中学生で習う「式の展開」について説明します。
式の展開は関数や図形の学習にも必要となります。
今回の記事では、式の展開の公式や解き方、応用問題まで学ぶことができます。
まだ習ったことがない人は予習として、もう習った人は復習として、活用してください。
式の展開とは、整式の掛け算を単項式の足し算で表すことを言います。
式の展開について、理解を深めていきましょう。
式の展開と関連した単元として、因数分解があります。
因数分解は、式の足し算や引き算の式を、カッコでまとめて掛け算の式にすることです。
言い換えると、式の展開は「()」を外すもの、因数分解は「()」を付けるものであるといえます。
式の展開とは、積の形で書かれた式を計算して、単項式の和の式にすることです。
言い換えると、多項式の「かけ算の式」を単項式の「足し算の式」にすることです。
掛け算の式のカッコを外すことで、展開することができます。
では、式の展開の例題を見てみましょう。
今回は、(x+2)(x+4)=x²+6x+8について確認します。
左辺の式である(x+2)(x+4)を展開することで、右辺の式であるx²+6x+8に変形していることが分かります。
また単項式とは、数学や文字の掛け算や割り算だけで作られた一つの項の式のことであり、例として3x・-5y・ac があります。
多項式とは、足し算や引き算も含んでいて2つ以上の項の式を表すものを言い、例として2a+b・‐x-2が当てはまります。
因数分解は、式の展開とは反対で、「足し算の式」を「掛け算の式」にすることです。
足し算の式から共通している文字や数字を括ることで、掛け算の式にしています。
さっそく、因数分解の例題を確認してみましょう。
例題x²+6x+8=(x+2)(x+4)について解説していきます。
x²+6x+8をカッコでまとめて(x+2)(x+4)に変形しているため、因数分解していると言えます。
因数分解をすることで、二次方程式や三次方程式を解くことができます。
高校受験だけでなく大学入試でも必要なので、丁寧に学習していきましょう。
✔式の展開とは、掛け算の式を足し算の式に変形すること
✔因数分解とは、足し算の式を掛け算の式にすること
✔単項式と多項式についても理解を深めておこう
式の展開の解き方について解説していきます。
展開とは「カッコを外すこと」であると覚えておきましょう。
展開するとき、分配法則を使うことが必要となります。
分配法則はそれぞれの項を順に計算していくやり方です。
説明だけでは理解しづらいので、具体例で確認してみましょう。
(x+3)(x+4)の分配法則を説明していきます。
(x+3)(x+4)を展開する場合、xをxと+4の両方に、+ 3をxと+4の両方にそれぞれ掛けて計算します。
計算すると、x²+4x+3x+12となります。
4xと3xは足し算をしてx²+7x+12が答えとなります。
分配法則を使用した展開方法について説明してきましたが、分配法則を使っての展開は計算が多く、答えを出すのに時間がかかってしまいます。
そのため展開を簡単にする乗法公式について説明していきます。
分配法則を使って展開できるようになってから、公式を暗記するようにしましょう。
理解度が上がり上達が早いだけでなく、応用にも強くなります。
展開したいカッコに2乗がついているときの解き方について説明していきます。
カッコに2乗がついているとき、(a+b)²=a²+2ab+b²の乗法公式を使用しましょう。
計算するとき、カッコの中を2つのパーツに分け、最初1つ目のパーツを2乗します。
次に2つのパーツを掛け算したあと、2倍します。
最後に、2つ目のパーツを2乗することで、答えを求めることができます。
2乗ではなく2倍してしまう間違いが多いので、気をつけましょう。
それでは、例題を通して理解を深めていきましょう。
例題として、(x+6)²を説明していきます。
解くときは、はじめに1つ目のパーツであるxを2乗します。
そのあと、xと+6を掛け算して2倍します。
最後に、2つ目のパーツである+6を2乗します。
よって、(x+6)²=x²+(2×6×x)+(6)²=x²+12x+36になります。
カッコを2乗している公式についての解き方を覚えておきましょう。
展開したい2つのカッコの中身の符号だけが違うときの解き方について説明していきます。
数字や文字の部分が同じだけれども、符号の部分が違うとき、(a+b)(a-b)=a²-b²を使用することができます。
答えは、同じもの同士を掛け算して、それらを引き算することで求めることができます。
例題を確認してみましょう。
例題(3x+4y)(3x-4y)を展開したいとき、まずは3xを2乗して9x²を出します。
次に+4yと-4yを掛けることで、-16y²を出します。
よって、(3x+4y)(3x-4y)=(3x)²-(4y)²=9x²-16y²になります。
