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更新日 2024.4.9

完了不定詞・原形不定詞とは?意味や使い方・注意点を例文を用いて解説

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不定詞の一部である「完了不定詞」「原形不定詞」という語句を聞いたことはありますか?

今まで学習してきた不定詞の応用分野であり、苦手に感じてしまう人が少なくありません。

応用的な分野だと聞くと、それだけで「私には無理かも……」と感じてしまう方もいるのではないでしょうか?

しかし、この記事を読めば「完了不定詞」と「原形不定詞」についてマスターできます。

難しい分野であっても、核となる部分を丁寧に理解し、問題演習を積み重ねれば必ず理解できるようになります。

この記事では、例文を用いて分かりやすく解説しているので、ぜひ最後までお読みください。

完了不定詞とは?

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今回は、完了不定詞と原形不定詞について学習します。

まずは易しい「完了不定詞」から学習しましょう。

完了不定詞が表す意味、使い方、書き換えなどについて詳しく解説します。

完了不定詞が表す意味

完了不定詞とは、「to+have+過去分詞」の形をとり、主節の動詞が表す時制よりも前の時制を表す表現です。

例えば、主節の動詞が現在形を表していたら、その前の時制である「過去」、主節の動詞が過去形を表していたら、その前の時制である「大過去(過去よりも前のこと)」を表すのが完了不定詞です。

完了不定詞の使い方|2つの例文を用いて解説

では、2つの例文を用いて完了不定詞の使い方を見ていきましょう。

1)He is said to be a famous singer.

2)He is said to have been a famous singer.

1つ目の例文の意味が「彼は有名な歌手だと言われている」となることはお分かりいただけるでしょう。

2つ目の例文では、完了不定詞が使われています。

完了不定詞では、主節の動詞(現在形)よりも前の時制を表すので、「彼は(昔は)有名な歌手だったと(今)言われている」という意味を表します。

このように、時差を表す表現であることを理解できれば問題ありません。

完了不定詞の書き換え

完了不定詞には、テストで頻繁に出題される書き換えがあります。

先ほどの例文を使って、学習しましょう。

まず、1つ目の例文を「It is said that」から始まる文に書き換えてみましょう。

1)He is said to be a famous singer.

1’)It is said that he is a famous singer.

この文章は、単純な不定詞が用いられているため、時制の変化はなく、全て現在形で表されます。

では、2つ目の例文も、同じように「It is said that」から始まる文に書き換えてみましょう。

2)He is said to have been a famous singer.

2’)It is said that he was a famous singer.

注意すべきは「was」です。

繰り返しお伝えしているように、完了不定詞は主節の動詞の前の時制を表します。

2の例文では主節の動詞は現在形です。

現在形の前の時制は過去形なので、「is」ではなく「was」が用いられるのです。

この時、「It is said that」の「is」はそのままであることにも注意しましょう。

完了不定詞が未来を表す場合

ここで、完了不定詞の応用的な内容として、完了不定詞が未来を表す場合を学習しましょう。

まずは、以下の例文を見てください。

例)I expect to have finished my homework by the end of this month.

expectは「これからそうなると思う」という未来の意味を表すので、過去を表す完了不定詞が用いられていることに違和感を覚えるでしょう。

しかし、そもそも完了形とはどんな意味を表す文法だったか思い出せば、この文章の意味も自ずと分かるようになるはずです。

例えば、以下の例文を見てください。

例)I will have done my homework by 8pm. 「私は夜8時までには宿題をやり終えるでしょう。

このように、完了形はある時点(過去・現在)からある時点(未来)まで、幅のある時間を表すことを覚えていますか?

このことから、完了不定詞が未来を表す動詞と一緒に使われていても問題ないことが分かるのではないでしょうか?

