必修化されたプログラミング教育、目的やおすすめの教材とは?
2020年度の小学校のプログラミング教育の導入にはじまり、中学校・高校ではより実践的なプログラミング教育へと学びは変化していきます。
こうした教育の変化に、プログラミングへの対応が重要になってくると感じている方もいるのではないでしょうか。
そこで、この記事ではプログラミング教育が重視される理由と、おすすめのプログラミングの教育ツール(教材)について紹介します。
※この記事の内容は2020年7月現在の情報です。
プログラミング教育とは
何となく難しいイメージのあるプログラミングですが、ここではプログラミング教育を知るためポイントを簡単に紹介します。
プログラミング教育の必修化
職業や業種に関係なく、IT技術があたりまえのように使われるこれからの社会。
基本的なITのスキルが必要とされるだけでなく、習得したプログラミングの考え方を使って、社会や自分の課題を解決できる「生きる力」が求められることになります。
そんな時代の変化に合わせ、子どもたちの教育内容も大きく変化していきます。
その変化が、2020年度に必修化されたプログラミング教育であり、小学生から中学・高校と段階的に必要なスキルや知識を学びます。
また、大学の入試科目にプログラミングを採用している大学も。
プログラミング教育の必修化により、入試科目にプログラミングを取り入れるケースが今後増えていくものと考えられています。
プログラミング教育ってどんな内容?
では、具体的に学校ではどんな内容でプログラミングについて学ぶのでしょうか。
ここからは、小学校・中学校ではどんな内容で学習するか紹介していきます。
小学校ではプログラミングの入り口「考え方」を学ぶ
小学校では「プログラミング」という科目が新しくできるのではありません。
算数や理科などの教科授業の中でプログラミングを一つの教材として活用することで、学習の理解とあわせてプログラミング的思考を伸ばしていくことになります。
中学校では「より実践的な内容」へ
中学校では技術・家庭科の「情報の技術」という単元のなかでプログラミング教育を実施します。
これまではSNS時代に即した情報セキュリティ―や、ソフトウエアの活用(ウェブサイトの作成)といった基本システムの理解を学んできました。
なお、学習指導要領にしたがって2021年度からは、ネットワークを活用したコンテンツ作り(チャットプログラムなど)を通してプログラムの設計・作成・動作確認と、より実践的な内容になります。
プログラミング教育の目的
プログラミング教育は、プログラミングコードが書ける専門的な人材を育てるのが目的ではありません。
プログラミングへのアプローチの仕方や、学習内容を学年に応じて段階的に積み上げていくなかで、
- 論理的に考える力
- ITを活用できる基本的なスキル
- IT技術を使って新しいサービスを作る創造性
など、社会で活躍できる、そして生き抜くための大切なスキルを身につけることが求められています。
✔社会の変化に合わせたプログラミング教育
✔小学校では少し触れて中高とより実践的な内容に
✔社会で活躍できるスキルを育てる
プログラミング教育に必要な教材の種類とは
プログラミング教育が必修化されたことで、今後はこれまで以上にプログラミングに関するスキルが重視されるのでは…と感じている方も多いと思います。
また、学校の授業だけで将来的に対応できるのかといった不安から、家庭でどうかかわればいいのか。
こうした悩みもでてくるのではないでしょうか。
ここでは、年齢やICTの環境、経験の度合いに応じたプログラミングの教材選びができるよう、4つのカテゴリーに分類しその概要をまとめます。
映像教材
自宅にいながら学べる映像教材は、プログラミング初心者でも進めやすい学習コンテンツであり、オンラインのプログラミングスクールもこの一つです。
数多くのカリキュラムの中から興味のある部分から始めたり、わからないところは繰り返し見直したりと、自分のペースで学べるのも映像教材ならでは。
プログラミングやゲーム作成コースなどがあり、学習するごとに技術や知識が増えアイディアが形になる楽しさがあります。
