中学でも高校でもひっかかりやすい文法事項として代表的なものといえば比較級。
基本的な事項ですが、わからないままスルーしている方は多いのではないでしょうか。
しかし、中学でも高校でも習う範囲であり、長文読解でもよく出る文法です。
そこで今回は、長文読解や文法問題でよく出る比較級の構文を例文を見ながら解説していきます。
基本的な比較の文の作り方から、最上級との違い、注意しておきたい構文も解説していくので、受験に向けた対策をしていきたい、またこれからの学期に向けて予習復習をしていきたいという方はぜひご覧ください。
ここではまず比較級の基本的な使い方と作り方について説明していきます。
比較とは何かと何かを比べることを表現する方法です。
例えば、2つの物の重さを比べる時や、どちらが良いかを言いたい時に使います。
比較の表現は、以下の3通りの作り方があります。
これら3つには使い分けがあります。
どういった場合に使うのかをきちんと押さえておきましょう。
1つ目はシンプルにerを後ろにつけるパターンです。
形容詞・副詞の語尾を変化させます。
以下の例を確認してください。
例)young「若い」→younger「より若い」
例文:She is younger than her sister.
訳:彼女は彼女の姉よりも若い。
2つ目はmoreをつけるパターンです。
erをつけるパターンとは違って、こちらの場合は形容詞・副詞自体を変化させるのではなく、形容詞・副詞の原級の前にmoreという単語をつけます。
このパターンを用いるのは、主に単語のつづりが長い場合です。
一般的には単語が2音節、3音節となる場合にmoreをつけるといわれています。
しかし音節、と言われてもなかなかわかりづらいものです。
そのため、目安としてシンプルに単語の文字数が6文字以上のときに使うと覚えておけば良いでしょう。
例)beautiful「美しい」→more beautiful「より美しい」
例文:This garden is more beautiful than that one.
訳:この庭はあの庭よりも美しい。
ただし、emやcleverなど、6文字以上であっても例外もあるので、その都度覚えていくようにしてください。
3つ目は不規則なパターンです。
例えば、次のようなものがあります。
例)good「良い」→better「より良い」
例文:This pizza is better than that one.
訳:このピザはあのピザよりもおいしい(=良い)。
このような形容詞・副詞はいくつかありますが、最上級の不規則なパターンとまとめて紹介したほうがわかりやすいので、後程まとめさせていただきます。
形容詞・副詞の原級にestをつける、もしくは語の前にmostを付け加えることで最上級という形を作ることができます。
最上級は比較の表現の1つで、「最も~」というある集団の中で1番を表すことができるものです。
作り方としては比較級と同様に、以下の3つのパターンがあります。
ここからは最上級の作り方の3つのパターンを例文で比較級と比べながら確認してみましょう。
比較級ではerを付けることで、形容詞・副詞が比較の表現であることを表しましたが、それと同様に最上級でもそれらに直接estを付けることで作ることができます。
比較級が「~よりも」という2つのものを対比させるのに対して、最上級はある複数のものを含む集団の中で1番であることを示します。
例文で確認してみましょう。
例)比較級:He is taller than me.
訳:彼は私よりも背が高い。
例)最上級:He is the tallest in this class.
訳:彼はこのクラスでいちばん背が高い。
このように、比較級は2つのものの比較、最上級では集団のなかでの比較であることを覚えておきましょう。
2つ目はmostをつけるパターンです。
こちらも比較級のmoreをつける場合と同じく単語の文字数が6文字以上のときに使うと覚えておけば良いでしょう。
例)beautiful「美しい」→most beautiful「最も美しい」
例文:She is the most beautiful girl in the class.
訳:彼女はクラスで最も美しい女の子です。
ここで、最上級では集団の中での比較をしますが、集団の表現として「in~」「of~」の2種類がよく使われます。
この2つの前置詞の使い分けもよく問われるので確認しておきましょう。
最上級で使う「in」と「of」の違い
▶ in:場所や範囲を表すものが後ろに付く
例文:He is the tallest in the class.
訳:彼はクラスの中で最も背が高い。
▶ of:「the+数(複数)」、「all(すべて)」、「all+複数名詞」が後ろにつく
例文:She is the smartest of the three girls.
