【図形と方程式】2点間の距離を求める公式・内分点と外分点を解説
数学Ⅱで取り扱う「図形と方程式」の単元について、
「新しい公式が多くて覚えられない!」
「そもそもなにを言われているのかわからない!」
そんな苦手意識を抱えている人は多いのではないでしょうか。
単元名の通り図形や方程式を含む多くの数学的知識を要するこの単元は、高校数学の鬼門とも言える単元です。
しかし覚えることが多そうに見えるこの単元は、実はこれまでに学習した数学の総まとめになっています。
本記事ではボリュームが多く混乱しやすい数学Ⅱ「図形と方程式」の内容について、これまでの数学学習の復習も絡めながら解説していきます。
この記事を参考に学習をすすめ、「図形と方程式」をマスターしましょう。
2点間の距離
「図形と方程式」で最初に覚えることになるのが2点間の距離を求める方法です。
2点間の距離とは、平面上に点Aと点Bが存在するとき、線分ABの長さのことを指します。

高校数学では平面上の点の位置をX軸とY軸を使った座標で表します。
見慣れない形式の羅列になるため混乱する人も多いことでしょう。
しかし実際に2点間の距離を求める方法はとても単純なのです。
ここでは点A(2、4)と点B(9、8)の2点間の距離を求めてみましょう。
1.直角三角形をイメージする
-

2点間の距離を求める際に重要なことは、直角三角形をイメージすることです。

点Aと点Bを結んだ線分ABが斜辺になるような直角三角形をイメージしてください。
すると点Aと点Bからそれぞれもう一つの線が伸びていることがわかります。
この二つの線分が交わる点を点Cとした時、点Cの座標は以下のようになります。
点CはY軸の座標が点Aと等しく、X軸の座標が点Bと等しい点です。
よって、点Cの座標は(9、4)となります。
ここまで求めることができれば、あとは三平方の定理を用いることで点AB間の距離を求めることができます。
2.三平方の定理で算出する
三平方の定理とは直角三角形の辺の長さに関する定理で、ピタゴラスの定理とも呼ばれます。
直角三角形abcの斜辺をaとした時、以下の公式が成り立ちます。
a^2=b^2+c^2
線分ABを斜辺とする直角三角形ABCの場合、三平方の定理を変形させることで斜辺ABの長さを求めることができます。
直角三角形ABCを三平方の定理に当てはめると、以下のような式を立てることができます。
AB^2=AC^2+BC^2
この式を変形させるとAB=√AC^2+BC^2となります。
各点の座標はA(2、4)、B(9、8)、C(9、4)なので、上記の式に代入すると以下のようになります。
AB=√(9ー2)+(8ー4)
=√11
よって、点AB間の距離は√11。
このように、2点間の距離は三平方の定理を用いて求めることができます。
3.軸に平行な場合は計算は不要
ここまで解説してきたのは、線分ABが軸に並行ではない場合の2点間の距離の求め方です。
2点を結んでできる線分が軸と並行な場合はより簡単に2点間の距離を求めることができます。
先ほどの例題を使って考えてみましょう。
線分ABを斜辺とする直角三角形ABCについて、軸と並行な線分はACとBCの2つです。
点Aと点CはY軸の座標が等しいため、X軸と並行な線分であると言えます。
この場合、2点間の距離は単純にX座標の距離がどれだけ離れているかと等しくなります。
点A(2、4)と点C(9、4)の2点間の距離は、2点のX座標の値の差に等しくなります。
つまり、点Aと点Cの2点間の距離は以下の式で求めることができます。
AC=9一2
よって、点Aと点Cの2点間の距離は7となります。
同様に点Bと点Cの2点間の距離も求めることができます。
点B(9、8)と点C(9、4)の2点間の距離は、2点のy座標の値の差に等しくなります。
BC=8一4
よって、点Bと点Cの2点間の距離は4となります。
このように線分が軸と並行である場合、三平方の定理を使わなくとも2点間の距離を求めることができます。
CHECK
- 2点間の距離は三平方の定理を用いて解くことができる
- 距離を求めたい2点を繋いだ線分を斜辺とする直角三角形をイメージする
- 2点を繋いだ線分が軸に並行な場合は、それぞれの座標の値の差と等しい
内分と外分
続いては「内分と外分」について解説していきます。
「内分と外分」は基本的には小学校6年生の算数で習った「比」を使って解いていきます。
しかし内分と外分がそれぞれどういったものを指すのかを理解していないと、途中でなにをしているのかわからなくなりやすい部分でもあります。
それぞれの定義をしっかり抑えておくことが理解に繋がります。
本記事では平面座標について解説していますが、ベクトルの内分点・外分点も同じ方法で求めることができます。
内分とは

