【中学数学】合同の証明のコツとは?合同条件・証明の手順も解説!
中学校2年生で履修する分野でつまずく単元として合同の証明という分野があります。
合同の問題の特徴として自分で仮説を立てて検証していくといった問題形式になります。
そして数学の単元で記述させる単元ですので、応用問題ではなく基礎的な問題でさえも非常に苦手意識を抱く学生が複数名いらっしゃいます。
しかし、実際のところ合同の証明問題を解くコツはあるのでしょうか?
また合同の証明の条件としてどのようなものが挙げられるのでしょうか?
2つの図形の合同として見なされる条件としてどのようなものが挙げられるのでしょうか?
そこで今回の記事では、合同の証明方法としてどのようなものがあるのかについて記載していきます。
合同の定義・記号
合同になる4つの条件とは
中学生がつまづく単元の一つである合同条件ですが、簡単に三角形の合同となる条件としては以下の4つをあげる事ができます。
それは
- 3組の辺がそれぞれ等しい
- 2組の辺とその間の角がそれぞれ等しい
- 1組の辺とその両端の角がそれぞれ等しい
- 2組の角とその間にない1組の辺がそれぞれ等しい
以上の4つの条件のいずれかに合致した場合に2つの図形は合同と見なす事ができます。
合同の証明問題を解く際にはこの条件を利用して証明をしていきます。
合同条件を満たさない三角形
では次に2つの三角形が合同とならない三角形として具体的にどのようなものが挙げられるのかについて例示していきます。
その合同とならない条件の1つとしては3つの角が等しい場合が挙げられます。
一見3つの角度が同じであれば合同になるのではないかと思う方もいらっしゃいますが、3つの角度が同じであれば、大きさが全く違う2つの図形ができてしまいます。
つまり、3つの角度の大きさは全く同じであるが、辺の長さは全く違うことになります。
ゆえに、この2つの図形は合同の図形になるのではなくて、相似の関係の図形になってしまいます。
重要な2つの合同条件
次に中でも重要とされる2つの合同条件について例示していきます。
その重要な2つの合同条件としては以下の2つの条件になります。
- 2組の辺とその間の角がそれぞれ等しい
- 1組の辺とその両端の角がそれぞれ等しい
以上の2つの合同条件が中学生の数学の中で重要な合同条件となります。
特に定期考査をはじめ高校入試で問われる問題としても以上の2つの合同条件を利用して問題を解いていく形式がたくさん出題されていきます。
合同と相似の違い
次に間違えやすい合同と相似の違いについて言及していきます。
2つの三角形が相似になる条件としても3つ存在します。
相似と合同を比較した表は以下の通りになります。
合同 | 相似 |
---|---|
3組の辺がそれぞれ等しい | 3つの辺の長さがそれぞれ等しい |
2組の辺とその間の角がそれぞれ等しい | 2組の辺の長さとその間の角が等しい |
1組の辺とその両端の角がそれぞれ等しい | 両端の角とその間の辺の長さがそれぞれ等しい |
2組の角とその間にない1組の辺がそれぞれ等しい |
以上の3つの条件に2つの三角形が合致した際に、2つの図形は相似と見なす事ができます。
この条件を用いることで相似の証明をすることもできます。
✔2つの三角形が合同となる条件として4つ存在。
✔中でも角度を含めた合同条件が重要。
✔2つの三角形が相似とみなされる条件として3つ存在。
証明の手順
条件を仮定する
まず、合同を証明したい2つの三角形が存在する時に一番初めに行う事としては仮定を利用して条件を設定していく事が挙げられます。
合同の条件を利用して2つの三角形が合同であることを証明していくのではなくて、仮定を利用して条件を設定していきます。
この際に注意するべき点としては、指定する三角形の言い方に注意しなければなりません。
例えば△ABCと△DEFという2つの三角形が存在している場合、対応する頂点はそれぞれA、DとB、EとC、Fという組み合わせになります。
そのため、合同条件を利用する際にも仮定で条件を設定する際にもきちんと対応する頂点を合わせなければなりません。
そしてこの点を踏まえて合同を証明していく流れになっていきます。
図に必要な条件を書き記す
では次に2つの三角形の合同を証明する際に必要な条件を書き記すといった段階に入っていきます。
図に必要な条件を書き記すとは、自分で必要な条件を当てはめていく作業が要求されます。
共通な辺や角であった場合には、きちんと辺の場所や角の場所を対応させて条件を書き記していきます。
この際対応させる場所を間違えてしまっていた場合には証明をする事ができなくなってしまいます。
そのため、必要な条件を書き出す時には対応する頂点や角を確認して記述する必要性があります。
その際の理由づけとしては、「共通な辺」もしくは「等しい辺」であるからなどといった条件を示すことによって証明を進めていきます。
合同条件を利用し、証明する
最後の段階として2つの三角形の合同を証明する合同条件を利用して2つの三角形が合同であることを証明していく最後の作業に入っていきます。
前述した2つの三角形の合同を証明する際の条件を利用して2つの三角形が合同関係にあることを証明していきます。
その際に必要な事として、今までに挙げた仮定した条件と、図から読み取る事ができる条件を組み合わせて合同条件を利用して証明していきます。
合同を証明する事が苦手な人はここの最後の段階でつまずいてしまう人がたくさんいるのですが、合同を証明する際に必要な条件を覚えて、その証明にたどり着くまでに逆算していくことで簡単に証明をする事が可能です。
証明パターンもそれほど多くないため、何度も繰り返していく事で問題を見た時に瞬時に回答を導く事ができるまでに上達する事ができます。
✔自分で図形の証明するための条件を仮定。
✔対応する頂点や角に注意して条件を提示。
✔合同条件を利用して証明
合同の証明のコツ
証明とは何かを知る
