今回は、場合の数に関する具体的な問題の解き方を解説します。
実際に問題を解きながら、その解法を解説する流れになっているので、場合の数の基礎が身に付いていない場合は、まずは基礎から学習することをおすすめします。
それでは、実際に問題を解いていきましょう。
はじめにご紹介するのは、階乗を使った練習問題の計算方法です。
合わせて2問ご紹介するので、解きながら理解していきましょう。
まずは、階乗の基本問題にチャレンジしましょう。
「女子3人、男子4人の計7人がいる中で、⑴全員を一列に並べる、⑵女子3人が隣り合うように並べる場合の数は?」こちらの問題を解いてみましょう。
できましたでしょうか?
⑴は、場合の数の基本で学習したものと同じ解き方です。
7人いて、その7人全員を並べます。
並べるということは並ぶ人たちを区別することになるので、順列を考えます。
順列の計算式は「7P7」となるので、これを計算すると、7×6×5×4×3×2×1=5040となります。
ちなみに、7から1まで1になるまでずっと1個ずつ階段状に数字を下げながら掛け算をしていくことを階乗と言い、「7!」ビックリマークのように表すこともできます。
続いて、⑵についてです。
まず、女子3人を1つのグループとして考えます。
そうすると、これは男子4人と女子グループ1つの並び順になります。
つまり、5つのものを並べるという問題と同じ解き方をすることになります。
⑴同様、並べるのに使うのは順列です。
よって、5P5=5!=5×4×3×2×1=120となります。
ここで、女子グループは3人でひとかたまりにしましたが、この中にも実は並べ方があります。
誰が一番左側に来て、誰が一番右側に来るかという並び順がグループの中でも区別があるので、この場合の数を計算しましょう。
これも順列なので3P3=3!=6です。
この2つの数字、120と6は「かつ」の関係になっているので、積の法則を使って求めることができます。
よって、答えは120×60=720となります。
CHECK
続いて、階乗以外の順列を使った練習問題の解き方を解説します。
今回ご紹介するのは、重複順列と円順列です。
それぞれ問題を解きながら理解をしていきましょう。
それでは、次の問題にチャレンジしましょう。
「A,B,C,D,Eの5文字から3文字選んで1列に並べる」際の場合の数を求めてください。
ただし、同じ文字を何回でも使って良いとします。
できましたでしょうか?
今回は何回でも同じ文字を使っていいとのことで、条件が変わっています。
1番目に置く文字は5通りで変わりありません。
ただ2番目も同じ文字を使って良いので、5通りの選び方があります。
3番目も同様に5通りあるので、全て5通りの選び方があることになります。
それぞれの選び方は、「かつ」の条件に当てはまるので、積の法則を使います。
答えは、「5³=125通り」となります。
このように、何回でも使って良いとする順列のことを、重複順列と言います。
続いて、もう1問問題を解いてみましょう。
「5人でじゃんけんするときの手の出し方」の場合の数を求めてください。
できましたでしょうか?これも先ほどの問題と同じ、重複順列の考え方を使います。
一人ひとりのじゃんけんの出し方は自由なので、全員が「グー・チョキ・パー」の3通りから選ぶことになります。
さらに、誰が「グー・チョキ・パー」のどれを出したのかの区別もあるので、順列です。
よって、答えは「3⁵=243通り」です。
それでは、こちらの問題にも挑戦してみましょう。
「A,B,C,D,Eの5文字を円形に並べる」
できましたでしょうか?
今までの問題では1列に並べていましたが、今回は円形に並べます。
円形に並べるときは、1列に並べるときと考え方が異なるので注意が必要です。
1列に並べる際は、ABCDEという文字列とBCDEAという文字列は別の並び順でした。
しかし、円形に並べると、この2つは同じ並び順になります。
BCDEAに並べられた円を少しだけ回転させるとABCDEの並べ方と一致します。
よって、1列に並べるときと同じような数え方をしてしまうと、無駄に多く数えてしまうことになります。
ABCDEという並び順は、BCDEA、CDEAB、DEABC、EABCDという4つの並び順と一致します。
よって、5つの並び順がダブるので、1列に並べる並べ方を5で割ると答えが出ます。
答えは「5!÷5=(5×4×3×2×1)÷5=120÷5=24通り」となります。
このように、円形に並べる並べ方のことを円順列と言います。
CHECK
最後に、組み合わせを使った練習問題について解説します。
それぞれ問題を解きながら理解していきましょう。
それでは、この問題に挑戦しましょう。
「8人を4人、3人、1人に分ける」
できましたでしょうか?
この問題では、8人から4人を選び、4人から3人を選び、残った1人を選びます。
ここで、選ばれた人たちには区別があるでしょうか?
ありませんよね。
よって、順列ではなく、組み合わせで考えることになります。
8人から4人を選ぶのは8C4、4人から3人を選ぶのは4C3、1人から1人を選ぶのは1C1で計算できます。
これらは、同時に起こらなければならないので、「かつ」の条件となり、積の法則を使うことで求められます。
よって、答えは「8C4×4C3×1=70×4×1=280通り」となります。
それでは、組み合わせの考えを踏まえて、もう1問解いてみましょう。
「8人を4人ずつ分ける」
できましたでしょうか?
