人やもの、ことを表す英語の名詞。
名詞には多くの種類があり、単数や複数によって意味が異なる単語も多く存在するので、入試問題でひっかかってしまう方も多いかもしれません。
しかし、名詞は他の品詞と違って形が変化しないので、1回覚えてしまえば今後間違うことはありません。
そこで今回は、名詞の可算名詞と不可算名詞について例文を用いてわかりやすく解説します。
また、単数、複数のニュアンスに注意しなくてはいけない点やその他の重要表現についても詳しく解説していくのでぜひ最後までお読みください。
■まとめ
名詞とは人・物・事(概念や考え方)の名称をあらわす品詞です。
英語の文にはほとんど必ずと言っていいほど1つ以上の名詞が出現します。
この章では、名詞の種類や基本的な使い方について解説します。
名詞は意味的・文法的特性によって、大きく5種類に分けることができます。
普通名詞とは、同種類の人や物の名称を表す名詞です。
cat(猫)やbook(本)なども普通名詞に分類されます。
集合名詞とは、人や物の集合を表す名詞です。
family(家族)やaudience(聴衆)、committee(委員会)など人々の集合体が含まれます。
物質名詞とは、形や区切りのない物体を表す名詞であり、液体、気体、材料のようなものが相当します。
gold(金)やsalt(塩)、air(空気)などが具体例です。
抽象名詞とは、概念や考え方を表す名詞です。
advice(助言)やinformation(情報)、democracy(民主主義)などが挙げられます。
固有名詞とは、人や物についた固有の名称です。
個人の名前や会社名、国名などが挙げられます。
名詞は文章中で主語、目的語、補語のいずれかになり、文章を構成するうえで非常に重要な役割を果たします。
それぞれの役割ごとの働きと文法を確認していきましょう。
ほとんどの名詞は文の主語になることができます。
以下の例文をご覧ください。
例)Ayaka speaks English fluently.「アヤカは流暢に英語を話します」
Ayakaは、動詞であるspeaksの動作の主として示されています。
名詞は補語になることもできます。
補語とは「主語+動詞」あるいは「主語+動詞+目的語」にさらに意味を補うために置かれる語句です。
以下の例文をご覧ください。
例)I am a teacher.「私は教師です」
この文では、teacherが補語になっています。
主語である「I(私)」=「teacher(教師)」という意味を補う役割をしています。
目的語とは、動詞の目的となる語のことです。
「何が何をどうした」の「何を」の部分にあたり、名詞は動詞や前置詞の目的語になります。
以下の例文をご覧ください。
例)Tom broke the window.「トムは窓を割った」
この文は、“the window”が他動詞の直接目的語となります。
目的語となる品詞はいくつかありますが、単語1つで目的語になれるのは名詞と代名詞のみです。
CHECK
名詞は数えられる名詞と数えられない名詞に分類され、数えられる名詞を可算名詞、数えられない名詞を不可算名詞といいます。
前の章で解説した5種類の名詞も、可算名詞と不可算名詞に分類することができます。
普通名詞、集合名詞は可算名詞となり、物質名詞、抽象名詞、固有名詞は不可算名詞に分類されます。
続いて、可算名詞と不可算名詞について学習していきましょう。
可算名詞とは、切ったら性質が変わるものを指します。
可算名詞を用いる際は、名詞の前に以下の単語を置くようにしましょう。
不可算名詞とは、切っても性質が変わらないものを指します。
水は切っても性質は変わりませんよね。
不可算名詞の場合は、単数でも複数でもa,an,sは必要ありません。
「少しの」と伝えたいときは“a little”,“little”を使い、「たくさんの」と伝えたいときは“much”を使ってください。
可算名詞、不可算名詞で意味が変わる単語を4つご紹介します。
入試でも頻出するのでしっかりと覚えておきましょう。
“room”は可算名詞だと「部屋」、不可算名詞だと「余地・空間」という意味になります。
“paper”は、不可算名詞では「紙」という意味になりますが、“a paper”など可算名詞で表すと、「論文・新聞」という意味に変わります。
論文や新聞は切ったら内容=性質が大きく変わってしまいますよね。
“wood”は可算名詞だと「森」、不可算名詞だと「木材」という意味になります。
“work”は不可算名詞だと「仕事」という意味になりますが、“a work”などの可算名詞だと、「作品」という意味になります。
続いて、単数と複数でニュアンスが異なる名詞を3つの例文とともに解説します。
以下の例文をご覧ください。
1)My family are all found of baseball.「私たちの家族は全員野球が好きです」
2)His family is large one.「私の家族は大家族です」
1、2の文章どちらも“family”という単語が使われていますが、単数と複数が別々になっていますよね。
これは、話し手の感覚の違いが表れています。
1の文章は、家族一人ひとりを意識しているので複数形を使っています。
一方で、2の文章は、家族を1つのまとまりとして見ているので単数扱いをしています。
このような話し手の感覚の違いで単数と複数が使い分けられるfamily型の名詞は他にもあります。
以下の単語が出てきたときには、話し手がどのような感覚で話しているのかを掴めるようにしましょう。
続いて以下の例文をご覧ください。
3)The police are investigating the accident.
