みなさんは数学検定を受けたことがありますか。この記事を見ているということは、2級以上をお持ちの方も多いと思います。
数学検定1級はさらに難易度が上がり、さらなる努力が必要になるかと思われます。
そのため、今回は数学検定1級の難易度・対策・おすすめの参考書や過去問集、学習塾をご紹介します。
■まとめ
数学検定1級は、数学検定の中で一番難しい階級の数学検定です。
東大の数学入試より難易度が高いと言われることもあるほど、難易度の高い検定になっています。
2023年度の数検1級の試験日程は以下の通りです。
| 検定回 | 検定日 |
|---|---|
| 第406回 | 4月16日 |
| 第410回 | 7月23日 |
| 第414回 | 10月29日 |
個人受験は年3回で、数学検定協会が設置する全国の会場で実施されます。
1級は個人受験でのみ、受験することができます。
毎年基本的に4・7・10月に開催されます。
数検1級には、計算技能を測る1次試験と、証明問題や統計問題が出題される2次試験の2つがあります。
| 問題構成 | 1次:計算技能検定(7問)2次:数理技能検定(2題必須 5題から2題選択) |
|---|---|
| 受験料 | 7,800円 |
検定内容は、大学・一般レベルが90%、特有問題が10%です。
微分積分・線形代数・確率など数学にまつわる全ての分野から出題されます。
数学検定1級では、1次で計算技能、2次で数理技能を受験する必要があります。
そのため、ここでは1次と2次の問題内容を表にまとめています。
数検1級の出題内容は大きく分けて以下の5つのテーマに分かれていることを頭に入れておきましょう。
| 検定内容 | |
|---|---|
| 【解析】 | 微分法/積分法/基本的な微分方程式/多変数関数/基本的な複素解析等 |
| 【線形代数】 | 線形方程式/行列/行列式/線形変換/線形空間/計量線形空間/代数方程式等 |
| 【確率統計】 | 確率/確率分布/回帰分析/相関係数 |
| 【コンピュータ】 | 数値解析/アルゴリズムの基礎等 |
| 【その他】 | 自然科学への数学の応用等 |
2次試験の内容は以下の3点が試される技能のポイントとして日本数学検定協会が公式で発表しています。
| 技能内容 | |
|---|---|
| ① | 自然科学に密着した数学上の諸技法を駆使し、諸法則を活用することができる |
| ② | 抽象的な思考ができる |
| ③ | 身の回りの事象について、数学的に推論ができる。 |
数学検定1級を合格することで、様々なメリットがあります。
ここでは、数学検定1級を合格するメリットを一部紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
数学検定1級のレベルは、大学程度・一般とされています。
そのため、大学で習う線形代数や微積分を理解しなければなりません。
数学検定1級は数学検定の中で最難関の階級のため合格率は低いです。
以下の表は2019年度の年間の合格率の表です。
| 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|
| 1,304人 | 158人 | 12.1% |
合格率は毎年1割ほどとなっておりレベルの高さがわかります。
また難易度を把握するために、問題数や検定時間もみてみましょう。
1次試験よりも2次試験のほうが問題数が少ないですが時間は2倍あるのが特徴的です。
| 問題数 | 1次:7問 2次:2題必須、5題から2題選択 |
|---|---|
| 検定時間 | 1次:60分 2次:120分 |
東大数学と数検1級の問題数や範囲、時間を比較していきましょう。
| 東大数学 | 数検1級 | |
|---|---|---|
| 問題数 | 大問6問 | 1次:7問 2次:2題 |
| 範囲 | 数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B | 解析・線形代数確率統計・コンピュータ |
| 試験時間 | 150分 | 1次:60分 2次:120分 |
東大数学は1回の試験のみですが、試験時間が150分と数検よりも長くなっています。
数学検定の内容には、確率や行列、微分積分など高校数学の範囲も含まれています。
そのため、大学受験対策の内容とかぶる部分も多いと言えます。
数検1級は理系大学卒業程度の難易度であり、どちらも高難易度です。