最初に内分について解説します。
内分とは、線分ABを線分AB上に位置する点Pによってm:nに分けることです。
-

この時点Pを内分点と言います。
線分AB上に点Pを取った時、AP:BPがm:nになっている、と言い換えるとイメージしやすいかもしれません。
このイメージをきちんと固めておくことで、内分と外分の違いが明確に理解できるようになります。
「図形と方程式」では、この情報から内分点Pの座標を求めていきます。
内分点の座標の公式
内分点の座標は公式によって求めることができます。
ここでは点A(2、4)と点B(7、9)を2:3に内分する点P(x、y)、そして内分点の公式を求めてみましょう。
前述の通り、点Pは線分AB上に存在し、線分ABをm:nに分ける点です。
まず点ABPそれぞれから、X軸とY軸それぞれと垂直に交わる補助線を引きます。
ここで中学2年生で習った平行線の性質と相似図形の性質を使うと、以下のことがわかります。
①点ABPそれぞれを通りx軸と垂直に交わる直線とx軸との交点A’B’P’について、A’P’:P’B’=m:n
②点ABPそれぞれを通りy軸と垂直に交わる直線とy軸との交点A”B”P“について、A”P”:P”B”=m:n
この条件をもとに点A(2、4)と点B(7、9)を2:3に内分する点P(x、y)について考えてみましょう。
点A’(2、0)点B’(7、0)より、
(xー2):(7ーx)=2:3
3(xー2)=2(7ーx)
3xー6=14ー2x
5x=20
x=4
同様に点Pのy座標も求めることができます。
点 A”(0、4)点B”(0、9)より、
(yー4):(9ーy)=2:3
3(yー4)=2(9ーy)
3yー12=18ー2y
5y=30
y=6
したがって、点A(2、4)と点B(7、9)を2:3に内分する点P(x、y)の座標は(4、6)であることがわかります。
これらを公式に表すと以下のようになります。
点A(xa、ya)と点B(xb、yb)をm:nに内分する点P(x、y)を求める公式
P(nxa+mxb/m+n、nya+myb/m+n)
中点の座標
内分点のうち、線分を1:1に内分する点を特に中点と言います。
中点Mの座標を求めたい場合、前述の公式はよりシンプルなものになります。
中点Mは線分を1:1に内分する点ですから、AM=BMになります。
これを内分点を求める公式に当てはめると以下のようになります。
線分ABの中点M(xa+xb/2、ya+yb/2)
わざわざ内分点の公式に当てはめて考えるよりも、中点の場合はこちらを公式として覚えてしまう方がよいでしょう。
ちなみにm:nが1:1になることは内分の時にしか起こりません。
【復習】相似とは?
内分点の座標を求めるときに相似図形の性質を使うことは前述の通りです。
ここでは図形の相似について復習をしておきましょう。
相似とは、二つの図形の一方を拡大または縮小したとき、他方の図形と合同になることをいいます。
もう少しわかりやすく条件を整理すると、
- ①辺の個数が同じである多角形であること
- ②各辺の比が一定であること
- ③対応する角の大きさが等しいこと
上記の三つを満たす場合に提示された図形は相似であると言えます。
内分点を求める時に用いた相似図形の性質は、各辺の比が一定であることを利用した性質です。
相似の三角形ABCとADEについて考えてみましょう。
(ABC<ADEとする。)
各辺の比が一定であることから、AB:AD=AC:AE=BC:DEとなります。
この性質を利用すると、AB:BD=m:nとした時、AB:AD=m:m+n= AC:AEとなります。
したがって、AC:CE=m:nになることから、AB:BD=AC:CEとなります。
内分点の公式は万が一忘れてしまっても落ち着いてこれまでの学習を用いれば導くことができます。
思い出すことができなくても焦らずに取り組んでみましょう。
外分とは
続いて外分について解説します。
これまで解説してきた内分は比較的イメージがしやすいのですが、外分は少々複雑です。
図形が苦手な人には特にイメージがつきづらい部分ですが、反対にイメージさえ抑えておけば混同しがちな内分と外分をきちんと切り離して考えることができます。
外分とは、線分ABの延長線上に位置する点QによってAQ:BQ=m:nとなることです。
この点Qを外分点と言います。
-

