となる世帯年収の目安は世帯の構成人数によって変動します。

詳しくは、日本学生支援機構が提供している「進学資金シミュレーター」を使って調べてみてください。

資産について

学生等及びその生計維持者の保有する資産の合計額が、以下の基準額に該当することが必要になります。

要件 基準額
生計維持者が2人の場合 2,000万円未満
生計維持者が1人の場合 1,250万円未満

なお、不動産はこの資産の対象ではありません。

学業成績や学修意欲に関する要件

ここでの要件は採用時のものになります。

認定された後は、適確認定の基準によって成績等を確認し、これに基づいて支援の継続の可否が判定されることになります。

高校3年生

申請は入学の前年度中に行います。

高校2年次(申込時)までの評定平均値が、

  • 3.5以上の場合…進路指導等において学修意欲を確認します。
  • 3.5未満の場合…レポート又は面談により学修意欲を確認します。

なお、高卒認定試験により大学等へ進学する者は、高卒認定試験の受験・合格をもって学修意欲があるものとみなされます。

大学1年生

申請は入学した年の4月に行います。

秋季入学時の申請時期は検討段階です。

次の項目のいずれかに該当する必要があります。

  • 高校の評定平均値が3.5以上であること
  • 入学試験の成績が、入学者の上位1/2であること
  • 高卒認定試験の合格者であること
  • 学修計画書の提出により、学修の意欲や目的、将来の人生設計等が確認できること

大学2~4年生

申請は在学中の4月に行います。

次の項目のいずれかに該当する必要があります。

  • 在学する大学等の学業成績が、GPA(平均成績)等で上位1/2以上であること
  • 次のいずれにも該当すること
    a.修得単位数が標準単位数以上であること
    標準単位数=卒業必要単位数/修業年限×申請者の在学年数
    b.学修計画書の提出により、学修の意欲や目的、将来の人生設計等が確認できること

ただし、いずれかに該当する場合でも、在学中の学業成績等が適確認定の基準で「廃止」に該当する場合には不採用となります。

災害、傷病その他やむを得ない事由によって2つ目のaに該当しない場合には、bに該当すれば要件を満たすことになります。

その他の要件

上記の要件の他に、「国籍・在留資格に関する要件」と「大学等に進学するまでの期間に関する要件」があります。

この点に不安がある場合は、詳細を確認することをおすすめします。

また、支援期間中にも関わらず支援が「廃止」「停止」「警告」となる要件も存在しています。

無償化の支援を受けられることになった後は、そうした要件に該当しないように気を付けなければなりません。

✔経済状況について、所得と資産の要件がある

✔成績や意欲に関しても要件を満たさなければならない

✔支援決定後も、適確認定基準に該当しなくなると支援が打ち切られることも

大学無償の支援の内容・メリット

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当該制度の支援内容の2本柱が、「授業料等減免」の創設「給付型奨学金」の支給の拡充です。

授業料等減免

授業料等減免の上限額(年額)(住民非課税世帯)

各大学等では、以下の上限額まで授業料等の減免を実施します。

国公立 私立
入学金 授業料 入学金 授業料
大学 約28万円 約54万円 約26万円 約70万円
短期大学 約17万円 約39万円 約25万円 約62万円
高等専門学校 約8万円 約23万円 約13万円 約70万円
専門学校 約7万円 約17万円 約16万円 約59万円

上限額の考え方について

国公立の場合は、入学金・授業料ともに、省令で規定されている国立の学校種ごとの標準額まで減免されることになります。

つまり、ほぼ全額免除されると考えてもよいでしょう。

私立の場合は、入学金については平均額まで減免されます。

授業料については、国立大学の標準額に、各学校種の私立学校の平均授業料を踏まえた額と国立大学の標準額との差額の2分の1を加算した額までが減免されます。

なお申請の段階で既に大学等に在学している場合、支払い済みの入学金は減免対象になりません。

入学直後に速やかに申請を行って認定された場合には対象となります。

給付型奨学金

給付型奨学金の給付額(年額)(住民税非課税世帯)

