「高校に上がってから数学が難しくなった!」
「受験に備えて数学の基礎を見直したい!」
そんな悩みを抱えた高校生も多いのではないでしょうか。
高校数学では中学よりもさらに難解な単元が待ち構えています。
しかしその多くはコツさえ掴んでしまえば抵抗感なく取り組めるものです。
本記事では、数学A「整数の性質」の単元のポイントやコツを徹底解説しています。
■まとめ
高校数学の基礎として「整数の性質」は非常に重要な単元です。
中でも重要なキーワードとなるのが「約数」と「倍数」です。
二つの整数aとbについて、aがbで割り切れる時に「bはaの約数である」、同時に「aはbの倍数である」と言うことができます。
言葉が難解になっただけで、仕組みとしては小学校二年生で学習する九九にも通ずるものがあります。
2の段を例に考えてみましょう。
2の段で導き出すことのできる数字はすべて2の倍数です。
4や8、10や12など、これらはすべて2の倍数であると言えます。
反対に2の段で導き出されるすべての数は、当然ながら2で割り切ることができるので、2はこれらの数の約数であると言うことができるのです。
こうして考えると「約数」も「倍数」もあまり難しくないことがわかるはずです。
しかしながら高校数学では、約数や倍数を使ってさらに高度な問題を解くことになります。
「整数」という言葉について理解を深めておく必要があるのです。
では、「整数」とは一体どのような数のことを指しているのでしょうか。
整数とは、小数、分数以外の正の数と負の数、そして0のことです。
整数の性質について理解するためにまず知っておかなければならないのは、「素数」という概念です。

素数とは、正の整数(=自然数)の中で自分自身と1以外に約数を持たない数のことを指します。
具体的な例を挙げると、2や3、7や11が当てはまります。
簡単に言えば、1とその数以外で割り切れない数が「素数」ということになります。
そして、すべての正の整数は、必ず素数のみで構成されるかけ算で表すことができるのです。
たとえば8は2×2×2で表すことができます。
45なら3×3×5、1680なら2×2×2×2×3×5×7、というように、すべての正の整数は素数のかけ算のかたちに分解することができるのです。
しかしながら、正の整数は無限に存在します。
数が大きくなれば大きくなるほど、素数のみのかけ算に分解するのは困難です。
そこで用いられる方法が素因数分解です。

中学3年生の数学で習いますが、小学6年生で公約数や公倍数の学習をした際に習ったという人も多いのではないでしょうか。
ここでは「360」という整数を例に素因数分解のやり方をおさらいしましょう。

これが素因数分解の手順です。
左側に書いた素数をすべてかけると元の整数を導くことができます。
従って360=2³×3²×5、というように表すことができるのです。
素因数分解を用いることで、例えば公約数や公倍数を簡単に探すことができます。
公約数とは二つの整数に共通する約数のこと、同じように公倍数とは二つの整数に共通する倍数のことです。
素因数分解を扱うときに必ずといってもいいほど耳にするのが、「最大公約数」そして「最小公倍数」という言葉です。
前述の通り公約数とは「二つの整数に共通する約数」のことで、公倍数とは「二つの整数に共通する倍数」のことです。
たとえば6と4であれば、どちらも2で割ることができます。
したがって、2は6と4の公約数であると言えます。
同様に12は6の倍数でありかつ4の倍数でもあるので、6と4の公倍数であるということができるのです。
最初に最大公約数について解説します。
「最大公約数」とは二つの整数の公約数のうち最大のもののことを指しますが、単純に考えて最大公約数を見つけるのは至難の業です。
見落としも多くなりますし、整数が大きいと途方もない作業になります。
たとえば「6と12の最大公約数は?」程度であれば、それぞれの約数を書き出してみるのもいいかもしれません。
しかし「360と2700の最大公約数は?」と聞かれてしまうと、約数を書き出すにもかなり時間がかかります。
そこで使えるのが素因数分解です。
そこで使えるのが素因数分解です。
「360と2700の最大公約数は?」という問いで試してみましょう。

この例題の場合、記号の外に縦方向に書かれている素数は3と5です。
したがって、360と2700の最大公約数は2²×3²×5=180となります。
このように、最大公約数は素因数分解を応用することで簡単に求めることができます。
続いて最小公倍数について解説します。

