更新日 2024.9.13

高校数学の確率の計算とは?求め方の5つのポイントを問題演習を通して解説

中学校でも学習した確率ですが、高校数学では、より高度な内容を扱います。

確率を求める際の基本的な考え方を復習しつつ、確率の求め方の5つのポイントを理解して、確率の問題を解けるようにしましょう。

この記事を読んだ後は、問題演習を繰り返し行い、知識を定着させられるようにしましょう。

 
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確率とは?

さっそく、確率の解説に入ります。

まず確率の求め方を説明した後に、確率の計算問題における注意点を1つご紹介します。

確率の定義・公式

確率は、基本的に場合の数を使って計算をします。

確率の定義

P(A)=n(A)/n(U)

ある試行において、全ての事象に起こる確率が同じように確かなとき、起こりうる全ての事象をU、ある事象をAとすると、Aが起こる確率P(A)は上記の式の形になります。

式の記号の意味については以下のようになっています。

  • n(A)➡Aが起こりうる場合の数
  • n(U)➡Uが起こりうる場合の数

確率のとる値の範囲

確率には、とれる値の範囲が存在します。

ある事象Aの確率が取れる範囲は
0≤P(A)≤1
よって、
P(∅)=0,P(U)=1

上記が確率の取れる値の範囲を表していて、確率というのはそもそも0を下回ったり、1を超えることもありません。

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確率の公式が分かったところで、次からは、具体的な求め方と手順を紹介します。

確率の求め方

確率の求め方の手順
  • 事象の表し方を決める
  • 全ての事象の数を求める
  • 出した事象の場合の数を決める
  • 公式を使って確率を求める

1つ目の事象の表し方は、絶対に決めないといけないというわけではないですが、あらかじめ決めておくと、途中で混ざって分からなくなったり、求めたい数を見失ったりすることがなくなります。

CHECK

  • 確率とはある事象の起こりやすさを指す
  • 確率は0より多くて1より少ない
  • 確率は4ステップをしっかり踏んで出すべき

【確率】基本的な例題

確率の求め方は、分母が「全てのことが起こる場合の数」、分子が「注目している事柄の場合の数」となります。

基本的な例題①

例えば、サイコロを1回振り、3の目が出る確率は、まずサイコロを振って起こる全ての場合の数を計算しています。

サイコロ1回振って出る目の数が6通りなので分母が6になります。

続いて、分子は注目している場合の数です。

今回は3の目が出るということなので、分子は、3の目が出る場合の数はもちろん1通りです。

よって、この場合の確率は6分の1となります。

基本的な例題②

確率を計算していく上で注意することが1つあります。

確率を計算するときの場合の数の計算は、「全てのものを区別する」やり方をしてください。

例えば、場合の数を計算するとき、白い玉が10個、赤い玉が1個ある箱の中から1個玉を取り出すとき、何通りの玉の取り出し方があるかという質問がきたら、白い玉か赤い玉の2通りしかありません。

取り出し方が何通りあるかを考える場合、白い玉が10個ありますが区別はしないので、白か赤の2通りとなりました。

ただ、確率の場合は違う方法で数えなければいけません。

もしも白い玉10個を区別しないで数えてしまうと、分母が白か赤の2通りなので2、赤い球を取り出す場合の数は1となり、確率が2分の1となってしまいます。

これでは答えが違うことは、感覚的にもお分かりいただけると思います。

確率を計算する場合は白い玉10個もしっかりと区別して、白い玉が10個と赤い玉が1個、合わせて11個から1個取り出すので、分母が11、分子が1となるので、答えは11分の1になります。

CHECK

  • 確率は場合の数を使って計算する
  • 全てのものを区別する点に注意
  • 区別しないと感覚的にもおかしい計算となる

確率の求め方の5つのポイント・コツ

では、ここからは確率の求め方の5つのポイントをお伝えします。

  • 積事象
  • 独立
  • 和事象
  • 排反
  • 余事象

それぞれについて詳しく解説します。

ポイント①積事象

積事象とは、複数の事象が共に起こるような場合のことを指します。

例えば「1から10の数から1つの数を選ぶときに、2の倍数かつ、5の倍数である数が選ばれる確率を求めるとき」などが積事象にあたります。

ベン図を書くと、2の倍数である数と5の倍数である数の重なっている部分が答えになります。

場合の数を使って計算すると、この答えは10分の1となります。

ポイント②独立

また、サイコロを振って、2の目が出て、かつコインを投げたら表の目が出る場合も、積事象です。

  • 「かつ」の条件になっていると積事象になりますね。

特にこの場合は、サイコロを振った結果とコインを投げた結果は、特に何も影響を及ぼし合いません。

この場合は、独立という関係になります。

関係を及ぼし合わないときの「独立で積事象」のときには2つの確率はかければいいので、2の目が出る確率6分の1と表が出る確率2分の1をかけて、12分の1になります。

ポイント③和事象

続いて、和事象について解説します。

和事象とはいずれかの事象が起こればいいような確率で、「または」の確率になります。

例えば、「1から10の数から2の倍数または5の倍数が選ばれる確率は?」という問題のときには、和事象の確率を計算します。

先ほどと同じようにベン図を書いてみて、2の倍数、または5の倍数であれば条件を満たします。

よって、答えは10分の6、つまり5分の3になります。

または、「サイコロが2の目が出て、またはコインを投げたら表が出る」などのときにも、「または」で繋がれていると、和事象になります。

このときは「サイコロを振って2の目が出る事象」と「コインを投げて表が出る事象」がありますが、ベン図にするとそれぞれが同時に起こる場合があるので、真ん中の共通部分が重複してしまいます。