なぜこのようになるかは、実際に分配法則してみることで理解することができます。
例題(3x+4y)(3x-4y)を分配法則で展開してみると、9x²-12xy+12xy-16y²になります。
そのとき、真ん中の-12xyと+12xyは足し算をすると消えてしまい残らないので、最初から真ん中の計算を取り除くことで、すぐに答えを求めることができるようにしています。
乗法公式の中で最も使用する(x+a)(x+b)を展開する公式について説明していきます。
この公式は、両方のカッコの中に同じ文字や数字が一個だけあるときに(x+a)(x+b)=x²+(a+b)x+adを使用することができます。
計算するとき、まずは同じ部分を2乗します。
次に同じでない部分を足したものに、同じ部分を付け足します。
最後に、同じではない部分を掛け算します。
それでは、例題として(x+3)(x+5)を展開していきましょう。
今回は、(x+3)と(x+5)はxだけが同じため、(x+a)(x+b)=x²+(a+b)x+adの公式を使用することができます。
まずはxを掛け算して、x²にします。
次に+3と+5を足し算した+8に、xを付け加えて8xにします。
最後に、同じでない+3と+5を掛けて+15にします。
よって、(x+3)(x+5)=x²+(3+5)+15=x²+8x+15になります。
多くの問題に取り組むことで、計算方法を身につけていきましょう。
✔展開したい式によって公式を使い分けよう
✔分配法則をしっかりと理解しておこう
✔何度も問題を解いて頭に定着させよう
続いては、式の展開の応用問題について解説していきます。
基礎を定着させた上で応用問題を見ると、理解しやすいです。
ここでは、3つの項を含むカッコの2乗の展開について説明します。
項が3つある式には解き方が2種類あるので、どちらも理解しておきましょう。
項が3つのとき、(a+b+c)²=a² +b²+c²+2ab+2bc+2caの公式を使用できます。
各項に2乗した後、2ab、2bc、2caと円を書くように計算することで公式を導くことができます。
それでは、実際に例題をやってみましょう。
例題(x+2y+3z)²を公式に当てはめて展開すると、
(x+2y+3z)²はx²+4y²+9z²+2×x×2y+2×2y×3z+2×x×3zとなり、
掛け算をすると、答えはx²+4y²+9z²+4xy+12yz+6xzになります。
公式を使用することで、簡単に展開することができますね。
公式を使用せずに、文字に置き換えることで展開することもできます。
カッコの中にある3つの項のうち、2つの項を一つの他の文字に置き換えることで展開する方法です。
では、例題を見てみましょう。
例題(x+2y+3z)²を展開したいとき、x+2yをAに置き換えてカッコ内の項を2つにして考えます。
すると、(A+3z)²となり、2乗の乗法公式である(a+b)²=a²+2ab+b²を利用して展開することができます。
2乗の乗法公式を使用すると、(A+3z)²=A²+6Az+9z²になります。
最後にAを(x+2y)に戻すことで、
(x+2y)²+6z(x+2y)+9z²
=x²+4xy+4y²+6xz+12yz+9z²
=x²+4y²+9z²+4xy+12yz+6xzとなり、
公式を使用したときと同じ答えを出すことができます。
項が3つの公式を覚えなくても解ける方法についても理解しておきましょう。
公式を使うことで、カッコの3乗も展開することができます。
カッコの3乗を2乗と1乗に分けて計算することもできますが、展開するのに時間がかかってしまうので、3乗の公式を覚えるのがベストです。
それでは、例題を解いてみましょう。
(2x+3y)³を展開するとき、公式である(a+b)³=a³+3a²b+3ab²+b³を使用します。
まずは、2xを3乗して8x³にします。
次に、3と2xの2乗、3yの1乗をかけて、36x²yにします。
その後、3と2xの1乗、3yの2乗をかけて、54xy³にします。
最後に、3yを3乗して、27y³にします。
そうすると、(2x+3y)³=8x3+36x²y+54xy²+27y³となり、展開することができます。
✔項が3つの式には解き方が2つある
✔3乗の展開公式は4つある
✔公式に当てはめることで効率的に解ける
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今回は式の展開について解説しました。
複雑な問題に見えても、公式を利用することで簡単に答えを導けることは多いです。
学習したことがある人は復習として、まだ学習したことのない人は予習として参考にして下さい。
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