「世界史って範囲も広いし、何から手をつけていいいかわからない」、「世界史で今から高得点は取れるの?」という不安や悩みを多くの受験生が抱いているのではないでしょうか?
共通テストでは、特に世界史は高得点を出しやすい科目です。
そこでこの記事では、受験生が聞きたい共通テストの世界史で高得点を取る方法や出題傾向、センターとの違いをお教えします。
■まとめ
大学入学共通テストとは、2021年から実施され始めた全国共通の大学入試試験です。
センター試験の代わりに実施され、日程や活用方法などは同様ですが、出題構成や出題問題に変更があります。
大学入学共通テストの日程 | |
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試験日 | 2024年1月13日(土)・14日(日) |
中間発表 | 2024年1月19日 |
最終発表 | 2024年2月7日 |
大学入学共通テストは土・日の2日間行われ、1日目が文系科目・2日目が理系科目の試験が行われます。
共通テストの社会科目 | ||
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地理歴史 | 「世界史A」・「世界史B」 「日本史A」・「日本史B」 「地理A」・「地理B」 |
10科目から1科目または2科目を選択 |
公民 | 「倫理と政治経済」 「現代社会」 「倫理」 「政治・経済」 |
大学によって異なりますが、文系の人は地歴公民から2科目、理系は地歴公民から1科目受験することがほどんどです。
世界史や日本史は、志望校によってA・Bどちらが使えるのかが異なるので、受験科目をしっかり確認しておく必要があります。
上記の表でもわかる通り、世界史にはAとBがあります。
ここでは、AとBの違いについて以下の2つの点からご紹介します。
世界史Aと世界史Bの1番の違いは、試験範囲や出題問題が異なることです。
世界史Aは主に現代や近代の問題が多く出題され、世界史Bは世界の歴史すべてから出題されます。
世界史Aは出題範囲が狭く、世界史Bは出題範囲が広くなっているのです。
試験範囲に違いがあるため、世界史Aのほうが簡単なように見えますが、範囲が狭い分より詳細で難易度の高い問題が出題されます。
そのため、平均点は世界史Aのほうが毎年低くなっています。
共通テストでは、教科書をもとに学習した知識と、問題で提示された資料・地図・図版などから読み取った情報を、重ね合わせて判断するような問題が出題されます。
また、歴史用語の知識量だけでなく、歴史に対する理解力や判断力が問われると考えられます。
そこで、歴史用語を「暗記する」のではなく、因果関係やそれぞれの時代のイメージを意識して「理解する」学習が重要です。
ここでは、共通テストとセンター試験の出題構成を比較していきます。
大問数 | 共通テスト | センター試験 |
---|---|---|
第1問 | 資料と世界史上の出来事との関係 | 文化の繁栄や受容 |
第2問 | 世界史上の貨幣 | 戦争や対外関係 |
第3問 | 文学者やジャーナリストの作品 | 図書館と書物 |
第4問 | 国家や官僚が残した様々な文書 | 人やモノの移動 |
第5問 | 旅と歴史 | ー |
共通テストの世界史Bではセンター試験と比べ、大問が1つ多くなり、全体の設問数は2つ減りました。
解答に時間がかかる問題が多く、試験時間ぎりぎりになってしまう生徒が多かったようです。
共通テスト | センター試験 | |||
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大問数 | 配点 | マーク数 | 配点 | マーク数 |
第1問 | 15 | 5 | 25 | 9 |
第2問 | 18 | 6 | 25 | 9 |
第3問 | 24 | 8 | 25 | 9 |
第4問 | 26 | 9 | 25 | 9 |
第5問 | 17 | 6 | ー | ー |
共通テスト世界史の試験時間は、センター試験との変更はなく、60分です。
共通テスト世界史の配点やマーク数は、センター試験に比べ様々になっています。
ここでは、世界史A・Bそれぞれの共通テストとセンター試験の平均点を比較していきます。
世界史の平均点 | ||
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科目 | 共通テスト | センター試験の平均点 |
世界史A | 46.65点/100 | 51.16点/100 |
世界史B | 63.49点/100 | 62.97点/100 |
世界史Aの平均点は共通テストになって減少しており、世界史Bの平均点はやや上昇しています。
このことから、世界史Aの難易度は難化、世界史Bは例年並みであったと考えられます。
✔世界史の共通テストは2024年1月13日
