センター試験から大学入学共通テストに変更されることとなりました。
今回の記事では大学入学共通テスト 物理の特徴・大問分析・難易度・勉強法・参考書について解説します。
「そもそもセンター試験との違いって何?」「大学入学共通テストの対策方法は?」「問題構成や出題範囲がわからない」という方におすすめです。
記事の最後には記事を監修している家庭教師のトライの紹介もしているので独学での勉強が厳しいといった方はぜひご確認ください。
共通テスト 物理の出題傾向の変化として、教科書の範囲外の情報を基に基礎知識を活かして実験の結果を考察させる問題が新出しました。
また、対話形式の穴埋めをするような問題も前回の共通テストから新出したので、今後の傾向になる可能性が十分にあります。
大問の構成がセンター試験の5問から4問に変更されました。
以下が新しい大問構成になります。
大問 | 分野 | 問題 | 配点 |
---|---|---|---|
1 | 小問集合 | 各分野の基本問題 | 30 |
2 | 電磁気 | ダイオードと、磁場中を運動する導体棒の電磁誘導 | 20 |
3 | 原子 | 光の屈折・反射・干渉、単振動する音源によるドップラー効果 | 20 |
4 | 力学 | 慣性力と、鉛直面内での円運動 | 30 |
出題傾向や大問構成に変化はありましたが、試験時間・出題範囲に変更点はありませんでした。
しかし、教科書に載っていないような初見の問題も出題されることが予想されるので、問題演習を積み重ねて物理法則等の基本事項を正確に理解し、問題文を的確に把握してその場で対応できる力、図やグラフをもとに考察する力を身につけておく必要があります。
センター試験の物理と平均点を比較するとやや易化したようです。
大問数が減ったことで受験生が得点しやすくなったのかもしれません。
試験 | 得点 |
---|---|
2019年センター試験 | 56.94点 |
2021年度共通テスト | 62.36点 |
2022年度共通テスト | 60.72点 |
2023年度共通テスト | 63.39点 |
✔︎時間・範囲に変更なし
✔︎難易度はやや易化
✔︎大問は4つ構成
共通テストでは、日常生活や実験を意識した問題、科学的な探究の過程を重視した問題が出題されます。
既存の問題集を中心とした反復学習だけでは対応できないため、「探究活動」の内容も丁寧に学習し、実験データの読み取りや実験結果をグラフで表す練習、立式や計算練習もしておく必要があります。
小問集合は、各分野から出題されるので、物理の現象をしっかり理解することが必要です。
センター試験と同様で各分野から満遍なく基礎的な問題が出題されていたので、大きな変更点はないといえます。
実験と結果の丸暗記ではなく、なぜそのような結果になったのかを理解し、実験や現象の過程や根拠をおさえながら対策をしましょう。
電気回路、磁石、電磁石などの分野です。
共通テストでは直流電源の回路の問題、電磁誘導の問題が出題され、誘導電流による棒の動きの速度の時間変化について問われています。
融合問題や、グラフ問題、電気回路が出題されることが多い単元なので、整理して要点をまとめながら対策をしましょう。
回折光子、光波の干渉、音波の干渉、ドップラー効果などの分野です。
原子分野はセンター試験ではあまり出題されない分野でしたが、共通テストでは頻出になっていく可能性があります。
日常生活に即した典型的な出題が多くみられるので、なぜそのような結果になったのかをしっかり考えて学習しましょう。
物理の中でも最重で、核ともいわれる分野であり、物理の他の分野を考える上での基礎になります。
共通テストでは衝突に関する実験から考察の穴埋めをするという新しい形の問題が出題されていました。
出題範囲が広く、問われている内容は基本的なものであっても、ひねった出題方法により落としてしまうことがあるので、基礎固めが大切な単元になります。
✔︎大問1は得点したいポイント
✔︎めずらしい原子が出題
✔︎選択問題はなし
物理の勉強方法に必須なのが公式を文字で暗記しないことです。
これは理系科目なら全てに当てはまりますが公式を数的に理解しなくては必ず応用問題でつまずいてしまいます。
