今回学習するのはベクトルと呼ばれる単元です。
ベクトルは高校で初めて学習する分野です。
今まで学習してきた数とは全く違う概念ですが、理系の方はもちろん、文系でも数学Bを学習する方は必ず理解しなければならない単元です。
もちろん入試にも出題されますが、大学に入った後の勉強でもベクトルが理解できていなければ分からない分野も少なくありません。
そこで、ここではベクトルの基礎となる部分を学習します。
「ベクトルとは何か」からはじめ、ベクトルの足し算や引き算についても解説します。
また、ベクトルの練習問題を掲載しているほか、おすすめの参考書や勉強法、塾も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
■まとめ
まずは、ベクトルの基本的な事項について解説します。
ベクトルの意味や表し方など、学習の基本となる内容なので、必ず理解しましょう。
ベクトルとは、向きと大きさの2つの量を持った概念のことです。例えば、「北に3m動いた」や「西に5m動いた」などのように、北・西といった向きと3mや5mといった大きさを持った量をベクトルといいます。
ここから派生して、ビジネスシーンにおいても、「社員のベクトルがバラバラだから一体感がない」のように、方向性や勢いを表す言葉としても使われます。
ベクトルは矢印を使って表します。
ベクトルの向きは矢印の向いている方向、ベクトルの大きさは矢印の長さで表します。
ベクトルの性質として、向きと大きさが同じベクトルは同じベクトルとしてみなします。
例えば、以下の2つのベクトルがあるとします。
2つのベクトルは、異なる場所で表されますが、向き(右)と大きさ(3)は同じなので、どちらかを移動させると、ピッタリ重なることがわかるでしょう。
このように、向きと大きさが同じベクトル、すなわち移動させるとピッタリ重なるベクトルは同じベクトルとして扱います。
CHECK
ここでは、ベクトルの足し算のやり方について解説します。
ベクトルの足し算の計算方法だけでなく、ベクトルの足し算の性質についても解説します。
では、ベクトルの足し算の計算方法を解説します。
A、B、Cの3つの点をランダムに配置した図をもとに考えましょう。
AからBに向かうベクトル、BからCに向かうベクトルを矢印を使って描き、それぞれ「aベクトル」「bベクトル」とします。
この際、ただ単に[a]、[b]と書くと、計算で使用する[a]、[b]と区別がつかなくなってしまうため、[a]、[b]の上に矢印も書くのがルールです。
では、「aベクトル」+「bベクトル」について考えてみましょう。
「aベクトル」+「bベクトル」はAからBにいき、BからCにいく様子を表します。
つまり、全体として考えると、AからCにいったのと変わりません。
よって、「aベクトル」+「bベクトル」の答えは、AからCに向かうベクトルとなります。
このように、ベクトルの足し算の答えは、スタート地点とゴール地点をベクトル、すなわち1本の矢印で書くことで求められます。
ベクトルの足し算には4つの性質があります。
1つ目の「aベクトル+bベクトル=bベクトル+aベクトル」は、足し算の順番を入れ替えても計算結果は変わらないことを示しています。
2つ目の「(aベクトル+bベクトル)+cベクトル=aベクトル+(bベクトル+cベクトル)」は、3つ以上のベクトルの足し算においても、順番は計算結果には影響しないことを示しています。
3つ目の「aベクトル+0ベクトル=aベクトル」は、0ベクトルを足しても何も変わらないことを示しています。
4つ目の「aベクトル+(-aベクトル)=0ベクトル」は、同じ大きさで逆向きのベクトル同士の足し算の答えは0ベクトルになることを示しています。
CHECK
ベクトルの実数倍について例題を使いながら解説します。
実数倍とは、例えば2倍、3倍、3/4倍、5.9倍のように、ある数に実数をかけたものです。
例えば、「aベクトル」を2倍すると、矢印の向きはそのままで矢印の長さ(大きさ)が2倍になり、「2aベクトル」と表します。
同じように、「aベクトル」を3倍すると、矢印の向きはそのままで矢印の長さが3倍になり、「3aベクトル」と表します。
一方、マイナスの数の実数倍は向きが180度逆になります。
-1倍の場合は、元のベクトルの逆になり、「-aベクトル」と表され、-2倍の場合は、「-aベクトル」の2倍の長さになり、「-2aベクトル」と表されます。
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ここではベクトルの引き算のやり方について解説します。
ベクトルの引き算は、ベクトルの足し算とベクトルの実数倍を理解している必要があるため、ベクトルの足し算とベクトルの実数倍が理解できていない方は、学習し直してから引き算の学習をしましょう。
3つの点、O、A、Bを考えます。
OからAへのベクトルを「aベクトル」、OからBへのベクトルを「bベクトル」とします。
このとき、「aベクトル」-「bベクトル」はどうなるのかを考えます。
「aベクトル」-「bベクトル」は、考え方を変えると「aベクトル」+「-bベクトル」と表すことも可能です。
つまり、「aベクトル」と「-bベクトル」の足し算と考えられます。
一度整理すると「aベクトル」はOからAへのベクトル、「-bベクトル」はBからOへのベクトルです。
「ベクトルの足し算の性質」で学習した通り、ベクトルの足し算は順番を変えても答えは変わりません。
そこで、「-bベクトル」+「aベクトル」として考えてみましょう。
すると、この足し算の答えは、BからO、OからAと移動するため、BからAへのベクトルになります。
なお、「aベクトル」と「bベクトル」は始点が同じではありますが、繋がってはいません。
この場合、「aベクトル」と「bベクトル」の足し算はどのように計算すれば良いのでしょうか?
