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更新日 2022.12.27

受動態の応用|句動詞の受動態やbyを使わない受動態を例題とともに解説

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大学受験では受動態の応用的な内容が出題されることがあります。

受動態の応用的な内容には、日本語とは異なる考え方が多く含まれているため、理解するのが難しいと感じる方もいるかもしれません。

しかし、いくら難しいといっても、言葉の使い方であることには変わりありません。

1つずつ着実に学習すれば、必ず理解できるようになります。

今回は、受動態の応用的な内容として、時制関連の受動態、句動詞を含む受動態、byを使わない受動態について解説します。

ぜひ最後まで読んで、受動態の応用的な内容を理解しましょう。

 

受動態の基本を復習しよう

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まず、受動態の応用的な問題を学習する前に、受動態の基本を復習しましょう。

受動態は「SがVされる」のように、Sが行為を受けるニュアンスを表します。

能動態から受動態へ変換するには、以下の3つの手順を踏む必要があります。

  • ①能動態のO(目的語)をS(主語)に持ってくる
  • ②V(動詞)をbe動詞+過去分詞(p.p.)に
  • ③能動態のS(主語)をby +目的格にして後ろに置く

この際、③の”by+目的格”は以下の場合では省略可能です。

  • ①世間一般の人を言いたいとき
  • ②不明な人、よくわからない誰かを言うとき
  • ③あえて言いたくないとき

これらの基本を理解しておくことは、今回の学習において重要になるので、もう一度見直してみてください。

CHECK

  • 受動態は「SがVされる」のように、Sが行為を受けるニュアンスを表す
  • 能動態から受動態への書き換えは3つのポイントを理解する
  • "by 人”は言いたくない時やわからない場合は省略できる

受動態の時制に目を向ける

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受動態の基本は理解できましたか?

ここからは、大学入試でよく出題される受動態の内容を学習します。

1つ目は、受動態の時制関連の問題です。

以下の3つの例文を見てください。

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  • 1)He must do this work as soon as possible. 「彼はこの仕事をできる限り早くしなければなりません」
  • 2)They have closed this shop for years. 「彼らは何年間もこのお店を閉めています」
  • 3)She is watering the flowers. 「彼女は花に水をあげているところです」

1つ目が助動詞が入っているパターン、2つ目が完了形が入っているパターン、3つ目が進行形が入っているパターンになっています。

それぞれの文章を受動態にする際、どのようにすれば良いのか、また何に注意すべきかについて詳しく解説します。

助動詞+受動態の作り方

まずは、1つ目の「助動詞を含む文章」を受動態にする方法について解説します。

もう一度、例文を見てみましょう。

例)He must do this work as soon as possible.

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受動態へ書き換える際は、O(目的語)を主語にするため、"this work”が文の先頭になります。

続いて、V(動詞)である"must do”を「be動詞+過去分詞」の形にしなければなりません。

助動詞の後ろは必ず動詞の原形が来るため、助動詞+受動態の文章においては、"助動詞+be+過去分詞”となります。

そのため、以下のような文章に書き換えられます。

This work must be done by him as soon as possible.

“will”や"can” 、"should”など、他の助動詞でも同様の書き換えが可能です。

完了形+受動態の作り方

2つ目の「完了形を含む文章」を受動態にする方法について解説します。

もう一度、例文を見てみましょう。

例)They have closed this shop for years.

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まず、目的語を主語にするため、"this shop"を文頭におきます。

また、「be動詞+過去分詞」の形にしつつ、完了形を表す"have"も残しておく必要があるため、"have been +過去分詞"とします。

したがって、以下のような文章に書き換えられます。

This shop has been closed for years.

"have"を3単現の"has"にすることも忘れないようにしましょう。

進行形+受動態の作り方

3つ目の「進行形を含む文章」を受動態にする方法を解説します。

例文を見てみましょう。

例)She is watering the flowers.

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同様に、目的語を主語にするため、"the flowers"を文頭におきます。

また、「be動詞+過去分詞」の形にしつつ、進行形を表す「be動詞+〜ing」も残しておく必要があるため、"be動詞+being+過去分詞"とします。

よって、以下のような文章に書き換えられます。

The flowers are being watered by her.

CHECK

  • 助動詞+受動態は"助動詞+be+過去分詞”
  • 完了形+受動態は"have been +過去分詞"
  • 進行形+受動態は"be動詞+being+過去分詞"

句動詞の受動態

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ここでは、句動詞を使ったパターンを学習します。

そもそも句動詞とは何かを解説したあとに、句動詞を含む受動態の作り方を解説します。

句動詞とは?

  • #

    句動詞とは、2つ以上の動詞+前置詞、動詞+副詞で、1つの意味を持つ同士のことです。

    日本語でも「決める」と「定める」をあわせて「決定する」という1つの語句になりますが、これと似たようなものだと考えてください。

句動詞の例として、以下のような語句が挙げられます。

  • speak to 〜「〜に話しかける」
  • laugh at 〜「〜を笑う」

これらは、別々に分けてしまうと意味が伝わりづらくなるため、まとめて受動態にするようにしましょう。

句動詞の受動態の作り方

では、例文を用いながら句動詞の受動態の作り方を解説します。

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  • 1)A stranger spoke to me in English.
  • 2)He looks after his brothers.

1では"spoke to(話しかける)"、2では"looks after(世話をする)"が句動詞です。

これらの例文も、今までと同じ要領で受動態にしてみましょう。

それぞれの文の目的語は、"me"と"his brothers"なので、これらを先頭におきます。

また、"spoke to"と"looks after"は2語で1つの動詞として扱うので、セットで「be動詞+過去分詞」の形にします。

したがって、それぞれ以下のような文章に書き換えられます。

1)I was spoken to by a stranger in English.

