偏差値
78.0〜86.0
合格体験記
21件

正解のない場所に、自分の軸を持ち込むこと
東京大学
東京大学に入って最初に驚いたのは、“正解”を言っても誰も褒めてくれないということでした。むしろ「で、君はどう考えるの?」と返される。模範解答の再現ではなく、自分の視点で語る力が求められていることを、最初のゼミで思い知らされました。東進では東大対策に特化したカリキュラムを受講し、過去問の徹底演習と、添削による記述力の向上に力を注ぎました。5と2の記述に特に注力し、“問いにどう向き合うか”という姿勢を作っていったことが、結果的に入試本番でも大きな支えとなりました。入学後は、前期教養課程という枠の中で、あらゆる分野の講義を“自分で選び取る”ことが求められます。私にとってこの自由度の高さは刺激的である一方、常に「選んだ責任」を伴う不安とも隣り合わせでした。理論経済学、認知心理学、学、文化人類学と履修を重ねるうち、知識の整理ではなく“学問の地図”そのものを自分で描いているような感覚に変わっていきました。進学選択で経済学部を選んだ理由は、4の構造と個人の選択がどう結びつくのかを、数理モデルと制度設計の両面から掘り下げられると感じたからです。一方で、周囲には既に明確なキャリアビジョンを持つ人も多く、自分の足元が揺らいだ時期もありました。しかし、そうした迷いも含めて“考え続ける習慣”を支えてくれたのは、学問に対して本気で向き合う仲間の存在でした。現在は官公庁系の経済調査部門に勤めていますが、複雑な課題に対して「唯一の正解が存在しない」状況で方針を定めていく力、そして「自分の言葉で説明する力」は、東大での4年間が形づくってくれたものです。問いに対して逃げずに、自分の軸を持って対話し続ける。それが、今の私の仕事観の原点になっています。
東京大学文化一類で培った官僚としての素養
東京大学
東京大学文科一類での4年間は、将来の国家公務員としての礎を築く貴重な時間だった。法学部政治学科に進学後、国家総合職試験合格という目標に向け、体系的な学びを追求した。 1・2年次の教養課程では、幅広い分野を学ぶ東大ならではのカリキュラムが役立った。特に「法と4」の授業で扱った政策評価の手法は、現在の行政実務に直結している。3年次からは公共政策大学院の科目も履修し、計量経済学を活用した政策分析スキルを磨いた。 国家総合職試験対策では、法学部の「政策演習」が大きな力になった。実際の行政文書を題材にしたグループワークで、官僚として必要な文章作成力と論理的思考力を養えた。同期と自主的に組織した勉強会では、毎週土曜日に模擬試験を実施し、互いにフィードバックをし合った。 課外活動では「政策研究会」の代表を務め、現役官僚を招いた講演会を企画。各省庁の政策形成プロセスを学ぶとともに、人的ネットワークを構築できたことが、現在の本省勤務に生きている。 卒業論文では「地方創生政策の効果測定」をテーマに実証分析を行い、政策の「見える化」の重要性を認識した。この経験は現在、予算要求資料作成時に常に意識しているポイントだ。 東大文化一類で培った「多角的な物事の見方」と「政策を形にする力」は、霞が関で働く私の最大の武器である。学生時代に築いた官僚志望の仲間との絆も、今では大切な同期として職場で支え合っている。