なので、真ん中の共通部分のところ、つまり積事象の部分を引き算します。

ポイント④排反

ここで排反という現象についても勉強しましょう。

排反というのは、2つの事象が同時には絶対起こらないような事象のことです。

例えば、サイコロを2回振って出た目の和が5であるというとき、1回目が1、2回目が4の場合は、この要件を満たします。

さらに、1回目が2で、2回目が3という場合でも、1回目が3、2回目が2という場合でも要件を満たします。

要件を満たすパターンはたくさんありますが、それぞれのパターンが同時に起こることは絶対にありません。

よって、それぞれのパターンが出るときの事象は、排反といいます。

また、例えば1回目に1が出て2回目に4までというようなときには、これは積事象ですよね。

しかも1回目の結果と2回目の結果が影響を及ぼし合わないので、これは独立です。

なので、この2つの確率はかけることができます。

1回目に1、2回目に4が出る確率は6分の1×6分の1で36分の1です。

この確率と、あと1回目に2、2回目に3が出るような確率、これも36分の1ですが、この2つは排反になります。

排反な事象のときにはそれぞれの確率を足すというルールがあるので、この4つ、36分の1である確率を全部足すと、答えは9分の1となります。

ポイント⑤余事象

最後に余事象について学習しましょう。

余事象とは、ある事象が起こらない事象のことです。

例えば、サイコロ1回取って、2以上の目が出るという事象の余事象は、「サイコロを1回振って、2以上の値が出ない、つまりサイコロを1回振って1の目が出る」という事象です。

場合によっては余事象を使った方が計算しやすいときがあります。

例えば今の確率で言うと、「サイコロを1回振って2以上の目が出る」の余事象である「サイコロ1回振って1の目が出る」という事象の確率は、6分の1です。

この6分の1という確率、すなわち余事象の確率を1から引き算すれば、元の事象の確率が計算できます。

つまり、サイコロを1回振って2以上の値が出る確率は、1から6分の1を引いて6分の5となります。

以上が確率の求め方の5つのポイントになります。

まだ理解が不十分であれば、もう一度戻って解説を読んでみてください。

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CHECK

  • 積事象とは複数の事象が共に起こる事象
  • 和事象とはいずれかの事象が起こればよいという事象
  • 余事象とはある事象が起こらない事象

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なるべく自発的に、自主的に勉強できる環境を作ると、成績が伸びやすくなるので、週間学習計画表を用いた指導は適切な指導であると言えるでしょう。

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確率のおすすめの参考書・勉強法

確率のおすすめの勉強法は、基礎的な問題を何度も繰り返し解くことです。

確率の問題は、今回ご紹介したように、いくつかのパターンに分かれます。

それらのパターンを全て把握し、問題で即座に使えるようにするには、実践練習を多く取り入れる必要があります。

  • そのため、基礎となる問題を何度も繰り返し解くことで、パターンを見分けることができるようになり、正解できる問題が多くなります。

まずは、手持ちの問題集を1冊、完璧にしましょう。

問題集の勉強範囲

確率のおすすめの勉強法は、以下の問題集の範囲を繰り返し解くことです。

  • 青チャート【第2章確率】6事象と確率、7確率の基本性質
  • サクシード【第1章場合の数と確率】10事象と確率⑴、11事象と確率⑵、12確率の基本性質、13独立な試行の確率
  • 4STEP【第1章場合の数と確率】6事象と確率、7確率の基本性質、8独立な試行の確率
  • Legend【第6章場合の数と確率】15確率の基本性質

解き方のポイントを理解して使えるようにするには、何度も繰り返し取り組むことがとても大切になります。

挑戦すればするほど理解が進むので、1回とは言わず2回3回と取り組むことで、どんな問題にも対処できるほどの基礎力が身に付きます。

大変だとは思いますが、何度も繰り返し学習して、コツを身につけてください。

CHECK

  • 基礎的な問題を何度も繰り返すのがおすすめ
  • 何度も解くことでパターンの見分けができる
  • 上に挙げた問題集の範囲を繰り返し学習する

繰り返し問題演習を行い基礎を定着させよう

今回は確率について解説しました。

中学で習う確率よりも高度な内容になっているので、まだ理解しきれていない部分があるかもしれません。

もう一度、今回の記事内容を復習し、理解をした後は、繰り返し問題演習を行い、どんな問題でも対応できるような基礎力を身につけましょう。

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【初心者でもわかる】この記事のまとめ

「確率」に関してよくある質問を集めました。

確率の公式は?

確率の公式は、分母が「全てのことが起こる場合の数」、分子が「注目している事柄の場合の数」の分数です。この際、場合の数は「全てのものを区別する」点に注意しましょう。この点を見過ごしていると、全く違う確率を求めてしまう可能性があるので、間違えないようにしましょう。確率の公式についてはこちらを参考にしてください。

確率の求め方にポイントはある?

確率の求め方は、基本的に積事象・和事象・余事象の3つが重要です。そこに独立と排反という2つの概念も加わります。それらが何を指すのかを理解し、問題演習を行う中で、どのような場合に使うのかを身につけていくことが大切です。確率の求め方ポイントについてはこちらを参考にしてください。

この記事を企画・執筆した人
-StudySearch編集部-
この記事は、StudySearchを運営している株式会社デジタルトレンズのStudySearch編集部が企画・執筆した記事です。
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