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更新日 2023.3.5

1級建築施工管理技士とは|合格率や難易度・受験資格について解説!

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建築施工管理技士は国家資格の1つであり、毎年多くの人が受験している人気の高さがあります。

工事現場での施工計画や安全管理や品質管理といった管理面を担当するため、建築という仕事において非常に重要な役割を担うことが多いです。

建築施工管理技士の資格には1級と2級があり、一般的に1級のほうが難易度が高いと言われています。

そんな施工管理技士の資格を取りたいけど「いつどこで試験を行っているのか」「施工管理技士になると何が良いのか」よくわからないという方も多いでしょう。

今回は、そんな施工管理技士の中でも1級建築施工管理技士に焦点を当てて、具体的なメリットや仕事内容、試験情報など詳しくご紹介していきます。

1級建築施工管理技士とは?

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建築施工管理技士検定は、建設業法第27条に基づいて行われる国家資格の1つです。

1級施工管理技士は、小規模な建設工事から大規模な建設工事まで幅広く関われる資格で、歴史的な建造物の建設などにも携われる可能性があります。

建築業界では、現場の経験よりも資格の有無を重要視することもあるため、更なるキャリアアップのためにも勉強しておいて損はないでしょう。

また、新たに営業所を立ち上げる際に一般建設業または特定建設業の専任技術者として役割を持つことが可能です。

1級建築施工管理技士の資格を取ることで、給料アップや転職を有利に進められるでしょう。

1級建築施工管理技士として現場に配属されれば全ての管理や責任が付きまといますが、その分やりがいがある上に、経験を積んでいけば建設業界の最前線で仕事をすることもできます。

✔1級建築施工管理技士は国家資格の1つ

✔大規模な建設工事に携われる

✔キャリアアップを目指すなら必須レベル

1級建築施工管理技士になるメリットは?

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1級建築施工管理技士になりたいけど具体的なメリットは何があるのか気になる方もいるでしょう。

ここでは、1級建築施工管理技士の資格を取るとどのようなメリットがあるのか解説していきます。

主任技術者や監理技術者になることが出来る

1級建築施工管理技士の資格を取ると主任技術者や監理技術者として活躍することができるようになります。

2級建築施工管理技士の場合、どんなに頑張っても主任技術者にしかなれないため、大きなアドバンテージといえるでしょう。

主任技術者も監理技術者も建設工事現場に配属される役職です。

違いは担当できる建設工事の規模の大きさにあり、建設工事の請負代金総額が4,000万円以上になる場合は主任技術者に加えて監理技術者を配置しなければいけません。

そのため、主任技術者より監理技術者のほうが重宝される上に、担当できる建設工事の規模が大きくなります。

その分、専門的な知識や技術管理をしなければいけないため、責任が問われやすいといえるでしょう。

経営事項審査において高い評価を受けることが出来る

1級建築施工管理技士が企業にいると、経営事項審査にて高い評価を受けることが可能です。

経営事項審査とは公共工事を直接発注者から受ける場合に必要な審査であり、評価点を基準にランク付けが行われます。

審査によって決められたランクによって建設工事の発注にかかる費用が変わってくるため、少しでも良い点数を取りたいのが企業です。

そんな時に1級建築施工管理技士がいると1人につき5点加算されるため、高得点を取りやすくなります。

そのため、企業に所属しているだけでも大きな意味を成す資格といえるでしょう。

また、土木工事業、建築工事業、電気工事業などの事業では1級建築施工管理技士など1級国家資格を取得しないと監理技術者にはなれないため、企業にとって貴重な存在となるでしょう。

✔1級建築施工管理技士になると仕事の幅が増える

✔企業には必ず1人はいてほしい人材

✔監理技術者になれるのは1級施工管理技士だけ

1級建築施工管理技士の仕事とは?

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1級建築施工管理技士の主な仕事は、鉄筋・大工工事・内装の仕上げ工事といった全ての施工計画を考えること、現場の工程管理に加えて品質管理や安全管理を行います。

具体的には、主任技術者もしくは監理技術者として施工計画を行い、現場のさまざまな管理をします。

工事の種類は多く、1級施工管理技士がどのような現場を担当するのか知っておくのは重要です。

技術者として担当できる工事の種類

1級建築施工管理技士が技術者として担当できる工事の種類は以下の通りです。

1級建築施工管理技士 ・建築一式工事・大工工事・屋根工事・とび、土工工事・石工事・タイル、レンガ、ブロック工事・左官工事・鋼構造物工事・鉄筋工事・板金工事・塗装工事・ガラス工事・防水工事・熱絶縁工事・内装仕上工事
2級建築施工管理技士「建築」 建築一式工事
2級建築施工管理技士「躯体」 ・大工工事・とび、土工、コンクリート工事・鉄筋工事・タイル、レンガ、ブロック工事・鋼構造物工事
2級建築施工管理技士「仕上げ」 ・大工工事・石工事・屋根工事・タイル、レンガ、ブロック工事・左官工事・板金工事・塗装工事・防水工事・ガラス工事・熱絶縁工事・建具工事・内装仕上工事

