更新日 2023.5.11

原級比較とは?役割とともに比較級の慣用表現を例文を用いて解説

高校英語の長文や穴埋め問題で頻出する比較の慣用表現

比較は公式なども多く、種類が多くて覚えきれないと悩んでいる方もいるかもしれませんが、一度覚えればパズルのように問題を解いていくことができます。

今回は比較級原級比較の慣用表現について、例文を用いてわかりやすく解説します。

また、クジラ構文など、比較級でつまずきやすい表現についても触れていきます。

ステップ良く理解できるように初級編・中級編・発展編の3つに分けて詳しく解説するので、ぜひ最後までお読みください。

原級比較とは?|例文を用いて解説

原級比較の「原級」は「形容詞や副詞のそのままの形」のことを指します。

では、実際に原級比較にはどのようなパターンがあるのかをみていきましょう。

原級比較の基本のパターン

原級比較の基本のパターンは大きく2つあります。

no 原級 as

1つ目は「no 原級 as」「〜と同じくらい」という意味になります。

以下の例文をご覧ください。

例)I can swim as fast as him.「私は彼と同じくらい速く泳ぐことができる」

as fast as「同じくらい速く」と訳します。

not as 原級 as

2つ目は「not as 原級 as」「〜ほど〜ない」という意味になります。

また、「as」の間に「形容詞+名詞」が挟まれる場合は、「as+形容詞+a(an)+名詞+as」の順番になるので注意してください。

以下の例文をご覧ください。

例)He is not as tall as you.「彼はあなたほど背が高くない」

例)Japanese is as important a subject as English.「国語は英語と同じくらい重要な科目です」

CHECK

  • 原級比較の「原級」は「形容詞や副詞のそのままの形」を指す
  • 「no 原級 as」で「〜と同じくらい」という表現になる
  • 「not as 原級 as」で「〜ほど〜ない」という表現になる

原級比較の慣用表現

続いて、原級比較の慣用表現について初級編・中級編・発展編の3つの構成で解説します。

初級編

初級編として、基本的な慣用表現である以下の3つをご紹介します。

  • 「X times as 原級 as」
  • 「that of」を使う表現
  • 書き換えの表現

X times as 原級 as

「X times as 原級 as」「(AはBの)X倍の〇〇だ/X倍の多さの何かを持っている」という慣用表現になります。

以下の例文をご覧ください。

例)Mary has about four times as many DVDs as I have.「メアリーは私の4倍の多さのDVDを持っている」

上の文章の「many DVDs」のように名詞を比べるとき「as many+名詞 as」の形にします。

合わせて、以下の単語も覚えておきましょう。

  • 2倍→twice
  • 半分→half
  • 4分の1→quarter

「that of」を使う表現

「A of〜」という形は「that of〜」という代名詞を使うことができます。

以下の例文をご覧ください。

例)The population of this country is half as large as that of china.「この国の人口は中国の人口の半分だ」

この例文の「that of」はその前にある「The population of」の代名詞となっています。

  • #

    この表現は入試問題でも頻出するのでしっかりと押さえておきましょう。

書き換えの表現

原級比較には書き換えのパターンもいくつか存在します。

以下の例文をご覧ください。

例)This library is twice as large as that one.

この文章で使われている「as large as」「the size of」に書き換えることができます。

したがってThis library is twice the size of that one.となります。

書き換えの別のパターンもみてみましょう。

例)You have to finish it as soon as possible.「あなたはそれを可能な限り早く終わらせなければならない」

可能という意味を持つ「possible」「S(主語)can」に書き換えることができます。

したがってYou have to finish it as soon as you can.となります。

中級編

続いて、中級編として以下の慣用表現をご紹介します。

  • not so much A as B
  • not so much as 原型
  • notをwithoutと表現する構文
  • 強調表現
  • as many A

not so much A as B

「not so much A as B」「Aではない、むしろBだ」という慣用表現です。

以下の例文をご覧ください。

例)He is not so much an actor as a singer.「彼は役者というより歌手だ」

その他にも「not A so much as B」「B rather than A」で書き換えることができます。

これらの表現も一緒に覚えておきましょう。

not so much as 原型

「not so much as 原型」「〜さえしない」という慣用表現です。

以下の例文をご覧ください。

例)I could not so much as see his face then.「私はそのとき彼の顔すら見ることができなかった」

「could」があるので「顔すら見ることができなかった」と訳します。

notをwithoutと表現する構文

notをwithoutと表現する構文もあります。

以下の例文をご覧ください。

例)He is hanging out without so much finishing his homework.「彼は自分の宿題を終わらせないで遊びに行っている」

