場合の数は、高校で新しく学習する分野です。
中学校の時にも似たような内容を扱いましたが、高校では本格的に場合の数について学習します。
今回は、基礎をきちんと理解し、スラスラ解けるようにマスターするのが目標です。
それでは、場合の数の求め方のポイントを2つに分けて解説していきます。
まずは、場合の数の求め方について解説します。
場合の数は、パターンが何通りあるのかを数える問題になっています。
例えば、ジャケットとシャツの組み合わせがいくつあるのか、ハンバーガーとサイドメニュー、ドリンクの組み合わせがいくつあるのか、などのパターンの数を数えるのが場合の数の問題です。
場合の数の求め方のポイントには2つあり、1つが「または」と「かつ」、2つ目が「選んだ後に区別するかどうか」です。
「または」と「かつ」は集合と命題の分野で学習しました。
例えば、5種類のドリンク、3種類のスイーツからメニューを選んで注文する場合を考えます。
ドリンクか、スイーツかどちらか1個しか買えない場合は、5種類のドリンクから1個選ぶか、3種類のスイーツか、それぞれ「または」という条件で繋げます。
ただ、ドリンクとスイーツの両方とも頼みたい場合は、ドリンクとスイーツのそれぞれを一緒に頼むので「かつ」の条件になります。
先ほどの例に式を当てはめてみると以下の通りになります。
「または」の条件の時は、それぞれの場合の数を足します。
要するに、ドリンクを選ぶのが5通り、スイーツを選ぶのが3通りなので、5+3=8通りとなります。
このように、「または」となり、それぞれを足す法則を「和の法則」と呼びます。
また、「かつ」、つまりドリンクとスイーツを同時に頼むときについても解説します。
例えば、ドリンクがAからEの5種類で、スイーツがXYZの3種類あるとします。
Aのドリンクを頼んだときに、このようにXYZ3種類のスイーツを選ぶことができます。
これはBのドリンクを選んだときもCのドリンクを選んだときも全て同じです。
よって、ここに書いてある全てのパターンを足すと5×3=15通りあります。
このように、「かつ」の条件のときに、それぞれのパターンの数をかけることを「積の法則」と言います。
それではもう1つ、例題を考えてみましょう。
ハンバーガーが8種類、サイドメニューが3種類、ドリンクが5種類ある場合、この全部の中から1個だけ何かを注文したいというときは、ハンバーガー、またはサイドメニュー、またはドリンクどれかを1個選ぶので、和の法則が成り立ちます。
なので、8+3+5=16本となります。
ただ、ハンバーガーから1個、サイドメニューから1個、ドリンクから1個と、全てから1個ずつ選んで、それをセットにして同時に買う場合、これは「かつ」の条件になって積の法則が成り立ちます。
よって、場合の数は8×3×5=120通りとなります。
CHECK
2つ目のポイントは、「選んだ後に区別するかしないか」を考えるということです。
例を挙げると、「AからEの文字から3文字選んで、それを1列に並べる」という問題は区別する問題です。
例えば、AからEの中から、ABCという文字を選んで、それを左から順にABCと並べるか、BCAと並べるか、のように1番目がどこなのか2番目がどこなのかを区別します。
それに対して区別しない問題では、「AからEの5文字の中から3文字を選ぶだけ」となります。
それでは「選んだ後に区別する場合」の場合の数はどのようになっているのかをみていきます。
まず、1番左にくる文字は何通りあるでしょうか。
AからEの文字の中から1個選ぶので、5通りの選び方があります。
続いて、2番目には何通りの文字の選び方があるのかというと、4通りです。
よって、3番目の文字のやり方は、さらにもう1個減って3通りとなります。
これら3つの文字は全てセットにして考える必要があります。
すると、「かつ」の条件になるので、積の法則が成り立ちます。
積の法則が成り立つので、この3つを掛け算すると、5×4×3=60となります。
このような「分けた後の区別をする」ような考え方を、順列と言います。
例えば20人の部員がいて、その20人の中からキャプテンと副キャプテンとマネージャーを1人ずつ選ぶ場合を考えましょう。
まず20人からキャプテン・副キャプテン・マネージャーの3人を選んで、選んだ3人の中でそれぞれ1人ずつ誰がキャプテン、誰が副キャプテン、誰がマネージャーかを区別します。
つまり選んだ区別があるので、これは順列になります。
順列の計算方法は、1つずつ減らしていけばよかったので、「20×19×18=6840」となります。
それでは次に、「選んだ後に区別しない場合」についても考えてみましょう。
先ほどの例題と同じ場面を考えてみます。
