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更新日 2024.4.9

剰余の定理・因数定理とは?整式同士の割り算を具体例で分かりやすく紹介

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今回は、剰余の定理や因数定理について解説します。

それにあたって整式の扱い方も勉強していきましょう。

余剰の定理と聞くと難しく感じるかもしれませんが、1つずつしっかりとステップを踏んでいけばスムーズに解けるはずです。

剰余の定理・因数分解は定期テストはもちろんのこと、大学入試でも出題される分野の1つです。

そのため、理解しておきたい分野になります。

この記事で整式の扱い方から、剰余の定理・因数定理について学習していきましょう。

整式の意味と整式同士の割り算

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ではまず整式からみていきましょう。

整式とは単項式と多項式のことを意味しています。

単項式は数や文字の積だけで表す式であり、例として4xyなどが挙げられます。

同様に1、xといった文字や数だけのものも単項式に含まれます。

反対に多項式とは単項式の和で表す式のことです。

式を文字、数、それらの積で表しているものが該当します。

しかし、2bなどは、単項式には該当しません。

単項式と多項式は異なるものですが、高校数学の定義ではどちらもまとめたものが整式です。

  • #

    整式というグループの中に単項式と多項式があると想像すれば分かりやすいでしょう。

次に整式同士の割り算をしていく上で、整式について理解していないと解けません。

そのため、ここでまず整式への理解をしっかりとしましょう。

次に整式同士の割り算について行っています。

今までの数同士の割り算ではなく、整式の割り算をしてみます。

基本的には今までと同じ考え方でおこなっていくため、特別難しいことはありません。

それでは実際に整式同士の割り算についてみてみましょう。

整式同士の割り算の方法

先でも述べましたが今までは数同士の割り算でした。

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具体的には次のような式です。

20÷6=3・・・2

しかし、数同士の割り算だけではなく、整式同士の割り算も可能です。

やり方は普通の数同士の割り算と同じように筆算を使用しておこないます。

例えば次の式の場合で考えてみましょう。

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x2+4x+5

画像の通り、数のときと同じように、筆算をします。

左側の式にかけて、その掛けた結果の一番次数の高いところが、ここと全く同じようになるものを探しましょう。

同じになるものが見つかったら、それを上のところに1個書きます。

文字を書いた後、掛け算した結果をその下に書きます。

そして、普段の筆算と同じように上から下を計算していけばよいのです。

一番左側に書いてる文字と数を消していくように、上のところに数を書いていきます。

本来ならばこれ以上書くことができなくなったらストップしますが、この場合は出てきた次数が割る数よりも低くなったら計算をおしまいにします。

次数が低いものを掛け算してもつくることはできないからです。

x2+4x+5を商、15があまりになります。

このように整式同士の割り算の筆算は可能です。

整式の割り算の式変形

ここでは先ほどの20÷6=3・・・2の式変形をして計算をしてみましょう。

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20÷6=3・・・2の式は次のように式変形が可能です。

20=3×6+2

以上のようにあまりの2を足し算の形にすることができます。

これは整式の割り算でも同様に可能です。

たとえば次のようにできます。

(x3+2x2-3x+5)÷(x-2)=x2+4x+5・・・15

x3+2x2-3x+5=(x2-3x+5)×(x-2)+15

ここで習った整式の割り算の式変形を次の項目で行ってみましょう。

具体例

ではここでは、学んだことをもとに練習問題を解いてみましょう。

筆算で式の割り算をした後に、割られる数=割る数×商+余りという形で表してみます。

練習問題➡x3-x2+x-1をx-2で割り算せよ

答えは次のとおりです。

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先にも説明したとおり、一番左側にあるものを消していくイメージで上に書いていきましょう。

そして出て結果を使うとこの答えになります。

x3-x2+x-1=(x2-2)(x+x+3)+5

ここまでできたら、次のようなことも可能です。

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整式P(x)を1次式x-aで割ったときの商をQ(x)とし、余りをRとする(Rは定数)

P(x)=x3-x2+x-1をx-2で割ったときの商は、Q(x)=x2+x+3で、余りがR=5)

P(x)÷(x-a)=Q(x)・・・R

先ほどと同じように割られる数=と表すと次のようになります。

P(x)=(x-a)Q(x)+R

この式は=で繋がれているので、このxに全て同じ数字を入れることができます。

何を入れても成り立つはずです。

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例えばx=aを代入してみましょう。

そうすると次になります。

P(a)=(a-a)Q(a)+R

P(a)=0×Q(a)+R

P(a)=+R

P(a)=R

CHECK

  • 整式の割り算は今までの割り算と同じ方法
  • 整式同士の割り算では出てきた次数が割る数よりも低くなったら計算をおしまいにする
  • 整式同士の割り算の筆算は可能

剰余の定理

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剰余の定理は、多項式を一次式で割ったときの余りをすぐに求めることができます。

しかし、剰余の定理はごちゃごちゃしていてよくわからない、証明もややこしくてよくわからないという方も多いでしょう。

この項目では剰余の定理の概念から、剰余の定理の証明、具体例を交えて説明していきます。

剰余の定理がわからない方はここでしっかりと抑えていきましょう。

余の定理とは

剰余の定理とは多項式を一次式で割ったときの余りをすぐに求めることができるものです。

剰余の定理を使用することにより、項の数が多く複雑に見える整式のあまりもすぐに求めることができます。

剰余とは余りを意味しています。

  • #

    整式同士の割り算では割り切ることが難しいため、剰余の定理を使用するのです。

次の項目では剰余の定理の証明についておこなっていきましょう。

剰余の定理の証明

整式の割り算の具体例でおこなった問題を基に、剰余定理の証明をしてみましょう。

P(a)=(a-a)Q(a)+R

P(a)=0×Q(a)+R

P(a)=+R

P(a)=R

右側の式はx=-aというところがあり、そこにaを入れてみましょう。

そうすると、0×商の部分はすべて消えてしまいます。

残るのは余りだけです。

どんな式をx−aで割っても成り立つはずです。

もともと割られる数のxにaを代入するとつぎのように余りが出てきます。

整式P(x)を1次式x-aで割ったときの余りはP(a)

x−aで割ったときのあまりを計算する際、先に紹介した整式の割り算を使用してあまりを求めるだけではなく、もともとの式にaを代入すればいきなり余りを求めることができます。

