方程式については中学校から繰り返し学習していますが、高校数学ではさらに発展させた内容として、不定方程式について学びます。
不定方程式の問題を解くには、ユークリッド互除法や因数分解などの整数問題に関する理解が欠かせません。
今回は、不定方程式の特徴やその性質、4つの頻出パターンとその解き方を解説します。
また、整数問題の分野の中で苦手とする人も多いn進法についても、10進法との変換方法などをあわせて解説しています。
不定方程式とは、解が無数に存在する方程式です。
中学数学では、7x-2y=0のような方程式にもう一本方程式を立て、連立方程式とすることで解を導きました。
それは、x,yという2つの未知数に対して方程式が2つあれば、解を1つに定められるからです。
しかし、高校数学では連立方程式とせず、不定方程式の形で出題されるのが一般的です。
この記事では、不定方程式の性質や解き方について解説します。
不定方程式には解が無数に存在すると説明しましたが、それでは数学の問題としづらいことから、実際には「整数x,yの解」 などと限定して出題されることがほとんどです。
また、不定方程式では「一般解」または「特殊解」、あるいは両方を求めさせる問題が多くあります。
ここでいう一般解とは、文字を使った一般的な解のことです。
たとえば、7x-2y=0であれば、x=2k、y=7k(kは整数)が成り立ちます。
このように、kにどのような整数を代入しても不等式が成り立つ解を一般解といいます。
一方、特殊解とは不等式が成り立つ具体的な解です。
先ほどと同じように7x-2y=0の不等式を例にすると、x=2、y=7が特殊解になります。
前の項では、不定方程式の解が無数に存在するという特徴や、一般解と特殊解があることについて解説しました。
それでは、不定方程式の具体例として、ここでは3つの性質を見ていきます。
不定方程式には上記の3つの性質があり、これらの性質の理解は不定方程式の問題を解くうえで欠かせないポイントです。
次の項目にてひとつひとつ丁寧に解説しますので、しっかりと目を通し、理解を深めてください。
不定方程式ax+by=1では、aとbが互いに素であるとき、ax+by=1 が整数解を持つという定理が成り立ちます。
互いに素とは、aとbの両方を割り切れる正の整数が1しかない、つまりaとbの最大公約数が1であるという意味です。
不定方程式ax+by=cでは解が無数に存在します。
ax+by=1の形に変形し、aとbが互いに素であるかを確認することによって、整数解があるかないかを判断できるのです。
たとえば、2x+5y=1は2と5が互いに素のため、x=-2,y=1のように整数解を持ちます。
一方、2x+6y=1という不定方程式で考えてみると、2と6には2という公約数があります。
このとき、もしx,yが整数ならば2x+6yは偶数になるため、2x+6y=1になることはありません。
よって整数解は存在しないといえます。
ユークリッド互除法は最大公約数を求める際に使われる方法ですが、不定方程式の解を求める際にも役立ちます。
ユークリッド互除法は、不定方程式ax+by=1でaとbが互いに素である場合に使えます。
例として5x+7y=1(5と7は互いに素)でユークリッド互除法を適用してみましょう。
7=5×1+2
5=2×2+1
今度は、この式の余りの部分を代入してみます。
1=5−2×2
=5−(7−5×1)×2
=5×3+7×(−2)
これは、5x+7y=1の形になっていることから、(3,-2)が解の一つであることがわかります。
ユークリッド互除法で見つけた解は特殊解です。
さらに、ここから元の方程式を使うことで、一般解(x,y)=(3+7m, -2-5m)が求められます。
不定方程式ax+by=1でaとbが互いに素でない場合や、ユークリッド互除法が使えない場合には、因数分解を使うことで解を求められます。
たとえば、ax+by+cxy+d=0のような不定方程式の整数解を求めるにはどうしたら良いでしょうか。
このとき、まずはxとyに着目して、因数分解を行います。
例として、4x+2y+xy+9=0を因数分解してみましょう。
(x+2)(y+4)=-1
続いて、x+2=A, y+4=Bとおいて、かけ合わせて-1になるA,Bの組み合わせを探します。
(A,B)= (1,-1), (-1,1)
よって(x,y)= (-1,-5), (-3,-3)
一見複雑な不定方程式でも、因数分解でax+by=cの形に変形させることで解けるようになります。
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不定方程式ではそれぞれのパターンごとに、定番の解き方があります。
次の項目から具体例とあわせてひとつひとつ見ていきましょう。
解法を覚えてしまえば、複雑に見える問題でも慌てる必要はありません。