1級建築施工管理技士は、2級建築施工管理技士全ての種別の工事を受けることができます。

そのため、受けられる仕事の幅が広く活躍しやすいのが特徴的です。

✔多くの工事に関わることができる

✔さまざまな工事を担当したいならおすすめ

✔施工計画から各種管理まで行う

1級建築施工管理技士の試験情報

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ここでは、1級建築施工管理技士を目指す方に向けて具体的な試験日程や受験資格、試験科目、合格率・難易度についてご紹介していきます。

受験することを視野に入れているなら、必ずチェックしておきましょう。

試験日程について

まずは、2023年度1級建築施工管理技士の試験日程について確認していきましょう。

願書販売 2023年1月13日(金)
受験申込期間 2023年1月27日(金)~2023年2月10日(金)
試験日 第一次検定:2023年6月11日(日)第二次検定:2023年10月15日(日)
合格発表 第一次検定:2023年7月14日(金)第二次検定:2024年2月2日(金)

試験日は一次検定と二次検定の2つがあります。

しっかりと対策をして試験に臨みましょう。

受検資格

1級建築施工管理技士の資格試験は誰でも受けられるわけではありません。

具体的に受験資格が設けられているのでご紹介していきます。

  • 2級建築施工管理技士の資格(一次検定に限る)
  • 4年制大学で指定学科を卒業+3年以上の実務経験がある
  • 短期大学で指定学科を卒業+5年以上の実務経験がある
  • 2級建築士の資格を持ち実務経験が5年以上ある

実務経験には、1年以上指導監督として仕事をした経験を含むためご注意ください。

また、すでに1級建築士の資格を有しており、上記受験資格を満たしている方は一次検定を免除することが可能です。

受験資格の詳細については建設業振興基金にて必ず確認してから申し込みをするようにしましょう。

試験科目

ここでは、1級建築施工管理技士の試験科目の詳細について解説していきます。

具体的な試験科目は以下の通りとなっています。

1級建築施工管理技士一次検定の試験科目
試験科目 検定基準 解答方法
建築学等 1. 建築一式工事の施工の管理を適確に行うために必要な建築学、土木工学、電気工学、電気通信工学及び機械工学に関する一般的な知識を有すること。2.建築一式工事の施工の管理を適確に行うために必要な設計図書に関する一般的な知識を有すること。 マークシート
(4つの中から1つ選ぶ)

施工管理法
1.監理技術者補佐として、建築一式工事の施工の管理を適確に行うために必要な施工計画の作成方法及び工程管理、品質管理、安全管理等工事の施工の管理方法に関する知識を有すること。 マークシート
(4つの中から1つ選ぶ)
2.監理技術者補佐として、建築一式工事の施工の管理を適確に行うために必要な応用能力を有すること。 マークシート
(5つの中から1つ選ぶ)
法規 建設工事の施工の管理を適確に行うために必要な法令に関する一般的な知識を有すること。 マークシート
(4つの中から1つ選ぶ)

一次検定は午前と午後に試験が分かれており、午前試験は36問に解答し、午後試験は24問解答します。

解答は、全てマークシート形式によって行われます。

1級建築施工管理技士二次検定の試験科目
試験科目 検定基準 解答方法

施工管理法
1. 監理技術者として、建築一式工事の施工の管理を適確に行うために必要な知識を有すること。 マークシート
(5つの中から1つ選ぶ)
2.監理技術者として、建築材料の強度等を正確に把握し、及び工事の目的物に所要の強度、外観等を得るたるために必要な措置を適切に行うことができる応用能力を有すること。3.監理技術者として、設計図書に基づいて、工事現場における施工計画を適切に作成し、及び施工図を適正に作成することができる応用能力を有すること。 記述形式

第二次検定は大問6問が用意されており、その中にさらに小問が設置されています。

合格率・難易度について

最後に1級建築施工管理技士の合格率・難易度について見ていきましょう。

1級建築施工管理技士一次検定の合格率
年度 受験者 合格者 合格率
令和4年 27,253名 12,755名 46.8%
令和3年 22,277名 8,025名 36.0%
令和2年 22,742名 11,619名 51.1%
令和元年 25,392名 10,837名 42.7%

1級建築施工管理技士の一次検定の合格率は約50%に届かないくらいとなっています。

受験者数も毎年25,000人程で大きな変動はあまりありません。

1級建築施工管理技士二次検定の合格率
年度 受験者 合格者 合格率
令和3年 12,813名 6,708名 52.4%
令和2年 16,946名 6,898名 40.7%
令和元年 15,876名 7,378名 46.5%

1級建築施工管理技士の二次検定の合格率は約40%〜50%の間で、半数程度の受験者が合格しています。

一般的に二次検定の合格ラインは得点率60%以上と言われていますので、60%を超えることを目標に勉強しましょう。

✔試験は一次と二次の2つがある

✔合格率はどちらも50%前後

✔試験日程や受験資格をしっかり確認しよう

1級建築施工管理技士の転職先とは?