これを剰余といいます。

具体例

剰余の定理の証明の具体例をみてみます。

たとえば次の整式をx−2 で割ったときの余りを考えてみましょう。

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(x3+2x2−3x+5)÷(x−2)

以下が結果です。

(x3+2x2−3x+5)÷(x−2)=x2+4x+5・・・15

先ほどいったように、ここの式を変形すると次になります。

(x+2x2−3x+5)÷(x2+4x+5)(x−2)+15

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この式の両辺のxに2を代入すると次になります。

23+2×22−3×2+5=(22+4×2+5)×(2−2)+15

元の式に2を代入しただけで計算してみても、余りとなります。

剰余の定義を使用すると、余りを求めるのが非常に簡単になります。

CHECK

  • 剰余の定理は、多項式を一次式で割ったときの余りをすぐに求めることができる
  • 剰余の定理を使用することにより、項の数が多く複雑に見える整式のあまりもすぐに求めることができる

因数定理

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因数定理は整式の割り算において成り立つ定理のことですが、苦手な方も多いのではないでしょうか?

確かに因数定理には条件があったり、定理を覚えたりと大変なこともあるかと思います。

しかし、今回の単元では必要項目です。

一緒にしっかりと理解をしていきましょう。

因数定理とは

因数定理とは次のようなものです。

整式P(x)が(x-a)を因数に持つP(a)=0

因数定理は必要十分条件になっていなければなりません。

P(a)=0であれば整式P(x)は(x-a)を因数に持つ

整式P(x)が(x−a)を因数にもつ→P(a)=0となる

つまり整式P(x)が(x-a)で割り切れる条件はP(a)=0

どちらも成り立つものです。

具体例①

余りが出たものの、もしもあまりが0だった場合はどうなるでしょうか。

例えばこの場合を紹介します。

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x3+2x2−3x+5=(x−a)×商+0

右辺は掛け算の形になっているため、因数分解の形になります。

つまり、元の式を割り算して余りが0になるような場合、因数分解できるということです。

この考え方を逆手に取ってみましょう。

x−aで割って出てきた余りが、もともとの式のxにaを代入したものと等しい場合、もしももともとの式のxに何かを代入してその答えが0になるのであれば、x−bで割ったとき余りが0になるということです。

このように、剰余の定理で余りが0になるようなxの値を見つければ因数分解ができるのです。

具体例②

具体例2として、たとえば次の式にxに1を代入してみましょう。

x−2x+5x-4

そうすると次になります。

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13−2×12+5×1−4=0

左辺は整式のxに1を代入した式です。

0は整式をx−1で割った余りです。

x3−2x2+5x-4=(x−1)×?

答えが0になります。

ということは因数定理を使用してx−1で割ると余りが0になります。

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残りの部分である(x−1)×?というのを求めるには、元の式を(x−1)で割り算すればいいだけです。

因数分解をした結果は次のとおりです。

x3−2x2+5x-4=(x−1)×(x 2 −x+4)

因数定理を使って因数分解をするのは難しい方程式を解くときに非常に有効的です。

剰余の定理と因数定理の関係

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因数定理はもしもあまりが0になった場合、その整式を(x−a)で因数分解できる整式の性質のことです。

つまり、剰余の定理の余りが0の場合に因数定理が出現します。

因数定理自体はさまざまなところで使われるものの、整式の因数分解の際により多く使われます。

注意点として、因数定理は剰余の定理なしにできるものではありません。

CHECK

  • 因数定理は必要十分条件になっていなければならない
  • 剰余の定理で余りが0になるようなxの値を見つければ因数分解ができる
  • 因数定理を使って因数分解をするのは難しい方程式を解くときに非常に有効的

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まとめ

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この記事では剰余の定理・因数定理について解説しました。

剰余の定理・因数定理は、どちらも関係が深いものです。

そのため、どちらの理解も必要不可欠です。

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【初心者でもわかる】この記事のまとめ

「剰余の定理」に関してよくある質問を集めました。

剰余の定理とはなんですか?

剰余の定理とは多項式を一次式で割ったときの余りをすぐに求めることができるものです。剰余の定理を使用することによって、項の数が多く複雑に見える整式のあまりもすぐに求めることができます。割り切ることが難しい整式同士の割り算でも、剰余の定理を使用することによって解くことができます。剰余の定理の詳細はこちらを参考にしてください。

剰余の定理と因数定理はどのような関係ですか?

因数定理はもしもあまりが0になった場合、その整式を(x−a)で因数分解できる整式の性質のことを指します。つまり、剰余の定理の余りが0の場合に因数定理が使われます。因数定理自体はさまざまなところで使われるものの、整式の因数分解の際により多く使われるものです。ただし注意点として、因数定理は剰余の定理なしにできるものではありません。剰余の定理と因数定理についてはこちらを参考にしてください。

この記事を企画・執筆した人
-StudySearch編集部-
この記事は、StudySearchを運営している株式会社デジタルトレンズのStudySearch編集部が企画・執筆した記事です。
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