意味は「私は今月末までに宿題を終える予定です」となります。

しかし、この内容は応用なので、基本的な完了不定詞の考え方である「前の時制を表す」ことへの理解を優先してください。

もし完璧に理解できたら、もう一度ここに戻って学習し直すとよいでしょう。

CHECK

  • 完了不定詞は「to+have+過去分詞」の形をとる
  • 主節の動詞が表す時制よりも前の時制を表す表現
  • 書き換えの際は「過去形」にするのを忘れない

原形不定詞とは?例文を用いて解説

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続いて、原形不定詞について学習しましょう。

原形不定詞とは、動詞の原形を不定詞として扱う文法です。

今まで、不定詞は「to+動詞の原形」として学習してきましたが、ここでは「動詞の原形」が不定詞となります。

一見、混乱しそうですが、原形不定詞が使われるパターンは決まっています。

  • 3つの動詞(知覚動詞・使役動詞・help)のパターンでしか使えない
  • SVOCのときだけしか使えない

これらのパターンのときしか原形不定詞は使われないので、以下でそれぞれ確認しましょう。

知覚動詞のパターン

1つ目は、知覚動詞のパターンです。

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    知覚動詞とは、「見る・聞く・感じる」の意味を表す動詞です。

    例えば、see, look at, hear, listen to, feel, noticeなどが挙げられます。

以下で、知覚動詞を用いた原形不定詞の使い方について、3つの例文を挙げながら解説します。

なお、知覚動詞と原形不定詞がセットになった例文では「OがCするのをVする」という訳になることを頭に入れておくと、スムーズに学習が進むでしょう。

1)I saw her enter the shop.

この例文では、文中に「saw」と「enter」の2つの動詞があるように見えますが、「enter」は原形不定詞なので、問題ありません。

文の要素としては、Vが「saw」Oが「her」Cが「enter the shop」となっています。

これを「OがCするのをVする」に当てはめると「私は彼女が店に入るのを見た」という意味になります。

2)She heard a girl sing an English song.

2つ目の例文も同様に、Vが「heard」Oが「a girl」Cが「sing an English song」となっています。

これを「OがCするのをVする」に当てはめると「彼女は少女が英語の歌を歌っているのを聞いた」という意味になります。

3)I felt the room shake.

3つ目の例文も同じく、Vが「felt」Oが「the room」Cが「shake」となっています。

これを「OがCするのをVする」に当てはめると「私は部屋が揺れているのを感じた」という意味になります。

使役動詞のパターン

2つ目は、使役動詞のパターンです。

  • #

    使役動詞とは、「〜させる」というニュアンスを持っている動詞です。

    ここでは、make,let,haveの3つの動詞を覚えてください。

それぞれの動詞について、以下で例文を用いて解説します。

1)My mother made me clean the room.

まずは、「make」を用いた例文です。

「make」は強制的にさせるイメージを持っている動詞です。

よって、この例文の意味は「私の母親は私に(強制的に)掃除をさせた」となります。

2)My mother let me play the vidio game.

次に、「let」を用いた例文です。

「let」は許可して「〜させてあげる」というニュアンスを持っている動詞です。

よって、この例文の意味は「私の母親は私にビデオゲームをさせてくれた」となります。

3)My mother had me take some pictures.

最後に、「have」を用いた例文です。

「have」は強制でも許可でもなく、シンプルに「〜させる」と言いたい場面で使われる動詞です。

よって、この例文の意味は「私の母親は私に何枚か写真を撮らせた」となります。

helpのパターン

3つ目は「help」のパターンです。

  • #

    今まで解説してきた知覚動詞・使役動詞は、必ず原形不定詞を用いなければいけません。

    しかし、「help」は原形不定詞でもto不定詞でもどちらでも問題ありません

そのことを念頭に、以下の例文を見てみましょう。

例)Can you help me to carry the baggage? 「荷物を運ぶのを手伝ってくれませんか?」

この例文ではto不定詞が使われていますが、「help」ではto不定詞でも原形不定詞でも意味は変わりません。

そのため、以下のように原形不定詞に書き換えられます。

例)Can you help me carry the baggage?

以上が3つの動詞のパターンの解説です。

使役動詞getの注意点

ここでは、使役動詞getの注意点を解説します。

先ほど、「make」「let」「have」の3つの使役動詞を解説しました。

しかし、上位校になればなるほど、「make」「let」「have」の3つは知ってて当然だとして、さらに発展的な使役動詞「get」を出題するケースが見受けられます。

getが使役動詞の意味で用いられる際は「get 人 to do」という形になり、to不定詞が用いられます。

ここで注意すべき事項として、「get」は原形不定詞を取れないことが挙げられます。

例えば、以下の例文を見てみましょう。

例)Ken got the bellboy to carry the baggage. 「ケンはベルボーイにお願いして荷物を運んでもらった」

この文章では、使役動詞「get」が用いられるため、以下のように原形不定詞を用いることはできません。

例)× Ken got the bellboy carry the baggage.