ここで重要なのが、点Qは線分AB上には存在していないということです。
つまり点Qは点 Aまたは点Bの外側に位置している点であるということが内分との大きな違いであるということを理解しておかねばなりません。
外分点の座標の公式
外分点の座標もまた、内分点と同じように公式によって求めることができます。
ここでは点A(3、4)と点B(5、8)を2:1に内分する点Q(x、y)、そして外分点の公式を求めてみましょう。

前述の通り、点Qは線分ABの延長線上に存在し、 AQ:BQ=m:nに外分する点です。
まず点ABQそれぞれから、X軸とY軸それぞれと垂直に交わる補助線を引きます。
先ほど相似について復習した際に扱った平行線の性質と相似図形の性質を使うと、以下のことがわかります。
①点ABQそれぞれを通りx軸と垂直に交わる直線とx軸との交点A’B’Q’について、A’Q’:B’Q’=m:n
②点ABPそれぞれを通りy軸と垂直に交わる直線とy軸との交点A”B”P“について、A”P”:P”B”=m:n
外分点を求める場合重要なのは、mとnの大小関係です。

外分点は点 Aまたは点Bの外側に存在します。
どちらの点の外側にあるかによってmとnの大小関係が変わってきますが、外分点を求める際は分母が負になるのを防ぐために小さい方をマイナスにして考えましょう。
それでは点A(3、4)と点B(5、8)を2:1に外分する点Q(x、y)について考えてみましょう。
m:n=2:1よりm>nになるので、今回はnをマイナスとして考えていきます。
点A’(3、0)点B’(5、0)より、
(xー3):(xー5)=2:1
xー3=2(xー5)
xー3=2xー10
x=−3+10
x=7
同様に点Qのy座標も求めることができます。
点 A”(0、4)点B”(0、8)より、
(yー4):(yー8)=2:1
2(yー8)=yー4
2yー16=yー4
y=−4+16
y=12
したがって、点A(3、4)と点B(5、8)を2:1に内分する点Q(x、y)の座標は(9、14)であることがわかります。
これらを公式に表すと以下のようになります。
点A(xa、ya)と点B(xb、yb)をm:nに外分する点Q(x、y)を求める公式
m>nの場合
Q(–nxa+mxb/mーn、–nya+myb/mーn)
m<nの場合
Q(nxaーmxb/nーm、nyaーmyb/nーm)
ちなみに外分点の公式は内分点の公式への代入でも求めることができます。
m>nの場合はnに–nを、m<nの場合はmに–mを代入することで外分点の公式を導くことができます。
CHECK
- 内分点とは線分上に存在し線分をm:nに分ける点である
- 外分点とは線分の延長線上に存在し、線分をm:nに分ける点である
- 内分点のうち、線分を1:1に分ける内分点を特に中点という
直線を表す方程式
最後に、直線を表す方程式についての解説です。
直線を表す方程式と言われてすぐに思いつくのは、多くの人の場合y= ax+bという一次方程式の形でしょう。
aが傾き、bが切片(y軸との交点)を指します。
ここまでが中学で習った直線を表す方程式の内容です。

