図形というと苦手なイメージを持つ方が多いと思います。
特に、計算問題ばかりを練習してきた方にとっては、図形の問題は一つの関門と言えるでしょう。
もちろん、高校数学でも図形の問題はあります。
特に、新しく学習する定義や性質がたくさんあるので、それらを記憶するのに少し手間取るかもしれません。
今回は、「三角形の五心」について、一つずつその定義や性質をお伝えしていきます。
ぜひ最後までお読みください。
図形の性質では、各図形の性質の知識を習得することが大事なので、その知識について説明していきます。
それでは最初に、三角形の五心について説明しましょう。
三角形の五心とは、五つの三角形に関する中心のようなものです。
三角形の五心とは、次の5つです。
それぞれどんなものなのか、詳しく解説します。
まずは、三角形の内心について解説します。
内心とは、三角形の内接円、内側に接する円の中心です。
三角形の内心には、各頂点から伸ばした直線がそれぞれの角を二等分するという性質があります。
このようにそれぞれ三角形の五心は、その点の作り方と、その点の持っている性質、という2つの角度から覚えていくのが重要です。
続いて、三角形の外心について解説します。
三角形の外心とは、各頂点に接する円である外接円の中心です。
この外心から各頂点に線を伸ばすと、その線は全て外接円の半径となるので、同じ長さとなります。
また、外接円はあともう1個の性質があり、外心から各辺に垂線を伸ばすと、その垂線は必ず各辺を二等分するという性質があります。
少しわかりにくいかもしれないのですが、この性質はよく受験でも使われるので、覚えておいてください。
次に、三角形の重心について解説します。
重心とは、日常でもたまに聞く言葉かもしれませんが、各頂点から対辺の中点に向かって引いた線が交わる点のことです。
重心の性質は、頂点から重心に向かう線分の長さと重心から対辺に向かう線分の長さがちょうど2対1の長さになることです。
続いて、三角形の垂心について解説します。
垂心の「垂」とは、垂直の「垂」という字ですね。
この字のごとく、各頂点から対辺に向かって垂直な線、垂線を伸ばしたその交点が垂心です。
垂心の性質は2つあります。
やや難しいのですが、きちんと理解をしておきましょう。
1つ目は垂心と頂点を結んだ線を対角線とする四角形が3つ描けますが、この四角形はすべて円に内接します。
三角形は、その性質上必ず円に内接するのですが、四角形は必ずしも円に内接するとは限りません。
ただ、垂心を使って作られた三つの四角形であれば、必ず円に内接します。
2つ目の性質は、各頂点から対辺に平行な直線を引いて、その三つの直線が交わった点を結んでできる、もっと大きな三角形を考えたとき、その三角形において、垂心は三角形の外心となることが挙げられます。
少しややこしいのですが、元々の三角形の垂心が、後から描いた拡大した三角形では外心となるのです。
難しいと感じる方もいるかもしれませんが、入試でよく使う考え方なので、必ず覚えておくようにしましょう。
最後に解説するのは、三角形の傍心です。
傍心の「傍」というのは、「傍ら」という字です。
傍心とは、各辺をまず伸ばし、各辺の延長線2本と元々の辺の3本の線に接する円を3種類描き、その3つの円の中心のことを指します。
つまり、傍心だけは3つ存在することになります。
傍心の性質は、各頂点から傍心に伸ばした線は外角を2等分しているというものです。
CHECK
ここまで、三角形の五心をそれぞれ解説してきました。
理解できていない部分は、もう一度戻って再度理解を図ってみてください。
三角形の五心は、点の作り方と性質をセットで覚えることが非常に重要になります。
そこで、もう一度三角形の五心の作り方と性質をまとめてみます。
作り方 | 性質 | |
---|---|---|
内心 | 三角形の内接円、内側に接する円の中心 | 各頂点から伸ばした直線がそれぞれの角を二等分する |
外心 | 各頂点に接する円である外接円の中心 | ①外心から各頂点に線を伸ばすと、その線は全て外接円の半径となるので、同じ長さとなる。②外心から各辺に垂線を伸ばすと、その垂線は必ず各辺を二等分する |
重心 | 各頂点から対辺の中点に向かって引いた線が交わる点 | 頂点から重心に向かう線分の長さと重心から対辺に向かう線分の長さがちょうど2対1の長さ |
垂心 | 各頂点から対辺に向かって垂直な線、垂線を伸ばしたその交点 | ①垂心と頂点を結んだ線を対角線とする3つの四角形が全て円に内接する②各頂点から対辺に平行な直線が交わった点を結んでできる三角形の外心となる |
傍心 | 各辺の延長線2本と元々の辺の3本の線に接する3つの円の中心 | 各頂点から傍心に伸ばした線は外角を二等分する |
ぜひ、ここに書いた内容を自分のノートにも記してみましょう。
ノートに書くという行為を行うことで、読んでいるだけ見ているだけの時よりも、圧倒的に記憶に定着しやすくなります。
書く行為は少し時間がかかるので、中にはもったいないと感じる方もいるかもしれません。
ただ、書くという行為は強力な力を発揮するので、かけた時間を十分に回収するだけの効果が得られます。
ぜひ一度、騙されたと思ってノートにこれらを書き出してみてください。
それではここで、1つ練習問題を解いてみましょう。
「三角形ABCの重心、外心、内心、垂心のうち2つが一致すれば、三角形ABCは正三角形であることを証明する」
難しい問題になっているので、解けなくても構いません。
解法を見て、理解できるように努めてください。
問題の解答解説です。
できましたでしょうか?
