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更新日 2024.11.21

漸化式の求め方とは?問題の解き方をパターンごとにわかりやすく解説!

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今回は、数列の中でも難しい項目である漸化式を解説します。

等差数列や等比数列に比べ、漸化式では複雑な計算を必要とします。

論理的思考力が求められるため、解き方を一度知っただけでマスターすることは難しいです。

しかし、自分1人で解法を導き出せるようになると、ライバルと差をつけることができます。

ここでは、漸化式に対する考え方や解くコツをより具体的に理解できるよう、2つの問題とともに解説します。

加えて、おすすめの勉強法や学習塾についても紹介します。

漸化式の解き方をプロセスごとに理解しつつ、自主勉強用に上手く活用してください。

 

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a(1)=5,a(n+1)=3a(n)-2を解くパターン

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今回勉強するのは、基本的な数列が使われていないパターンです。

早速、例題を使いつつ漸化式の一般項を求めましょう。

ここで紹介する式は「a1=5,an+1=3an-2」です。

数学が苦手な人にとっては、非常に複雑な計算式のように思うかもしれません。

しかし、順序を付けながら計算すると、しっかりと解を求めることができます。

まずは、数列の特徴を押さえましょう。

出題されている数列は、等差数列でも等比数列でもありません。

等差数列は、「an+1=3an-2」の右辺にある「3an」の係数が「1」であることが条件です。

もし、係数が1であれば「n=1,2,3,…」と増えていくと、「an+1=3,1,-1,…」と公差-2の数列が作れます。

しかし、係数3があると「n=1,2,3,…」の変化に対して、「an+1=15,37,109,…」と規則性が全くありません。

したがって、等差数列の選択肢は除外されます。

一方で、等比数列にもならない理由が「an+1=3an-2」の「-2」です。

「3an」だけであれば、3の倍数ずつ増加していくと規則性を見出だせます。

そこから、「-2」を足すと倍数が崩れてしまうはずです。

つまり、「a1=5,an+1=3an-2」は等差数列や等比数列に該当しない並びといえます。

a(n+1)=pa(n)+qの式を作る

ここで、漸化式についておさらいしましょう。

  • #

    漸化式とは、数列のとある項をそれ以前の項を使いながら説明することです。

    漸化式には何種類かのパターンが用意されています。

その中でも、今回のように等差数列や等比数列にもならず、なおかつ階差数列にもならない場合は「an+1=pan+q」の式に直すことが問題を解くカギです。

等差数列や等比数列に分類されない種類、つまり「an+1=pan+q」の形の式は「an」と「an+1」をxに置き換えて1次方程式を作ります。

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「p」と「q」に関しては実数であるため、どのような数字を入れても問題なく漸化式を作ることができます。

1次方程式に変えていけば、漸化式の求め方も特に複雑ではありません。

例題のパターンに当てはめていくと、「an+1=3an-2」の式は「a=3a-2」と改められます。

あとは中学生でも計算できる単純な方程式です。

「a=1」とaの値を求めることができました。

ここから少し計算もややこしくなりますが、次は「an+1=3an-2」から「a=3a-2」の式を引き算します。

この場合は、筆算を使ったほうが計算しやすいでしょう。

「an+1-a=3an-2-(3a-2)」となり、右辺を整理した式が「an+1-a=3an-3a」です。

つづいて、「a=3a-2」の方程式で求めた「a=1」を代入します。

代入すると「an+1-1=3an-3」と表せるはずです。

念のため、右辺の「3an-3」を因数分解でまとめましょう。

すると、「an+1-1=3(an-1)」と式が変形できます。

b(n)に置き換える

右辺の「3(an-1)」をそのまま用いて計算してしまうと、非常に複雑な解き方で一般項を求めなければなりません。

数学では、たびたびある文字への置き換えが使われます。

ここでも、「(an-1)」の部分を「bn」に置き換えて計算を続けましょう。

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すると、右辺は「3bn」とまとめることができました。

ここから、数列{bn}を作るべく、左辺も「bn+1」に直して漸化式の一般項を求めます。

一度、整理した式が「bn+1=3bn」です。

次に数列{bn}の初項と公比を算出します。

 そもそも、bnの値は「an-1」と同じでした。

つまり、初項「b1」を求める際には、「a1-1」の計算をするだけで問題ありません。

例題に目を通してみると、数列{an}の初項はすでに5と定められています。

これを「a1-1」に代入して計算しましょう。

数列{bn}の初項は「4」と求めることができるはずです。

次に、数列{bn}の公比を導き出します。

こちらも求め方自体は非常に単純です。

等比数列を作る際には「係数」に注目しなければなりませんでした。

この要領で公比は計算もせずに求められます。

数列{bn}の右辺は「3bn」です。

係数は3であることから、公比も同様に「3」と答えられます。

整理すると、数列{bn}は初項4で公比3の等比数列となります。

あとは、それぞれ導き出した初項と公比を参考に数列{bn}の一般項を求めます。

これは、同様に数列{an}の一般項の解き方にも直結するので、計算ミスに注意してください。

等比数列の一般項を求める公式は、「bn=b1・rn-1」です。

(b1は初項、rは公比)

