高校英語で頻出する接続詞。
接続詞は種類が多いゆえに苦手だと感じている方もいるかもしれません。
しかし長文問題では接続詞が問題を解くカギになることも多く、しっかりと押さえておきたい品詞です。
そこで今回は、3種類ある接続詞の中の等位接続詞と相関接続詞について例文を用いてわかりやすく解説します。
入試問題に頻出する重要表現も詳しく解説するので、ぜひ最後までお読みください。
■まとめ
等位接続詞とは、句と句、語と語、節と節のように同じ働きをしているものを結ぶ接続詞のことです。
繋ぐ2つの語や節が、どちらも同じ文法であるという特徴があります。
例えば、動詞の後ろに等位接続詞があれば、同じ時制の動詞が後に続きます。
実際に入試でよく出る等位接続詞の4つのパターンを例文とともに学習していきましょう。
1つ目は、andとorを使う表現です。
以下の2つの例文をご覧ください。
1)Hurry up and you’ll catch the first train.「急ぎなさい、そうすれば始発に間に合いますよ」
2)Hurry up or you’ll miss the first train.「急ぎなさい、さもないと始発を逃しますよ」
1の文は“and”、2の文には“or”が使われています。
“and”には「そして・順当にいけば」というニュアンスがあるので、1の文は「急ぎなさい、そうすればこうなるよ」という意味になります。
一方、“or”には「良い方とはまた別の道」というニュアンスがあるので、2の文は「急ぎなさい、じゃないと・さもないと・そうしなければ」という意味になります。
続いて、「but」を用いた別の例文をみてみましょう。
以下の例文をご覧ください。
例)To be sure is smart,but I don’t like him.「確かに彼は賢いが、私はあまり好きではない」
“To be sure”は「確かに〜だが」という意味であり、その後に否定の“but”が入っているので、「確かに〜だが、しかし〜」という意味になります。
ただし、この“but”は前の文章に対しての逆説のニュアンスを入れるために使っているため、訳す際は「しかし・けれども」をわざわざ入れる必要はありません。
2つ目は、否定文に同意する際の表現です。
以下の例文をご覧ください。
例)He can’t play the guitar well,not can I.「彼はギターを上手に弾くことはできない、そして私もできない」
“He can’t play the guitar well”で「彼はギターを上手に弾くことはできない」となり、その後の“not can I”で「私もできない」という訳し方になります。
このように、否定文に同意するときは、動詞→主語の順番にすることを覚えておきましょう。
逆に、肯定文に同意するときは、「so+V+S」の形を使います。
以下の例文をご覧ください。
例)He must be very kind,for he gave his seat to old woman.
“for”は前置詞だけでなく、理由を説明するときの接続詞(というのも)として使うことができます。
ただし、前の文章の補足説明として使うので、「こうあって」「というのも」という形以外では使えません。
また、“for”は文語的表現として聞こえるので、基本的に会話のときは使えないことも覚えておきましょう。
CHECK
続いて相関接続詞について解説します。
相関接続詞とは、「等位接続詞+1語」でひとつの文章を表す接続詞のことです。
相関接続詞は「both A and B(AもBも両方とも)」、「either A or B(AかBのどちらか)」、「neither A nor B(AもBも〜ない)」、「not only A but also B(AだけでなくBも)」の4種類が主に使われます。
相関接続詞の入試でよく出る3つのパターンを例文とともに学んでいきましょう。
1つ目は「not A but B」と「not only A but B」の使い方です。
以下の2つの例文をご覧ください。
1)He is not a singer but an actor.「彼は歌手ではなくて俳優だ」
2)Not only her but (also) I am a scholar.「彼女だけでなく私も学者だ」
「not A but B」は「AではなくてB」と訳します。
また、「not only A but also B」は「AだけでなくBもある」と訳します。
この場合の“also”は省略することが可能です。
2)の例文ではどちらも学者ということを伝えているように、「not only A but B」を使う際は、Bの文章の主語と動詞を一致させることを覚えておきましょう。
また、「not only A but B」は「B as well as A」の形で書き換えることができます。
2)の例文を書き換えると、以下のようになります。
例)I as well as she am a scholar.