テキスト教材
プログラミングのテキスト教材と聞くと、分厚いマニュアル的なものを想像しがちですが、プログラミングに必要な「考え方」を学べるようにと作られた教材もあります。
テキスト教材の場合、パソコンなどを用意する必要もないため、就学前のお子さんや小学校低学年の入門としも導入しやすい教材です。
筋道を立て考える経験することで、プログラミングの考え方の基本を育てます。
インターネットツール
3つ目の教材は、画面を操作しながらプログラミングができる教材(ソフトウエア)です。
無料で入手できるものも多く、タブレット端末があればすぐに簡単なプログラミングに挑戦できるのもこの教材ならでは。
感覚的に操作できるビジュアルプログラミング対応のものが多く、キャラクターを動かしたり、ゲームをプログラミングしたりと、夢中で作り上げていく流れはプログラミングの面白さそのものです。
立体教材
ロボットやドローンなど、自分で作ったプログラミングでモノの動きを体感しながら学べるのが立体教材です。
プログラミングの基礎とともに、センサーなどの知識も一緒に身につきます。
感覚的にプログラムが作れるビジュアルプログラミングのほか、本格的なテキスト言語(コード)でプログラミングに対応した教材もあります。
いずれの教材も、興味や目的に合わせた教材(テーマ)を選ぶことが自発的な学びにつながります。
✔映像・テキスト・アプリ・立体教材など
✔低学年からでも始めやすい
✔興味や目的に合わせた教材選びがカギ
プログラミング教育におすすめの教材4選
ここでは、家庭でもプログラミング教育を実践したいという方向けに、たくさんあるプログラミング教育の教材の中から、教材のタイプ別におすすめのものを紹介します。
おすすめのテキスト教材
テキスト教材の中でも世界20か国以上で翻訳された「ルビィのぼうけん」は、未就学児からから小学校低学年向けの教材としておすすめです。
この教材は、いわゆるプログラミング作成を体験するための教材ではなく、 プログラムにとって大切な考え方(本質)が体験できる冒険ストーリー。
プログラミング的思考を体感できる演習問題もセットになっています。
この「プログラミング」を題材にした絵本のほかにも、「コンピューター」「AIロボット」「インターネット」をテーマもそろっています。(1冊1,800円+消費税)
おすすめのインターネットツール
「Scratch」(対象年齢8歳以上)は、画面上で簡単な命令が書かれたブロックをつなぎ合わせ、キャラクターに指示を与えるビジュアルプログラミングです。
教育現場でも使われることも多く、初心者におすすめの無料で利用できるプログラミングツールです。
操作そのものも難しくなく、直感的にプログラムを作成できるので、ゲーム感覚で自分だけのオリジナル作品を作ることができます。
自分で動かせるたのしさや、自分のアイディアが形になるおもしろさを体験できるのも、ビジュアルプログラミングだからこそ。
もちろん、プログラミング作成を通して、手順を踏んでいく大切さや、思った通りに動かない場合には立ち止まって考える「プログラミング的思考」が学べます。
ネット環境があればツール自体は無料で利用できますので、まずはビジュアルプログラミングを試してみたいという方にもおすすめです。
おすすめの立体教材
次に、ロボットを使って学ぶプログラミング教材を紹介します。
なお、ロボットプログラミングというと初心者向きではないと思われがちですが、以下で紹介する2つの教材は、操作モードを選択できるので、興味や経験に合わせて利用できおすすめです
「Ozobot 2.0 Bit」(対象/小学生全般)
ロボット(完成品)とプログラミングを組み合わせた「Ozobot 2.0 Bit」(価格/9,800円)は、ライントレースとビジュアルプログラミングと2モードがあります。
小学校低学年であれば、床面にあるラインを読み取り走行する「ライントレースモード」でロボットを動かしてみましょう。
ロボットの動作パターンから、どのようにプログラミング(制御)されているのかを予想することで、プログラミング的思考を鍛えることができます。