人によって難易度の感じ方は違いますが、それぞれの試験の難易度についての口コミや評判を見ていきましょう。
最近特に1次の難易度が急上昇みたいだね。
1級は一次のが難しいかも。
受験者の感想だと 時間が足りないって感じらしい。
誤解をおそれず言えば、1級合格者は、東大や京大等難関大受験生に
数学を教えるのに適していると思う
私は数検1級持ちの東大生です(昨年の1級より前の1級です。)
昨年の 1級の問題で合格できたかどうかは分かりません…)が、数学が1級 レベルなら理科大には受かるでしょう。
東大数学の点数で難易度を表すなら、6割程度取れている人は数検1級合格レベルと言えるそうです。
他にも気になる方がいれば数学関連検定統一スレをご覧になってみてください。
数検1級の頻出分野は微分積分・線形代数・微分方程式・複素解析です。
それぞれの頻出分野について見ていきましょう。
微分法・積分法・偏微分・重積分などが出題されます。
1次試験は7問中5問以上の正解で合格となりますが、回答は答えのみのため、部分点ではなく、答え自体が合っていなければならず、正確に計算することが求められます。
線型方程式や行列・多項式・代数方程式など幅広い分野が出題されます。
過去には、行列の固有値を求める問題が出題されていました。
微分方程式は、1次試験において必ず出題される分野と言えるでしょう。
過去には、4次方程式の4つの解のうち、2つの解の積から定数を求める問題が出題されていました。
高校レベルの基本的な微分方程式も出題されています。
基本的な複素解析もよく出題されるので対策が必要です。
レベルとしては微分方程式と同様に高校レベルのものが多いです。
複素関数は基礎のみを完璧にしておけば、十分対応できると言えます。
数学1級検定の問題は、大学・一般程度という広範囲に出題されます。
そのため、何が必須問題でどの分野を徹底して勉強していくのか戦略を練ることが大切です。
数学検定1級の問題は例年過去問題から問題が出題されたりすることもあります。
そのため、徹底して過去問を解きましょう。
微積と線形代数は、大学数学の重要要素となっていますので、対策は必須です。
また中には、高校数学の内容も出題されますので、高校 数学もしっかり取り組んでおきましょう。
学習塾には、各教科に精通したプロ講師から正しい勉強法や受験テクニックなどを教えて貰うことができます。
また、数学検定対策に特化した講座や数学検定対策以外に定期テスト対策など生徒の要望に合わせて対応することができます。
独学で勉強するより、学習を管理された状態で勉強したい方は塾や家庭教師を利用することがおすすめです。
数学検定の過去問を収録しており1級から2級までの3冊あります。
数学検定1級の場合は、過去問題集が7回分収録されています。
余裕があるおかげでとても見やすく空いている部分に書き込むことができるので気づいたことなどを書き残すことできます。
また、解説も充実しており解き方のポイントや注意点が詳しく書いてあるため、この1冊だけでも対策できるほどです。
日本数学検定協会が監修している1冊です。
過去問題の1次試験・2次試験を各3回分収録しています。
問題集と別冊を照らし合わせながら見ることができるので、解説が見やすく効果的に勉強することができます。
また、検定の実施要項と出題範囲表も記載されているため、自分の苦手な単元や得意な単元がどの程度出題されているのか確認することができます。
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|---|---|
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数学検定1級は最難関であり合格することは容易ではありません。
合格率は1割ほどと年々合格者が増えてはいるものの狭き門となっています。
しかし、毎年受験するほど努力し、合格している人がいるのも確かです。
諦めずに過去問や参考書、学習塾などを活用して数学検定1級合格を目指しましょう。
「数検1級」に関してよくある質問を集めました。
数検1級の合格率は12.1%です。なお、各級の合格率は2020年度版までしか公開されていないので注意しましょう。
数検1級対策におすすめの参考書は、『実用数学技能検定1級「完全解説問題集」』と『数学検定問題集 1級』を紹介しています。どちらの参考書もおすすめなので、是非利用されてみてください。