空間図形とは?公式と問題を解く際のポイントを図で解説!練習問題付き!
今回は空間図形について取り上げていきます。
空間図形の分野は、ひたすら計算をしたりする分野や今までの平面での図形に関する分野と違い、立体を扱うためややこしいと思う方もいらっしゃるかもしれません。
しかし工夫次第で理解のしやすさが格段に変わる分野です。
この記事では、空間図形の分野の基礎的部分の紹介のほか、簡単な例題もいくつか取り上げています。
また中学生におすすめの塾も紹介しています。
空間図形分野を理解することにこの記事が少しでも参考になればと思います。
空間図形の基本
ここでは空間図形の基本について紹介しています。
後に問題を紹介しているため、そのためにもしっかり学んでいきましょう。
項、記号を覚える
次項の公式説明でも使用しますが、ここではよく利用する項目について記号での表し方を学んでおきましょう。
項と記号の表は以下の通りとなります。
項 | 記号 |
---|---|
円周率 | π |
半径 | r |
直径 | 2r |
長さ | l |
高さ | h |
面積 | s |
体積 | v |
いかがでしょうか。
次項で紹介する公式を使いセットで覚えると理解しやすいと思います。
公式を覚える
いくつかの基本的な公式の文字を使った表し方を紹介します。
内容としては小学生の時に習ったものが主です。
思い出しながら読んでみてください。
円、球に関するもの
まずは円に関する分野です。
初めに円周の求め方についてです。
円周の求め方は直径×3.14です。
これを文字で表してみましょう。
直径は2r、円周率はπなので円周は2πrと表すことができます。
次は面積についてです。
円の面積は半径×半径×3.14です。
半径はrなので円の面積はr×r=πr2と表すことができます。
次は球に関する分野です。
初めに表面積についてです。
球の表面積の公式は4πr2です。
次に体積についてです。
球の体積の公式は43πr3です。
この2つの式に関して中学生になってから知ったという方が多いと思います。
注意して覚えましょう。
おうぎ形に関するもの
初めに弧の長さについてです。
弧の長さの求め方は直径×3.14×中心角360°です。
よって文字を利用すると2πr×中心角360°と表すことができます。
次に面積についてです。
おうぎ形の面積の求め方は半径×半径×3.14×中心角360°です。
よってπr2×中心角360°と表すことができます。
この2つの公式に関して、おうぎ形をイメージしていただければ、円に関する公式を利用して求めることもできます。
つまり円と半径が等しいおうぎ形の面積や弧の長さは、中心角に比例するため、それぞれの円の公式に中心角360°を掛ければ求めることができるとわかります。
錐体、柱体に関するもの
初めに柱体に関する分野です。
初めに表面積についてです。
柱体の表面積の公式は側面積+底面積×2です。
次に体積についてです。
柱体の体積の公式は底面積×高さです。
面積はS、高さはhなので文字を利用しShと表すことができます。
次は錐体に関する分野です。
初めに表面積についてです。
錐体の表面積の公式は側面積+底面積です。
次に体積についてです。
錐体の体積の公式は底面積×高さ×13です。
よって13Shと表すことができます。
✔球の表面積の公式は4πr2
✔球の体積の公式は43πr3
✔円と半径が等しいおうぎ形の面積や弧の長さは中心角に比例
空間図形を解くためのポイント
ここでは空間図形の問題を解く際のポイントについて紹介します。
ねじれの位置を理解する
空間図形の問題を解くときに大切になることがねじれの位置を理解することです。
ではねじれの位置とは何でしょうか。
ねじれの位置とは並行ではなく交わらない2つの直線の位置関係のことを言います。
図に書いて考えてみましょう。
よって図(ねじれの位置)であれば黒色の線分と赤色の線分はねじれの位置の関係にあるといえます。
また一見以下のように同じ平面上に存在し、平行ではないかつ交わっていない時でも線を延長することで交わる場合は、ねじれの位置にあるとは言いません。
つまり、ねじれの位置にある線分や直線は同じ平面上に存在しないことになります。
平面図形に落とし込む
ねじれの位置も理解していただいたかと思いますが、前項のように平面における位置関係などを理解しておくだけでは問題を解くことはできません。
その理由を今から説明します。
以下の図をご覧ください。
図は四角柱と四角柱内に存在する四角形ABCDについての図になりますが、四角形ABCDについてイメージが湧くでしょうか。
慣れていない方はイメージが湧かないかと思います。
そんな時重要になるのが平面図形に落とし込んで考えるということです。
