今回は、我々の日常生活でも当たり前のように使われる「形容詞」を解説します。
日本語の普段の会話では問題なく使えるはずです。
一方で、英語では状況によってさまざまな使い方があります。
ここで紹介する内容は、限定用法と叙述用法の2つの使い方です。
参考書で見たことがある方も多いでしょう。
勉強では読み飛ばしてしまいそうな部分ですが、各用法の定義を踏まえて形容詞の種類をしっかりと押さえることが大切です。
英語の勉強をスムーズに進めるためにも、限定用法や叙述用法を中心に説明します。
それぞれの意味の違いに注目し、試験で出題されても答えられるようにしましょう。
形容詞とは、名詞のみを修飾する際に用いる表現方法です。
英語のみならず、日本語でも頻繁に用いられます。
日本語の場合、小学校や中学校では最後に「い」が付きやすいといった特徴を持つと習った人もいるでしょう。
「美しい」や「優しい」などが該当します。
英語においても、形容詞には細かな用法やポイントが多くあります。
しっかりと形容詞の構造を理解したうえで、ある程度は使えるようにしなければなりません。
実際に例文を見ながら、細かい仕組みについて見ていきましょう。
CHECK
形容詞の具体的な使い方として、限定用法と叙述用法があります。
用語だけでは、それぞれ何を指しているか分かりづらいはずです。
そのため、ここでは次の4つの例文とともに紹介します。
これらの文章から限定用法と叙述用法の違いを理解しましょう。
まずは、「①I have a new watch.」について紹介します。
この文章では、名詞の前に形容詞を置いていることが分かるはずです。
このように一般的には、「形容詞+名詞」の並びにして名詞を修飾させます。
①の文章は、「私は新しい時計を持っている」と訳せます。
newをwatchの前に置くことで、「新しい時計」と情報がより具体的になりました。
また、aとwatchの間にnewを置くと覚えてください。
「new a watch」とならないように注意しましょう。
「②This is a book suitable for high school students.」は、「これは高校生に最適な本である」と訳せます。
この場合は、名詞である「a book」の後に「suitable for high school students」を置いています。
こちらは①の文章とは違い、名詞の後ろに置いて修飾する形です。
「名詞+形容詞」の並びになるため、気をつけなければなりません。
①や②の文章のような、名詞自体を前または後ろから修飾する形が限定用法です。
形容詞を前に置くか、後ろに置くかの見分け方を理解しましょう。
限定用法の場合、基本的に形容詞を置く場所は名詞の前です。
一方で、「〜able」で終わる単語は名詞の後ろに置いても良いルールとなっています。
suitableもその例のひとつです。
suitableは、「suitable for」と「suitable on」で使い方が異なります(意味はどちらも「〜に適した」となります)。
前者は名詞の後ろ、後者は名詞の前に置きます。
②の文章は「suitable for」が使われているため、名詞の後ろが正しい場所です。
このように、形容詞は単語によってルールが変わる場合があります。
続いて、「③This question is difficult.」を解説します。
意味は、「これは難しい問題だ」です。
difficultはThis questionの細かい内容を指しているため、「This question=difficult」と表せます。
つまり、③の文章は「SVC」の第3文型です。
同じく、「④I found this question difficult.」を見ていきましょう。
意味は、「私はこの難しい問題がわかった」です。
この文章は主語(I)と動詞(found)があり、目的語として「this question」が置かれています。
最も後ろにあるdifficultは、目的語のthis questionと結びつく単語です。
つまり、「S+V+O+C」の第5文型を指します。
③と同じく、difficultはC(補語)として使われている点が特徴です。
このように、形容詞を補語で使うパターンは叙述用法と呼ばれます。
入試では、「ここで使用されている形容詞は限定用法と叙述用法のどちらか?」などと問われることはありません。
しかし、参考書や問題集の解説ではこれらの言葉が頻繁に使われます。
しっかりと違いが分かっていなければ、何を指しているのか理解できなくなるでしょう。
そのため、限定用法や叙述用法の定義と使い方についてはマスターしておく方が得策です。
また、これらを頭に入れておくだけでも英語がより理解できるようになります。
形容詞の役割は、しっかりと押さえられるようにしましょう。
CHECK
形容詞に関しては、重要なポイントが3つあります。
勉強する際に、上記の3点を必ず意識してください。
まず、押さえておくべきポイントは限定用法もしくは叙述用法のみに使う形容詞があることです。
ここでは、限定用法のみに使う形容詞の3種類を紹介します。
1つ目は、比較級で使われる単語です。
具体例として以下のようなものがあります。