先ほど、ベクトルの性質として解説しましたが、ベクトルは向きと大きさが同じであれば、同じベクトルとして扱われます。
そこで「bベクトル」の始点を「aベクトル」の終点まで移動させる、または「aベクトル」の始点を「bベクトル」の終点まで移動させることで、矢印が繋がります。
どちらのベクトルを動かすかは決まっていないので、どちらか一方を選んで動かすようにしましょう。
矢印が繋がれば簡単に足し算ができるため、足し算の答えであるベクトルも書けます。
CHECK
では、ベクトルの練習問題に挑戦しましょう。
2題あるので、それぞれ解いて理解度の確認を行いましょう。
問題)正六角形ABCDEFにおいて、「ABベクトル」を「aベクトル」、「AFベクトル」を「bベクトル」とするとき、Aから中心Oに向かう「AOベクトル」を「aベクトル」「bベクトル」を使って表せ。
できましたか?
それでは、解き方と答えを見ていきましょう。
「AOベクトル」は「ABベクトル」と「BOベクトル」の足し算に分解できることが分かります。
なお、「BOベクトル」は「AFベクトル」と同じベクトルです。
よって、「AOベクトル」は「ABベクトル」+「AFベクトル」の答え、すなわち「aベクトル」+「bベクトル」の答えと同じベクトルです。
したがって、「AOベクトル」は「aベクトル」+「bベクトル」と表されます。
問題)正六角形ABCDEFにおいて、「ABベクトル」を「aベクトル」、「AFベクトル」を「bベクトル」とする。
できましたか?
それでは、解き方と答えを見ていきましょう。
1)「BCベクトル」は「AOベクトル」と同じ向き・大きさのベクトルであることに気づけるかどうかが鍵です。
同じ向き・大きさのベクトルは、同じベクトルとして扱われるため、「aベクトル」+「bベクトル」と表されます。
2)「FDベクトル」は、「FOベクトル」+「ODベクトル」となることがわかります。
ここで、「FOベクトル」は「ABベクトル」すなわち「aベクトル」、「ODベクトル」は「AOベクトル」と同じベクトルです。
よって、「FOベクトル」+「ODベクトル」
=「aベクトル」+(「aベクトル」+「bベクトル」)
=「2aベクトル」+「bベクトル」
よって、「FDベクトル」は「2aベクトル」+「bベクトル」と表されます。
CHECK
ベクトルのおすすめの勉強法は、問題集を繰り返し解くことです。
もちろん最低限の基礎知識は必要なため、まずは教科書や参考書、またはこのページをよく読んで、理解に努めてください。
基礎知識がある程度理解できたら、問題演習に進めましょう。
まだ全てを理解できていないので、解き方が分からない問題もあるでしょう。
解き方が分からない問題は、解説を読み込み解き方を理解し、もう一度チャレンジしてみてください。
テキストを読み込むことも大切ですが、問題演習でアウトプットをすることで、より知識が定着します。
何度も繰り返すことで、問題の解き方が頭に入るようになり、テストでも実力を発揮できるようになるでしょう。
ベクトルの学習におすすめの問題集の範囲は以下の通りです。
まずは、これらの基礎的な問題集をヒントを見ずに解答できるまで繰り返し学習しましょう。
数学を得意にするためには問題演習が欠かせません。
問題演習をする中で分からない問題も多数出てくるでしょう。
その場合も、分からないからと諦めるのではなく、解説を読み込んだりこの記事を読み返したりして、どのように解けば良いのかを理解することを心がけてください。
この地道な努力が数学力アップへの鍵となるでしょう。
ぜひ何度も繰り返し学習して、ベクトルを得意にしましょう。
CHECK
ベクトルを勉強するなら「オンライン数学克服塾MeTa」がおすすめです。
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2つ目は、計画表により学習を習慣化することです。
「オンライン数学克服塾MeTa」では、毎月1回、個別面談により学習計画を作成しています。
押し付けるのではなく、生徒と相談をしながら作成するので、無理のない計画になっています。
計画を作成することで、授業時だけでなく自習時に何をやるのかが明確になります。
自習の際に「何をやれば良いのか分からない」という状況がなくなるため、効率良く学習できるようになるでしょう。
CHECK
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| 校舎情報 (東京個別指導学院) |
【関東】東京・神奈川・千葉・埼玉 【東海・九州】愛知・福岡 東京個別指導学院の教室情報を確認する⇒ |
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高校受験・志望校対策 |
| 定期テスト・内申点対策 | |
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授業料は公表されておらず、入塾時に提案を受けた通塾期間・回数、受講科目によって提示されるものか、HPなどから問い合わせて目安を教えてもらうなどの方法で知ることができます。
今回は、ベクトルの基礎について解説しました。
向きと大きさを持った量がベクトルであり、矢印で表します。
ベクトルの足し算や引き算は、スタート地点とゴール地点を把握することが大事です。
また、ベクトルは向きと大きささえ同じであれば、どこに書かれていても同じベクトルとして扱われることを覚えておきましょう。
ベクトルは今まで学習したものとは全く異なる概念なので、まだ全てを理解できていない方も少なくないでしょう。
そのため、問題演習をしながら、分からない箇所があれば、この記事を何度も読み返して理解を深めていきましょう。
「ベクトル」に関してよくある質問を集めました。
ベクトルとは、向きと大きさの2つの量を持った概念のことです。例えば、「北に3m動いた」や「西に5m動いた」などのように、北・西といった向きと3mや5mといった大きさを持った量をベクトルといいます。ベクトルの意味についてはこちらを参考にしてください。
ベクトルは矢印を使って表します。ベクトルの向きは矢印の向いている方向、ベクトルの大きさは矢印の長さで表します。ベクトルの性質として、向きと大きさが同じベクトルは同じベクトルとしてみなすことも理解しておきましょう。ベクトルの表し方についてはこちらを参考にしてください。