四角柱ではなく平面図で四角形ABCDについて考えてみましょう。
このようにいろいろな角度から平面図形に落とし込んで考えると、複雑な空間図形についてもイメージがしやすくなりました。
実際の問題でもより複雑になればなるほど、この手法を使って解くことがミスを防ぐことにつながります。
空間図形の断面法則
最後に空間図形の断面法則について覚えておきましょう。
空間図形を切断して断面図を考える時3つの法則を覚えておけば、簡単に切断面を作図することが可能です。
その法則というのは以下になります。
- ①同じ面にある二点は結ぶ
- ②向かい合った面は平行な切り口になる
- ③斜めに切断したときは立方体の辺も伸ばし大きな三角錐をつくって作図する
実際に例を挙げるので、この三つの法則を利用して断面図を作図してみましょう。
以下の図について、A、B、Cの三点を通る立方体の切断面を作図する問題が出されたとします。
1,
法則①より同じ面にある二点は結ぶから、
法則②より向かい合った面は平行な切り口になるから、
これで立方体のA、B、Cの三点を通る切断面の作図ができました。
2,
法則①から同じ面にある二点は結ぶから、
法則③から斜めに切断した時は三角錐を作るから、
これで立方体のA、B、Ⅽの三点を通る切断面の作図ができました。
✔ねじれの位置について理解する。
✔複雑な図形は平面に落とし込んで考える。
✔立方体の切断面は3つの法則を利用して考える。
空間図形を使った問題形式
空間図形の出題が多い項目
まずは空間図形の出題の多い項目について学んでおきましょう。
三角柱、三角錐について知ろう
まず三角柱、三角錐とは何かについて確認しておきましょう。
初めに三角柱についてですが、以下の図ように底面を二つ持つ柱状の立体であり、その底面が三角形であるもののことをいいます。
ちなみに底面が四角形であれば四角柱、円であれば円柱のように底面の形からとられています。
次に三角錐についてですが、以下の図のように底面を一つ持つ錐状の立体であり、その底面が三角形であるもののことをいいます。
ちなみに底面が四角形であれば四角錐、円であれば円錐のように底面の形からとられています。
展開図を理解しよう
空間図形ではしばしばそのまま立体の形で考えるには少し難解で、立体を展開して考えた方が考えやすい場合があります。
例えば展開図の最短距離についてです。
上記のような立体についてDから辺BC、辺BFを通って点Eまでの最短距離を考えるとします。
このままではややこしいと思います。
そこでこの立体を展開して考えてみましょう。
展開することができました。
条件に合う結び方の最短距離について考えてみましょう。
立体における最短距離とはつまり平面図で考えると、条件に合う結び方で結んだ直線が最短距離を意味します。
よって今回の条件に合う最短距離とは、
となることがわかります。
最短距離の問題は頻出ですので展開をして条件に合う直線を探すという手順で探すということを覚えておきましょう。
回転体を想像するコツ
空間図形では回転体を想像して描く問題もしばしば出題されます。
例えば上記のような図において、直線ℓを軸として図の長方形を回転させた時にできる立体について考える問題です。
この問題であれば回転させると以下のように
円柱ができることがわかると思います。
しかしこのように簡単なイメージがしやすい回転体であれば楽ではありますが、そのようにはいきません。
そのためここでは基となる図形が複雑な図形であっても、回転体のイメージがしやすいように、回転体の描き方を紹介します。
初めに直線ℓを軸として回転体の基となる図形の対称移動させた図形を描きましょう。
次に対応する点同士を含む円をそれぞれ描きましょう。
最後に不要な線を消し、見えない部分は点線であらわしましょう。
こうして回転体を完成させることができました。
紹介した回転体の描き方の順序をしっかり守って描けば、たとえ複雑な図形だとしても回転体を描くことができます。
例題を解いてみよう
これまで学んだ内容を活かして、空間図形に関する例題をいくつか解いてみましょう。
【基本問題】立体の体積と表面積
まずは基本問題の立体の体積と表面積についての問題を解いてみましょう。
次の長方形を、直線ℓを回転の軸として1回転させてできる立体の体積と表面積を求めましょう。
なおAB=DC=4㎝、AD=BC=7㎝とします。
【解説】
まずは回転体をイメージしてみましょう。
上記の四角形ABCDについて、直線ℓを軸に回転させると以下のような円柱ができることがわかると思います。
従って回転体はAB=DC=4㎝より半径4㎝の円を底面に持つ高さ7㎝の円柱となります。
ここから表面積、体積を算出しましょう。