2)His brothers are looked after by him.

1では前置詞が2つ連なり、2では副詞と前置詞が連なっているので、間違いであるかのように見えますが、句動詞はセットで使わなければならないので、この形で正解です。

CHECK

  • 句動詞とは2つ以上の動詞+前置詞、動詞+副詞で、1つの意味を持つ同士のこと
  • 句動詞はセットで受動態にする
  • 受動態にする際は「前置詞+前置詞」や「前置詞+副詞」も問題ない

byを使わない受動態

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最後に、byを使わない受動態の解説をします。

byを使わない受動態は大きく分けて、3つのパターンに分かれます。

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  • 感情動詞を使うパターン
  • 被害を受けたときに使うパターン
  • 前置詞のニュアンスからbyを使わないパターン

それぞれどのような形にすれば良いのかを解説します。

感情動詞の受動態

まずは感情動詞の受動態を解説します。

  • #

    そもそも感情動詞とは、3秒後に自分自身がなれない感情を表す動詞です。

    例えば、"surprise"や"excite"などが含まれます。

3秒後にいきなり驚くことはできませんし、3秒後にいきなり興奮することもできません。

しかし、自分自身はできないけれど、相手を驚かせたり興奮させたりすることはできます。

このことから、感情動詞を能動態で使うと「〜させる」受動態で使うと「〜する」という意味を表します。

例えば、以下のようなパターンが考えられます。

  • be surprised at 「〜に驚く」
  • be satisfied with 「〜に満足する」
  • be pleased with 「〜に喜ぶ」
  • be disappointed at 「〜に落胆する」
  • be interested in 「〜に興味を持つ」
  • be tired of 「〜にうんざりする」

これらは頻出なので覚えておきましょう。

「被害を受ける」意味の受動態

次に、「被害を受ける」意味を表す受動態について解説します。

このパターンでは、byをあえて省略しているパターンだと理解してください。

では、例文を見てみましょう。

例)A lot of people were killed in the accident. 「たくさんの人々がその事故で亡くなった」

  • #

    この文章に"by+行為者"をつけてしまうと、「行為者の"せい"で事故が起きて、人が亡くなった」という意味になります。

    このように行為者を記すことが好ましくない場合には、"by+行為者"を省略するのが良いでしょう。

このパターンで頻繁に使用するのは以下の語句です。

  • be killed in 「(戦争・事故)で死ぬ」
  • be injured in 「〜でケガをする」
  • be delayed 「遅れる」
  • be hurt 「ケガをする」
  • be caught in a shower 「にわか雨にあう」

先ほどと同様、これらも覚えておくと良いでしょう。

前置詞のニュアンスが違う場合

最後に、前置詞のニュアンスからbyを使わないパターンを解説します。

例)This door is made of iron. 「このドアは鉄で作られている」

"by+目的格"は行為者を表します。

そのため、鉄に"by"をつけるのは好ましくありません。

「鉄で作られている」という意味を表すのは"be made of"を使うため、ニュアンスの違いから"by"は使わないのです。

なお、"of"の前置詞のニュアンスは「所属・分離」を示します。

他に、ニュアンスの違いからbyを使わないパターンは以下のような語句があります。

  • be made of 「(目で見てわかる)〜で作られる」
  • be made from 「(目で見てわからない)〜で作られる」
  • be made into 「(加工されて)〜になる」
  • be known to 人 「人に知られている」
  • be known as 「〜として知られている」
  • be known by 「〜で判断される」
  • be covered with 「〜で覆われる」
  • be filled with 「〜で満たされている」

細かい違いがあるため、1つずつ意味を確実に理解しましょう。

CHECK

  • 感情動詞の受動態は「〜する」という意味
  • 「被害を受ける」意味を表す受動態は行為者をあえて言わない
  • ニュアンスが異なる場合はbyを使わない

受動態の応用の練習問題

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受動態の応用の練習問題にチャレンジしましょう。

空欄に当てはまる語を書いてください。

1)They are building the building. →(  )(  )(  )(  )(  ).

2)She took care of her dogs. →(  )(  )(  )(  )(  )(  )(  ).

3)私はその結果にガッカリした。

→I (  )(  )with the result.

4)一緒にいる人でどんな人か分かる。

→A man (  )(  )(  )the company he keeps.

できましたか?

では、答えを見てみましょう。

1)The building is being built.

2)Her dogs were taken care of by her.

3)I was disappointed with the result.

4)A man is known by the company he keeps.

もし間違えてしまった問題がある場合は、もう一度本文を読み直して、なぜこの答えになるのかを理解しましょう。

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まとめ

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今回は、受動態の応用について解説しました。

受動態は日本人の感覚と違うところがあるため、内容を掴みづらいこともあるはずです。

しかし、1つずつ着実に理解していけば、上位校の問題でも難なく解けるようになります。

まずは、受動態の形を意識して学習することが大切です。

繰り返し問題演習を行う中で、形を理解できるようにしていきましょう。

【初心者でもわかる】この記事のまとめ

「受動態 応用」に関してよくある質問を集めました。

受動態の応用には何が含まれる?

大きく分けて3つの内容が含まれます。①完了形や進行形など時制に関連した問題、②句動詞の受動態、③byを使わない受動態。受動態の応用についてはこちらを参考にしてください。

句動詞の受動態はどのように作れば良い?

句動詞を1つの動詞として扱い、動詞を過去分詞形にします。その際、動詞とセットになっている前置詞や副詞のすぐ後ろに前置詞が来て「前置詞+前置詞」「副詞+前置詞」の形になることがありますが、句動詞の場合は問題ありません。句動詞の受動態の作り方についてはこちらを参考にしてください。

この記事を企画・執筆した人
-StudySearch編集部-
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