三角比は、高校で新しく学習する分野です。
基礎としている内容は、三平方の定理などの角度に関する内容となっています。
考え方が難しいと感じる方もいる分野ですが、一つひとつ理解を深めていくことで、必ず習得できるようになります。
今回は、三角比とは何かという基本的な内容から、三角比の拡張まで学習していきます。
三角比とは、直角三角形の辺同士の比のことです。
例えば、辺の長さが3,4,5の直角三角形があるとします。
その中の2つの辺を取り出すと、4:5や3:4などの比が作れます。
これらは分数として表すこともでき、4:5の辺同士の比は5分の4と表すことができます。
三角比の種類は3つあります。
直角三角形には、それぞれ辺に名前がついています。
まず直角の向かい側の辺は必ず1個しかないので、ここを斜辺と呼びます。
それ以外の辺は対辺と隣辺と言います。
対辺とは、ある角の向かい側の辺で、隣辺とはある角の隣の辺です。
つまり、対辺と隣辺を明らかにしたい場合は、まず角を指定しなければなりません。
また、先ほどのように、分数を作ることもできます。
斜辺分の対辺がsin、斜辺分の隣辺がcos、隣辺分の対辺がtanとなります。
また、斜辺と対辺、隣辺は記号で表すこともでき、左下の角をAとすると、斜辺がc、対辺がa、隣辺がbとなります。
よって、c分のaがsinA、c分のbがcosA、b分のaがtanAとなります。
では、練習問題を解いてみましょう。
角A、Bのそれぞれのsin、cos、tanを求める問題です。
まず、この三角形における斜辺は13であることがわかります。
次に、角Aに対する対辺は12、隣辺は5となり、角Bに対する対辺は5、隣辺は
12となります。
これに従い、それぞれ計算をすると、
sinA=12/13、cosA=5/13、tanA=12/5
sinB=5/13、cosB=12/13、tanB=5/12
となります。
sinとcos、tanの間には、それぞれ関係があり、それを三角比の相互関係と言います。
相互関係は、ここに挙げる3つの公式を覚えてください。
ただ、3つ目は1つ目を使うと作れます。
作り方は、1つ目の式の両辺をcos²θで割るだけです。
すると、3つ目の式が出てきます。
ただ、相互関係は非常によく使うので、可能であれば問題演習を通して覚えるようにしましょう。
CHECK
ここまで、三角比の定義を勉強してきましたが、三角比の定義を拡張させる必要があります。
その理由は、今までは直角三角形の中の角度について扱っていましたが、そうすると90度よりも小さい角度にしか当てはめることができません。
100度とか200度とか、90度よりも大きい角度に当てはめる場合には、定義を拡張しなければなりません。
ここでは、三角比の拡張の仕方についてご紹介します。
三角比を拡張する際は、単位円を使います。
単位円とは、中心が原点で半径が1の円のことです。
この円の上に、まず1個、適当な場所に点を取り、その名前を点P(x,y)とします。
そして、原点から点Pまで伸びた線分とx軸のプラス側、原点から右側に伸びた直線との間の角をθとします。
このθという文字は、角度を表すときに用いられるギリシャ文字です。
ここで、点Pと原点とを結ぶ線と、点Pからx軸に向けて垂直に降ろした線を引くと、直角三角形が出てきます。
この直角三角形において、三角比を考えてみましょう。
まず、斜辺の長さは、単位円の半径と一致してるはずなので、斜辺の長さは1ですよね
続いて、横の長さは、点Pのx座標がxなので、x。
そして縦の長さも同じように考えると、yであることがわかります。
すると、sinθはy/1=y、cosθ=x/1=xとなります。
この結果から、点Pのx座標であるxとcosθの値は同じであるということがわかります。
同様に、yとsinθの値も同じになります。
すなわち、点Pのx座標とy座標さえわかれば、θが90度よりも大きいときでも三角比の値がわかるということになります。
例えば、θが0度の場合を考えてみましょう。
角度が0度の直角三角形など存在しませんが、三角比を拡張することで三角
比の値を求めることができます。
点Pのx座標は1、y座標は0であることから、sin0°=0、cos0°=1となります。
同じように、θが90°のとき、点Pの座標は(0,1)なので、sin90°=1、cos90°=0となります。
θが180°のとき、点Pの座標は(-1,0)なので、sin180°=0、cos180°=-1となります。
θが270°のとき、点Pの座標は(0,-1)なので、sin270°=-1、cos270°=0となります。
では、もう一歩話を進めて、本格的な三角比の拡張のやり方をお伝えします。
例えば角度が150°の場合を考えます。
この場合、点Pの座標がひと目ではわかりません。
どのように点Pの座標を求めるのかというと、単位円の中に直角三角形を作ります。
点Pと原点とを結ぶ線、点Pからx軸に向けて垂直に降ろした線、およびx軸で直角三角形が作れます。
すると、直角三角形の中の右にある角度が30°となります。
そして、左下の角度が90°なので、左上の角度は60°となります。
これは有名角と呼ばれる角度で、三角定規と同じ形になっています。
この有名角の辺の比は覚えていますか?