「最小公倍数」とは、前述のように二つの整数の公約数のうち最小のもののことです。
こちらも最大公約数と同じく、単純に考えると見落としが起こる可能性があります。
しかし最小公倍数も、素因数分解を用いることで確実かつ簡単に求めることが出来るのです。
早速例題で試してみましょう。
例題:360と2700の最小公倍数は?
やるべきことは最大公約数を求めたいときとほとんど変わりません。
注意すべき点は、最小公倍数を求めたいときは記号の外側にある整数をすべてかけるということです。
この例題の場合、記号の外側にある整数は2と2と3と8です。
したがって、360と2700の最小公倍数は2³×3³×5²=5400となります。
最大公約数や最小公倍数を求めるとき、二つ以上の整数で素因数分解をすることになります。
その際気をつけなければならないことは、素因数分解の最下部に残された二つの整数が「互いに素である」ことです。
「互いに素である」というのは、言い換えると対象である二つ以上の整数に公約数が存在しない状態のことです。
この状態のことを数学用語で「互いに素である」と言います。
たとえば、7と10には公約数がありません。
したがって「7と10は互いに素である」と言うことができます。
では6と8ではどうでしょうか。
6と8はどちらも2で割り切ることが出来るため、公約数を持ちます。
つまり「6と8は互いに素である」という表現は誤りとなります。
二つ以上の整数の素因数分解をしたときには、最後に残った整数が必ず互いに素でなければいけません。
もし残った整数が互いに素の関係になければ、最大公約数や最小公倍数の計算にずれが生じてしまいます。
前段でご紹介した素因数分解を利用して、約数の個数や総和を求める問題が良く出題されます。
以下では、それぞれの求め方を公式と例題とともに解説します。
約数の個数を求める公式は以下になります。
自然数Nを素因数分解した結果がN=paqbrc・・・のとき、Nの約数の個数は
言葉だけだと分かりづらいので、実際に240の約数の個数を求めながら解き方を学んでいきましょう。
まずは240を素因数分解してみましょう。
➡240=24×31×51
素因数分解が完了したら、それぞれの指数を先ほどの公式に当てはめます。
➡(4+1)(1+1)(1+1)=20
以上より、240の正の約数は20個と求めることができます。
続いて、約数の総和の求め方を解説します。
約数の総和とは、文字通り約数をすべて足したもので、例えば8の場合は、約数である1,2,4,8を足した15になります。
公式は以下の通りです。
自然数Nを素因数分解した結果がN=paqbrc・・・のとき、Nの約数の総和は
これだけだと理解できない方も多いでしょうから、この公式を使いながら、先ほど同様、240の約数の総和を求めていきましょう。
まずは先ほどと同様に素因数分解をします。
➡240=24×31×51
続いて、求めた数字を先述の公式に当てはめていきます。
➡(1+21+22+23+24)(1+31)(1+51)=744
以上より、240の約数の総和は744と求めることができます。
CHECK
ここまでは素因数分解を活用して最大公約数や最小公倍数を求める方法について解説してきました。
ここからはもう一つ、最大公約数を求める方法をご紹介します。
それが「ユークリッドの互除法」と呼ばれる解法です。
ユークリッドの互除法は、割り算の商と余りを利用して最大公約数を求める方法です。
シンプルな素因数分解と比べて慣れるまでは少し複雑に感じるかもしれませんが、ユークリッドの互除法はセンター試験では頻出でした。
したがって共通テストに臨む際にもぜひおさえておきたい内容です。
ユークリッドの互除法とは、二つの整数を使った割り算の商と余りの関係を利用して、対象となる二つの整数の最大公約数を求める方法です。
二つの自然数aとbについて、aをbで割ったときの商をq、余りをrとします。
この場合、aとbの最大公約数はbとrの最大公約数と等しくなる、という定理があります。
たとえば35と14を例に考えてみると、35÷14=2あまり7になります。
上記の定理に当てはめると、35と14の最大公約数は14と7の最大公約数と等しくなるということです。
実際35と14の最大公約数と14と7の最大公約数は、等しく7になります。
この定理を用いたのがユークリッドの互除法です。
二つの自然数aとbの最大公約数を求める場合、最初にaをbで割ります。
この時商がq、余りがrになります。
続いてbをrで割り、商q1とあまりr1を求めます。
続いてrをr1で割り、商q2とあまりr2を求めます。
この操作を繰り返すと、必ず余りが0になります。