訳:彼女はその3人の女の子の中で一番賢い。
3つ目は不規則なパターンです。
動詞と同じように不規則な変化がある場合があります。
例としては以下のようなものがあります。
| 原級(基本形) | 比較級 | 最上級 | 意味 |
|---|---|---|---|
| good | better | best | 良い |
| well(副詞) | better | best | 上手に/健康で |
| bad | worse | worst | 悪い |
| badly(副詞) | worse | worst | 下手に/悪く |
| far | farther | farthest | 遠い(物理的距離) |
| far | further | furthest | 遠い(抽象的距離) |
| little | less | least | 小さい/少ない |
| many / much | more | most | 多い |
| late | later | latest | 遅い/後の |
| old | older | oldest | 年上の(一般的な比較) |
| old | elder | eldest | 年上の(家族など特定の場面) |
以上が頻出の不規則に変化する比較級・最上級です。
問題で出てくるたびにきちんとチェックしておきましょう。
原級比較「as~as~」について解説します。
「~と同じくらい〜だ」という意味で、2つのものが等しい程度であることを表します。
例文を見てみましょう。
例文:He is as tall as his brother.
訳:彼は彼の兄と同じくらい背が高い。
このように「as + 形容詞・副詞 + as」で「同じくらい〜だ」という意味になります。
比較対象は文末に「as+人・物」で表します。
notがつくとどうなるでしょうか。
「not」をつけることで否定になり、「〜ほど〜ではない」と劣っていることを表します。
例文で確認しましょう。
例文:This book is not as interesting as that one.
訳:この本はあの本ほど面白くない。
この他に頻出の表現も紹介いたします。
「数詞 + times + as + 形容詞 + as」で「〜の〜倍」という数量を表す比較になります。
少し複雑ですが、英会話や英作文でもよく使われる表現なので例文と共に覚えておきましょう。
例文:This room is three times as large as mine.
訳:この部屋は私の部屋の3倍の広さです。
「not so much A as B」という表現はあまり多くは出てきませんが、覚えておかないとなかなか意味が読み取れない表現です。
AとBを混同しないように気を付けながら、例文でチェックしてください。
例文:He is not so much a teacher as a writer.
訳:彼は教師というよりむしろ作家だ。
✔比較級は2つのものを比べる表現
✔最上級は複数の集団の中で1番であることを表す
✔原級比較「as~as~」は2つのものが等しい程度であることを表す
比較の基本的な作り方、使い方についてはここまでで復習ができたと思います。
ここからは、比較のなかでも注意しておきたい比較構文を確認していきます。
1つ目のパターンは「~より多く(以上に)~である」という文です。
基本的には「数量・程度・感情」が何かを上回っていることを表します。
例文:She has more than 100 books.
訳:彼女は100冊以上の本を持っている。
数に対して使うと「〜より多い」「〜以上」という意味になります。
例文:I am more than happy to help you.
訳:あなたを助けられて本当にうれしいです。
「more than + 形容詞」で「単なる〜を超える=とても〜だ」という強調の意味になります。
「more than」の反対で、数量や程度が基準より下であることを表します。
数量的な「〜未満」「〜より少ない」と訳すことができます。
例文:They have less than 10 minutes left.
訳:彼らにはあと10分も残っていない(10分未満だ)。
程度的な「〜ほど〜でない」という意味もあります。
例文:This movie is less exciting than the last one.
訳:この映画は前作ほどワクワクしない。
また、注意しておきたいのが、不規則変化の比較級を使っている時に、他の比較級を同時に使わないという点です。
3つ目に注意しておきたいのは、the+比較級という構文です。
例文とともに見ていきましょう。
例:Ken is the taller of the two.
訳:ケンは2人のうちの背の高い方だ。
この文の中ではtheが使われています。
なぜtheを使うのかというと、theには共通認識というニュアンスがあるからです。
上記の文章の場合だと、目の前に2人がいてすぐにわかるという状況があって、それを伝えるためにtheが使われています。
そうした共通の感覚を出すためにthe+比較級という構文が使われている例です。
次は、「the+比較級~,the+比較級~」の構文をみてみます。
例:The higher we climb up, the thinner air becomes.
訳:私たちが高く登るほど、空気はますます薄くなる。
こちらの例では「the+比較級~,the+比較級~」という形が使われています。
この訳は「~すればするほど、ますます~になる」です。
いわゆる比例、反比例の関係を表す構文であるとも言えます。
上記の文の場合は「登れば登るほど」「空気が薄くなる」ので比例を表しています。
この構文では比較級が主語よりも前に来ることに注意してください。
5つ目の構文を紹介します。
まずは例文からみていきましょう。
例:I like her all the better for her faults.