「hanging out」「遊びに行く」という意味で、この文は「not」を「without 」に変えています。

強調表現

「As many as」を文の頭に持ってくることで「なんと、これぐらいの多さの(強調)」という強調表現になります。

以下の例文をご覧ください。

例)As many as ten students haven’t finished their homework.「10人もの生徒が宿題を終わらせていない」

この文では、「As many as」を「10人もの生徒が」と強調して訳しています。

as many A

「as many A」「(前の文章と)同じ数の」という慣用表現です。

以下の例文をご覧ください。

例)He made five mistakes in as many lines.「彼は5行につき5つの間違いを犯した」

前に「5つの間違い」とあるので同じ数の「5行」と訳します。

発展編

発展編では、以下の慣用表現について解説します。

  • as good as
  • as 原級 as can be
  • as 原級 as any
  • as〜as ever lived
  • everを用いる表現

as good as

「as good as」「〜と同じくらいのレベル」という慣用表現です。

以下の例文をご覧ください。

例)I am as good as dead.「私は死んだも同然である」

この例文を直訳すると「私は死んだという状態と同じレベルくらいである」となります。

as 原級 as can be

「as 原級 as can be」「(主語が)なり得る1番の状態と同じくらいの〇〇」という慣用表現です。

以下の例文をご覧ください。

例)He was as glad as could be.

この文は「彼は最高に幸せな状態である」「彼は最高に嬉しい状態である」というように訳すことができます。

as 原級 as any

「as 原級 as any」「どんな人と比べても同じくらい〇〇」という慣用表現です。

以下の例文をご覧ください。

例)Ken is as intelligent as any.「ケンは他のどんな人にも劣らず賢い」

“as intelligent as any”「どんな人と比べても同じくらい賢い」と直訳できます。

as〜as ever lived

「as〜as ever lived」「今まで生きてきたどんなすごい人と比べてみても引けを取らないくらい〇〇」という慣用表現です。

以下の例文をご覧ください。

例)The man is as great as actor as ever lived.「彼は他のどの人にも引けを取らないくらいすごく良い役者だ」

“as great as actor as ever lived”「他のどの人と比べてみても引けを取らないくらい良い役者」と直訳できます。

everを用いる表現

「ever」を用いる慣用表現も覚えておきましょう。

以下の例文をご覧ください。

例)John is as busy as ever.「ジョンは相も変わらず忙しい」

「ever」「今まで」という意味なのでこの例文は「ジョンは今までと同じくらい忙しい」というニュアンスになり、「相変わらず忙しい」という訳し方になります。

CHECK

  • 原級比較の覚えたい慣用表現は全部で14個
  • 書き換え問題が入試に頻出する
  • 1回直訳をしてから自然な訳し方にすると理解しやすい

比較級とは?|例文を用いて解説

英語の比較級は原級比較比較級最上級の3つに分けることができます。

ここまでは、その中の1つである原級比較の使い方や慣用表現について解説しました。

続いて、残りの2つの比較級と最上級について解説します。

比較級

  • #

    比較級「AはBよりも〜だ」2つのものを比較するときに使います。

英文の形としては「主語(A)+動詞+形容詞/副詞-er than〜(B)」となります。

では、例文とともに比較級の基本的な作り方を2つみていきましょう。

erを使った比較級

1つ目は「主語+動詞+形容詞/副詞-er than〜」の形の比較級です。

以下をご覧ください。

  • tall-taller(高い-より高い)
  • small-smaller(小さい-より小さい)
  • short-shorter(短い-より短い)

このように、短い形容詞や副詞は語尾に「er」をつけます。

実際に例文をみてみましょう。

例)My father is taller than me.「私の父は私より背が高い」

短母音と子音で終わる語の場合は、語末の子音を重ねて「er」をつけるので注意しましょう。

  • hot-hotter(暑い-より暑い)
  • big-bigger(大きい-より大きい)

"moreを使った比較級

2つ目は「主語+動詞+more+形容詞/副詞 than〜」の形の比較級です。

以下をご覧ください。

  • famous-more famous(有名な-より有名な)
  • slowly-more slowly(ゆっくりと-よりゆっくりと)