また「Ozobot 2.0 Bit」は専用アプリを使ったビジュアルプログラミングにも対応しているので、タイピングができなくてもロボットを動かせます。
試行錯誤しながらも、自分で作ったプログラムで思い通りにロボットを動かすことで、ロボットプログラミングの楽しさを感じながらプログラミング的思考を身につけることができます。
「mBot」(対象/小学生~中高生向け)
2つ目に紹介する立体教材「mBot」は、20種類ほどのパーツを組み立て、ロボット製作とプログラミングを一緒に学べるロボットキットです。(参考価格:15,400円)
他社の組み立てロボットに比べると「mBot」はパーツも少なく構造もシンプルですが、組み立てを通してロボットの構造への知識を深めることもできます。
こうしたロボット製作とプログラミングの組み合わせは、お子さんがすでにプログラミングに興味をもっている、本格的なプログラミングをさせたいと考えている方におすすめです。
「mBot」には、ライントレース・超音波・光センサーと3種類のセンサー搭載しているのが大きな特徴で、センサーの機能を利用したサッカーゲーム用のプログラミング も作成できます。
さらに、ビジュアルプログラミングだけでなく、テキスト言語(コード)での制御に切り替えも可能なため、本格的なプログラミング言語の学習にも活躍します。
「mBot」は他のロボット教材に比べお手頃価格でありながら、初心者から上級者向けと幅広く対応しているのもおすすめポイントです。
✔プログラミングの考え方を体感できるテキスト教材
✔直感操作で簡単ビジュアルプログラミング
✔ロボットプログラミングもある
文科省の教材ポータル
ここでは、対象年齢や教材タイプでプログラミング教材を検索できる文部科学省の情報サイト「小学校を中心としたプログラミング教育ポータル」から有料・無料ツールについて紹介します。
有料のツール
有料教材には、パソコンやタブレット端末なしでプログラミングの考え方に触れることができるテキスト教材のほか、ロボットを動かすためのプログラミングソフト、ゲーム作成や教育用コンピューターを使って本格的なテキスト言語でのプログラミングと、 幅広い教材がラインアップされています。
無料のツール
パソコンやタブレット端末、そしてインターネット環境があれば、無料ツール(アプリ)を使ってプログラミング環境を整えることも可能です。
小学生であれば、学校関係でもよく利用される、ブロックをつなぎ合わせてプログラミングをする「Scratch(スクラッチ)」がおすすめ。
ツールの使い方もプログラミング教育ポータルに掲載されています。
✔プログラミングの教材を検索可能
✔低学年から高校生までを対象とした幅広い教材
✔有料だけでなく無料で利用できるソフトも
まとめ
プログラミング教育の必修化の背景や、プログラミング教材の種類やおすすめのツールなどを紹介してきました。
ここで今回のポイントをまとめておきます。
- プログラミング教育の必須化は社会の変化に合わせたもの
- プログラミング的思考はあらゆる仕事で必要になるスキル
- ポータルサイトでは無料の教材を含めた教材の検索が可能
- 無理なく楽しめるプログラミング教材を選ぶことが重要
今回プログラミング教育におすすめの教材として紹介したものは、ビジュアルプログラミング、絵本、ロボットプログラミングとタイプとしてはばらばらですが、自分でプログラムする楽しさを体感できるものを紹介しています。
教材選びの参考になれば幸いです。
【初心者でもわかる】この記事のまとめ
「プログラミング教育 教材」に関してよくある質問を集めました。
プログラミング教育って何?
プログラミング教育とは、プログラミング的思考=手順を踏み解決していく、といった力を育てるためのコンピューターによる教育です。
プログラミング教育に必要な教材の種類は?
詳しくは記事中に記載していますが、映像教材やテキスト教材、立体教材などが必要となります。
プログラミング教育におすすめの教材は何?
記事中では、おすすめの教材を4つほど紹介しています。
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