では証明とは具体的にどのようなことを意味するのか示していきます。
証明とは「どうして合同であるか」を論理づけて説明していく過程のことを示します。
他の単元では、公式に従って数式を解いて解答を導く事が多いです。
しかし、この証明という分野ではどうして合同と言えるのかを言葉を用いて体系的に結論に導くことを証明と呼びます。
また、この際に重要な点としては思いついたことを文章化して説明することが重要です。
証明の基礎パターンを知る
証明の基礎パターンとしていくつか存在しますが、その中でも使用頻度が高い要素としては仮定を結論の因果関係がしっかりと明示することによって証明をしていく手段があります。
そして合同を証明するために必要な要素をいくつか取り上げて、前述に記載した2つの三角形の合同を証明する際に必要な4つの条件から1つ選んで証明をしていく形になっています。
この際に最終的に証明するまでに必要な要素として2つの三角形に同じ根拠や理由が3つ必要になります。
仮定と結論について知る
2つの三角形が合同であることを証明する際に、仮定と結論について知る必要があります。
例えば、仮定をさらに噛み砕くと、「〜であるならば」の部分の事を仮定とみなし、「〜である」という部分を結論と見なす事ができます。
そして具体的には、2つの図形が合同である要素を仮定して検証していく流れになります。
そしていくつかの要素を仮定して条件に当てはめた結果、合同の結果を導く流れになります。
✔証明とは文を用いて答えに導く過程の事。
✔証明のパターンとして必要な要素を仮定して展開。
✔仮定と結論を意識して証明を展開。
合同の証明の練習問題
基礎問題
基礎問題1
図としてAB//DC,AB= DC という関係が成り立っている図形が存在する場合、△ABO=△DCOが成り立つことを証明しなさい。
基礎問題2
AB=AD,BC=DCという関係が成り立っている図形が存在する場合、△ABC=△ADCという関係が成り立つ事を証明しなさい。
基礎問題1解答・解説
この問題文でABとDCが平行であることから平行線の錯角により
∠ OBA=∠ OCDと仮定する事ができる。
さらに、
∠ OAB=∠ ODCと仮定できる。
また、
AB=DCは共通な辺である。
以上の3つの要素を考慮すると、1組の辺と両端の角の大きさが等しいため、△ABO=△DCOは合同である。
基礎問題2解答・解説
△ABCと△ADCにおいて、仮定されている条件より、
AB=ADは共通な辺であると仮定する事ができる。
また、BC=DCも同様に共通な辺であると仮定する事ができる。
さらに、ACは共通した辺であることからAC=ACである。
以上の3つの要素を考慮すると、3組の辺がそれぞれ等しいため△ABO=△DCOは合同である。
応用問題
応用問題1
図として辺ABの中点に点Dが存在しており、DF//BC、DF=BEの関係がなり立っている。
このとき△ADF≡△DBEを証明せよ。
応用問題2
図としてDF//BC, DE//ACの関係が成り立っている時、このとき△FEC≡△EFDを証明せよ。
応用問題1解答・解説
△ADFと△DBEにおいて
点Dは辺ABの中点であることからAD=DB
また、平行線の同位角の角度の大きさは等しいことから∠ADF=∠DBE
また、仮定よりDF=BEである。
よって、以上の要素を考慮すると2組の辺とその間の角がそれぞれ等しいので
△ADF≡△DBEである。
応用問題2解答・解説
△FECと△EFDにおいて
平行線の錯角の角の大きさは等しいことから∠DFE=∠CEFである。
同様に、平行線の錯角より、∠DEF=∠CFEである。
さらに、共通の辺であることからEF=FEである。
よって以上の要素を考慮すると、1組の辺とその両端の角がそれぞれ等しいので
△FEC≡△EFDである。
✔証明を解く際に仮定を確認。
✔文を記述する際には角や辺を対応させて記述。
✔証明に必要な要素を逆算して記述。
まとめ
以上が中学生で履修する単元の一つである証明問題の解法でした。
特に重要な点としては「仮定」と「結論」を意識して問題を解いていくことである。
また、証明を記述する際には特に対応する辺や頂点を間違えて記述しないように注意することが重要でした。
さらに、自分で仮定を設定してそこから考えられる結論に導くことによって証明問題を解く事ができます。
そして、合同する際に用いる条件をはじめ、相似と何が違うのかをインプットを事前にしておけば、証明のパターンもさほど多くないので考えれば答えに導く事ができます。
中には応用問題も存在していますが、平行線の同位角や錯角の角度の大きさが等しいなどといった基礎的な知識を備えていれば、どんな応用問題でも対応する事が可能です。
その結果、証明を苦手と捉えている学生との間に差をつける事ができるため、さらなる得点アップに直接繋げる事が可能です。
【初心者でもわかる】この記事のまとめ
「合同の証明」に関してよくある質問を集めました。
合同の証明をする際の重要な合同条件は?
「2組の辺とその間の角がそれぞれ等しい」「1組の辺とその両端の角がそれぞれ等しい」 のふたつです。どちらの合同条件も定期考査をはじめ、高校受験の際に最も出題頻度の高い合同条件ですので、早めに理解して定着させることをおすすめします。合同の証明をする際の重要な合同条件の詳細はこちらを参考にしてください。
合同の証明のパターンは?
合同の証明パターンとしては自分で仮説を立てて、その仮説を検証していく形で証明問題を展開していきます。その際に、問題文から読み取ることができる仮定や条件を利用して自分で文章を考えていくことによって証明問題を解いていきます。まず初めは、いきなり文章で書き起こすのではなくて穴埋め方式で徐々に理解していくことをおすすめします。合同の証明パターンについてはこちらを参考にしてください。
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