今回は3次関数という分野を学習します。
今まで、1次関数や2次関数は勉強したことがあるはずです。
3次関数は字の通り、1次関数や2次関数の発展的な内容だといえるでしょう。
そんな3次関数の中でも、今回はグラフをメインに学習します。
1次関数のグラフは直線、2次関数のグラフは放物線ですね。
では、3次関数はどのような形のグラフになるのでしょうか?
今回は3次関数のグラフの書き方や極値・変曲点について学習します。
さらにはおすすめの参考書や勉強法、塾についても紹介するので、お楽しみにしてください。
ぜひ最後までお読みいただき、3次関数をマスターしましょう。
■まとめ
今回は、3次関数のグラフについて学習をしますが、微分について理解していると学習がしやすいです。
そこで、微分の復習を簡単にします。
微分とは、導関数を求める計算式のことです。
ある関数における導関数を求めると、その点における接線の傾きを求められます。
そのため、微分は接線の傾きを求める際に多く用いられます。
微分の計算方法の基本は、「指数の数が前に出て、指数が1つ減る」です。
例)3x²+3x-1・・・①
①を微分すると、指数の数が前に出て、指数が1つ減るため、
3x²+3x-1=3×2x+3×1=6x+3となります。
どうですか?思い出せましたか?
念の為、もう1問練習問題を解いてみましょう。
問題)「x⁴-5x³+2x²+7x-7」を微分してください。
できましたか?
では、解き方を見ていきましょう。
計算方法は「指数の数が前に出て、指数が1つ減る」ですね。
それに従うと、「4x³-15x²+4x+7」となります。
かなり思い出せてきたのではないでしょうか?
まだ不安が残っている方は、もう一度例題や練習問題を使って思い出してみてくださいね。
CHECK
微分について思い出せましたか?
ここからは微分を表すグラフの書き方を学習していきます。
今までにも直線のグラフや放物線のグラフの書き方を学習してきたはずです。
こうしたグラフは「直線」「放物線」のように、書き方が決まっています。
しかし、今回学習するのは、どのような形になるのかわからないグラフの書き方です。
増減表というものを使って、グラフを書いていくことになります。
以下で、手順を1つずつ丁寧に解説していきます。
今回は「y=x³-3x+1・・・①」という式を使って説明していきます。
まずは、①を微分してください。
「y’=3x²-3=3(x+1)(x-1)・・・①’」となります。
微分をした式は導関数と呼ばれ、xに値を入れるとそのx座標における接線の傾きが求められるものです。
今回は、接線の傾きが0になるxの値を求めます。
グラフ上で山の頂上や谷底にあたる点が接線の傾きが0になる場所、すなわち接線がx軸に平行になる場所です。
接線の傾きが0になるということは、y’が0になる値を求めることになります。
よって、①’にy’=0を代入し、「0=3x²-3」を計算すると、「x=±1」という値が出てきます。
ゆえに、x=±1が、グラフにおいて山の頂上か谷底になっていることがわかります。
これが分かれば、グラフの概形、大まかなグラフの形を示したものが書けるはずです。
しかし、数字で求めただけでは、どんな概形が書けるのかわかりにくいと感じられる方もいるでしょう。
そこで、表を使うことでわかりやすくします。
以下に増減表と呼ばれる表を書いてみます。
x | … | -1 | … | 1 | … |
y’ | + | 0 | - | 0 | + |
y | ↗︎ | 3 | ↘︎ | -1 | ↗︎ |
増減表は以下の通りに作成します。
①1番左の列に、上からx、y’、yと記します。
②先ほど求めた値をもとに、y’=0とx=±1を表のように記載します。
③x<-1, -1<x<1, 1<xの範囲で、y’の値が+なのか-なのかを記載します。
これはxに-2や0、3などを代入して求めるのが良いでしょう。
④y’の±がわかったら、yの行に「y’が+なら↗︎」「y’が-なら↘︎」を記載します。
⑤最後に、x=±1において、それぞれのyの値を計算して記入します。
これで表が完成します。
増減表が完成したら、増減表をもとに概形を書きます。
あくまで概形なので、グラフを正確に記載する必要はありません。
どこが山の頂上なのか、どこが谷底なのかがわかるグラフであれば十分です。
では、一度練習問題に挑戦してみましょう。
以下の式のグラフを書いてみてください。
「y=-x³+6x²+4・・・①」
できましたか?
