【高校英語】進行形・完了形の使い方とは?例文を使って詳しく解説
英語の時制にはさまざまな種類があります。
今回学習する進行形や現在完了形もその1つです。
中学でその基本を学習したと思いますが、高校では少し発展的な内容を含めながら再度学習します。
そこで、今回は進行形・完了形について、例文を用いながらわかりやすく解説します。
入試でよく出題される分野や間違えやすい分野についても、丁寧に解説しました。
進行形・完了形の練習問題やおすすめの塾も紹介しているので、ぜひ最後までお読みください。
■まとめ
基本時制のおさらい|現在・過去・未来
今回は進行形・完了形について学習しますが、その前に基本時制のおさらいをしましょう。
基本時制には「現在形」「過去形」「未来形」という3つの時制があります。
それぞれ、主に「現在」「過去」「未来」の事柄を表現するために用いられます。
中でも、「現在形」は次の5つの場面で使うことを思い出しておきましょう。
- ①進行形にできない状態動詞を使う時
- ②繰り返し行う習慣を表す時
- ③不変の真理を表す時
- ④確定した未来を表す時
- ⑤時・条件を表す副詞節の中
特に「①進行形にできない状態動詞を使う時」は、この後も出てくるので、きちんとおさらいをしておきましょう。
これらの基本をきちんと理解した上で、進行形・完了形の学習に入りましょう。
CHECK
- 基本時制は「現在」「過去」「未来」の3つ
- 現在形は5つの場面で使用する
- 進行形にできない状態動詞は要チェック
進行形の使い方とは?|例文を使って理解しよう
ここからは進行形の使い方を実際の例文をもとに解説していきます。
進行形とは「be動詞+〜ing」の形で表される文法のことです。
進行形のイメージや進行形にできない動詞、さらには過去進行形や未来進行形についても解説するので、一緒に理解を深めていきましょう。
進行形の具体的なイメージとは?
では、進行形はどのようなイメージで使われるのでしょうか?
それは、頭の中で実際にその映像が流れているイメージです。
次の例文を見てみましょう。
例)Ken is studying English now.
「ケンは今、英語の勉強をしています」
この時、ケンが今まさに、目の前で英語の勉強をしているイメージが描かれているのです。
進行形にできない動詞は?
ここで注意すべきは「進行形にできない動詞」です。
belong(所属する)、know(知っている)、resemble(似ている)、believe(信じる)などの動詞は進行形にできません。
-
こうした動詞を状態動詞と呼びます。
進行形にできるかどうかの基準は「5秒ごとに中断・再開できるかどうか」でした。
上に挙げた4つの動詞は、いずれも「5秒ごとに中断・再開できない」はずです。
そのため、進行形にはできず、現在形を使用することを理解しておきましょう。
過去進行形・未来進行形とは?
続いて、過去進行形・未来進行形について解説します。
進行形の基本が分かれば、難しい内容ではないため、簡単に説明をしますね。
過去進行形とは?
過去進行形は、「was / were +〜ing」で表される文法です。
過去進行形では、過去のある時点において、「そのとき、その瞬間を思い出している」イメージであることを理解しておきましょう。
例文も確認してみます。
例)Ken was studying English then.
「ケンは、そのとき英語を勉強していた」
これが分かれば、過去進行形の基本については問題ありません。
未来進行形とは?
未来進行形は、「will be +〜ing」で表される文法です。
早速ですが、例文を確認してみましょう。
例)Ken will be studying English this time tomorrow.
「ケンは明日のこの時間、英語を勉強しているだろう」
この場合も、「実際にその映像が流れているイメージ」は同じです。
そのイメージが「明日のこの時間」すなわち未来のある時点に行われることなので、未来進行形が使われるのです。
未来進行形についても、これさえ理解できていれば問題ありません。
進行形の応用
では、進行形の応用について見ていきましょう。
ここでは、「alwaysを使った進行形」と「進行形が未来を表す」の2つについて解説します。
一つずつ焦らず学習していきましょう。
alwaysを使った進行形
1つ目は、「alwaysを使った進行形」です。
まず例文を確認しましょう。
例)Jane is always watching YouTube.
