今回は、等式の変形について取り上げます。
具体的には、分配法則を使った等式の変形の方法やポイントを説明しています。
等式の変形は、高校受験でも大学受験でも必ず出てくるので、とても大切な分野です。
記事の途中で解説の付いた例題を3問掲載しているので、知識の確認をしながら簡単な演習を行ってみてください。
また、記事の最後には中学生におすすめの家庭教師についても紹介しているので、家庭教師選びの参考になればと思います。
例題:次の等式を[]内の文字について解きなさい。
24a+16b=4(8a-2) [a]
まずは、分配法則を利用して()を外すという作業をします。
例題では、4(8a-2)という部分で()が使われているので、この()を外すと、
24a+16b=4(8a-2)
24a+16b=32a-8
となります。
()が使われることにより複雑に見えていた等式を簡単にすることができました。
次に、等式で求める文字をまとめるという作業をします。
上の例題の場合、求める文字はaなので、等式の中にあるaをまとめていきます。
一般的に、まとめる文字を等式の左辺に、その他の文字や数字は等式の右辺に寄せます。
このルールに沿って移項を使って文字を寄せていくと、
24a+16b=32a-8
24a-32a=-16b-8
-8a=-8-16b
となります。
このように文字をまとめることで、最後の等式変形が簡単になります。
最後に、文字の係数で両辺を割るという作業をします。
例題によると、aについて等式を解かなければならないので、最終的に上の等式を「a=〇〇」の形にする必要があります。
先ほどaを等式の左辺にまとめたものを見ると、aの係数は-8だから、「a=〇〇」の形にするには-8で等式を割ればよいことになります。
したがって、
-8a=-8-16b
a=1+2b
となります。
負の数の計算はミスが起こりやすいので、その点も注意しながら計算しましょう。
これで、例題を解くことができました。
✔まずは分配法則で()を外す
✔次に求めたい文字を左辺にまとめる
✔最後に文字の係数で両辺を割る
等式の変形の問題は、求めたい文字の係数を1にすることを目指して解いていきます。
このとき、係数を1にするために係数で「割る」と考えるのではなく係数の逆数を「掛ける」と考えることが大切です。
例えば、xy=9という等式をxについて解くとき、x=9/yとなりますが、この際にyで「割る」と考えるのではなく1/yを「掛ける」と考えるようにします。
この考え方は、等式に分数が含まれているような場合により役立ちます。
例えば、xy=5/7という等式をxについて解くとき、yで「割る」と考えている人はx=5y/7というふうに計算ミスをすることがよくあります。
一方で、yの逆数である1/yを「掛ける」と考えている人はx=5/7yと正しく等式変形を行うことができます。
このように考え方を変えるだけで、等式に分数が含まれているような複雑な問題でも計算ミスをすることなく正確に答えを出すことができます。
等式の変形の問題を解くときには、「移項」という作業が不可欠です。
「移項」とは、等式において一方の辺の項を符号を変えて他方の辺に移すことをいいます。
例えば、5x+y=14という等式をyについて解くと、答えはy=-5x+14となります。
このとき、右辺にあった5xが左辺に移動していることが分かりますが、この移す作業を「移項」と呼んでいます。
そして、「移項」を行う際に注意すべきことは、符号を逆にすることです。
符号を逆にして移項しないと、元の等式が成り立たなくなってしまうので、移項のときは必ず符号を逆にするということを覚えておきましょう。
等式の変形を行う際は、「係数を1にすること」の意味をしっかり理解しておく必要があります。
等式の変形が苦手な人は、「係数を1にすること」と「移項」の区別がついていないことが多いです。
例えば、xy =10をyについて解くとき、「係数を1にすること」と「移項」の区別がついていればy=10/xと正しい答えを導くことができますが、この区別がついていないとy=10-xと答えてしまうことがあります。
また、x+y=11をyについて解くときも、区別がついていればy=11-xと正しく答えることができますが、区別がついていないとy=11/xと答えてしまうことがあります。
このようなミスを減らすためにも、係数を1にするためには足し算や引き算をすることが必要なのか、それとも掛け算が必要なのか、ということを丁寧に考えることが大切です。
✔係数をなくすときは逆数を掛ける
✔「移項」するときは符号を逆にする
✔「係数を1にすること」と「移項」の区別をしっかりつける
例題:次の等式を[]内の文字について解きなさい。
4(3x+y)=8k [y]
()を含む問題は、2つの方法で解くことができます。
1つは分配法則で()を外してから計算する方法で、もう1つは()の外に掛けられている数で両辺を割ってから計算する方法です。