二元一次不定方程式とは、3x+2y=1のような形の不定方程式です。
この不定方程式は、右辺の定数項が1であるax+by=1の形で、かつaとbが互いに素であれば、すでに説明したようにユークリッド互除法を用いて解くことができます。
また、a,bがそれほど大きな数字でなければ、直感で式を成り立たせるx,yの組み合わせ(特殊解)を導ける場合もあるでしょう。
特殊解が導ければ、一般解を求めるのは難しくありません。
また、定数項が1でない場合は、いったん定数項を1として2元1次不定方程式を解きます。
その後、与えられた定数項と等しくなるように解を定数倍することで、本来の不定方程式の解を求められます。
具体例で説明します。
3x-8y=1000の解を求める場合、いったん3x-8y=1を満たす解を求めます。
この場合、x=3,y=1がこの不定方程式を満たすため、
これを1000倍した(x,y)=(3000, 1000)が元の2元1次不定方程式3x-8y=1000の解の1つです。
こうして特殊解を求められたら、あとは元の式に代入することで一般解を導くことができます。
この場合は、kを整数として(x,y)=(8k+3000, 3k+1000)が解となります。
続いて、因数分解可能な二元二次不定方程式の解法を解説します。
二元二次不定方程式とは、3x2+5xy+2y2+x+y+7=0のような、xまたはyの2乗を含む不定方程式です。
この形の不定方程式は、因数分解することによって解を絞り込めます。
やり方は、すでに説明した因数分解を使って不定方程式の解を求める方法とほとんど同じです。
ただし、xまたはyの2乗がある分、少し複雑になります。
それでは、以下の二元二次不定方程式を因数分解してみましょう。
3x2-14xy-5y2+7x-3y-12=0
(3x+y+1)(x-5y+2)=14
よって、(3x+y+1, x-5y+2)=(1, 14)または(14, 1)が解の候補です。
これを連立方程式として解くことで、
3x+y+1=14, x-5y+2=1のときに(x,y)=(4,1)を求められます。
3x+y+1=1, x-5y+2=14の組み合わせではx,yが整数にならないため、これらは求める解ではありません。
二元二次不定方程式でも、3x2+6xy+2y2-y+5=0のように因数分解不可能なものもあります。
因数分解ができるかどうかは、定数項を除いた2次の項を見ると判断できます。
因数分解が不可能な場合は、xまたはyに関する2次方程式と見立てることで整数解x,yを導くことが可能です。
2次方程式には、判別式D/4≧0のときに実数解を持つという性質があるのを覚えているでしょうか。
この判別式を使うことで、二元二次不定方程式が持つ整数解を絞り込めるのです。
たとえば、x2+4xy+2y2+y+4=0という不定方程式では、
判別式はy2-(2y2+y+4)≧0 であることから、 -2≦y≦2です。
ここでyが整数であることを踏まえると、y=-2, -1, 0, 1, 2の5つが候補です。
xを求めるには、候補となるyを順に代入していきましょう。
ここでは、求める解は(x,y)=(2, -1)となります。
最後に、3文字以上の分数の不定方程式の解き方を解説します。
以下の問題を見てみましょう。
1x+1y+1z=1 において、この式を満たす自然数x,y,zの組み合わせを求めます。
まず、話を分かりやすくするために文字に大小関係を定めます。
仮にxが一番小さく、zが一番大きいとして、x≦y≦zとしましょう。
こうすることで、1x+1y+1z≦1x+1x+1x=3xということができます。
すると、1≦3xから、x≦3が成り立ちます。
xは自然数ですので、x=1,2,3まで絞り込むことができました。
これを元の式に代入すると、x≦y≦zの条件で成り立つ組み合わせは
(2, 3, 6),(2, 4, 4),(3, 3, 3)です。
しかし、x≦y≦zは解を導くために仮に設定した条件であることを忘れてはいけません。
問題にはこのような条件はないため、この設定を外すと、問題の不定方程式を満たす自然数x,y,zの組み合わせは6+3+1の全部で10通りあることがわかります。
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こちら続いて、不定方程式と同じように高校数学の整数問題でつまづきやすいn進法について解説します。
n進法というと難しそうに聞こえるかもしれませんが、10進法や2進法については聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
実は、10進法は私たちが普段使っている数字の数え方です。
1から10までの数字を使って数を表す方法で、10を一つのかたまりとして、位が変わるので10進法と呼びます。

同じように、2進法は2を一つのかたまりとしており、数字を表すのに0, 1の2つしか使いません。
