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更新日 2024.2.5

【プロ家庭教師監修】慶應義塾大学の小論文の出題傾向と対策、勉強法

最難関私大の一つ慶應義塾大学。

慶應義塾大学入試には小論文がある学部が数多くあります。

ここでは、慶應義塾大学の小論文の特徴や対策法についてご紹介します。

慶應義塾大学の入試科目に小論文がある学部を受験予定の方はぜひ参考にしてください。

慶應の小論文とは?

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最初に、慶應義塾大学で出題される小論文の基本情報と特徴をご紹介します。

慶應義塾大学の小論文の基本情報

慶應の入試で小論文が課される学部

✔文学部

✔経済学部(A方式・B方式)

✔法学部

✔商学部(B方式)

✔総合政策学部

✔環境情報学部

✔医学部

商学部で実施されるのは小論文ではなく論文テストです。

法学部で実施されるのは小論文ではなく論述力試験です。

昨年度の入試の試験時間と出題形式を表で表しました。

数年間同じ出題形式・試験時間の学部もありますが、年度によって少し異なっている学部もあるので過去問などで確認してください。

学部名 試験時間 出題形式 配点
文学部 90分 要約360文字程度
意見論述400文字程度
100点
経済学部
(A方式・B方式)
60分 2つの例題に対し2つの設問
200文字以内と400文字以内
70点
法学部 90分 要約400文字
意見論述1,000文字以内
100点
商学部 70分 マーク式+記述式
論述式
100点
総合政策学部 120分 論述式 200点
環境情報学部 120分 論述式 200点
医学部 50分 論述式700文字程度

慶應SFCの小論文情報

慶應義塾大学のSFC(湘南藤沢キャンパス)の総合政策学部・環境情報学部の一般入試では、他の学部と異なり、小論文が必須科目です。

そのためセンター試験の受験は必要ありません。

「英語」「数学」「情報」「語学」のどれか1科目+「小論文」の2科目2学部(総合政策学部と環境情報学部)を受験することができます。

慶應小論文【文学部】

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【文学部】小論文の出題傾向

過去の出題テーマ
2020年 「多文化共生社会」の可能性
2019年 「能力は社会的に構成される」という見方
2018年 「自由」について
2017年 「分け与える」ということ

慶應義塾大学文学部の小論文では、「与えられた資料に対し、理解と表現の能力を総合的に問う」と入学案内に明記されています。

文学部内には、哲学系・史学系・文学系・図書館/情報学系・人間関係学系といった様々な分野を専門的に学んでいます。

そのため各分野に特化した資料が提示されるのではなく、多様な分野に通ずる資料が提示され受験者の能力が総合的に評価されます。

出題形式

例年課題文が1題提示され、それに関した設問が2題ある形式が出題されています。

設問1は課題の内容を要約する問題(指定字数は300~360字以内)、設問2は課題分について受験者の意見を問う論述問題(指定字数は320~400字以内)となっています。

【文学部】小論文の対策

文学部小論文の対策をご紹介します。

文学部小論文の対策

✔知識量の増加

✔読解力・要約力の強化

知識量の増加

他試験科目と異なり、暗記する試験科目ではありませんが知識・教養が必要になります。

課題分を理解するためには、難解語句頻出テーマに関連したキーワードを読解する知識が必要になります。

解答の誤字脱字は減点対象であり、逆に適切な表現力は加点対象に結び付けることができます。

加点を獲得するためには高度な語彙力が必要不可欠になります。

まずは、共通テストレベルの漢字問題などを演習することをおすすめします。

読解力・要約力の強化

小論文で問われるのはこの要約力と読解力です。

重要なのが、最重要解法であるNの法則です。

Nの法則とは、本文を序論本論結論に分け、各部分の相互関係を読み解く方法を完璧に理解・定着させ応用できるようにしましょう。

設問1の要約の対策は、参考書を活用しあらゆる論点を様々な視点から即座に把握できるようになるまで演習しましょう。

またその都度担当の先生や講師に添削指導を受けることを意識しましょう。

✔︎理解と表現の能力が問われている

✔︎様々な分野についての幅広い知識が必要になる

慶應小論文【経済学部】

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【経済学部】小論文の出題傾向

過去の出題テーマ
2020年 「分かち合い」とその必要性に関する考察
2019年 多様性と人間社会の在り方
2018年 市場型社会におけるフェアな分配規範
2017年 ソクラテス的議論‐人材と組織の在り方

経済学部の小論文は、A方式・B方式と2つの方式の両方で課されますがどちらも配点が70点(全体420点)と低く設定されています。

他の学部と比較しても小論文の配点が低いです。

また、経済学部入試の特徴として足切りがあることです。

A方式では英語の長文90点分と数学のマーク問題70点分、B方式では英語の長文部分90点分のみで足切りが行われるため、この関門を突破しなければ小論文が採点されることはありません。

