中学校でも学習した確率ですが、高校数学では、より高度な内容を扱います。
確率を求める際の基本的な考え方を復習しつつ、確率の求め方の5つのポイントを理解して、確率の問題を解けるようにしましょう。
この記事を読んだ後は、問題演習を繰り返し行い、知識を定着させられるようにしましょう。
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さっそく、確率の解説に入ります。
まず確率の求め方を説明した後に、確率の計算問題における注意点を1つご紹介します。
確率は、基本的に場合の数を使って計算をします。
ある試行において、全ての事象に起こる確率が同じように確かなとき、起こりうる全ての事象をU、ある事象をAとすると、Aが起こる確率P(A)は上記の式の形になります。
式の記号の意味については以下のようになっています。
確率には、とれる値の範囲が存在します。
上記が確率の取れる値の範囲を表していて、確率というのはそもそも0を下回ったり、1を超えることもありません。
確率の公式が分かったところで、次からは、具体的な求め方と手順を紹介します。
1つ目の事象の表し方は、絶対に決めないといけないというわけではないですが、あらかじめ決めておくと、途中で混ざって分からなくなったり、求めたい数を見失ったりすることがなくなります。
CHECK
確率の求め方は、分母が「全てのことが起こる場合の数」、分子が「注目している事柄の場合の数」となります。
例えば、サイコロを1回振り、3の目が出る確率は、まずサイコロを振って起こる全ての場合の数を計算しています。
サイコロ1回振って出る目の数が6通りなので分母が6になります。
続いて、分子は注目している場合の数です。
今回は3の目が出るということなので、分子は、3の目が出る場合の数はもちろん1通りです。
よって、この場合の確率は6分の1となります。
確率を計算していく上で注意することが1つあります。
確率を計算するときの場合の数の計算は、「全てのものを区別する」やり方をしてください。
例えば、場合の数を計算するとき、白い玉が10個、赤い玉が1個ある箱の中から1個玉を取り出すとき、何通りの玉の取り出し方があるかという質問がきたら、白い玉か赤い玉の2通りしかありません。
取り出し方が何通りあるかを考える場合、白い玉が10個ありますが区別はしないので、白か赤の2通りとなりました。
ただ、確率の場合は違う方法で数えなければいけません。
もしも白い玉10個を区別しないで数えてしまうと、分母が白か赤の2通りなので2、赤い球を取り出す場合の数は1となり、確率が2分の1となってしまいます。
これでは答えが違うことは、感覚的にもお分かりいただけると思います。
確率を計算する場合は白い玉10個もしっかりと区別して、白い玉が10個と赤い玉が1個、合わせて11個から1個取り出すので、分母が11、分子が1となるので、答えは11分の1になります。
CHECK
では、ここからは確率の求め方の5つのポイントをお伝えします。
それぞれについて詳しく解説します。
積事象とは、複数の事象が共に起こるような場合のことを指します。
例えば「1から10の数から1つの数を選ぶときに、2の倍数かつ、5の倍数である数が選ばれる確率を求めるとき」などが積事象にあたります。
ベン図を書くと、2の倍数である数と5の倍数である数の重なっている部分が答えになります。
場合の数を使って計算すると、この答えは10分の1となります。
また、サイコロを振って、2の目が出て、かつコインを投げたら表の目が出る場合も、積事象です。
「かつ」の条件になっていると積事象になりますね。
特にこの場合は、サイコロを振った結果とコインを投げた結果は、特に何も影響を及ぼし合いません。
この場合は、独立という関係になります。
関係を及ぼし合わないときの「独立で積事象」のときには2つの確率はかければいいので、2の目が出る確率6分の1と表が出る確率2分の1をかけて、12分の1になります。
続いて、和事象について解説します。
和事象とはいずれかの事象が起こればいいような確率で、「または」の確率になります。
例えば、「1から10の数から2の倍数または5の倍数が選ばれる確率は?」という問題のときには、和事象の確率を計算します。
先ほどと同じようにベン図を書いてみて、2の倍数、または5の倍数であれば条件を満たします。
よって、答えは10分の6、つまり5分の3になります。
または、「サイコロが2の目が出て、またはコインを投げたら表が出る」などのときにも、「または」で繋がれていると、和事象になります。
このときは「サイコロを振って2の目が出る事象」と「コインを投げて表が出る事象」がありますが、ベン図にするとそれぞれが同時に起こる場合があるので、真ん中の共通部分が重複してしまいます。
なので、真ん中の共通部分のところ、つまり積事象の部分を引き算します。
ここで排反という現象についても勉強しましょう。
排反というのは、2つの事象が同時には絶対起こらないような事象のことです。
例えば、サイコロを2回振って出た目の和が5であるというとき、1回目が1、2回目が4の場合は、この要件を満たします。
さらに、1回目が2で、2回目が3という場合でも、1回目が3、2回目が2という場合でも要件を満たします。
要件を満たすパターンはたくさんありますが、それぞれのパターンが同時に起こることは絶対にありません。
よって、それぞれのパターンが出るときの事象は、排反といいます。
また、例えば1回目に1が出て2回目に4までというようなときには、これは積事象ですよね。
しかも1回目の結果と2回目の結果が影響を及ぼし合わないので、これは独立です。
なので、この2つの確率はかけることができます。
1回目に1、2回目に4が出る確率は6分の1×6分の1で36分の1です。
この確率と、あと1回目に2、2回目に3が出るような確率、これも36分の1ですが、この2つは排反になります。
排反な事象のときにはそれぞれの確率を足すというルールがあるので、この4つ、36分の1である確率を全部足すと、答えは9分の1となります。
最後に余事象について学習しましょう。
余事象とは、ある事象が起こらない事象のことです。
例えば、サイコロ1回取って、2以上の目が出るという事象の余事象は、「サイコロを1回振って、2以上の値が出ない、つまりサイコロを1回振って1の目が出る」という事象です。
場合によっては余事象を使った方が計算しやすいときがあります。
例えば今の確率で言うと、「サイコロを1回振って2以上の目が出る」の余事象である「サイコロ1回振って1の目が出る」という事象の確率は、6分の1です。
この6分の1という確率、すなわち余事象の確率を1から引き算すれば、元の事象の確率が計算できます。
つまり、サイコロを1回振って2以上の値が出る確率は、1から6分の1を引いて6分の5となります。
以上が確率の求め方の5つのポイントになります。
まだ理解が不十分であれば、もう一度戻って解説を読んでみてください。
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確率のおすすめの勉強法は、基礎的な問題を何度も繰り返し解くことです。
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大変だとは思いますが、何度も繰り返し学習して、コツを身につけてください。
CHECK
今回は確率について解説しました。
中学で習う確率よりも高度な内容になっているので、まだ理解しきれていない部分があるかもしれません。
もう一度、今回の記事内容を復習し、理解をした後は、繰り返し問題演習を行い、どんな問題でも対応できるような基礎力を身につけましょう。
「確率」に関してよくある質問を集めました。
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