1は10進法でも2進法でも1ですが、10進法の2は2進法では位が一つ上がり、10になります。
同様に、10進法の3は2進法では11、4は2進法で100となります。
n進法はnをひとかたまりとする数の表し方と覚えましょう。
先ほどは10進法の数字を2進法で表す方法を解説しましたが、今度はn進法で表した数字を10進法にする方法を解説します。
ここでも、2進法を例にしましょう。
2進法で表した数字を10進法に変換するには、2つのステップを踏みます。
まず手順1では、2進法で表した数字に沿って、「2×(各ケタの数)」を書きます。
次に、手順2として、手順1で書いた数字の2に右から指数0, 1,2,3,…をふっていきます。
最後に、これらをすべて足し算しましょう。
2進法の1010を例に見てみます。
まず左から順番に、「2× 1 2× 0 2× 1 2× 0 」と書いていきます。
次に手順2では、右から順に「0, 1, 2, 3,…」と指数をつけるので以下のようになります。
23 ×1 22 ×0 21 ×1 20 ×0
最後にこれらを以下のようにたし算した結果が10進法で表した数字です。
23 ×1+22 ×0+21 ×1+20 ×0=8+0+2+0=10
つまり、2進法の1010は10進法の10に変換できます。
n進法では、上記の例で2をnに入れ替えることで同じように10進法に変換できます。
たとえば、3進法の211はまず「3×2 3×1 3×1」と書き、「 32 ×2 31 ×1 30 ×1」のように指数を書き入れ、合計しましょう。
10進法では22になります。
次に、10進法の数字をn進法に変換する方法を解説します。
ポイントは、変換したい10進法の数字をnで割り算し、最後の商とそれぞれの割り算の余りに着目することです。
たとえば、10進法の17を2進法に変換する場合は、まず17を2で割り、その商をさらに2で割ります。
このように、割り算できなくなるまで商を繰り返し2で割っていきましょう。
その際、余りを横に書いていきます。
17÷2=8 余り1
8÷2=4 余り0
4÷2=2 余り0
2÷2=1 余り0
これ以上割れなくなったら、最後の割り算の商と、余りの数字に着目します。
このとき、最後の商→最後の割り算の余り→一つ前の割り算の余り、とL字型にさかのぼっていきましょう。
そうすることで、10進法の17は2進法の10001(2)であることがわかります。
なお、数字の右下にある(2)は2進法であることを示す記号です。
今回は10進法を2進法に変換する方法で解説しましたが、n進法へ変換する方法も同じです。
10進法の数字を3進法や4進法で表したい場合は、数字を3や4で割り算していきます。
n進法への変換に割り算する理由は、nで割っていくことで一の位・十の位・百の位…に相当するnxの数がわかるためです。
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MeTaは数学克服に特化しているからこそ、多様なケースに対応可能です。
そのため一人ひとりの課題・疑問にあった指導・アドバイスをしてくれます。
MeTaではただ問題の解き方を説明するだけでなく、毎月の学習計画の作成もしてくれます。
3日単位で取り組む箇所を具体的に決めることで、効率的な学習をサポートします。
また、学習方法のアドバイスも実施しています。
今回は、不定方程式について概要や解き方を解説しました。
また、n進法についても10進法との変換方法などを紹介しました。
不定方程式は、複雑に見えるものもありますが、入試問題で扱われるのは4パターンに分類することができ、それぞれに解き方があります。
パターンを覚えてしまえば、案外取り組みやすい問題は少なくありません。
問題を繰り返し解くことで頻出パターンに慣れ、実力アップにつながります。
この記事で紹介した解法を習得できたら、受験レベルの問題にも挑戦してみましょう。
「不定方程式」に関してよくある質問を集めました。
不定方程式とは、方程式の数よりも未知数の数のほうが多いため、解が無数に存在する方程式です。大学入試問題では、解を整数解に限定するなどの条件付きで出題されることが多いでしょう。不定方程式には、文字を使って表される一般解と具体的な解である特殊解があり、特殊解を求めることで一般解を導けることも少なくありません。不定方程式の詳細はこちらを参考にしてください。
まず、私たちが普段使っている10進法では1から10までの数字を使って数を表し、10を一つのかたまりとして、位が変わります。n進法も同様に、nを一つのかたまりとして数字を表す方法で、nごとに位が変わります。たとえば、0,1,を使って数を表すのが2進法です。nを一つのかたまりとして位が変わるため、2進法では2を10、 4を100と表します。n進法についてはこちらを参考にしてください。