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最後に1級建築施工管理技士の転職先について解説していきます。

主な転職先は以下の通りです。

  • 大手ゼネコン
  • 中堅ゼネコン
  • サブコン
  • ハウスメーカー

それぞれの特徴について確認していきましょう。

大手ゼネコン

大手ゼネコンは大規模な建設工事を取り扱うことが多いため、1級建築施工管理技士の転職先として代表的なところです。

最近では、中途採用で能力のある人材の獲得をしている企業もあり、1級建築施工管理技士の資格保持者もその対象となっています。

入社することができれば大規模な建築工事に携われるチャンスが多く、さらなる経験を積むことができますが、入社するまでが難しいです。

1級建築施工管理技士の資格を持っていたとしても、十分な実務経験や実績がないと採用されることは少ないといえます。

また、現場勤務となるため休日はバラバラになりやすく、拘束時間も比較的長めといえます。

大手ゼネコンは大手が長年培ってきた建築技術や人材育成の仕方など、さまざまな知識と経験を得られる反面、全国・海外への出張を含めて仕事漬けになりやすいです。

更なるキャリアアップを目指すのか、家族などプライベートを優先するかが選択の分かれ道となるでしょう。

中堅ゼネコン

中堅ゼネコンの場合、地域に密着していることが多く、大手ゼネコンのような全国・海外への出張などが少ないことが大きなメリットとしてあります。

担当工事現場等を固定できれば、拘束時間も短縮できるためプライベートな時間を増やすことができるでしょう。

その反面、大手ゼネコンのような高い年収や充実した経験をすることは難しいといえます。

また、大規模な建築工事に携われる機会も大手ゼネコンより少ないのがデメリットとして挙げられるでしょう。

サブコン

サブコンは大規模建築工事の元請けをするゼネコンから電気整備工事や空調整備工事など、建設工事を請け負う企業のことを指します。

建設工事は通常1つのゼネコンだけ行うのではなく、複数のサブコンがゼネコンから仕事を請け負って協力して作業を進めていきます。

そのため、ゼネコンに比べると現場で作業することが多く、年収面から見てもゼネコンより低くなりやすいです。

しかし、しっかりと実務経験を積むことができるため、サブコンから転職してゼネコンに就職する人もいます。

ハウスメーカー

ハウスメーカーとは注文住宅の生産を全国的に展開している企業のことを指します。

中古住宅などのリノベーションをはじめとして、建築施工管理技士のセンスが問われる業種となります。

顧客からの要望をしっかりと聞くことができるため、やりがいのある仕事といえます。

しかし、自社住宅のみの建築工事にしか携われないなど、しっかりとした実務経験を積めないことがデメリットです。

自分の建築技術やセンス、スキルに自信があるという方、顧客の声をしっかりと聞き入れて建築をしたい方におすすめといえます。

✔転職先は数多い

✔キャリアアップを目指すこともできる

✔自分に合った業種を選ぶのがポイント

まとめ

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今回は1級建築施工管理技士についてその特徴や試験情報に至るまで詳しくご紹介しました。

1級建築施工管理技士の資格は十分な実務経験があり、しっかりと勉強をすれば合格できる可能性はあります。

平均的な合格率も50%と約半数の人が受かるのでしっかりと対策をして試験に臨むと良いです。

また、1級建築施工管理技士の資格を取ることができれば、建築業界で重宝されることが多いでしょう。

転職先も大手ゼネコンや中堅ゼネコンなどやりがいを感じられる業種があり、大規模な建築に参加したい方におすすめです。

転職の際は1級建築施工管理技士の資格を持っているだけで大きなプラスポイントとなるため、キャリアアップを目指しているなら取得するべき資格といえるでしょう。

【初心者でもわかる】この記事のまとめ

「1級建築施工管理技士とは」に関してよくある質問を集めました。

1級建築施工管理技士のメリットは?

1級建築施工管理技士のメリットは主任技術者や監理技術者になれることと、経営事項審査の評価が上がることです。企業に1人は欲しい人材であり、主任技術者や監理技術者として、大規模建築工事に携われることもあります。また、単純に昇給しやすくなるというメリットもあるでしょう。メリットの詳細はこちらを参考にしてください。

1級建築施工管理技士の転職先は?

1級建築施工管理技士の転職先は主に大手ゼネコン、中堅ゼネコン、サブコン、ハウスメーカー以下があります。さまざまな転職先があり、しっかりとした役割を与えられることが多いため、1級建築施工管理技士の資格は取っておいて損はないでしょう。転職先についてはこちらを参考にしてください。

この記事を企画・執筆した人
-StudySearch編集部-
この記事は、StudySearchを運営している株式会社デジタルトレンズのStudySearch編集部が企画・執筆した記事です。
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