「使役動詞であれば全て原形不定詞」と覚えていると、間違えてしまう場合が多いため、例外として覚えておくようにしましょう。

知覚動詞・使役動詞の受動態

最後に、知覚動詞・使役動詞を受動態に書き換える方法を解説します。

原形不定詞が用いられている知覚動詞・使役動詞の文章を受動態に書き換える際は、原形不定詞は必ずto不定詞に変えないといけません。

よく間違えやすい部分でもあるので、例文を用いて解説します。

1)We heard the boy play the guitar.

1つ目の例文は知覚動詞を使っています。

この例文を受動態にすると以下のような文章になります。

1’)The boy was heard to play the guitar by us.

原形不定詞である「play」が「to play」に変化していることがお分かりいただけるでしょう。

2)My mother made me do the work.

2つ目の例文は使役動詞を使っています。

この例文を受動態にすると以下のような文章になります。

2’)I was made to do the work by my mother.

原形不定詞である「do」が「to do」に変化していることがお分かりいただけるでしょう。

例文を見ていただければ分かるように、いずれも動詞のすぐ後ろにto不定詞が置かれています。

この状況でそのまま原形不定詞を用いて「was heard play」や「was made do」としてしまうと、動詞が連続して混乱してしまいます。

そのため、伝わりやすいようにto不定詞に書き換えられると理解すると覚えやすいでしょう。

CHECK

  • 原形不定詞とは動詞の原形を不定詞として扱う文法
  • 3つの動詞(知覚動詞・使役動詞・help)のパターンでしか使えない
  • SVOCのときだけしか使えない

完了不定詞の練習問題

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では、完了不定詞を用いた練習問題に挑戦しましょう。

次の日本語に当てはまるように(  )に適切な語を入れなさい。

1) 私たちの先生は有名なバスケ選手だったと言われている。

My teacher is said(  )(  )(  )a famous basketball player.

2)父は弟に自分の車を洗わせた。

My father(  )my brother(  )his car.

3)私は彼がスピーチするのを聞いた。

I(  )(  )him(  )a speech.

4)私の友達は私がそのスポーツ用品店に入って行ったのを見た。

I was(  )(  )(  )the sports shop by my friend.

できましたか?

では、解答を見てみましょう。

1)My teacher is said to have been a famous basketball player.

2)My father made my brother wash his car.

3)I listened to him make a speech.

4)I was seen to enter the sports shop by my friend.

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まとめ

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今回は完了不定詞・原形不定詞について学習しました。

どちらかといえば原形不定詞の方が難しい内容ですが、1つずつ丁寧に学習を進めていけば必ず理解できるようになります。

途中、応用的な内容も紹介しましたが、まずは基礎を理解したうえで余裕があれば取り組んでみるとよいでしょう。

問題演習を繰り返しながら、だんだんとコツを身につけるようにしてください。

【初心者でもわかる】この記事のまとめ

「完了不定詞」に関してよくある質問を集めました。

完了不定詞が表す意味とは?

完了不定詞は、基本的に主節の動詞が表す時制よりも前の時制を表します。例えば、主節の動詞が現在形であれば「過去」、過去形であれば「大過去(過去よりも前)」を表すのです。細かい説明は本文で例文を用いながら行っているので、ぜひチェックしてみてください。完了不定詞の意味はこちらを参考にしてください。

完了不定詞の使い方は?

完了不定詞は、次の例文のように使います。「He is said to have been a famous singer.」この例文では、主節は「彼は言われている」と現在形を表していますが、有名な歌手だったのは過去のことなので、完了不定詞を用いて過去であることを表現しています。完了不定詞の使い方はこちらを参考にしてください。

この記事を企画・執筆した人
-StudySearch編集部-
この記事は、StudySearchを運営している株式会社デジタルトレンズのStudySearch編集部が企画・執筆した記事です。
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