今回は、高校で学習する範囲の三角比の応用問題について解説します。
三角比の基本をきちんとおさえた上で応用問題に取り組むことで、さまざまな問題が解けるようになるでしょう。
今回は、三角比の方程式と不等式の解き方、さらには正弦定理・余弦定理についても練習問題を交えながら解説します。
今回はまず最初に、三角比が入った方程式と不等式について勉強していきます。
例題を実際に解きながら、実践形式で理解を深めましょう。
まずは、三角比を用いた方程式の解き方について学習します。
早速、例題を見ていきましょう。
「sinθ=1/2(0≦θ<360)」という問題について考えてみます。
三角比が入った方程式を解くにはコツがあります。
それが単位円を使うことです。
単位円においてsinθは単位円上の点のy座標を表し、cosθは単位円上の点のx座標を表します。
この法則を用いると、sinθ=1/2であるから、y座標が1/2である点を探せば良いのです。
y座標が1/2になる点は単位円の右側と左側に1つずつ、計2ヶ所あり、それぞれの点の角度を求めればそれが答えとなります。
まずは、右側の点から計算してみましょう。
右側の点を用いて、直角三角形を作ります。
この直角三角形の斜辺の長さは、いくつでしょうか?
これは単位円周上の点なので、単位円の半径である1となります。
では、高さに相当する辺の長さはいくつでしょうか。
これは、右側の点のy座標と同じ値になるので、1/2です。
高さが1/2で、斜辺が1なので、辺の比が1対2となっています。
直角三角形の辺の比が1対2となっているので、30°、60°、90°の直角三角形であることがわかります。
よって、求めたい角度は30°となります。
では、左側の点もみてみましょう。
左側の点も、右側の点と同じ直角三角形を描くことができます。
ただ、求めたい角度が右側の点と違う場所にあることに注意です。
角度を求めるには、180°から30°を引く必要があります。
よって、答えは150°となります。
どちらも答えになるので、答えは30°と150°となります。
それでは、次に練習問題にチャレンジしましょう。
「sinθ=1/√2」と「cosθ=-1」を解いてください。
できましたでしょうか?まずは「sinθ=1/√2」の解説から行います。
sinθなのでy座標を考えます。
単位円を描き、y座標が1/√2になる点を探すと、1対1対√2の直角三角形が出てきます。
よって、求める角度は45°となります。
左側の点も同じ直角三角形が描け、180°から引くと135°となります。
よって、答えは45°と135°です。
続いて、「cosθ=-1」の解説も行います。
cosθはx座標なので、x座標が-1になる点を探します。
そうすると、今回は1箇所しか見つかりません。
この点になっている角度は、180°となります。
今回のように、角度が1箇所になるパターンもあるので、覚えておきましょう。
それでは次に、三角比の不等式の解き方についても解説します。
早速、例題を使って解き方をみていきます。
「sinθ≧1/2」について考えてみましょう。
不等式の解き方は、途中まで方程式と同じです。
sinθが1/2の時の値を方程式の時と同じように求めます。
そうすると、角度は30度と150度になります。
次に、単位円上でsinθ、つまりy座標が1/2以上の部分をなぞります。
その、なぞった部分に当たる角度が答えの範囲となります。
30°から150°の間の角度をなぞっているので、答えは30°以上、150°以下となります。
続いて、不等式の練習問題にもチャレンジしましょう。
「cosθ<-1/2」を解いてください。
できましたでしょうか?それでは、解き方を解説します。
今回はcosθなので、x座標について考えます。
x座標が-1/2になる点を最初に探します。
その後は、今までと同じ要領で単位円を描き、直角三角形を用いて角度を求めます。
そうすると、角度は120°と240°であることがわかります。
求める範囲はこの角度の間なので、120°より大きく240°より小さい角度が答えとなります。
CHECK
最後に、「正弦定理」と「余弦定理」という重要な二つの定理について解説します。
それでは、「正弦定理」と「余弦定理」それぞれの定義や使い方について、詳しく見ていきましょう。
まず一つ目は、正弦定理です。
正弦とは「sin」のことなので、正弦定理とは「sin」を使った定義となります。
三角形を描き、その三角形の3つの角に接するように、外側に円を描きます。
この円を外接円と呼び、その半径を「R」とします。
その際に、以下の公式が成り立ちます。
a/sinA=b/sinB=c/sinC=2R
この公式を「正弦定理」と言います。
正弦定理の証明は大切なのですが、複雑なやり方をするので、ここでは省略します。
では、正弦定理の使い方について詳しく見ていきましょう。
一つの辺の長さと二つの角の大きさがわかっている三角形を考えます。
このとき、xの辺の長さを、正弦定理を使うことで求めることができます。
正弦定理の一部の等式を使うと、「x/sin45°=3/sin30°」という式ができます。
式変形をし、sin45°、sin30°を代入すると、6/√2という答えになります。
もう一つは、余弦定理です。
余弦とは「cos」のことなので、余弦定理とは「cos」を使った定義となります。
ここで、余弦定理を紹介する前に、 三平方の定理について復習します。