数学Ⅱでは、この式をax+by+c=0という形に変形して考えることになります。
これが「図形と方程式」の大きな核となる部分です。
y=ax+bの変形
中学で学習したy=ax+bの形式は、直線の方程式の中でも基本形と呼ばれる形です。
傾きと切片が式を見た瞬間にわかるので、グラフを書きたい時にはとても扱いやすい形になっています。
一方で、基本形ではy軸と並行になる可能性がある直線については式で表すことができないのです。
そこで全ての座標平面上の直線を式に表すために、基本形の式を変形していきましょう。
- y=ax+b
- 0=axーy+b
直線の方程式の基本形は以上のように変換することができます。
この式より整った形にするとax+by+c=0という形になり、これを直線の方程式の一般形と呼びます。
ここで間違えやすいのは、yの係数として扱われているbは基本形の式で切片を表すbとは別物だということです。
直線の方程式の一般形では、bはyの係数を指し、切片はcとして表記されます。
ax+by+c=0で考えよう
前述の通り、ax+yb+c=0の式では、平面座標上の全ての直線を式に表すことができます。

また、直線と点の距離を導くためにも直線の方程式の一般形が必要です。
直線と点の距離とは、平面座標上の任意の点P(x1、y1)からある直線に垂直に交わる直線を引いた時の点Pと直線との交点までの距離を指します。
直線と点の距離をdとした時、以下の公式で求めることができます。
d=|ax1+by1+c|/√a^2+b^2
ここで求めたいのはあくまで距離なので、答えが負の数になることはありません。
そのため分子にあたる直線の方程式には絶対値をつけて解きます。
例題
それでは実際に例題を使って直線と点の距離を求めてみましょう。
例題:点P(2、1)と直線y=–2x+6の距離を求めなさい。

まず、y=−2x+6を直線の方程式の一般形に直していきましょう。
直線の方程式の一般形はax+by+c=0なので、
y=−2x+6
2x+yー6=0となります。

直線と点の距離を求める公式に代入すると、
d=|2×2+1ー6|/√2^2+1^2
となるので、これを計算すると以下のようになります。
d=|2×2+1ー6|/√2^2+1^2
d=|5ー6|/√4+1
d=|−1|/√5
d=1/√5
よって点P(2、1)と直線y=–2x+6の距離は1/√5
CHECK
- ax+by+c=0は直線の方程式の一般形
- 直線の方程式の一般形では、平面座標上の全ての直線を表すことができる
- 直線の方程式の一般形は直線と点の距離を求める時に役に立つ
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まとめ
今回の記事では数学Ⅱで取り扱う「図形と方程式」について解説をしました。
図形と方程式、というこれまで数学で接点のなかった二つの単元が組み合わさった本単元は、高校数学の中でかなり混乱を招く単元です。
頭の中できちんと整理されていないと使うべき公式がわからなくなったり、一問解くのに多くの時間を費やすことになったりします。
これまで学んできた数学を一度復習するという意味でも、本単元の学習は数学の力の底上げになります。
本記事を参考に学習し、「図形と方程式」を得意分野に加えましょう。
【初心者でもわかる】この記事のまとめ
「図形と方程式」に関してよくある質問を集めました。
2点間の距離の求め方を教えてください
2点間の距離は三平方の定理を用いて求めることができます。三平方の定理とは、直角三角形の斜辺の長さの二乗が他の二辺の長さをそれぞれ二乗し足した数と等しくなるというもので、ピタゴラスの定理とも呼ばれます。求めたい2点を繋いだ線分を斜辺とする直角三角形をもとに、三平方の定理に代入することで2点間の距離を求めることができます。2点間の距離の求め方の詳細はこちらを参考にしてください。
外分と内分とは何でしょうか?中点との関係性も教えてください
内分とは、ある線分上にある点によって線分を任意の比に分けることです。この時の点を内分点といい、特に分ける比率を1:1としたときの内分点を中点と言います。一方外分とは、ある線分の延長線上に点を取ることで線分を任意の比率に分けることです。この時の点を外分点と言います。内分との大きな違いは、内分点は線分上にありますが、外分点は線分の延長線上に存在するということです。外分と内分についてはこちらを参考にしてください。
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