“police”には“s”がついていませんが、“police”は“police man”がたくさん集まった集団のことを表しており、そもそも複数形を表している単語なので、複数形の“are”が使われています。
その他にも、牛の群れを表す“cattle”なども複数形を意味することを覚えておきましょう。
CHECK
名詞にはさまざまな重要表現があります。
1回覚えてしまえば、問題も解けるようになるのでしっかりと学習していきましょう。
以下では5つの名詞の重要表現について例文とともに解説していきます。
1つ目は、複数形で表す表現の名詞です。
以下の例文をご覧ください。
例)You must change trains at the next station.「あなたは次の駅で電車を乗り換えなければならない」
電車を乗り換える際には2つの電車を利用するので、“trains”の複数形を使うようにします。
このように複数形で表す表現は他にもあるのでしっかりと覚えておきましょう。
2つ目は、意味を複数持つ名詞です。
以下の例文をご覧ください。
例)We walk along the bank.「私たちは銀行/土手に沿って歩いた」
“bank”は「銀行」という意味がありますが、「土手」という意味も持ち合わせています。。
この例文ではどちらにも解釈することができるので、文脈に沿ってどちらで訳すべきかを考えましょう。
その他にも意外な意味を持つ名詞をご紹介します。
3つ目は料金を表す名詞です。
料金を表す名詞は、状況に応じてさまざまな言い方をするのでしっかり覚えておきましょう。
以下の例文をご覧ください。
例)How much is the bus fare from here to the airport?「ここから空港に向かうバスの運賃はいくらですが?」
この例文はバスの運賃を聞いているので料金を“fare”と表します。
4つ目は、状況によって単語が異なる表現です。
以下の例文をご覧ください。
例)I have an appointment with my client.「私は顧客との約束をしています」
このように、お客様(人)を表すときも、どこにいる人なのか、何をしている人なのかによって単語が異なります。
この文章は自分自身の顧客と約束をしているので、“client”を使用します。
5つ目は、似ているものの意味が異なる名詞です。
以下の例文をご覧ください。
例)He had to changed his clothes.「彼は着替えなければならなかった」
この文章の "clothes”は「衣服」を意味する名詞ですが、似ている名詞で「cloth(布)」があったり、似ている動詞で「clothe(人に服を着させる)」などがあります。
このように、スペルは似ているものの意味は全く異なる名詞も多いので、意味をしっかりと理解できるようにしましょう。
特に、以下の名詞は間違えやすいので、覚えるようにしてください。
CHECK
では、名詞の問題演習に取り組みましょう。
次の文章を日本語に合うように( )に適切な単語を埋めなさい。
1)牛の群れは皆、芝を食べていた。
The cattle( )all eating grass.
2)彼らは金の鉱山で働いている。
They works at the gold( ).
3)大学の授業料を自分で払わなければならない。
I have to pay the university( )by myself.
4)その飛行機には沢山の乗客がいた。
There were a lot of( )in the plane.
できましたか?
では、解答を見てみましょう。
1)The cattle were all eating grass.
2)They works at the gold mine.
3)I have to pay the university tuition by myself.
4)There were a lot of passengers in the plane.
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CHECK
今回は名詞について学習しました。
名詞はほとんどの文章で1度は必ず出てくる重要な品詞です。
可算名詞・不可算名詞の違いやそれぞれの違いにあった名詞を選択できるかどうかの問題は入試でも頻出します。
今回学習した単語をしっかりと暗記して、入試問題に備えるようにしましょう。
次回は冠詞について解説します。
「名詞」に関してよくある質問を集めました。
名詞とは人・物・事(概念や考え方)の名称をあらわす品詞で、可算名詞・不可算名詞の2種類に分かれています。また、意味に沿って名詞を分類すると、普通名詞・集合名詞・物質名詞・抽象名詞・固有名詞の5種類に分かれます。名詞の詳細はこちらを参考にしてください。
可算名詞とは切ったら性質が変わる名詞をいい、不可算名詞とは切っても性質が変わらない名詞をいいます。新聞や論文は切ったら内容がわからなくなってしまうので可算名詞ですが、水は切っても性質は変わらないので不可算名詞です。 加算名詞・不可算名詞についてはこちらを参考にしてください。