先ほどの問題と、途中まで考え方が全く一緒です。
8人から4人を選んで、その選んだ4人の中で区別はしないので、これは組み合わせを使う問題となります。
よって、8人から4人選ぶので8C4、残った4人から4人を選ぶので、4C4です。
これらは同時に起こらなければならないので、積の法則を使います。
ただ、ここから先が少し異なります。
先ほどは、4人、3人、1人と、全てのグループの人数が違いました。
しかし、今回はどちらも4人組になります。
そこで、この2つの4人組は区別をしなければならないのです。
よって、選んだ後のグループの数の順列で割らなければいけません。
2の順列は「2×1」なので、答えは「8C4×4C4÷2×1=70×1÷2=35」となります。
CHECK
階乗を含んだ場合の数の練習問題のおすすめの勉強法は、さまざまな問題に触れることです。
基礎が身についている方は、さまざまなパターンの問題を解いて、解法を頭に入れることが大切です。
ぜひ繰り返しさまざまな問題に触れ、解ける問題のバリエーションを増やしていきましょう。
場合の数の基礎がまだ身についていない方は、さまざまな練習問題を解く前に、解き方の2つのポイントを習得しましょう。
基礎が身についた上で、応用問題を解くからこそ実力がつくので、焦らず基礎に立ち返って学習しましょう。
また、数学の成績が上がらない方でよくあるケースが、数学の勉強時間が少ないというものです。
もちろん数学だけを勉強するわけにはいきませんが、数学の成績を上げるためには、かなりの時間を費やす必要があります。
勉強時間のおよそ半分は数学に費やしてみてください。
そのくらいの勉強時間を確保することで、基礎が定着し問題演習にも取り組めるようになるので、成績の向上も望めます。
ぜひ、多くの時間を数学に費やしましょう。
場合の数・階乗のおすすめの勉強法は、以下の問題集を繰り返し解くことです。
何度も解いて解法を頭に入れましょう。
基礎が身についた状態であれば、たくさんの問題に触れることが1番成績を向上させるために必要なことです。
さまざまな問題に触れ、さまざまな解法を知り、繰り返し学習して身につけていきます。
大変ではありますが、ここをやり切るだけで成績がかなり変わってきます。
無理だと自分で決めつけるのではなく、ぜひ1問1問取り組んでいきましょう。
CHECK
オンライン数学克服塾MeTaの基本情報 | |
---|---|
対象 | 中学生・高校生 |
授業形式 | オンライン(個別1対1、集団) |
特徴 | 数学克服・対策に特化したオンライン専門塾 |
オンライン数学克服塾MeTaは、数学に特化したオンライン個別指導塾となっており、数学の苦手を克服したい生徒にピッタリになっています。
指導としては、思考力の向上を重視しており、解き方の理解やどのようなロジックでこの答えになるのかなどそれぞれの事象に対してしっかりと理解できるまで指導しています。
そのためには、生徒との対話の時間をしっかりと取って、各生徒の理解度やつまづいている部分、苦手意識が生まれている原因などを追求していきます。
そのため、基礎からちゃんと教えてもらえるのかが心配、という方でも問題なく学習を進められるでしょう。
正弦定理・余弦定理を勉強するなら「家庭教師のトライ」がおすすめです。
対象 | 小学生・中学生・高校生 |
---|---|
授業形式 | 家庭教師 |
特徴 | 120万人以上の指導実績を誇る全国No.1家庭教師 |
なぜおすすめなのか、その理由を2つご紹介します。
家庭教師のトライでは「トライ学習診断」を取り入れています。
従来の診断では2時間ほどかかるところを、およそ10分の1である約10分間の診断を行うだけで、どの単元が得意なのか、苦手なのかについて、単元の細かい部分まで把握することができます。
理解度は「得意」「やや苦手」「苦手」の3段階で判断されます。
そのデータと周辺地域の情報をもとに、教育プランナーが一人ひとりに合わせた学習計画を作成します。
授業の進度や定期テスト、入学試験などに合わせた計画をプロが立ててくれるので、安心して学習できます。
中には、トライ学習診断を受けたことで1ヶ月で偏差値が平均6以上上がったり、定期テストの点数が平均15点ほど上がっていたりするなど、多くの効果が出ています。
今回は、場合の数・階乗の練習問題について解説しました。
場合の数の基礎が身についている場合は、今回触れた内容を繰り返し解き、さまざまなパターンの問題に対応できる力をつけましょう。
まだ基礎が身についていない場合は、焦らず基礎に戻って復習しましょう。
基礎が身についていない段階で練習問題をたくさん解いても効果はあまりありません。
着実に定着させてから多くの練習問題に取り組みましょう。
「階乗」に関してよくある質問を集めました。
階乗とは順列の1種で、1個ずつ階段状に数字を下げながら掛け算をしていくことを階乗と言います。複数人の人が1列に並ぶ際などに、階乗を使って場合の数を求めることができます。階乗を使った問題の解き方の詳細はこちらを参考にしてください。
基礎を定着させたあとは、さまざまな演習問題に挑戦します。基礎力がついていれば、たくさん問題を解くことで、どんどん解き方を理解し、成績向上につなげることができます。本文で挙げた問題を繰り返し解くといいでしょう。場合の数の問題演習についてはこちらを参考にしてください。