日本で最も偏差値の高い東京大学の化学の受験情報を詳しくお伝えしていきます。
東京大学の理系学部は、理科を2教科選択する必要があり、どの教科を選ぶのか迷っている方も多いのではないでしょうか。
東大入試の難易度や傾向と対策、東大合格を目指す人におすすめの化学の参考書や塾の紹介もしていきますので、ぜひ参考にして合格を勝ち取ってください。
大学入学共通テストの日程 | |
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試験日 | 2023年1月14・15日(土・日) |
第一段階合格者発表 | 2023年2月14日(火) |
大学入学共通テストは2日間行われ、1日目に文系科目・2日目に理系科目の試験があります。
化学は理系科目のため、2023年1月16日(日)に試験が行われます。
第2次学力試験の日程 | |
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試験日 | 2023年2月25・26・27日(土・日・月) |
合格発表 | 2023年3月10日(日) |
出願期間は2023年1月23日~2月3日となっているため、大学入学共通テストが終わったらすぐに出願するようにしましょう。
第2次学力試験で理科は2日目の午前中に試験が実施されます。
東京大学は大学生活4年間が、前期課程と後期課程2年間ごとに分かれています。
前期課程では、文系・理系それぞれ3つの科類に分かれており、後期課程はさらに細分化された学部に分かれます。
東京大学では、理系学部の理科一類・理科二類・理科三類の
理系学部の入試 | |
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国語 | 100分 |
数学 | 150分 |
理科 | 150分 |
外国語 | 120分 |
東京大学理系学部の第2次学力試験の試験科目と試験時間はこのようになっています。
理系学部のため、理科と数学の試験時間が長く、重視されていることがわかります。
理科は2教科を150分で受験するため、化学のみに利用できる時間は単純に分けると「1科目75分」になります。
化学は計算量も多く時間がかかるので、まずは大問1問を25分、全体で75分を目指しましょう。
東京大学理系学部では、共通テストで国語・地歴公民1教科・数学2教科・理科2教科・外国語の7教科の受験が必須です。
その7教科の900点満点を110点満点に換算します。
その後、第2次学力試験の440点満点の点数とプラスされ、
東大理系学部の第2次学力試験の科目別の配点は以下の通りです。
国語 | 数学 | 理科 | 英語 | 計 |
---|---|---|---|---|
80 | 120 | 120 | 120 | 440 |
理科の配点は1教科60点満点、理科全体で120点満点です。
東京大学では、各科目の大問別の配点は公表されていませんが、化学は60点満点で大問3つの構成なので、1つの大問あたり20点と考えられています。
2019年~2023年の東大理系学部の最終合格者(共通テスト+二次試験=550点満点)の平均点は以下の通りです。
年度数 | 理科一類 | 理科二類 | 理科三類 |
---|---|---|---|
2023年度 | 335.1978点(60.9%) | 334.7559点(60.7%) | 389.2253点(70.7%) |
2022年度 | 334.3703点(60.7%) | 312.9709点(56.9%) | 477.1345点(86.7%) |
2021年度 | 360.7410点(65.6%) | 338.5574点(61.6%) | 405.5365点(73.7%) |
2020年度 | 352.5810点(64.1%) | 336.9197点(61.3%) | 414.1081点(75.3%) |
2019年度 | 363.2257点(66.0%) | 353.1962点(64.2%) | 410.8422点(74.7%) |
最終合格者の平均点を見てみると、共通テストと第2次学力試験合わせて毎年60%~70%の得点率となっていることがわかります。
理科三類は医学部など特に難しい学部となっているので、平均点も高いです。
2019年~2023年の東大理系学部の最終合格者(共通テスト+二次試験=550点満点)の合格最低点はこのようになっています。
年度数 | 理科一類 | 理科二類 | 理科三類 |
---|---|---|---|
2023年度 | 314.9778点(57.1%) | 312.3778点(56.7%) | 357.6667点(64.9%) |
2022年度 | 303.2333点(55.1%) | 287.3778点(52.2%) | 347.5111点(63.1%) |
2021年度 | 333.2667点(60.6%) | 314.2333点(57.1%) | 375.7111点(68.3%) |
2020年度 | 320.7222点(58.3%) | 313.0222点(56.9%) | 385.6111点(70.1%) |
2019年度 | 334.6667点(60.8%) | 330.3778点(60.1%) | 385.3778点(70.1%) |
東京大学に合格するためには、最低でも共通テストと第2次学力試験合わせて60%以上の得点率が必要となるでしょう。
特に共通テストは、最低でも85%の得点がないと足ぎりされてしまう可能性があるのできちんとした対策が不可欠です。
第2次学力試験では、化学が苦手な人は36点(6割)、得意な人は50点(8割強)を目指しましょう。
✔共通テスト対策もしっかりと!