このように、基本的に2音節以上を使った長めの形容詞や、「形容詞+ly」の形になっている副詞の前では「more」を使います。

実際に例文をみてみましょう。

例)My dog is more adorable than others.「私の犬は他の犬よりも愛らしい」

比較級はその他にも不規則変化をする単語もあるのでしっかり覚えるようにしましょう。

最上級

最上級「もっとも〜だ」3つ以上のものを比較するときに使います。

英文の形としては「the+形容詞・副詞+est」もしくは「the most+形容詞・副詞」となります。

では、例文とともに最上級の基本的な作り方を2つみていきましょう。

estを使った最上級

1つ目は「the+形容詞・副詞+est」の形の最上級です。

形容詞・副詞の前にtheをつけるのを忘れないようにしましょう。

以下の例文をご覧ください。

例)Aya is the most smartest in his class.「アヤはクラスで一番賢い」

smartという形容詞にestをつけ、その単語の前にtheをつけます。

また、最上級では「学校で」や「日本で」のようにどの範囲で一番なのかを説明する必要があります。

mostを使った最上級

2つ目は「the most+形容詞・副詞」の形の最上級です。

以下の例文をご覧ください。

例)This bag is the most expensive in this shop.「このカバンはこのお店の中で一番高価だ」

expensiveという単語は長いので、“est”をつけずに「the most」を使います。

最上級も、比較級と同じように不規則に変化する単語があるため、しっかりとチェックしましょう。

CHECK

  • 比較には最上級・比較級・原級比較の3つの種類がある
  • 比較級は「AはBよりも〜だ」という意味になり、主に「主語+動詞+more+形容詞/副詞 than〜」と「主語+動詞+more+形容詞/副詞 than〜」を使う
  • 最上級は「もっとも〜だ」という意味になり、「the+形容詞・副詞+est」と「the most+形容詞・副詞」を使う

比較級の慣用表現

比較級と最上級について理解できましたか?

続いて比較級の慣用表現について解説します。

原級比較と同じように多くの種類があります。

初級編中級編上級編の3つの構成で進めていくので、一つひとつをしっかりと覚えていきましょう。

初級編

初級編では、以下の表現を理解しましょう。

  • 比較級+and+比較級
  • not A much less B
  • know better to do

比較級+and+比較級

「比較級+and+比較級」「だんだん、ますます〜になっていく」という慣用表現です。

以下の例文をご覧ください。

例)It’s getting warmer and warmer.「ますます暖かくなってきている」

「warmer and warmer」は「今より暖かい状態 and さらにより暖かい」というニュアンスなので、「ますます暖かくなってきている」と訳します。

not A much less B

「not A much less B」「Aは出来ない。ましてBなんてもってのほかだ」という慣用表現です。

以下の例文をご覧ください。

例)She can’t speak English,much less French.「彼女は英語を話すことは出来ない。ましてフランス語なんてもってのほかだ」「much less」の他の形で「still less」もあることを覚えておきましょう。

know better to do

「know better to do」もしくは「know better than+S+V」の形で「〜することよりも、より良いことを知っている。だからこそそんな愚かなことはしない」という慣用表現になります。