✔世界史A・Bの違いに注意が必要
✔共通テストの世界史では大問数が増えた
ここでは、多くの大学が受験科目にしている世界史Bの出題傾向や問題分析を行っていきます。
共通テストの世界史Bの出題範囲に大きな変更はありません。
しかし、考察力を問われる問題が多くなっており、資料の読みとりなどが必要な問題が多く出題されます。
ここでは、昨年度の世界史Bの問題構成をご紹介します。
大問数 | 出題分野 | 問題数 |
---|---|---|
第1問 | 資料と世界史上の出来事との関係 | 5 |
第2問 | 世界史上の貨幣 | 6 |
第3問 | 文学者やジャーナリストの作品 | 8 |
第4問 | 国家や官僚が残した様々な文書 | 9 |
第5問 | 旅と歴史 | 6 |
共通テストの世界史Bでは、以下の3つの問題が出題される傾向があります。
世界史Bの問題では、現代や近代などの知識を問う問題も出題され、より幅広い年代や地域を問う問題が出題されるようになりました。
また、分野をまたぐ問題も出題されているので、歴史的な出来事の背景、原因・結果、影響など、タテのつながりとヨコのつながりを考えながらの学習が大切です。
共通テストでは、知識だけでなく考察力や応用力を問う問題が多くなりました。
そのため、教科書などで歴史の流れを把握することがさらに必要とされています。
センター試験と比べると、共通テストでは初見の資料を読みとり、解答する問題が多くなりました。
知っている知識と組み合わせ、資料を読み取る能力が求められます。
第1問では、設問Aは「史料」に基づく始皇帝死亡時の逸話に関する問題が出題され、中国について幅広い知識が求められました。
設問Bでは、マルク=ブロックの著書「歴史のための弁明ー歴史家の仕事」の引用問題が出題され、資料問題の読解が必要な問題でした。
第2問の設問Aでは、イギリスの金貨鋳造量と紙幣流通量を示した2つのグラフから読みとり、設問に解答する問題が出題されました。
設問Bでは、アジアの貨幣に関する会話文の問題が出題され、会話文の空欄を埋める問題形式でした。
設問Aは「デカメロン」から中世ヨーロッパの知識を問う問題、設問Bはジャーナリスト大庭柯公の文章の空欄と下線部に合う用語を問う問題、設問Cはジョージ=オーウェルの「1984年」を読み取る力が求められる問題が出題されました。
設問Aでは、19世紀に終結された条約の資料の読解力と地図の知識も問われました。
設問Bは、日中関係についての3つの資料の並び替え問題が出題されました。
設問Cでは、英領インドの統治に関する文書を読み、幅広い知識が求められる問題でした。
設問Aは、3つの旅行記を用いた古代から20世紀までの知識が問われる問題でした。
設問Bは、朝鮮史についての会話文から、歴史事項の並べ替え問題などが出題されました。
✔出題範囲に大きな変更はない
✔広い知識や歴史の流れを問われる問題が多い
✔資料や写真を読み取る力も必要
ここでは、共通テストで出題される問題別の勉強方法をご紹介します。
年代問題では、流れをつかむためにも歴史的事柄の年号は覚えていた方がいいですが、「〇〇事件が起きたのは何年?」という問いは、出題されません。
そのため、「〇〇世紀の前半に起きた事件」というように、大まかに流れを把握することに努めましょう。
また、世界史ではヨコのつながりも大事なので、「〇〇事件が起きた頃、アジアでは何が起きていたかな?」と各国のつながりを意識した勉強が大切です。
必ず出題されますが、教科書の太字(用語)を覚えていてもなかなか点が取れないのがこの「正誤判定問題」です。
確実に点数につなげるためには、太字(用語)の内容をしっかり自分の言葉で説明できるようになることが必要です。
まず、教科書の太字(用語)の説明を自分の言葉で書き出してみて、次に用語集で正しい説明文を確認し暗記する、この繰り返しが一番おすすめです。
地図問題は、地名が出てきたら教科書・資料集で確認すること、これに尽きます。
地図だけでなく、遺跡や世界遺産なども同様で、地図や写真が出てきたら、その都度、教科書・資料集で確認しましょう。
受験生が最も苦手とするのが、「文化史」です。
そのため後回しにしがちですが、確実に出る分野なので、まとめて暗記しましょう。
文化史に限っては、どの参考書を使っても大差ないので、手元にある参考書を丸暗記する気持ちで臨みましょう。
グラフを読み取る上で手がかりになるのは、やはり基礎知識(教科書の太字レベル)です。
また、過去問でグラフの読み取りに慣れておくことも重要です。
過去問で傾向やパターンを知ることが正答率アップの近道と言えるでしょう。
✔世界の大まかな流れを意識した学習が良い
✔問題別に特徴を捉えて対策を行う
✔過去問で傾向をつかむことも大切
ここでは、共通テストの世界史Bの学習におすすめの参考書をご紹介します。
著者 | 出版社 | 価格(税込) |
---|---|---|