出題形式

試験時間は60分、設問は1つの課題文に対し設問が2題構成になっています。

例年大問1は課題文を条件に基づいた要約、大問2は条件に基づき受験者の意見を述べる問題となっています。

【経済学部】小論文の対策

慶應経済の小論文を対策する際に小論文対策の参考書を購入することはおすすめしません

日頃から現代文の学習をしっかりと行い、過去問を要点を抑えながら研究すれば十分小論文対策を行ったと言えるでしょう。

理由として、慶應経済の小論文の出題傾向は例年一貫しているため、受験者に求めている能力が基本的には変化していないからです。

過去問を徹底的に研究する中で、設問に対し与えられた条件に忠実に答案することが重要となります。

話は戻りますが、慶應経済の小論文の配点は比較的低いことが言えます。

そのため慶應経済に合格するためには、A方式では英語と数学、B方式では英語と社会を重点的に学習を進める必要があります。

✔︎慶應経済の小論文の配点は低い

✔︎対策をするなら過去問を徹底研究

慶應小論文【法学部】

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【法学部】小論文の出題傾向

過去の出題テーマ
2020年 アジアの近代化とアイデンティティ
2019年 文際的人権観の可能性
2018年 現代社会のリスク
2017年 憲法主権とは何か

慶應法学部は小論文ではなく、論述力という科目で設定されています。

内容的には小論文と捉えてもらって問題ないですが、難易度が他学部と比較するとかなり高い傾向にあります。

慶應義塾大学法学部の論述力試験の表紙には、以下のことが明記されています。

この試験では、広い意味での社会科学、人文科学の領域から読解資料が与えられ、問いに対して論述形式の解答が求められる。

その目的は受験生の理解、構成、発想、表現などの能力を評価することにある。そこでは、読解資料をどの程度理解してるか(読解力)、理解に基づく自己の所見をどのように論理的に構成するか(構成力)、論述の中にどのように個性的・独創的発想が盛り込まれているか(発想力)、表現がどの程度正確かつ豊かであるか(表現力)が評価の対象になる。

太文字で記した4点が評価基準となっているため、ポイントを意識しながら答案を作成する必要があります。

出題形式

試験時間が90分、課題文が提示され1,000字以内で答案する形式です。

答案の1,000字以内のうち前半の400字程度で要約をし、残りの文字数で受験者の意見を論述するという形式が例年の出題形式です。

【法学部】小論文の対策

慶應法学部の小論文対策としては、まずは小論文の基本を徹底的に学習しましょう。

いきなり慶應法学部の小論文の過去問を解き始めても、多くの人は苦戦を強いられるでしょう。

まずは基礎的な、問題で問われている争点の認識論理的に文章を構成することを意識しながら演習を進めてほしいです。

また、添削指導を受けることをおすすめします。

自分の中で慣れた表現は自力では治らないため、添削指導を何度も受け、癖を直していく必要があります。

✔︎最も難易度の高い小論文

✔︎添削指導を何度も受けることが重要

慶應小論文【商学部】

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【商学部】小論文の出題傾向

慶應商学部ではA方式・B方式2つの試験方式が実施されていますが、小論文が試験科目に設定されているのはB方式になります。

慶應商学部の小論文は、他学部の小論文と異なり、空欄補充問題が出題されています。

また、計算問題も出題傾向にあります。

A方式で数学が試験科目にあるため、B方式を選択する受験生が多いですが、B方式の小論文においても数学の思考力や計算力が問われます。

出題形式

試験時間は70分、課題文が例年2題出題し出題内容は経済学や統計学、数学に関係した課題文になっています。

【商学部】小論文の対策

商学部小論文の対策

✔語彙力の強化

✔読解力の強化

語彙力の強化

慶應商学部の小論文の特徴は他の学部にはない空欄補充です。

難しい語句を学習する必要はありませんが、入試問題で頻出するような語句や高校生までに学習する漢字は把握しておく必要があります。

また、空欄補充を行う際は前後の文脈を理解することができていないと正解を導き出すことは難しいです。

読解力の強化

課題文の経済・商学に関するテーマを正しく理解することができることが必要です。

また、課題文が多い中で試験時間も比較的短く設定されています。

日頃の演習から、問題作成者の出題意図を理解する力を意識して鍛えましょう。

✔︎空欄補充式と計算問題の出題

✔︎試験時間が短い

✔︎経済学、商学に対する知識を増やす必要がある

慶應小論文【総合政策学部・環境情報学部】

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【総合政策学部・環境情報学部】小論文の出題傾向

年度 総合政策学部 環境情報学部
2020年 民主主義の危機 人間性(人間らしさ)について
2019年 グローバルリスクを読み解く 身の回りのものの再考察と
問題発見・問題解決
2018年 社会選択のルール 物語の創作
2017年 糖尿病の死亡率と平均年収の関係について 環境情報学部での研究課題と目標設定