「ジェーンはいつもYouTubeを見ている」
alwaysを使うことで、ネイティブのイメージでは「あいつ、いっつもYouTube見てるよな」というように、不満や不平を含む文章になります。
「always」だけではなく、「constantly」や「continually」などにおいても同様のことがいえます。
進行形で「always」を使うと不満や不平を含むことを覚えておきましょう。
進行形が未来を表す
2つ目は、「進行形が未来を表す」です。
こちらも、まずは例文から確認しましょう。
例)He is leaving for NewYork this afternoon.
「彼は今日の午後、ニューヨークに向けて旅立ちます」
「this afternoon」は未来を表す語句です。
もちろん、未来のことなので、未来時制を使って表すこともできます。
しかし、未来時制ではなく、わざわざ進行形を使っているので、進行形のニュアンスが含まれた文章になるのです。
「実際に決まった予定に、今、自分が向かっている」という映像が頭の中で流れているイメージになるため、あえて進行形が使われます。
この2つの応用と、動詞が進行形にできるかどうかが入試で狙われるポイントなので、しっかりと理解しておきましょう。
CHECK
- 進行形は「頭の中で実際にその映像が流れているイメージ」
- alwaysを使った進行形は不満・不平を表す
- 決まった未来を表すときにも進行形が使える
完了形の訳し方とは?|例文を使って理解しよう
では、ここからは完了形の解説をします。
「have(has)+p.p.(過去分詞形)」を用いることで、完了形が作られます。
完了形は「日本語にはない時制」なので、なかなか理解しづらい文法だと言えるでしょう。
そこで、例文を使いながらわかりやすく解説していくので、一緒に理解していきましょう。
完了形のイメージ|過去形との違いを理解する
まず、完了形が表す意味について解説します。
中学校で「完了」「経験」「結果」「継続」を表すと学習した人も少なくないはずです。
しかし、4つも意味を使い分けるのはかなり大変ですよね。
そこで、4つ全てに共通する「完了形のイメージ」を紹介します。
それは、「過去→現在(過去から現在へ伸ばした矢印)」です。
これだけではわかりにくいと思うので、例文を使って解説します。
- I lost my purse.➡「私は小銭入れをなくした」
- I have lost my purse.➡「私は小銭入れをなくした」
1つ目の例文では過去形が使用され、2つ目の例文では現在完了形が使用されていますが、日本語で直訳すると、どちらも同じ意味に見えてしまいます。
ただ、イメージで考えると、2つの例文の状況は明確に異なることが理解できるはずです。
1つ目の例文は過去形のため、「過去のある時点」の状況のみを表しています。
すなわち、過去のある時点で小銭入れをなくしたことは事実ですが、今もなくなったままなのか、今は見つかったのかまではわかりません。
一方、2つ目の例文は現在完了形のため、「過去→現在」を表しています。
すなわち、過去のある時点で小銭入れをなくした状況が、現在でも続いていることを表しているのです。
過去形との違いを理解しておくことは、今後の学習で重要になるため、きちんと理解しておきましょう。
been to 〜とgone to 〜の違い
続いて、以下の例文を見てみましょう。
例)She has been to USJ twice.
この例文の意味は「彼女はUSJに2回行ったことがある」となります。
「ん?”行ったことがある”と書かれているのだから、”gone”を使うのでは?」と感じる方もいるのではないでしょうか?
しかし、この場合、”gone”は使えないのです。
先ほど、現在完了形は「過去→現在」を表すと解説しました。
つまり、”gone”を使うと、「USJに行ってしまったきり、今も帰ってきていない」という意味になってしまいます。
一方で、”been”を使うと、「その状態がずっと続いている=その状態になった」となり、「経験」を表すことができます。
そのため、「過去にUSJに行ったことがある」という経験を表すときは「been to」を使うのが適切だと言えるでしょう。
完了形を使う際の注意点
最後に、以下の2つの例文を見ていきましょう。
どちらかの例文が誤りです。
どちらが誤っている例文であるかを考えてみてください。
- We have known each other since we were children.