比較級は「形容詞+er」で表現する方法です。
こちらの場合は、限定用法でしか使えません。
2つ目のパターンは、後ろが「en」で終わるタイプです。
例えば、welden(溶接した)やdrunken(酔っ払いの)が該当します。
単語を見て、判断するといいでしょう。
3つ目は、強意や限定を示す形容詞です。
具体例として、以下の単語が挙げられます。
この3パターンに当てはまる単語は限定用法のみしか使えず、「S+V+C」の「C(補語)」にはならないと覚えてください。
2つ目のポイントは、限定用法と叙述用法で意味が異なる形容詞もあることです。
この章では、2つの例文を見ながら説明します。
この2つの文章を見ていきましょう。
これらは、どちらも形容詞のcertainを使っています。
1つ目の文章でcertainを置いている場所は、charm(魅力)の前です。
要するに、限定用法として使われています。
限定用法のcertainの意味は、「とある」です。
①の文章は、「彼はとある魅力を持っている」と日本語に訳せます。
2つ目の文章の「It is certain that he knows the fact.」を見てみましょう。
この場合のcertainは、「S(It)+V(is)+C(certain)」の形で用いられています。
叙述用法で使うcertainの意味は、「確実だ、確信している」です。
②の文章は日本語で、「彼が事実を知っていると確信している」と訳せます。
他にも、入試でよく出てくる同じ特徴を持つ形容詞は下記のとおりです。
限定用法と叙述用法のどちらの意味で使われているか、英文から分析してください。
最後に、その他の重要表現を紹介します。
ここでは、6つの英文からポイントを押さえましょう。
この6つの文章に関して説明します。
まず、1つ目の文章を見てみると「I want to do something for the poor.」と「the+形容詞(poor)」の形になっています。
この「the+形容詞」は「〜の人々」と訳される表現方法です。
そのため、①の文章は「私は貧しい人々のために何かしてあげたい」と訳せます。
あわせて、2つ目の文章の「We can make the impossible possible.」を確認しましょう。
こちらも、同じ要領で「the+形容詞(impossible)」と書かれています。
しかし、訳し方として「不可能な人々」はふさわしくありません。
この場合は、「不可能なこと」と直した方が自然です。
要するに、「the+形容詞」は「〜な人々」と「〜なこと」の2つの意味を持ちます。
②の文章に関しては、「不可能を可能に変えることができる」が訳です。
次に3つ目の文章である「It’s important for you to think why you have to study.」を見ていきます。
この形容詞の使い方は、中学生でも習うパターンのひとつです。
③の文章に関しては、importantに注目してください。
前に置かれている単語を見ると、主語に「人」を意味するものが置かれていません。
このように人を主語としないパターンが、形容詞の重要表現にはあります。
importantは、人を主語に置かない形容詞の代表的な例です。
ちなみに、文章全体は「あなたにとってなぜ勉強しなければならないかを考えることは大切だ」と訳せます。
同じパターンで使う形容詞は、他にも次のものがあるため覚えておきましょう。
4つ目の文章は、「This river is dangerous to swimming.」です。
dangerousなどに見られる形容詞は、後ろに不定詞の「to」を置いたときに目的語が消えます。
この場合は、文章で目的語を使う必要がないからです。
ちなみに、日本語では「この川は泳ぐのが危険だ」と訳せます。
dangerous型の形容詞は、他にも次の単語があるため押さえてください。
「⑤He is very considerate to elderly people.」と「⑥A considerable amount of snow fell during tonight. 」は2つ同時に学習しましょう。
それぞれ、形容詞のconsiderが使われている文章です。
しかし前者は「ate」、後者は「able」が付いています。
この違いだけでも、訳し方が異なるため注意してください。
⑤の「considerate」は「consider(考える)」と「ate(〜する」を合わせたものです。
つまり、「考慮することができる」といったニュアンスとなります。
⑤の文章は、「彼は老人に対して思いやりがある」が日本語訳です。
一方で、⑥の文章では「consider(考える)」と「able(〜できる)」で「考えうる範囲の」と作れます。
そのため、⑥の訳文は「ものすごくたくさんの雪が降った」と捉えてください。
このように、形容詞の後ろに何が付くかで異なる意味を持つパターンがあります。
元の形容詞の意味を押さえつつ、「ate」や「able」が付いた場合にどう変わるかも押さえましょう。
CHECK
では、練習問題を解きましょう。
( )に入る単語を考えてみてください。
1.彼女は有能な女性だ。
She’s an ( ) woman.