日本学生支援機構から各学生に支給されるものになります。

自宅生 自宅外生
国公立 大学・短期大学・専門学校 約35万円 約80万円
高等専門学校 約21万円 約41万円
私立 大学・短期大学・専門学校 約46万円 約91万円
高等専門学校 約32万円 約52万円

給付額の考え方について

この給付は、学生が学業に専念するために必要な学生生活費を賄えるように支給されるものです。

このため、原則返還する必要はありません。

自宅生とは、学生等の本人が生計維持者と同居している、又はこれに準ずる状態であることを指します。

自宅外生はそれに該当しない状態で、こちらを選択した場合は証明書類を提出する必要があります。

無償化のメリットとは

この制度のメリットとは、金銭的理由で進学を断念せざるを得なかった子供たちが進学を検討できるようになること、また金銭的余裕がないために子供を持つことを躊躇っていた夫婦の後押しができることでしょう。

また、低収入世帯の子供ほど就職の必要性は高いと言えますが、こうした高等教育を修了しておくことで就職先の幅も広がります。

✔授業料等の減免には上限額がある

✔給付型奨学金は、学生生活費を賄うためのもの

✔金銭的理由で進学できない子供や進学させられない親にとっては有益な制度

大学無償化の手続き方法

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手続きの時期

2021年度に進学予定の場合は下記のようなスケジュールになります。

既に在学している場合は、申請時期が11月頃となります。

変更等の可能性もあるので、早めに公式サイトや学校で確認を取っておきましょう。

時期 内容 詳細
5~6月 準備 学生の準備期間です。 文部科学省や日本学生支援機構のサイトで制度の対象になるか等を確認してください。確認ができたら学校を通じて申込書をもらいます。
7月 申請 学生側で申請します。必要書類を学校へ提出してください。また、日本学生支援機構へインターネットで申し込みを行い、マイナンバーを提出します。
8~12月 推薦 学校側にて、成績を確認の上日本学生支援機構へ推薦されます。選考結果が通知されることとなります。
翌4月~ 開始 支給が無事決定すると、日本学生支援機構から対象者への支給が開始されます。

手続きの方法

支援対象学校の確認

まずは進学先、あるいは在学している学校が支援の対象になっているかどうかを確認してください。

申請手続き

授業料等減免については、高校生は進学時に進学先の学校が定める手続きに従います。

在学生は学校から申込書類をもらって学校に申し込んでください。

給付型奨学金については、在学している学校から関係書類をもらって、インターネットで日本学生支援機構へ申し込みをします。

マイナンバーは郵送で提出します。

決定後の流れ

申し込み内容が審査され、無事支給が決定すると、日本学生支援機構から学校を通じて通知があります。

高校生の場合は、この時交付された必要書類を進学先の学校へ提出することを忘れないようにしましょう。

高等教育の修学支援新制度についてはこちら ▶

✔手続きスケジュールは学校によっても違うので要確認

✔進学先・在学学校が支援対象かどうかも事前に見ておくこと

✔インターネットでの申し込み作業も必要

まとめ

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大学無償化と言われる制度について、概略を確認してきました。

もし金銭的理由が原因で進学を断念せざるを得ないような子供、させざるを得ないような親という家庭環境の場合には、ぜひ一度この制度の利用を検討されてはいかがでしょうか。

また今は関係ないという方でも、将来的に必要になる場面が出てくるかもしれません。

その時のために、こういう制度があるということだけは覚えておくことをおすすめします。

【初心者でもわかる】この記事のまとめ

「大学無償化」に関してよくある質問を集めました。

大学無償化とは?

大学無償化、正式名称「高等教育の修学支援新制度」とは、令和2年4月1日から実施される金銭的理由で進学できない子供たちを支援するための制度です。

大学無償化の対象となる要件は?

大学無償化の対象要件は家庭の所得や資産といった金銭面での要件と学業面での要件があります。詳細は記事内をご覧ください。

大学無償の支援の内容は?

大学無償化の支援内容は、「授業料等減免」の創設と「給付型奨学金」の支給の2種類があります。詳しい金額内容については記事内をご覧ください。

大学無償化の手続き方法は?

記事内では手続きの時期や詳しい手続き方法を解説しています。是非参考にして下さい。