三平方の定理とは、中学校3年生の時に習ったものになりますが、直角三角形の時に成り立つ「斜辺の長さの2乗は、他の辺の2乗の和に等しい」という公式です。
余弦定理は、この三平方の定理に似ているのですが、直角三角形でなくとも使える便利な定理です。
ある三角形を考えると、以下のような3つの式が作れます。
これを「余弦定理」と言います。
では、余弦定理の使い方について解説します。
二つの辺の長さと、その間の角の大きさがわかってるときに、残りの辺の長さを余弦定理を使って求めることができます。
「X²=5²+6²-2×5×6×cos60°」という式を作り計算していくと、Xは正の値であるため√31という長さだということがわかります。
これが余弦定理の使い方になります。
CHECK
余弦定理・正弦定理のおすすめの勉強法は、解き方を忠実に再現できるように繰り返し学習することです。
三角比の応用問題といえど、解き方を忠実に再現できるようになれば、確実に正解することができます。
何度も何度も繰り返し学習することで、解き方を習得し、どんな問題にもチャレンジできるようにしましょう。
また、三角比の基本が理解できていない人は、一度前の学習範囲に戻って基本から丁寧に学習しましょう。
基本が身についていない場合は、いくら応用問題を解いても実力が高まることはありません。
きちんと一つずつ丁寧に、理解を進めるようにしましょう。
余弦定理・正弦定理のおすすめの勉強法は、以下の問題集を繰り返し学習することです。
基本の解き方を忠実に再現できるようにするために、マスターできるまで何度も繰り返し解くことを意識しましょう。
余弦定理・正弦定理を含む三角比の応用問題は、繰り返し学習すれば必ず身につく分野です。
内容を適切に理解し、忠実に解法が再現できるようになれば、必ず得意にすることができるので、是非ともマスターできるように復習してください。
CHECK
オンライン数学克服塾MeTaの基本情報 | |
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対象 | 中学生・高校生 |
授業形式 | オンライン(個別1対1、集団) |
特徴 | 数学克服・対策に特化したオンライン専門塾 |
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数学はただ解き方を覚えれば、基礎的な問題は解くことが出来ますが少しひねった問題や応用問題などに関しては、やり方だけではなくどうしてそうなっているのかまで考えて理解する必要があります。
オンライン数学克服塾MeTaは、その倫理的思考力を養うために講師と生徒の対話を大切にしながら、各生徒の理解を深めようとしています。
オンライン数学克服塾MeTaは、数学の苦手意識を消すためにまず勉強方法を指導します。
勉強方法が分かればやるべきことが明確化して、進んで学習に向かうことが出来ます。
具体的には3日間で取り組むべき部分を決めて、効率よく自習計画を立てています。
この自習習慣がつけばつくほど数学の苦手意識もなくなり、苦手克服に繋がります。
CHECK
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コース | 月間指導料金(税込) |
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小学生コース | 8,800円~ |
中学受験コース | 11,440円~ |
中学生コース | 8,800円~ |
中高一貫コース | 11,440円~ |
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コース名 | 対象学年 | プラン例 |
---|---|---|
小学生コース | 小学生 | やる気アップ |
学習習慣付け | ||
中学受験コース | 中学受験対策 | |
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学校のサポート以外にも中学受験に向けた対策も可能になるので、中学受験に向けた学習や対策を行いたいお子さまにもおすすめです。
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今回は、余弦定理・正弦定理を含む「三角比の応用問題」について解説しました。
応用問題ではありますが、基本を理解し問題集を何度も復習すれば、確実に習得できる分野です。
三角比の内容は、数学Ⅱで学習する三角関数でも扱う内容なので、マスターできるように何度も繰り返し学習しましょう。
「三角比の応用」に関してよくある質問を集めました。
正弦定理の公式が「a/sinA=b/sinB=c/sinC=2R」、余弦定理の公式が「①a²=b²+c²-2bc×cosA」「②b²=c²+a²-2ca×cosB」「③c²=a²+b²-2ab×cosC」です。それぞれ、非常に大切な公式になるので、繰り返し練習問題を解きながら覚えていきましょう。正弦定理・余弦定理の公式の詳細はこちらを参考にしてください。
正弦定理・余弦定理の問題演習では、本文中に示した範囲の問題を繰り返し解くことが大切です。また、本文中に示した問題集でなくても、学校で使用している問題集があればそちらの該当箇所を繰り返し学習することで代用できます。まずは、基本の解き方を忠実に再現できるようにするため、何度も繰り返し学習しましょう。 正弦定理・余弦定理の問題演習についてはこちらを参考にしてください。