一番短いところが1で、一番長い斜辺が2、そしてその他の辺が√3です。
今回、単位円を使っているので、辺の比が2である辺の長さが1となるので、1にあたる
辺の長さが1/2、√3にあたる辺の長さが√3/2となります。
よって、点Pの座標を求めることができます。
x座標は-√3/2、y座標は1/2となります。
従って、sin150°=1/2、cos150°=-√3/2となることがわかります。
では、ここで練習問題に挑戦しましょう。
次の3つの三角比の値を求めてみてください。
⑴ sin210°
⑵ cos120°
⑶ tan315°
できましたか?解答と解き方をお伝えします。
⑴ sin210°
点Pと原点、x軸で直角三角形を作ると、有名角の直角三角形になります。
1:2:√3の比になるので、x座標は-√3/2、y座標は-1/2となります。
よって、sin210°=-1/2となります。
⑵ cos120°
⑴と同様の手順で進めると、これも有名角の直角三角形であることがわかります。
よって、x座標は-1/2、y座標は√3/2となるので、cos120°=-1/2となります。
⑶ tan315°
これは⑴、⑵と比べるとやや難しい問題です。
今までと同じように直角三角形を作ってみると、⑴、⑵とは異なる有名角の直角三角形になります。
45°の直角三角形の辺の比は、1:1:√2です。
これをもとに座標を調べると、点P(1/√2,-1/√2)となるので、sin315°=-1/√2、cos315°=1/√2となります。
ここで、三角比の相互関係を思い出すと、tan315°=sin315°/cos315°で求めることができます。
計算をすると、tan315°=-1となります。
CHECK
三角比のおすすめの勉強法は、基本的な問題を繰り返し解くことです。
早く応用問題を解きたいという方もいるかもしれませんが、基礎が定着していない状態で解いてもあまり意味がありません。
まずは、基本的な問題を何度も繰り返し学習することで、基礎をマスターしましょう。
三角比のおすすめの勉強法は、以下の範囲の問題を何度も練習することです。
まずはこれらの問題で基礎力をつけましょう。
三角比は解き方を理解して、繰り返し練習をすれば、必ず解けるようになる分野です。
焦って応用問題に手を出しても、基礎が身についていなければ、効果はほとんどありません。
基礎的な問題を何度も何度も繰り返し学習し、完璧にマスターできるまでは応用問題には進まないでください。
CHECK
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CHECK
今回は、三角比の解き方について解説しました。
三角比の拡張など、話がやや複雑な部分もありますが、1つずつ理解をすることが大切です。
1つずつ理解をしていき、基礎問題を繰り返し何度も解けば、必ず習得することができるようになります。
ぜひ基礎が習得できたら、共通テストレベルの応用問題にもチャレンジしてみましょう。
「三角比」に関してよくある質問を集めました。
三角比では、90°以下の角度しか扱うことができないため、三角比を拡張することでそれ以上の角度についても扱うことができます。三角比の拡張は単位円を使い、単位円の中に直角三角形を作ることでsinθとcosθの値を求めます。三角比の拡張の詳細はこちらを参考にしてください。
三角比の相互関係には、3つの公式がありますが、少なくとも2つの公式については覚える必要があります。また、3つ目の公式は1つ目の公式から導出することもできますが、頻繁に使う公式であるため、できるのであれば覚えることをおすすめします。相互関係の公式についてはこちらを参考にしてください。