✔二次試験対策に力を入れる
✔化学(理科全体)で60%以上の得点必要
化学基礎・化学が試験範囲となっています。
東大の化学の試験問題は大問が3つで構成されています。
年数 | 大問1 | 大問2 | 大問3 |
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2023年 | 有機化学 | 理論・無機化学 | 理論化学 |
2022年 | 有機化学 | 理論化学 | 無機・理論化学 |
2021年 | 有機化学 | 理論化学 | 無機・理論化学 |
2020年 | 有機化学 | 無機化学 | 理論化学 |
2019年 | 有機化学 | 無機化学 | 理論化学 |
2018年 | 有機化学 | 無機化学 | 理論化学 |
2017年 | 有機化学 | 無機化学 | 理論化学 |
東大の化学では、2017年以降大問1が有機化学・大問2が無機化学・大問3が理論という形が定着していましたが、
また、近年の論述問題は文字数指定がないため、点数となる部分を的確に抑えることが必要であると考えられます。
1つの大問に2つの独立したテーマに分かれて出題されることもあります。
✔ハイレベルな問題が多い
✔論述問題が多い・問題数が多い
✔融合問題が出題される
✔独創的な問題は減少傾向にある
2017年以降、東大の化学には独創的な問題は減少していますが、依然として高い知識や思考力を必要とする問題が多く出ています。
「超難問」と呼ばれるような問題はないものの、分野をまたがる問題や深い知識を問う問題が出題されるので表面的な知識では太刀打ちできません。
化学全体においての基本を忠実に勉強しつつ、現象や構造の性質に対する深い理解が必要です。
東大化学はテーマに即した記述・論述問題が多く出題されます。
計算の答えを導く過程を書かせたり、現象に対しての理由や説明を問う問題も多く出題されます。
問題文を正確に読み解き、問われたことに確実に答える正確な記述力が必要です。
また、時間に対しての問題数が多いので、時間を意識したトレーニングを心がけましょう。
本番は解ける問題から解いていくようにしましょう。
「有機&無機」「理論&無機」といった分野を融合した問題が出るのは東大化学の特徴です。
頻出分野の一つである「平衡」の問題も計算が出題されるだけではなく「無機」や「化学反応」との融合問題が出題されます。
2016年までの東大化学の入試問題は、初見の素材で理解力や思考力を問う問題が多く見られました。
しかし2017年以降、そういった問題は減少しており、現在では標準的な知識や理解を問う問題が多く見られます。
東大化学の頻出分野を挙げていきます。
有機化学は例年大問で1つは取り上げられる頻出分野です。
構造決定、天然の有機化合物(合成高分子・アミノ酸・糖)が頻出傾向にあります。
無機化学は様々な問題に絡めて出題されますので確実な知識が必要とされます。
無機化学と関連付けた結晶格子や様々な平衡(化学平衡・溶解平衡など)が絡んだ理論的な問題も出題されています。
記述問題としても問われることが多いため、幅広い知識を持って臨む必要があります。
✔広範囲の化学の知識を必要とした問題が多い
✔論述問題対策が必要
✔問題文を正確に読む力が必要
試験時間に対しての問題数が多い東大化学を攻略するためには、戦略的な解き方が必要です。
入試問題の傾向を確認した上で、しっかりと対策を立てていきましょう。
例年必ず出題される有機化学分野は確実に点数を狙いましょう。
構造決定や立体化学が中心となるため、スピーディーに対応したい分野です。
基本問題を数多くこなし、本番で得点源になるようにしましょう。
東大の問題は難易度が高く、複数の分野が融合して出題されることもありますが、基礎知識があれば解ける問題もあります。
近年の過去問からは単純な熱化学計算、ホールエルー法、ペプチドの決定問題など基本レベルの問題が出題されています。
応用問題だけでなく、共通テストレベルの対策もきちんと行いましょう。
東大の化学は記述・論述問題や構造式、分子式を求める問題が出題されますが、解答用紙は罫線のみです。
記述問題は文字数の制限もないため、自分で書く量を決め、限られた時間で必要最低限の情報を答案用紙に書く必要があります。
論述対策については、個別指導などで効率良く勉強をしていくと良いでしょう。
東大の化学では、非常に煩雑な計算問題が出題される傾向にあります。
計算問題を解く際には「どの桁を四捨五入すべきか」といった有効数字の理解を深める必要もあります。
限られた時間の中で無駄な計算をすることが無いようにしましょう。