ABCの3文字を選び、区別する場合は6通りの並べ方があります。
ただ、選んだ後に区別をしない場合、ただ選ぶだけの場合は、この6通りが全部同じになります。
ABCを選んだという事実は変わりません。
ここまでは選んだ後に区別する場合も区別しない場合も同じ解き方です。
ただ、ここから先、同じ計算をしてしまうと、無駄な計算を多くすることになります。
ABCだけではなく、BCDやCDEなど、他の3文字を選んだときも同じで、必ず6パターン無駄に数えることになってしまいます。
ですから、ただ選ぶだけで区別をしない場合には、まず区別をするときの場合の数を計算して、それを6で割ればいいということになります。
よって、区別しないときの場合の数は、「区別をするときの場合の数を、区別をして選んだ後の数の順列で割る」というのが、この場合の数の数え方です。
今の問題でいうと、先ほど計算した「5×4×3」を3の順列で割れば良いのです。
つまり、3×2×1=6であれば良いということになります。
よって、答えは10だと分かります。
これは先ほどの順列に対して組み合わせといいます。
ちなみに、順列と組み合わせとは、記号で描くと、例えば区別する場合が5P3、区別しない場合が5C3となります。
それでは、以上を踏まえて次の練習問題に挑戦してみましょう。
「8種類のハンバーガーから2種類、3種類のサイドメニューから2種類、5種類のドリンクから2種類選んで購入する」時の場合の数を求めてみてください。
できましたでしょうか?それでは、解き方を解説します。
ハンバーガーとサイドメニュー、ドリンクをそれぞれから2個選ぶ部分に関しては、区別がありません。
なので、組み合わせです。
よって、8C2=28、3C2=3、5C2=10となります。
この場合において、選んだハンバーガーとサイドメニューとドリンクを同時にまとめて買うということは、ポイント①の「かつ」の条件です。
「かつ」の条件なので、掛け算を用いる必要があります。
さらに、この選んだあとのハンバーガー2個、サイドメニュー2個、ドリンク2個も区別ができます。
区別ができるので、それぞれを割る必要はありません。
よって、28×3×10=840になります。
これが答えです。
CHECK
場合の数のおすすめの勉強法は、基礎問題を繰り返し解くことです。
場合の数の問題を解く2つのポイントを見分けられるようになるには、たくさんの問題に触れる必要があります。
たくさんの問題に触れ、ポイントを見分ける練習をすることで、段々とスラスラ解けるようになっていきます。
基礎問題を何度も解いて、解き方のポイントを確実に押さえしましょう。
場合の数のおすすめの勉強法は、以下の問題集を繰り返し解くことです。
応用レベルに挑戦する前に、基礎問題を繰り返し解き、解き方のコツを身につけましょう。
場合の数は、以上の問題集を繰り返し解くことで、解法を身につけることが非常に大切です。
>問題を解く際のポイントを見極めるのにかなりの時間がかかる可能性もあるので、1回で満足することなく、2回、3回と繰り返し学習しマスターしましょう。
基礎が完璧になったら応用に進み、自分の実力を高めていきましょう。
CHECK
オンライン数学克服塾MeTaの基本情報 | |
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CHECK
家庭教師のアルファの基本情報 | |
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今回は、場合の数の問題を解説しました。
ご紹介した2つのポイントを使い分けられるようになるだけで、一気に正解率が高まります。
まずはいろんな問題に触れて、どのような場面でどのように使い分けるのかを習得していく必要があります。
今回ご紹介したような問題集を用いて、何度も何度も練習してみてください。
「場合の数」に関してよくある質問を集めました。
場合の数の求め方の2つのポイントは、『「または」と「かつ」の使い分け』と『選んだ後に区別するかどうか』です。これらを正確に使い分けるようになるには、基礎を繰り返し学習することが必要です。1回だけでなく、2回以上解いてマスターしましょう。場合の数の求め方の詳細はこちらを参考にしてください。
場合の数を練習する際のおすすめの問題は、青チャート、サクシード、4STEP、Legendなどの基本が学習できる問題集に載っている問題です。基礎的な問題集を繰り返し学習することで、ポイントの使い分けを習得します。応用問題を解く前に基礎問題をマスターしましょう。場合の数のおすすめの問題についてはこちらを参考にしてください。