慶應義塾大学SFC(湘南藤沢キャンパス)の入試は「小論文+外国語or数学or情報」の2教科での受験となっています。

特徴として、5種類以上の莫大な資料から共通なテーマを理解するような出題方法となっています。

出題される資料のテーマは例年時事問題が中心に出題されます。

教養・介護・政策・日本の望ましい将来像など幅広いテーマが題材傾向にあります。

年度によっては統計表や英文資料が出題されることもあります。

「問題発見・解決」の思考が問われている

問題の形式や内容が年度によって変更するため傾向を掴むことが難しいです。

ただ文章を書かせるだけでなく、「図表の分析やデータの解釈」を通して評価が問われています。

具体的な問題設定、構造的分析、解決法、新しいビジョンの提示を求めています。

出題形式

試験時間は120分、大問1に対し要約が300文字程度、解釈を図表させる問題、解釈を図表させる問題の説明500文字程度が例年の出題形式になります。

【総合政策学部・環境情報学部】小論文の対策

対策としては他学部の小論文同様、「語彙力」「文章構成」を正確に行うことが重要になってきます。

大量の資料を分析する必要がありますがそこだけに関して重荷を感じることなく、採点者にわかりやすい文章を作成することを意識して演習しましょう。

✔︎慶應義塾大学SFC独自の小論文試験

✔︎重要なことはわかりやすい文章を作成すること

慶應小論文対策におすすめの参考書

大学入試小論文完全攻略本

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大学入試小論文完全攻略本の基本情報
教材名 大学入試小論文完全攻略本の基本情報
ページ数 160ページ
価格 1,045円(税込)

「大学入試小論文完全攻略本」の特徴

予備校、高校、大学で小論文を指導し、入試の実態と大学受験生の学力を知り尽くした著者が書き下ろした一冊になっています。

大学入試の小論文の書き方が丁寧に記載されている参考書です。

小論文を解くテクニックや問題演習にも取り組むことができます。

慶應義塾大学特有な課題文型やSFC特有のデータ分析型にも対応しています。

「大学入試小論文完全攻略本」をおすすめしたい方

文系大学の小論文では、社会科教育に関する正しい知識と、自分の考えを読み手にわかりやすく伝える文章力が両方必要です。

大学入試小論文完全攻略本では文系分野の知識と文章力を同時に強化できるため文系大学入試で小論文が課される受験生におすすめしたいです。

小論文を学ぶ‐知の構築のために‐

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小論文を学ぶ‐知の構築のために‐の基本情報
教材名 小論文を学ぶ‐知の構築のために‐
ページ数 270ページ
価格 1,320円(税込)

小論文を学ぶ‐知の構築のために‐の特徴

本書は、小論文の基礎を踏まえたうえで出題される問題の背景知識や問われている意図を認識するための参考書になっています。

この参考書では、小論文を出題する大学の意図を解説しています。

小論文で問われている問題を本質から分析するだけでなく、答案の作り方まで解説を行っています。

小論文を学ぶ‐知の構築のために‐をおすすめしたい方

小論文を書く際に何が求められているのかをしっかり理解したい方や小論文で高得点を狙いたい方におすすめしたいです。

小論文以外にも、現代文を学習したいという方にもおすすめします。

理由として、この参考書では評論の書き手の背景知識を丁寧に説明したものになるので、書き手の知識が身につき現代文の文章が読みやすくなります。

✔︎基礎を固めるなら大学入試小論文完全攻略本

✔︎応用問題への演習なら小論文を学ぶ‐知の構築のために‐

慶應義塾大学合格におすすめの家庭教師

家庭教師のトライ

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家庭教師のトライの基本情報
対象学年 幼児・小学生・中学生・高校生・高卒生
指導形態 完全個別指導
対象地域 全国各地

家庭教師のトライでは国公立大学・私立大学の入試傾向を正確に把握し、各受験生に対応したカリキュラムを作成しています。

小論文対策も可能

家庭教師のトライでは、小論文対策にも力を入れています。

学校では十分に対応しきれていない小論文ですが、小論文を指導する専門の講師が在籍しています。

また、オンラインでの通信添削の「小論文・作文添削講座」も設置しています。

家庭教師のトライでは豊富な合格実績をもとに、大学ごとに対策コースを設けているため、確実の大学合格に導く指導を行っています。

↓↓【家庭教師のトライの詳細はこちら!!】↓↓

✔︎各大学対策コースで志望校合格へ

✔︎小論文対策も専門の講師による指導

まとめ

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慶應義塾大学入試は小論文が出題される学部が多く、テーマや出題形式は学部によって少し異なっています。

適切な勉強をすれば、英語や数学に比べると成績を伸ばしやすい科目です。

信頼できる添削者がいない方は、家庭教師のトライの利用をおすすめします。

能力の高いプロの家庭教師が適切な添削をしてくれるため、偏差値アップの助けになってくれるでしょう。

【初心者でもわかる】この記事のまとめ

「慶應小論文」に関してよくある質問を集めました。

慶應の小論文とは?

慶應義塾大学では、私立大学の一般入試では珍しく、1つの学部を除いた全ての学部での小論文試験を実施しています。ほとんどの学部が小論文の配点を他の科目と同じように設定してるため、慶應義塾大学を受験する際は小論文対策が必須です。

慶應小論文の難易度は?

慶應小論文の難易度は、学部によって異なります。総じていることは、小論文について書き方などの基礎知識が身についている上で、読解力・文章構成力・語彙力が問われています。

この記事を企画・執筆した人
-StudySearch編集部-
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