以下に、証明の解法を記しておきます。
解けた人も解けてない人も、解法をきちんと読んで理解するようにしましょう。
まず図⑴のように頂点Aの中線をAM、重心をG、図⑵のように角の二等分線をAD、内心をI、図⑶のように垂線をAE、垂心をHとします。
外心Oは辺BCの垂直二等分線上にあります。
O=Gの場合、AMが辺BCの垂直二等分線であるから、AB=ACとなります。
同様にして3辺は等しいことが分かります。
O=Iの場合、IA=IB=ICであり、三角形IAB、三角形IBC、三角形ICAは二等辺三角形、それらの底角が等しいから、3頂角が等しくなります。
O=Hの場合、AEが辺BCの垂直二等分線になるから、O=Gの場合と同じです。
G=Iの場合、D=M、また定理によりAB:AC=BD:CDであり、AB=AC。
同様に3辺が等しくなります。
G=Hの場合、M=Eとなり、O=Hの場合と同様、I=Hの場合、三角形ABEと三角形ACEについて、直角三角形でAEが共通、∠BAE=∠CAEであるから、
三角形ABE≡三角形ACE、AB=AC、同様に3辺が等しくなります。
CHECK
三角形の五心のおすすめの勉強法は、知識をノートにまとめ、記憶することです。
今回学習した内容は、理解するだけでなく記憶をすることが非常に大切になります。
そのため、問題演習を解くだけでなく、きちんと出てきた定義や性質を暗記し、実践問題で使えるようにしましょう。
ノートにまとめたり何も見ずに人に説明したりするなどして、確実に覚えられるような工夫をすることが大切です。
三角形の五心のおすすめの勉強法は、以下の問題集の範囲を繰り返し学習することです。
定義や性質を暗記した後は、問題演習で使えるようにしなければなりません。
どのような形で出題されるのか、どのように三角形の五心を使用していくのかを経験しておくことが大切です。
ぜひ、定義や性質を暗記するだけで終わらず、問題演習にも挑戦してみてください。
CHECK
三角形の五心を勉強するなら「家庭教師のアルファ」がおすすめです。
対象 | 幼児・小学生・中学生・高校生 |
---|---|
授業形式 | 家庭教師 |
特徴 | プロの家庭教師がオーダーメイドカリキュラムに沿って完全個別指導 |
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また、家庭教師のアルファでは、学校の教科書などと連動した教材を使用しています。
学校と連動した教材を使うことで、日頃の授業の理解度が向上したり、定期試験の成績が向上したりする効果が望めます。
入学試験への勉強も、日頃の勉強は定期試験に向けた勉強の延長線上にあるので、こうした日頃の学習を馬鹿にせず、コツコツ継続していくことが大切です。
家庭教師のアルファでは、そのサポートを全力でしてくれます。
家庭教師のアルファの料金は、以下の通りです。
コース | 月間指導料金(税込) |
---|---|
小学生コース | 8,800円~ |
中学受験コース | 11,440円~ |
中学生コース | 8,800円~ |
中高一貫コース | 11,440円~ |
高校生コース | 12,320円~ |
あるふぁるふぁ(幼児)コース | 9,900円~ |
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なので、後から講師との相性が合わないなどの不安が全額返金保証のおかげで無くせるでしょう。
小学生コースの指導内容は、以下の通りです。
コース名 | 対象学年 | プラン例 |
---|---|---|
小学生コース | 小学生 | やる気アップ |
学習習慣付け | ||
中学受験コース | 中学受験対策 | |
基礎学力向上特訓 |
学校のサポート以外にも中学受験に向けた対策も可能になるので、中学受験に向けた学習や対策を行いたいお子さまにもおすすめです。
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無料で体験レッスンが受けられるので、気になる方は一度受けてみるといいでしょう。
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CHECK
今回は、三角形の五心について解説しました。
本記事の中でご紹介した五心の作り方や性質はきちんと記憶しましょう。
確実に記憶をすることで、多くの問題に取り組めるようになります。
また、記憶するだけでなく問題演習も重ねることで、着実に知識が定着できますので、今回ご紹介した問題集の範囲を繰り返し解いてみてください。
「三角形の五心」に関してよくある質問を集めました。
ぜひ、作り方だけでなく定理も一緒に覚えましょう。それぞれの点に、1つか2つの定理があります。作り方とセットで覚えることで、いろんな問題に応用して使うことができます。ノートにまとめたり暗唱したりするなど工夫をして暗記しましょう。 三角形の五心の定理の詳細はこちらを参考にしてください。
三角形の五心では、作り方と定理を覚えることがとても大切です。しかし、問題演習も行う必要があります。せっかく作り方や定理を覚えても、問題演習をしておらず、どのように問題で使えば良いのかわからなければもったいないです。ある程度暗記できたら、問題演習を繰り返し、どんな形で使われることが多いのかを知ることが大切です。三角形の五心の問題演習についてはこちらを参考にしてください。