また「東大の化学」(赤本)で過去27年の問題演習をすることで、東大化学の特色を掴みましょう。
東大の化学では平衡問題、平衡問題を絡めた問題が頻出です。
センターレベルでは扱う式は1つで、平衡定数を求めるといった問題が出ますが、東大では複数の式を同時に扱うこともあります。
時間が大幅にかかりそうな場合は潔く捨ててしまっても良いかもしれませんが、頻出分野なので問題集や過去問での対策は必須となります。
✔「有機化学」は大問で必須問題
✔法則は「丸暗記」ではなく「理解」すること
✔問題演習の中で「どこまで計算するのか」見極める
参考書 | 鎌田の有機化学の講義 四訂版 |
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出版社 | 旺文社 |
価格(税込) | 1,430円 |
レベル | 基礎~応用 |
大学入試突破のために必要となる有機化学をわかりやすく説明したテキストです。
大学入試に精通する有名講師の鎌田先生が入試攻略に導いてくれるので、有機化学が頻出の東京大学化学対策にぴったりです。
また、別冊の『入試で使える最重要Point総整理』で入試直前でも重要用語を復習することができます。
参考書 | 化学の新演習 |
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出版社 | 三省堂 |
価格(税込) | 1,540円 |
レベル | 標準~応用 |
理系難関大学向けの、詳細な解説と充実した内容に定評のある参考書です。
高校化学基礎・化学全範囲からの理論166問、無機47問、有機118問、計331問収録しています。
初見で解けなくても何周も演習をすることで化学が得点源になります。
同じシリーズの「化学の新研究」を並行して利用すると更に効果的に学べます。
参考書 | リードα化学基礎+化学 |
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出版社 | 数研出版 |
価格(税込) | 1,012円 |
レベル | 基礎~応用 |
これ一冊で高校の化学の学習内容をすべて復習することができます。
問題がA~Dのレベル別に分かれており、定期テスト対策から難関大学受験対策まで行うことができます。
数研の化学の教科書とリンクしている部分があるので、数研出版の教科書をお使いの方にはおすすめの一冊です。
参考書 | 化学基礎問題精講 四訂版 |
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出版社 | 旺文社 |
価格(税込) | 1,210円 |
レベル | 実践・応用 |
実際の国立大学入試・私立大学入試を分析し、大学受験に必要な知識をつけることのできる問題を集めた参考書です。
問題の解き方をわかりやすく説明した解説付きなので、実践力をつけることができます。
大学受験前にやっておきたい一冊です。
参考書 | 東大の化学 27カ年 |
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出版社 | 数学社 |
価格(税込) | 2,530円 |
レベル | 実践・応用 |
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現論会の基本情報 | |
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授業形式 | 個別指導 |
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高校3年生・浪人生の料金 | |
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東大コース | 65,450円(税込) |
難関国公立コース | 61,650円(税込) |
高校1・2年生の料金や他のコースについて知りたい方は、以下からお問い合わせください。
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時間のかかる計算問題や平衡の問題は直前期に焦ることがないよう、計画的に学習を進めましょう。
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「東京大学 化学」に関してよくある質問を集めました。
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