その時の割る数が、aとbの最大公約数です。
それでは実際に例題を用いて検証してみましょう。
例題:365と105の最大公約数をユークリッドの互除法を用いて答えなさい。
最初に365÷105の計算を行います。
商は3、あまりは50です。
続いて、最初の計算で求めたあまりの数、つまり50で105を割ってみましょう。
105÷50=2あまり5という計算になります。
次の計算も同じく割る数をあまりで割る計算になるので、50÷5の計算を行います。
答えは10、あまりは0です。
つまりこの時点で割り切ることができたということになります。
ユークリッドの互除法では、あまりが0になったときに割る数だった整数が求めるべき二つの整数の最大公約数になります。
よって、365と105の最大公約数は5です。
この解説を式のみで表すと以下の通りです。
365÷105=3あまり50
105÷50=2あまり5
50÷5=10
よって、365と105の最大公約数は5。
素因数分解でも確認してみるとたしかに365と105の最大公約数は5であることがわかります。
このように、ユークリッドの互除法では割り算を利用して任意の二つの自然数の最大公約数を求めることが出来るのです。
CHECK
ユークリッド互除法は覚えてしまえば便利な解法ですが、二つ以上の整数の最大公約数を求めるときや、最小公倍数を求めるときには使うことができません。
そうなると、やはり素因数分解を使うことの方が多くなるでしょう。
しかしながら素因数分解は、シンプルな方法でありながら見落としをする可能性が高い解法でもあります。
たとえば34と85、一見互いに素に見える二つの整数ですが、実はどちらも17の倍数です。
このように「もう約数はないだろうと思っていたら、思いもよらぬところに約数があった」というケースが少なくありません。
そんな見落としを防ぐコツとして、倍数判定法というものがあります。
倍数判定法とは、ある自然数aがどの数字の倍数であるかを判定する方法です。
最も有名なのは2の倍数の倍数判定法です。
下1桁が偶数であれば2の倍数になることは、九九ができれば誰でも知っていることでしょう。
他にも、すべての桁の数を足して3の倍数であれば3の倍数など、よく知られている倍数判定法は多いです。
2や3だけでなく、5や7、11にも倍数判定法があります。
倍数判定法を覚えておくことで、素因数分解における見落としを大幅に減らすことができます。
以下で覚えておくべき倍数判定法を紹介しているので、学習の参考にしてください。
| 倍数 | 判定法 |
|---|---|
| 2の倍数 | 一の位が偶数 |
| 3の倍数 | 各桁の和が3の倍数 |
| 5の倍数 | 一の位が0か5 |
| 7の倍数 | ①一の位から三桁ごとに区切り、交互に加減した結果が7の倍数 例)6104 6−104=–98→−98は7の倍数なので、6104は7の倍数 ②一の位を消した数と、一の位を5倍した数の和が7の倍数 例)6104 4×5=20 610+20=630→630は7の倍数なので、6104は7の倍数 |
| 10の倍数 | 一の位が0 |
| 11の倍数 | 一の位を消した数ー一の位の数が11の倍数 |
| 13の倍数 | 一の位を消した数+一の位を4倍した数が13の倍数 |
| 17の倍数 | 一の位を消した数ー一の位を5倍した数が17の倍数 |
CHECK
「コツさえ掴めば解くことができる」とはいえ、整数の性質は高校数学の中でもかなり厄介な単元のひとつです。
計算自体は単純でも一度聞いただけで仕組みを理解するのは至難の業です。
「整数の性質」についてより深く理解し、マスターしたいなら、やはりプロに教えてもらうのが一番の近道であるといえます。
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「コツさえ掴めば解くことができる」とはいえ、整数の性質は高校数学の中でもかなり厄介な単元のひとつです。
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「整数の性質」に関してよくある質問を集めました。
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ユークリッドの互除法とは、任意の二つの自然数の最大公約数を求める手法の一つです。任意の二つの自然数の最大公約数は、対象の二つの数で割り算を行ったときのあまりと割る数の最大公約数と等しいという定理があります。割る数とあまりの関係性を利用することで、計算によって二つの整数の最大公約数を求めることができます。ユークリッドの互除法についてはこちらを参考にしてください。