円柱の表面積の求め方は底面積×2+側面積です。
ここで言う側面積は底面の円周×高さです。
よって 4×4×π×2+8×π×7=32π+56π
=88π 答:88π㎝2
円柱の体積の求め方は底面積×高さです。
よって 4×4×π×7=112π 答:112π㎝3
【中1】単元末対策問題
次は立体の位置関係に関する問題を解きましょう。
(1)辺ABとねじれの位置にある辺をすべて答えましょう。
(2)辺ABと平行な面をすべて答えましょう。
(3)面BCGFと垂直な面を答えましょう。
【解説】
(1)ねじれの位置にある辺を挙げるということは、平行でもなく、交わっていない辺を挙げればよいということです。
今回の問題では辺ABのねじれの位置にある辺を問われているため、辺ABに注目すると、辺ABとねじれの位置の関係にあるのは辺CG、辺DH、辺EH、辺FGの4つです。
答:辺CG、辺DH、辺EH、辺FG
(2)問われている内容が辺ABと平行な面であることに注意すれば、簡単かと思います。
答:面CDHG、面EFGH
ここでこのような問題を解くときに、面ABCDのような問われている辺を含んだ面は解答に入れてはいけないということを注意しておかなければなりません。
覚えておきましょう。
(3)面に垂直な面ですので、辺の時より複数方向に存在することに注意して解答しましょう。
答:面ABFG、面ABCD、面DCGH、面EFGH
【中1】切り取った体積の問題
次に立体の切断と体積に関する問題を解きましょう。
一辺が12㎝の立方体ABCD-EFGHについて、図のように面BEGで分割をしました。
この時立体ABCDーEGHの体積を求めましょう。
【解説】
図より、立方体ABCDーEFGHの体積から三角錐BEFGの体積を引けば立体ABCDーEGHの体積を求めることができます。
立方体ABCDーEFGHの体積は1辺12㎝より12×12×12=1728㎝3
三角錐の体積の求め方は13×底面積×高さより、三角錐BEFGの体積はBF=EF=FG=12㎝より13(12×12÷2×12)=288㎝3
よって1728-288=1440 答:1440㎝3
✔立体の二点間の距離が最短になるとき、展開図において二点を結ぶ線は直線になる。
✔回転体はまず基となる図形を、回転軸となる直線を対称軸として描く。
✔ある辺と平行な面、垂直な面を考える時、その辺を含む面を加えてはいけない。
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---|---|
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✔明光の中学リスニングで英語力を鍛える
✔中学生コースの授業料は週一コマで15000円ほど
まとめ
今回は、空間図形についてご紹介しました。
今回ご紹介した空間図形の基礎的な問題だけでも、ねじれ、平行、垂直など位置関係に関する問題、回転体に関する問題など多くの種類の問題が出てきました。
一度立体だけでなく平面として考えるなど工夫次第でより問題を解きやすくなったかと思います。
理解できた方も、この記事での説明では分からなかった方もいらっしゃると思います。
もし自分だけでは理解できなかった方がいらっしゃったら、今回おすすめの塾も掲載させていただきましたので利用してみてはいかがでしょうか。
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気になる方、興味が出た方がいらっしゃいましたら、まずは詳細をHPなどで参照のうえ無料体験を受けてみることをお勧めします。
基礎的な部分を多く紹介しましたが、この記事を通して空間図形について少しでも理解を深めることができていれば幸いです。
【初心者でもわかる】この記事のまとめ
「空間図形」に関してよくある質問を集めました。
空間図形で覚えるべき公式は?
球に関する公式4πr2と43πr3を注意して覚えましょう。球の表面積の公式4πr2と球の体積の公式43πr3は、中学生になってからはじめて知る方も多いと思いますのでしっかり覚えておきましょう。その他の公式に関しては記事内を参照してください。空間図形の詳細はこちらを参考にしてください。
空間図形の具体的な問題は?
空間図形の問題といっても様々な問題があります。ねじれの位置、平行、垂直などの位置関係に関する問題、ある図形を、直線を軸として回転させてできる回転体についての問題など他にもありますので、詳細については記事内をご覧ください。 空間図形についてはこちらを参考にしてください。
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