以下の例文をご覧ください。

例)He knows better than to do such a thing.「彼はそんなことをするほど、愚かではない」

中級編

  • #

    中級編では、no/notの使い分けを理解しましょう。

no/notの使い分け

比較級において、「no/not」の使い方も非常に重要です。

“no”は強い否定 “not”はやや弱めの否定と考えて訳すのがおすすめです。

以下の4つの例文で使い分け方をみてみましょう。

1)I have no more than 100 dollors.「私はたった100ドルしか持っていない」

1の文章を直訳すると「100ドル以上なことは決してない」となり、「no more than」はonlyに書き換えることができます。

2)I have no less than 100 dollors.「私は100ドルも持っている」

2の文章を直訳すると「100ドルより少ないことは決してない」となり、「no less than」は「as many as」に書き換えることができます。

3)I have not more than 100 dollors.「私はせいぜい100ドル持っています」

3の文章を直訳すると「100ドルより多いことは、まあない」となり、「 not more than」は「at most」に書き換えることができます。

4)I have not less than 100 dollors.「私は少なくとも100ドルは持っている」

4の文章を直訳すると「100ドルより少ないことはない」となり、「not less than」は「at least」に書き換えることができます。

この4つの書き換えは入試問題で頻出するので、しっかりと覚えておきましょう。

上級編

上級編では、入試でも頻出のクジラ構文を理解しましょう。

クジラ構文

次に、比較法でつまずきやすいクジラ構文について解説します。

クジラ構文とは「no+more〜than」「no+less〜than」を文中に含む構文です。

クジラ構文では、noがどこを否定するのかに注目するのがポイントです。

以下の2つの例文をご覧ください。

1)A whale is no more a fish than a horse is.「クジラは馬が魚ではないのと同様に、魚ではない」

この文章では、はnoはmoreと thanを否定しています。

“A whale is no more a fish”を直訳すると、「クジラは魚以上なことは決してない」となり、「魚では全くない」というニュアンスになります。

また、thanの意味は「この差はこれほど」となり、それをnoが否定しているので、「それは馬と同様だ」という意味になります。

「no more than」「not A any more than」に書き換えられることも覚えておきましょう。

2)A whale is no less a mammal than a horse is.「クジラは馬と同様に哺乳類である」

2の場合はlessとthanを否定しています。

“A whale is no less a mammal”を直訳すると、「クジラは哺乳類レベルが少ないことは全くない」となり「クジラは哺乳類だ」と訳すことができます。

また、thanも1の文章と同じようにnoで否定されているので「馬と同様だ」と訳すことができます。

「no less than」「not A any less than」に書き換えられることも覚えておきましょう。

CHECK

  • 比較級で押さえたい慣用表現は全部で5つ
  • “no”は強い否定で“not”はやや弱めの否定
  • クジラ構文とは“no+more〜than”、“no+less〜than”を文中に含む構文である

原級比較・比較級の慣用表現の練習問題

では、原級比較・比較級の慣用表現の練習問題に取り組みましょう。

次の文章の日本語に当てはまるように(  )に適切な語を入れなさい。

1)この町の人口は、あの町の人口の半分です。

The population of this town is (  )(  )(  )(  )(  )(  )that town.

2)彼は賢いというより利口だ。

He is (  )(  )(  )wise(  ) clever.

3)100万人もの人々がその試合を見に来た。

(  )(  )(  )a million people came to see the much.

4)彼女は今までのどんな人にも劣らず賢い人物である。

She is(  )(  )(  )(  )(  ) ever lived.

5)彼女はそんな嘘を吐くほど愚かではない。

She (  )(  )(  )(  )(  )such a lie.

6)彼は1000冊も本を持っている。

He has(  )(  )(  )1000 books.

7)最近、英語の試験はますます難しくなってきている。

These days,the examination of English is becoming(  )(  )(  )(  ).

8)私はあなたと同様にその犯罪に関わっていない。

I am(  )(  )concerned in the crime(  )you are.

できましたか?

では解答を見てみましょう。

1)The population of this town is half as large as that of that town.

2)He is not so much wise as clever.

3)As much as a million people came to see the much.

4)She is as wise a woman as ever lived.

5)She knows better than to tell such a lie.

6)He has no less than 1000 books.

7)These days,the examination of English is becoming more and more difficult.

8)I am no moreconcerned in the crime than you are.

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まとめ

今回は比較級と原級比較の慣用表現について解説しました。

比較には比較級・最上級・原級比較の3種類がありますが、中でも比較級と原級比較の慣用表現は入試問題で頻出します。

多くの種類がありますが、一つひとつしっかりと覚えることで、問題が一気に解けるようになります。

次回は比較級の構文について詳しく解説します。

【初心者でもわかる】この記事のまとめ

「原級比較」に関してよくある質問を集めました。

原級比較とは何?

原級比較の「原級」は「形容詞や副詞のそのままの形」のことを指し、基本的なパターンは2種類あります。1つ目は「no 原級 as」で「〜と同じくらい」という使い方です。2つ目は「not as 原級 as」で「〜ほど〜ない」という使い方をします。「asの間に「形容詞+名詞」が挟まれる場合は、「as+形容詞+a(an)+名詞+as」の順番になるので注意してください。原級比較の詳細はこちらを参考にしてください。

クジラ構文はどのように使うのか?

クジラ構文とは「no+more〜than」「no+less〜than」を文中に含む構文で、noがどこを否定するのかに注目するのがポイントです。「no more than」は「not A any more than」、「no less than」は「not A any less than」に書き換えられることも覚えておきましょう。クジラ構文についてはこちらを参考にしてください。

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-StudySearch編集部-
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