それでは解き方をみていきましょう。
まず、導関数を求めるために、①を微分します。
y’=-3x²+12x=-3x(x-4)・・・①’
次に、山の頂上と谷底になる点を求めましょう。
頂上や谷底では
接線の傾きが0になるので、y’が0になる値を求めることになります。
よって、①’にy’=0を代入し、「0=-3x(x-4)」を計算すると、「x=0,4」という値が出てきます。
ゆえに、x=0,4が、グラフにおいて山の頂上か谷底になっていることがわかります。
それでは、グラフの概形を求めましょう。
増減表は以下のようになります。
x | … | 0 | … | 4 | … |
y’ | - | 0 | + | 0 | - |
y | ↘︎ | 4 | ↗︎ | 36 | ↘︎ |
よって、y=-x³+6x²+4のグラフは、頂上がx=4、谷底がx=0となるグラフであることがわかります。
CHECK
ここで、3次関数のグラフの特徴について解説します。
1次関数は直線、2次関数は放物線のように、グラフの形を一言で表すことができます。
しかし、3次関数は一言で表すのが難しい形をしています。
例題で使用したグラフを見てみると、山が1つ、谷が1つのグラフになっています。
3次関数は、多くの場合で山と谷が1つずつ現れるような形になるのです。
では、必ず山が左で谷が右にくるのかというと、決してそういうわけではありません。
山が左で谷が右の時もあれば、山が右で谷が左の時もあります。
※山と谷が出てこない場合もあるので注意してください。
3次関数のグラフは、a>0の時は山が左で谷が右になります。
なお、aとはx³の係数(y=ax³+bx²+cx+1)を表しています。
すなわち、3次関数の式を見たときに、最初の数字が正であれば、左に山、右に谷の形になります。
一方、a<0のときは山が右で谷が左になります。
左上から降りてくるように谷を作り、続いて少し浮上して山、最後に右下に降りていく形です。
3次関数の式を見たときに、最初の数字が負であれば、右に山、左に谷の形が作られます。
CHECK
ここでは、3次関数の極値と変曲点について学習します。
極値や変曲点について理解することで、3次関数の理解を一段と深めることができるでしょう。
まず、3次関数の極値から解説します。
先ほど、3次関数について、多くの場合で山と谷が1つずつあると紹介しました。
その山の点を「極大」、谷の点を「極小」と呼び、極大・極小における関数yの値を「極値」と呼びます。
言い換えると、グラフの接線の傾きが+から-に変わる点が極大、-から+に変わる点が極小です。
また、3次関数のグラフでは、山と谷が現れない場合もあります。
では、どの場合に極大・極小が現れるのでしょうか?
なお、極大・極小が現れる場合を「極値を持つ」とも表現します。
3次関数のグラフが極値を持つのは、判別式DがD>0のときです。
すなわち、判別式DがD≦0のときはグラフは山と谷が現れない、すなわち極値を持たないことを覚えておきましょう。
続いて、3次関数の変曲点について解説します。
変曲点とは、曲線上において、接線の傾きが単調に増加するところから単調に減少するのに切り替わる点のことです。
計算上では、関数f(x)を2回微分したf’’(x)の符号が切り替わる点を指します。
関数の変曲点は、接線の傾きの増減について以下の性質を示します。
このことを理解することで、変曲点についての理解を深めることができるでしょう。
また、3次関数の変曲点には以下の性質が成り立つことも理解しましょう。
CHECK
3次関数のおすすめの勉強法は、何度も繰り返し問題演習を行うことです。
同じ問題を繰り返し学習するので構いません。
一度解いた問題でも、少し時間が経てば解き方を忘れてしまう可能性もあります。
ある問題が完璧に解けるようになれば、違う問題が出題されても数値を変えて計算するだけなので、十分対応が可能です。
そのため、同じ問題を何度も繰り返し学習することで、3次関数の解き方を身につけましょう。
3次関数のおすすめの勉強法は、以下の問題集の範囲を繰り返し解くことです。
これらに該当する問題、または学校や塾で使う問題集を解けるようになるまで繰り返し学習することが大切です。
共通テストレベルの応用問題に挑戦する際も、基礎が定着しているかどうかで学習の理解度に大きな差が出ます。
そのため、何度も繰り返し学習することで深く理解できるようにしていきましょう。
CHECK
3次関数の勉強をするなら「オンライン数学克服塾MeTa」がおすすめです。
対象 | 高校生 |
---|---|
授業形式 | 1対1のオンライン個別指導 |
校舎 | オンライン |
特徴 | 数学克服に特化したオンライン専門塾 |
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CHECK
今回は、3次関数のグラフの書き方について学習しました。
微分を使って増減表に記載することで、グラフの概形を求めることができます。
また、極値や変曲点についても理解をしておくと良いでしょう。
グラフを書けるようにするためには何度も繰り返し練習することが大事です。
ぜひ今回の記事を何度も見返して、理解を深めていきましょう。
「内申点 上げ方」に関してよくある質問を集めました。
まず、3次関数を微分し、y’=0となる点を求めることにより、関数の極大・極小がどこになるのかを求めます。続いて、それらの値をもとに増減表を埋めていきます。最後に増減表に従ってグラフの概形を描けば完成です。3次関数のグラフの書き方についてはこちらを参考にしてください。
3次関数において、山となる部分が極大、谷となる部分が極小と呼ばれます。そして、極大・極小におけるyの値を極値といいます。なお、3次関数においては、極値を持つ場合と持たない場合があります。3次関数が極値を持つ条件は判別式DがD>0となる場合です。定期テストについてはこちらを参考にしてください。