“as well as”は相関接続詞というよりは、前置詞の塊として「私」を修飾していると考えるのがおすすめです。
2つ目は「both A and B」の表現です。
以下の例文をご覧ください。
例)Both she and I have a dog.「彼女も私も犬を飼っている」
「Both A and B」は「AとBどちらとも」と訳します。
“both”は複数を意識している形なので、使うときは必ず複数形にしましょう。
最後はor、norを使う表現です。
以下の2つの例文をご覧ください。
例)Either Ken or I am wrong.「ケンか私かどちらかが間違っている」
「either A or B」で「AかBかどちらか」と訳します。
この場合も「not only A but also B」と同じように、Bの文章の主語に動詞を一致させるので、動詞は“am”とします。
例)Neither Ken nor I am wrong.「ケンも私も間違えていない」
「neither A nor B」で「AもBもない」と訳します。
この場合も「3ither A or B」と同じように、Bの文章の主語に動詞を一致させます。
CHECK
等位接続詞と相関接続詞は全部でどれくらいあり、どのような用法なのでしょうか。
それぞれの種類と用法をみていきましょう。
語と語、句と句、節と節を繋ぐときに使われる等位接続詞は全部で7種類のみなので、覚えるのがおすすめです。
では、それぞれの用法をみていきましょう。
並列・順序を表す等位接続詞は「and」で、4つの使い方があります。
選択を表す等位接続詞は「or」、「nor」で以下の使い方があります。
・or
・nor:否定文(not,no,neverを含む文)の中で「or」の役割を果たす。
「AもBも〜ない」
逆接を表す等位接続詞は「but」で「A、しかしB」(「not A but B」で「AではなくB」)の用法です。
結果を表す等位接続詞は「so」、「for」で以下の使い方があります。
相関接続詞の主要な使い方は前述したので、応用の用法について解説していきます。
neitherは「…もまた…しない」の意味で、単独で使用されることがあります。
この場合「neither+(助)動詞+主語」の語順となる点に注意してください。
以下の例文をご覧ください。
例)He didn’t speak any English,neither did she.「彼は英語を話せなかったし、彼女もそうだった」
neitherを使った表現は、否定の返答にもよく使われます。
例)“I can’t believe it.”「信じられません」“Neither can I.”「私もだ」
なお、neitherには代名詞としての用法もあります。
以下の例文をご覧ください。
例)Neither of the brothers wants to leave the house.「その兄弟のいずれも家を出たくない」
norは「そしてまた…しない」の意味で、以下のように単独で使用されることがあります。
例)Aya is not the first,nor will she be the last.「アヤは最初ではない、そしてまた最後でもないだろう」
norは文頭に用いられることもあります。
以下の例文をご覧ください。
例)I saw no restaurants,no cafes and no malls.Nor did I see anywhere else to hang out.「私はレストラン、カフェ、モールを見なかった。そしてまた、ぶらぶら時を過ごす場所も見つけられなかった」
CHECK
では、等位接続詞・相関接続詞の問題演習に取り組みましょう。
次の文章を日本語に合うように( )に適切な単語を埋めなさい。
1)彼女は料理が苦手だし、私も苦手だ。
She is poor at cooking,( )( )I.
2)朝早く起きる必要はなかった、というのも今日は学校が休みだからだ。
I needn’t have got up early,( )today is a school holiday.
3)フランス語も英語もこの国では話されていない。
Neither French( )English( )spoken in this country.
4)私も彼も同様にその歌が好きだ。
He as( )as I( )the song.
できましたか?
では、解答を見てみましょう。
1)She is poor at cooking,nor am I.
2)I needn’t have got up early,for today is a school holiday.
3)Neither French nor English is spoken in this country.
4)He as well as I likes the song.
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CHECK
今回は等位接続詞と相関接続詞について解説しました。
等位接続詞はfor,and,nor,but,or,yetの7つであり、この接続詞で繋がれる単語や文章は、同じ文法となります。
相関接続詞は「等位接続詞+1語」でひとつの文章を表す接続詞のことであり、用いるときは、主語と動詞を一致させることを忘れないようにしましょう。
次回は従属接続詞について解説します。
「等位接続詞・相関接続詞」に関してよくある質問を集めました。
等位接続詞とは、句と句、語と語、節と節のように同じ働きをしているものを結ぶ接続詞であり、繋がれた2つの語や節が、どちらも同じ文法であるという特徴があります。等位接続詞にはfor,and,nor,but,or,yetの7種類があります。等位接続詞の判断基準の詳細はこちらを参考にしてください。
相関接続詞とは、「等位接続詞+1語」でひとつの文章を表す接続詞のことです。相関接続詞は「both A and B(AもBも両方とも)」、「either A or B(AかBのどちらか)」、「neither A nor B(AもBも〜ない)」、「not only A but also B(AだけでなくBも)」の4種類が主要として使われます。相関接続詞についてはこちらを参考にしてください。