それぞれを代入しながら、式を作ります。

結果、数列{bn}の一般項は「bn=4・3n-1」と表せました。

最後に数列{an}に戻して、一般項を数列{bn}の解を使いながら解きます。

「bn」は「an-1」を置き換えたものでした。

このことから、数式に直すと「an-1=bn」となります。

移行すれば「an=bn+1」です。

bnを一般項に直した数値が4・3n-1であるため、anの一般項は「an=4・3n-1+1」と求めることができます。

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  • #

    漸化式の一般項を一通り解いたら、必ず確かめ算を行ってください。

    このような問題は、解き方が合っていても計算ミスをしている可能性があります。

解を出して終わりにするのではなく、確かめ算を徹底することで確実に点数を稼げます。

CHECK

  • 等差数列や等比数列、それ以外の数列と種類を見極める
  • 等差数列や等比数列以外の場合は「an+1=pan+q」の式を作る
  • 「bn」など文字を置き換えながら計算する

a1=4,an+1=3an+2^nを解くパターン

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このように「an+1=pan+q」の形は、難しい漸化式の問題で頻繁に使われます。

解き方やパターンを押さえて、大学入試にも対応できるよう難問にチャレンジしましょう。

では、以下の難しい問題を解いてみましょう。

問題)a=4,an+1=3an+2n(n=1,2,3,…)で定められた数列{an}の一般項を求めよ。

「an+1」の式は、右辺にどちらも「n」が設けられています。

先程の問題は、「3an-2」と文字が付いていない項がありました。

しかし、ここでは「3an+2n」と指数にもnがあります。

こうした違いだけでも、算出方法は大きく異なるため注意が必要です。

問題の漸化式のパターンをpやqを使って表すと、「an+1=pan+qn」となります。

順番ごとに並べながら、解き方を解説しましょう。

a(n+1)=pa(n)+q^nは両辺をq^n+1で割る

「an+1=pan+qn」のパターンを解く際に必ず覚えておくべきポイントが、両辺を「qn+1」で割ることです。

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先程の問題でも同様でしたが、等差数列や等比数列以外の漸化式が出てきたら「初手」を押さえましょう。