2.予想外のことが起きた。
( )( ) has happened.
3.その男の子は先生の言ったことを忘れやすい。
The boy tends to be ( ) of his teacher’s advice.
①forgetful ②forgettable ③forgetting ④forgot
4.主催者はゲストにパーティにはきちんとした服を着て来るよう求めている。
The organizer requires guests to wear ( ) clothes at the event.
①respectful ②respectable ③respect ④respectivery
答えは以下のとおりです。
1.She’s an able woman.
2.The unexpected has happened.
3.The boy tends to be ②forgettableof his teacher’s advice.
4.The organizer requires guests to wear ②respectableclothes at the event.
1番は、単純に「有能な」を示す形容詞である「able」を使います。
2番の場合は、「The+形容詞」で「〜なこと」と訳す形です。
「予想外な」の意味を持つ「unexpected」を使い、「The unexpected」と置いてください。
3番の問題は、形容詞の適切な形を選ぶ問題です。
「忘れやすい=容易に忘れられる」を指す、「②forgettable」が正解となります。
最後の4番も3番と同じような形式です。
「立派な=尊敬できる」と表せる、「②respectable」を選びましょう。
CHECK
対象 | 高校生・大学生・社会人 |
---|---|
授業形式 | パーソナルトレーニング |
校舎 | 6教室 |
特徴 | 言語習得のプロによるパーソナルトレーニング |
仮定法未来を勉強するのであれば、「ENGLISHCOMPANY」がおすすめです。
特に優れているポイントとして、以下の2点があります。
それぞれのポイントについて説明しましょう。
ENGLISHCOMPANYは、1日1.5時間の学習と効率を重視しています。
勉強量を意識している方は、勉強時間が足りないのではと疑問に感じる方もいるでしょう。
しかし、英語はただ闇雲に勉強すればいいわけではありません。
効率良くポイントを掴む必要があります。
事実、ENGLISHCOMPANYを利用した方は英語の試験で最大3.8倍の成果を出しました。
ENGLISHCOMPANYでは、合わないと感じた人に向けて30日間の料金全額返金サービスを提供しています。
ただし、該当するコースはパーソナルトレーニングコースのみです。
全額返金サービスがあるため、安心して利用できるでしょう。
CHECK
この記事では、形容詞の使い方と限定用法や叙述用法の違いについて解説しました。
一口に形容詞とは言っても、置く場所や使い方はパターンによって大きく異なります。
限定用法と叙述用法もそれぞれルールがあるため、しっかりと理解しなければなりません。
また、同じ形容詞でも「the+形容詞」や人を主語に置かないなど、さまざまなパターンがあります。
considerateやconsiderableのように、意味が異なる単語も存在します。
試験に出題されたときは、文章も見ながらどう使うかを見極めることが大切です。
形容詞も含め、英語は日々のトレーニングによって慣れる必要があります。
ENGLISHCOMPANYの利用も検討しつつ、しっかりと勉強しましょう。
「形容詞」に関してよくある質問を集めました。
形容詞は、名詞を修飾するために使われる表現方法です。使い方は、大きく分けて限定用法と叙述用法があります。限定用法は、名詞の前や後ろに形容詞を置く方法です。一方で、叙述用法は「S+V+C(第3文型)」や「S+V+O+C(第5文型)」で使われます。限定用法と叙述用法は入試で直接問われる機会はほぼありませんが、テキストに出てくるため覚えておくといいでしょう。形容詞の詳細はこちらを参考にしてください。
形容詞を使うときの重要なポイントは、主に3つあります。1つ目は、限定用法または叙述用法のみにしか使えない単語があることです。加えて、それぞれの用法で意味が変わる形容詞もあります。さらに、「the+形容詞」や人を主語に置かないパターンなど数々の重要表現を覚えなければなりません。形容詞を使うときの重要なポイントについてはこちらを参考にしてください。