【最新版】慶應義塾大学理工学部の出題傾向・入試対策・勉強法について
最難関私立大学の慶應義塾大学。
各学部で入試出題傾向は異なっており、合格するためにはそれぞれ独自の入試対策が必要になります。
ここでは、慶應義塾大学理工学部の概要や各科目の出題傾向・対策をご紹介します。
出題傾向を正確に把握して、継続して適切な勉強をすることが、合格への近道となります。
教科・科目 | 試験時間 | 配点 |
---|---|---|
理科(物理・化学) | 120分 | 100点 |
数学 | 120分 | 150点 |
外国語(英語) | 90分 | 150点 |
慶應義塾大学理工学部の入試は理科、数学、外国語の3科目です。
試験時間は計5時間半、満点は500点となります。
慶應義塾大学にある理系学部は医学部、看護学部、薬学部、理工学部のみです。
理学部、工学部はないため、医療系の道に進まない理系の学生はほとんど理工学部に入学します。
また理工学部以外の学部はキャンパスが違ったり、人数が理工学部よりもさらに少なかったりするため、キャンパス内で珍しい理系学生となります。
慶應義塾大学理工学部では入学時に学科を選ぶ必要がありません。
入学試験時には、“学びの庭への入り口”という意味の学門別に受験します。
学門は以下の表に示すように5つあり、進級できる学科の分野を表します。
2年生に進級する際に学科を選びます。
下表は学門と進級できる学科の対応表ですが、進級できる学科はこの限りではなく、自らの努力と成績によっては学門の壁を越えて、本来自分の学科からは進級できない学科に進級できることもあります。
学門 | 分野 | 進級可能な学科 |
---|---|---|
学門A | 物理・電気・機械 | 物理学科、物理情報工学科、電子情報工学科、機械工学科 |
学門B | 電気・情報 | 電気情報工学科、情報工学科、物理情報工学科、システムデザイン工学科 |
学門C | 情報・数学・データサイエンス | 情報工学科、数理科学科、管理工学科、生命情報科 |
学門D | 機械・システム | 機械工学科、システムデザイン工学科、管理工学科 |
学門E | 化学・生命 | 化学科、応用化学科、生命情報科 |
1・2年次は日吉キャンパスに通います。
日吉キャンパスはほとんどの学部の下級生が通うキャンパスで、サークルの活動拠点が置かれることも多い場所です。
サークル活動に参加したり、一般教養科目に積極的に出席したりすることで学部外の友達ができやすいのも、日吉キャンパスならではの長所です。
3年生になると授業が矢上キャンパスに移動します。
矢上キャンパスは理工学部生しかいないキャンパスです。
日吉キャンパスに比べるととても静かで落ち着いているため、研究や勉強に集中できる環境が整っています。
4年進級時に研究室に所属するようになるため、大学院生の先輩たちとの関わりが増えて、自分の研究のさらに先を見ることができます。
✔理科、数学、外国語の3科目受験
✔入試時には学科ではなく、学門を選択する
✔理工学部は医療系以外の唯一の理系学部
●概要
大問数 | 試験時間 | 配点 | 出題範囲 |
---|---|---|---|
4問 | 90分 | 150点 | コミュニケーション英語Ⅰ・コミュニケーション英語Ⅱ・コミュニケーション英語Ⅲ・英語表現Ⅰ・英語表現Ⅱ |
大問番号 | 採点方法 | 問題の傾向 |
---|---|---|
大問1 | マークシート方式 | 長文読解 |
大問2 | マークシート方式 | 長文読解 |
大問3 | マークシート方式 | 対話文 |
大問4 | 一部記述式 | 文法や語彙(英作文は記述式) |
長文読解は600文字程度です。
さほど長いわけではありませんが、さらっと難しい単語や熟語がまぎれています。
長文読解中で単語や発音が問われたり、類義語・反対語を問われることがあったりと、幅広い知識と対策が必要です。
英作文は自由英作文ではなく、使用しなければいけない単語が数語指定されていることが多く、特定の熟語を知らないと答えられないようにできています。