最初に何をやればいいかわからないと行き詰まってしまうため、解き方を進めていくうえでは初手をしっかりと覚えなければなりません。

なぜ、「qn+1」で割るのかも問題を解きながら紹介します。

問題に戻り、上記のやり方に合わせて「an+1=3an+2n」の両辺を「2n+1」で割ります。

この作業をする理由は、右辺の「2n」の指数にある「n」を消し、より計算しやすい形にするためです。

両辺を「2n+1」で割り算すると、式は次のように変わります。

「an+1/2n+1=3an/2n+1+2n/2n+1」です。

ここで、右辺の「3an/2n+1+2n/2n+1」は工夫して式を作り直しましょう。

方法としては、文字数nの有無で2つに分けます。

そもそも「2n+1」は、「2n」からさらに2を掛け算したことを指している数です。

仮に「2×2」があったとした場合、計算方法を変えると「22」と表せます。

つまり「21」から「21+1」と数が変形した状態です。

この要領で考えると、「2n+1」は「2×2n」と形を改めることができます。

そこで、文字数nが付いた項とそうでない項に分けましょう。

すると、「3an/2n+1」に関しては、「3/2・an/2n」と表せるはずです。

次に、「2n/2n+1」の計算方法も見ていきます。

先程説明した指数の特徴を掴んでいれば、問題なく式をまとめられるでしょう。

分子にも分母にもnが指数となっており、分母が1つ分多い状態です。

つまり、分母は1回分多く2が掛けられるといえます。

この特徴から、「2n/2n+1」をまとめた答えは「1/2」です。

an+1の式全体を整理すると、「an+1=3/2・an/2n+1/2」となります。

bn=an/2nの式に置き換える

「an+1=3/2・an/2n+1/2」の式が完成したら、計算をより単純化させるため、唯一の文字式である「an/2n」をbnと置き換えます。

すると、「bn+1=3/2bn+1/2」とまとめられます。

こちらは1問目と同じく「an+1=pan+q」が成り立つ式です。

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  • #

    pが「1」ではない整数であり、その後に定数項である「1/2」があります。

    これが「an+1=pan+q」のタイプの漸化式として解くうえでの条件でした。

解き方も前問と同じで、「bn+1=3/2bn+1/2」の式の「bn」を「b」に置き換えて、1次方程式を求めます。

方程式の解を「bn」と「bn+1」に代入し、元の式から「bn」の式を引き算して定数項を消す方法です。

計算方法は先程の問題と変わりません。

まずは、自分なりに計算してみて、「b」の解を求めてみましょう。

無事に解を導き出せた場合は、以下を参考に答え合わせしてください。

上述のとおりに計算すると、「b=3/2b+1/2」の方程式の解は「b=-1」と求められるはずです。

つづいて、「bn+1=3/2bn+1/2」の式から「b=3/2b+1/2」を引き算します。

すると「bn+1-b=3/2bn-3/2b」となり、「b=-1」を代入すると「bn+1+1=3/2bn+3/2」です。

右辺を「3/2(bn+1)」と因数分解すると「bn+1」の式は「bn+1+1=3/2(bn+1)」です。

さらに、「bn+1」を「cn」に置き換えると「cn+1=3/2cn」となります。

ここから、初項と公比および一般項を算出しましょう。

ちなみに、Cnの値は「2」です。

後ほど使うので覚えておいてください。

aの初項は4でした。

bnは「an/2n」を指しているため、b1は「2」と求められるはずです。

そして、b1は「a1/2」と同じ値となります。

a1/2の値は2であるため、「Cn=bn+1」の初項は3と求められるはずです。

公比は「3/2Cn」の係数をそのまま参考にして「3/2」と出せます。

最後に、一般項を求めます。

等比数列の公式「Cn=C1・rn-1」に初項と公比を当てはめていくだけです。

よって、「3・(3/2)n-1」と作ることができますが、整理して「3n/2n-1」を解としましょう。

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CHECK

  • 数列の右辺に注目する
  • 「an+1=pan+qn」の式は両辺を「qn+1」で割る
  • 「bn」や「cn」に置き換えて等比数列を作る

漸化式のおすすめの参考書・勉強法

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漸化式のおすすめ勉強法は、実際に問題を解いてみることです。

アウトプットを意識したほうが、漸化式の問題に慣れやすいです。

ただし、一朝一夕で使いこなせるほど簡単な範囲ではありません。

もし、問題が難しいなと感じたら、迷わず答えを参考にすることをおすすめします。

5分以上考えて分からなかったら、部分的にでも解き方をチェックするべきです。

漸化式の問題が解けるようになれば、数列をある程度網羅できます。

難関大学を目指している人は、しっかりと対策して自分1人でも計算できるようにしましょう。

簡単な問題を中心に解いていき、漸化式の求め方や計算過程を押さえてください。

問題集の勉強範囲

漸化式の問題を解くうえで、おすすめの問題集は以下のとおりです。

  • 青チャート 【第3章 数列】 15 漸化式と数列 16 種々の漸化式
  • サクシード 【第3章 数列】 22 漸化式と数列(1) 23 漸化式と数列(2)
  • 4STEP 【第3章 数列】 7 漸化式と数列
  • Legend 【第6章 数列】 18 漸化式と数学的帰納法

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漸化式の問題は複雑な計算を必要とするため、基本的なものも最初は簡単に解けないかもしれません。

まずは、その中でも基本問題を探して練習しましょう。

もし、自力で解き切ることができなくても、焦る必要はありません。

悩んで手が止まるくらいであれば、解答を見ながら解法を覚えるのもひとつの勉強法です。

勉強時間は効率的に使う必要があります。

また、漸化式の範囲は長い計算式を書かなければなりません。

そのため、必ずルーズリーフやノートを用意して計算過程を作ることが大切です。

何度も繰り返し練習しながら、最終的には自分1人で解けるよう意識しましょう。

CHECK

  • 問題集を使いながらアウトプットの勉強法を心がけることが大切
  • 簡単な問題から挑戦する
  • 漸化式の計算パターンを理解するよう努める

漸化式を勉強するなら「オンライン数学克服塾MeTa」

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冬期講習については、以下の通りです。

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まとめ

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数列の難しい分野のひとつである「漸化式」について例題を使いながら解説しました。

最も重要なポイントは、式の形ごとのパターンを押さえることです。

今回は、「an+1=pan+q」の解き方を中心に説明しています。

等差数列や等比数列以外の数列が現れたら、この公式が当てはまるか疑ってみましょう。

漸化式の一般項を求める場合には、初手をどのようにとるか考えなければなりません。

やり方を正確に押さえないと、問題を見た瞬間に行き詰まってしまうためです。

漸化式を得意にできるか否かは、問題集をいかに解き進めるかがカギを握ります。

少しずつ勉強を積み重ね、受験前には自力で解けるようにしましょう。

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【初心者でもわかる】この記事のまとめ

「漸化式」に関してよくある質問を集めました。

漸化式とは何ですか?

漸化式とは、数列のとある項についてそれ以前の項を用いて表す等式を指します。基本的には等差数列型、等比数列型、それ以外の型の3パターンがあります。しかし、それ以外にもさまざまな形があるので、1つずつ解法を押さえましょう。漸化式はこちらを参考にしてください。

「pa(n)+q型」の問題はどう考えればわかりやすいですか?

解くときは右辺に注目してください。右辺に指数がない場合は、単純に「an+1やan」をまとめて1つの文字に置き換えて一次方程式を解きます。右辺に指数がある場合は、両辺を指数の文字数で割り算して式を整理します。「pa(n)+q型」の問題についてはこちらを参考にしてください。

この記事を企画・執筆した人
-StudySearch編集部-
この記事は、StudySearchを運営している株式会社デジタルトレンズのStudySearch編集部が企画・執筆した記事です。
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