清水裕子 | かんき出版 | 1,760円 |
この参考書では、全53分野をテーマごとに分け細かく解説しているので、しっかり理解することができます。
世界史Bの共通テストで必要とされる基礎知識をきっちり抑え、傾向を抑えるにはぴったりの1冊です。
著者 | 出版社 | 価格(税込) |
---|---|---|
相田知史 | 文英堂 | 935円 |
この参考書では、入試傾向を踏まえた重要用語を抑えながらその周りでおこった歴史の流れや場所などもきちんと覚えることができます。
また、内容が表や地図などでまとめられているので、読みやすく整理しながら覚えることのできる問題集となっています。
赤フィルターで繰り返しインプットすることができるので、基礎知識を定着させたい人におすすめです。
著者 | 出版社 | 価格(税込) |
---|---|---|
平松 健 | KADOKAWA | 1,320円 |
共通テスト2回分の試行調査問題の解説と、完全オリジナル・2回分の予想問題の計4回分の問題を掲載しています。
試行調査の傾向に合わせた、日常学習にも使える「良問」にふれ、共通テストで問われる「歴史を考察する力」を身につけることで、全国の受験生に差をつけることができます。
著者 | 出版社 | 価格(税込) |
---|---|---|
石井栄二 他 | 山川出版社 | 990円 |
テストで重視される文字資料・図版・地図・グラフなどの読み取りを中心に、イントロダクション・トレーニング・チャレンジの3部で構成されています。
共通テストでは、教科書に掲載されていないグラフの読み取りが出ることも予想されるので、この問題集でしっかり対策しておきましょう。
著者 | 出版社 | 価格(税込) |
---|---|---|
教学社編集部 | 教学社 | 1,078円 |
赤本シリーズの共通テストの世界史Bの参考書です。
合計16回分の共通テスト世界史Bの過去問を掲載しており、マークシートの解答用紙がついています。
また、2021年度の実際の共通テスト2日分も収録しているので、直前の対策にもぴったりな必ず解いておきたい1冊となっています。
共通テストの世界史の対策を、独学で行うことは可能です。
しかし、大学受験は長期戦であり、細やかな対策が必要のため家庭教師や予備校を利用することをおすすめします。
家庭教師のトライ | |
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対象年齢 | 幼児・小学生・中学生・高校生・高卒生 |
対象地域 | 全国 |
特徴 | 顧客満足度の高いマンツーマン指導の家庭教師 |
家庭教師のトライでは、経験豊富な教室長兼教育プランナーが受験生一人ひとりに専用の学習プランを作成してくれます。
家庭教師のトライでは、高校生に多くの指導経験があり、1人1人を確実に合格へ導くカリキュラムを提供するので、安心して受験当日を迎えることができます。
志望校に合わせた演習問題を用意したり、添削指導まで行ってくれるので、大学受験にぴったりです。
家庭教師のトライでは、難関大学対策に特化したコースがあります。
各大学の入試について詳しいプロの講師が指導を行ってくれます。
トライ式難関大合格コース | |
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東大対策コース | 京大対策コース |
早大対策コース | 慶大対策コース |
北大対策コース | 東北大対策コース |
名大対策コース | 阪大対策コース |
九大対策コース | 東工対策コース |
一橋大対策コース | 国公立対策コース |
医学部対策コース | ー |
家庭教師のトライの料金は、1人1人に合わせて作成したカリキュラムの内容によって異なります。
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今回は、共通テストの世界史科目について見てきました。
センター試験からの大幅な変更点はないものの、ただ用語を暗記するだけでなく、グラフや問題文をしっかり考察する力が求められることが分かりました。
世界史に限ったことではないですが、しっかりと対策をして本番を悔いのないように迎えましょう。
「共通テスト世界史」に関してよくある質問を集めました。
センター試験と共通テストの世界史の違いとしては、まず問題構成が異なります。センター試験では大問は4つでしたが、共通テストでは5つとなっており、配点や問題数も変更されました。出題傾向としては、理解力や判断力・資料を読み取る問題も多く出題されるようになりました。
共通テスト世界史Bの勉強・対策方法は、問題別にご紹介しています。年代問題は大まかな流れを理解すること・正誤問題では重要単語を自分の言葉で書き出すことが大切です。地図問題は写真や資料をその都度教科書・資料集で確認することが必要です。