まず、分配法則で()を外してから計算する方法で解いていきます。
分配法則を使って()を外すと、左辺は4(3x+y)=12x+4yとなります。
そして、最終的に「y=〇〇」という形にしたいので、移項やyの係数をなくす作業を行うと、
4(3x+y)=8k
12x+4y=8k
4y=-12x+8k
y=-3x+2k
となります。
次に、()の外に掛けられている数で両辺を割ってから計算する方法でも解いてみます。
例題で()の外に掛けられている数は4なので、両辺を4で割ります。
前で説明した通り、「割る」のではなく「逆数を掛ける」と考えるので、今回は1/4を掛けます。
そして、前の方法と同様に「y=〇〇」という形に調整していくと、
4(3x+y)=8k
3x+y=2k
y=-3x+2k
となります。
したがって、答えは、y=-3x+2kです。
例題:次の等式を[]内の文字について解きなさい。
a/4+b/9=2[a]
分数を含む問題は、係数をなくすときの計算ミスに注意することが大切です。
「割る」のではなく「掛ける」という意識を持って問題を解いていきましょう。
まず、例題ではaについて解くので、「a=〇〇」の形にすることを目指します。
aには1/4が係数として掛けられているので、逆数である4を掛けることで係数をなくします。
そうすると、
a/4+b/9=2
a/4=-b/9+2
a=4b/9+8
となります。
したがって、答えは、a=4b/9+8です。
例題:次の等式を[]内の文字について解きなさい。
2√x+y=12[x]
ルートが含まれる問題は、まずルートを外すことが大切です。
ルートを外すには、その項を2乗すれば良いので等式の両辺を2乗します。
ルートが含まれていることで複雑に思えるかもしれませんが、ルートを外すことができればその後の作業はこれまでの問題と同様です。
例題の等式を「x=〇〇」の形にすると、
2√x+y=12
2√x=12-y
(2√x)²=(12-y)²
4x=y²-24y+144
x=y/4-6y+36
となります。
したがって、答えは、 x=y/4-6y+36です。
✔()を含む問題は分配法則を使って()を外す
✔分数を含む問題は逆数を掛ける
✔ルートを含む問題は2乗してルートを外す
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家庭教師のトライの合格実績 | |||
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灘高等学校 | 筑波大学附属高等学校 | 開成高等学校 | 慶應義塾高等学校 |
西高等学校 | 戸山高等学校 | 旭丘高等学校 | 明和高等学校 |
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東京個別指導学院の基本情報 | |
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対象学年 | 小学生/中学生/高校生 |
展開地域 | 東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県、福岡県 |
授業形態 | 個別指導 |
特徴 | 定期テストから受験合格まで一人ひとりに合わせた指導 |
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今回は、等式の変形について例題を交えながらおさらいしました。
等式の変形の解き方は、等式がどんなに複雑なものになっても基本的には同じです。
まずは基礎的な問題で解き方を確認してみてください。
分配法則や複雑な分数の計算を使って解かなければならない問題も多く、難しいと感じるかもしれませんが、何回も繰り返し演習することで徐々にできるようになっていくはずです。
また、係数をなくすときの計算ミスや移項するときの符号ミスは、してしまうともったいないので特に気を付けるようにしましょう。
解き終わった後に見直しを忘れずにすることが大切です。
今回は、中学生で習う等式の変形について取り上げましたが、高校生ではもっと応用的な等式の変形を学習することになります。
高校生になって苦労しないためにも、今のうちからしっかり理解を深めておきましょう。
この時点で苦手意識をなくすことができれば、受験勉強の際もスムーズに取り組むことができると思います。
中学生におすすめの家庭教師についても少し紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
自分一人で苦手を克服するのが難しいと考えている方は、家庭教師も上手に活用して成績UPを目指しましょう!
「等式の変形」に関してよくある質問を集めました。
解き方のポイントとしては、求めたい文字の係数を1にするために、係数の逆数を掛けるという考え方が重要です。また、符号えお逆にすることを指す「移項」の作業との区別もしっかりとつけておきましょう。