理解するのに時間がかかってしまっても全ての基本の部分になるので、必ず理解してから先に進むようにしましょう。
今回の共通テストから実験とその考察が問われる問題が新たに出題されるようになったので、問題演習を行う際には実験を題材にした問題に多く取り組んでおきましょう。
物理は、過去問や模試を解いた後にただ答え合わせをするだけではなく、なぜこのようにして問題が解けるのか、問題から学べることは何かを明確にしていくことが重要です。
起こりうる現象にはすべて理由があるので、物理を勉強する上では突き詰めていくことが必須です。
共通テストの結果も大切ですが、目指すべきは共通テストではなく各大学の入試問題なので、焦らずに基礎固めは徹底的に行ってから共通テスト対策に入りましょう。
理想の物理の勉強スケジュール | |
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1学期 | 基本問題をひたすら進めていく |
8~9月 | 物理の範囲は一通り終え、一般入試対策を始めている状態 |
10~11月 | 共通テストの問題を解き始める |
✔︎公式を数的に理解する
✔︎実験問題に重点を置く
✔︎過去問は必ず分析する
著者 | 出版社 | 価格(税込) | ISBN-13 | タイプ |
---|---|---|---|---|
木村 純 | KADOKAWA | 1,320円 | 9784046042408 | 予想問題集 |
2回分の試行調査問題と2回分の著者オリジナル予想問題で、本番を意識した物理の対策が行えます。
予想問題には、実験に関する問題や、資料のデータを読み取り分析・考察する力を問う問題を多く取り入れられており、共通テスト独特の「思考力」を問うタイプの問題の練習を徹底的に行うことができます。
著者 | 出版社 | 価格(税込) | ISBN-13 | タイプ |
---|---|---|---|---|
土屋 博資 | 旺文社 | 1,485円 | 9784010346785 | 問題集 |
確認問題、基本問題で基礎力の定着を図り、実戦問題で共通テスト特有の応用力をつけることができるようになっています。
掲載問題数は全264問で、センター試験過去問の他、オリジナル問題も収録してあります。
問題演習を多く重ねたい方におすすめの問題集です。
家庭教師を利用するメリットは大学入試情報が豊富であるために、共通テスト 物理の傾向と対策が分析された上での指導を受けられるということです。
また、物理の本質を理解している、専門の講師から指導を受けることで、効果的に理解を深めることができ、考えて解く力を養える上に、効率よく学習を進めることができます。
家庭教師のトライの強みは、30年以上にわたり120万人以上の指導実績を積み、培ったノウハウで作り上げた「トライ式学習法」です。
マンツーマン教育で、分かったつもりを防ぐ「ダイアログ学習法」と、 記憶が定着する「エピソード反復法」、偏差値を高める「速読訓練」、などの、学習有効率を上げるテクニックを用いて、学習をサポートしてくれます。
一人ひとりにあわせた教材やカリキュラムで、今必要な学力を、オーダーメイドのオリジナル学習プランによって身につけられます。
✔︎トライに自分い合った勉強法を見つけてもらう
✔︎家庭教師で共通テスト対策
✔︎オーダーメイドの学習プラン
今回は、共通テストの物理科目について紹介してきました。
物理は、センター試験から共通テストへの大きな変更はないものの、グラフや表をもとに考察する問題が出題される可能性が非常に高いです。
ただ法則を丸暗記するのではなく、そのプロセスを把握し、応用できる力を身に付けておきましょう。
「共通テスト 物理」に関してよくある質問を集めました。
共通テスト物理の変更点は、実験・日常に関する問題が増加したこと、大問構成が5問から4問に減り配点が変わったことです。ただし、試験時間と出題範囲には変更ありません。
共通テスト物理の勉強方法は、公式を数的に覚えていくこと、実験問題に取り組む時間を増やすこと、解いた過去問を分析することです。どれも物理で伸び悩んでいる受験生は疎かにしがちなので、意識して学習に取り組みましょう。