- Kevin has gone to London yesterday.
わかりましたか?
1つ目の例文には「since」、2つ目の例文には「yesterday」という語句が入っています。
sinceは「〜してからずっと」という意味を表し、「過去→現在」を表す現在完了形とはとても相性が良いのです。
しかし、yesterdayは「昨日」という過去のある時点のみを指しています。
過去のある時点についての表現をする文法は「過去形」です。
そのため、過去のある時点を表す語句と現在完了形は一緒には使えません。
2つ目の例文は、正しくは「Kevin went to London yesterday.」となります。
CHECK
- 完了形のイメージは「過去→現在」
- 「行ったことがある」は「been to 〜」
- 完了形は過去のある時点を表す語句と一緒には使わない
完了形を得意にするには?
では、完了形を得意にしたい場合、何をすれば良いのでしょうか?
それは余計なことを覚えないことです。
例えば、中学で学習したような「完了」「経験」「結果」「継続」といった使い分けは、一旦忘れてください。
説明のために便宜上付けられているだけで、文章によっては「完了」と「継続」が混ざったような意味になることも少なくありません。
そのため、「完了」「経験」「結果」「継続」といった使い分けにとらわれることなく、<「過去→現在」という原則を理解することに徹してください。
-
原則を理解することで、覚えることは最小限になり、理解もしやすくなります。
あとは、たくさん問題演習をすることで、原則を理解できるようになるでしょう。
「過去→現在」の原則をとにかく意識してください。
完了形の練習問題|英文を和訳しよう
では、進行形・完了形の練習問題に挑戦してみましょう。
以下に挙げる3つの文章について、動詞を正しい形に直してください。
- He (resemble) his father. 「彼は父親に似ている」
- He (see) the movie five times. 「彼はその映画を5回見た」
- She (watch) TikTok while I was cooking. 「彼女は私が料理をしている間、TikTokを見ていた」
できましたか?答えは以下の通りになります。
- He resembles his father.
- He has seen the movie five times.
- She was watching TikTok while I was cooking.
1つ目は、resembleは進行形にできない動詞なので、現在形になります。
2つ目は、経験を表しているので現在完了形を使います。
3つ目は、過去のある時点にしていることを表すので、過去完了形を使います。
それぞれ理解できましたか?
もし不安な箇所があれば、説明部分に戻ってもう一度学習しましょう。
CHECK
- 原則である「過去→現在」を意識する
- 「完了」「経験」「結果」「継続」といった使い分けにとらわれない
- 問題演習を繰り返すことで原則を理解できる
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CHECK
- 言語習得のプロによる直接指導
- 弱点分析が無料で受けられる
- 弱点分析により学習効率を最大化できる
まとめ
今回は進行形と現在完了形について解説しました。
進行形は「頭の中で実際にその映像が流れているイメージ」を表します。
この原則を理解することで、現在進行形・過去進行形・未来進行形の全てが理解しやすくなるでしょう。
また、現在完了形は「過去→現在」という原則を理解することが大切になります。
「完了」「経験」「結果」「継続」などの使い分けにとらわれる必要はありません。
原則を理解し、覚えることをなるべく少なくすることが上達への近道です。
ぜひ、今回の内容をきちんと理解して、進行形・現在完了形をマスターしてください。
【初心者でもわかる】この記事のまとめ
「完了形」に関してよくある質問を集めました。
完了形の訳し方がわかりません
全ての場合に当てはまる日本語訳はありません。そのため、「完了」「経験」「結果」「継続」の4つに当てはめてみてください。しかし、この4つは理解する際には使わず、あくまで訳の手助け程度に考えることが大切です。完了形の訳し方の詳細はこちらを参考にしてください。
完了形の勉強に例文は必要ですか?
もちろん必要です。その際、「過去→現在」の原則を意識しながら例文を読むことが大切になります。原則に立ちかえることで、余分な事項を覚えずに済み、楽に完了形を習得できるでしょう。完了形の勉強についてはこちらを参考にしてください。
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