訳:私は彼女の欠点のためにいっそう好きになる。
このパターンでは「all the + 比較級 + for / because + S + V」という形が用いられています。
この構文を使うことによって、「for/because以下のSVがあればあるほどいっそう(形容詞/副詞)になる」という言い方ができます。
この構文は理由を伴って比較を強調できます。
ここでのforとbecauseの使い分けは、後ろが名詞のかたまりだけなら前置詞であるfor、S + Vのときは接続詞であるbecauseと覚えておくと良いでしょう。
上記の文をbecauseで書き換えると下のようになります。
I like her all the better because she has faults.
訳:私は彼女の欠点があればあるほど好きになる。」
最後に見ておきたいのが、ラテン比較級と呼ばれる特殊なパターンです。
ラテン比較とは、ラテンと名前に入っているようにラテン語が元になっている比較級のことを表します。
普通の比較級では~er thanを使いますが、ラテン比較級では~or toを用います。
以下で例文と用法を見ていきましょう。
例:My mother is four years senior to my father.
私の母は父よりも4歳年上です。
例文中のsenior toは「AはBよりも歳を重ねている」という意味の構文です。
junior toという表現を使えば反対の「AはBよりも若い」という文章を作ることができます。
例:Your essay is superior to mine.
あなたの作文は私のものより優れている。
superior toというのは「AはBよりも優れている」という意味を表す構文です。
こちらも反対の意味であるinferior to「~より劣っている」とセットで覚えておくようにしましょう。
例:I prefer going out to staying home.
私は家にいるよりも出かけるのが好きだ。
上記の文ではpreferという比較の語が動詞として使われています。
ここではpreferは「AよりもBを好む」という意味です。
英語はまず最初に結論を伝え、自分が伝えたいことを先に述べるという性質があります。
そのため、上の文章ではgoing outが先に来ることで好みであるということが強調されています。
✔all the+比較級+for/because~「~だから一層~だ」
✔the+比較級~,the+比較級~「~すればするほどますます~」
✔prefer A to B「AよりもBを好む」
では、比較級の問題演習に取り組みましょう。
次の文章を日本語に合うように( )に適切な単語を埋めなさい。
1)私のカバンは2つのうちの明るい方です。
My bag is( )( )of the two.
2)私の時計はあなたのほど高価ではない。
My watch is( )( )( )yours.
3)このスマホはあのスマホより劣っている。
This smart watch is ( )( )that one.
4)彼はリンゴよりオレンジが好きだ。
He( )apples( )oranges.
いかがでしょうか。
では、解答を見てみましょう。
1)My bag is the brigher of the two.
2)My watch is less expensive thanyours.
3)This smart watch is inferior to one.
4)He prefer apples to oranges.
基本から応用まで幅広い問題ですので、何度も解いて比較級を基礎から固めていきましょう。
✔比較級は2つの物や人を比べるときに使い、「than」を用いて差を表す
✔「the+比較級+of the two」は、「2つのうちでより〜な方」という意味になる
✔「prefer A to B」や「inferior to」など、比較級の形をとらない比較表現にも注意が必要
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今回は、高校英語での比較級について解説しました。
比較級では、基本的なerを使ったもののほかにless than、the+比較級、ラテン比較級などの注意すべき構文があります。
これらは受験や定期テストにも頻出する構文なのでしっかりと抑えることで、文法をマスターすることができるでしょう。
学習サポートを活用して、英語を得意教科にしていきましょう。
「比較級」に関してよくある質問を集めました。
原級の形容詞・副詞の音節数、もしくは文字数で判断しましょう。音節数で判断する場合には、単語の中での切れるところ(例:beau-ti-ful)が2つ以上ある場合にはmoreが必要な場合が多いです。簡単に判断するには文字数で数えるのがいいでしょう。6文字以上の場合にはmoreをつける場合が多いですが、例外もあるので注意しましょう。比較級の詳細はこちらを参考にしてください。
asを使った比較級のことを原級比較級と呼びます。比較で使う場合にはasの後ろは原級になります。as を比較で使う場合、先行詞のasは副詞となり、「同じくらい」という程度を表すため、後ろの形容詞・副詞は変化しません。原形を使った比較級についてはこちらを参考にしてください。