ありきたりですが、単語力はとても重要です。
文章読解にしても文法問題にしても単語を知っていれば解ける問題が必ずあります。
とはいえ、英単語を全て暗記することは不可能です。
どんなに英単語を覚えて試験に臨んだとしても、長文中に知らない単語が出てくることもあります。
そのときに必要なのは単語の意味を推測する力です。
普段から知らない単語の意味を推測する訓練をしてみてください。
単語の意味を推測するときには前後の単語の意味が助けになりますから、そういう意味でも単語力は重要です。
英語は半分が長文読解という構成になっているので、長文読解を避けて通ることはできません。
試験時間90分のうち、長文読解に60分使ったとしても大問1つを30分で解き切る必要があります。
英語の長文問題のコツとしては、問題文を先に読んでから長文を読むことです。
何を問われるかを先に頭に入れておくことで、問われているポイントだけをよく確認すればよくなり、読む速度が上がります。
英語では、使用する単語が指定されている英作文が出題されます。
日本文を自由に英訳する英作文であれば、自分の知っている表現のみで乗り切ることができますが、数単語指定されている場合、特定の英熟語表現を知らなければ解けません。
日ごろから英熟語に敏感になり、見かけたらものにしておきましょう。
✔大問は4問で試験時間90分
✔しっかりした単語力、熟語力を身につける
✔長文問題を早く解く練習が必要
●概要
大問数 | 試験時間 | 配点 | 出題範囲 |
---|---|---|---|
5問 | 90分 | 150点 | 数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・数学A「場合の数と確率」「整数の性質」「図形の性質」・数学B「数列」「ベクトル」 |
大問番号 | 採点方法 | 問題の傾向 |
---|---|---|
大問1 | マークシート方式 | 比較的簡単で5問程度の短めの問題。 |
大問2 | マークシート方式 | 微積分、数列、極限、確率、ベクトルが頻出分野。大問1つにつき、6~8問程度の回答数。 |
大問3 | マークシート方式 | 大問2と同様 |
大問4 | マークシート方式 | 大問2と同様 |
大問5 | 記述式 | 計算問題と証明問題。 |
数学の大きな特徴として、マークシート方式と記述方式のハイブリッドであることが挙げられます。
マークシート方式では、他の国公立大学の数学のような部分点が狙えません。
記述式では例年1問は証明問題が出ています。
また、難易度が年度によってかなり上下するので、何割取ったら合格と言い切りにくいことが挙げられます。
ありきたりですが、一番大切なのは基礎力です。
大学別に傾向をとらえて対策することはもちろん大切ですが、基礎力はどの大学を受けるにしても必須です。
特に数学は、基礎力さえあれば考えて解ける問題が多数存在します。
過去問をやらなきゃと焦る気持ちもあると思いますが、ピンチのときに助けてくれるのは間違いなく基礎力ですので、たまに振り返って基礎を見直してみてください。
過去問のアレンジが何年か後に出題されることがよくあります。
慶應義塾大学の過去問を解くことはもちろん、他大学の有名な問題を解いてみるのも効果的です。
有名な良問をおさえておきましょう。
前述のとおり、数学はマークシート方式で部分点がもらえない問題が大半を占めるので、常に解ききる努力が必須です。
他の国公立の対策等で部分点を狙う練習に慣れてしまって最後まで回答を導けないと全く点数になりませんので、バランスよく対策してみてください。
●概要
大問数 | 試験時間 | 配点 | 出題範囲 |
---|---|---|---|
4問 | 120分 | 物理 100点・化学 100点 | 物理:物理基礎、物理・化学:化学基礎、化学 |
大問番号 | 採点方法 | 問題の傾向 |
---|---|---|
大問1 | マークシート方式 | 最頻出分野は力学、電磁気学、次に頻出なのが熱力学、エネルギーの分野。 |
大問2 | マークシート方式 | 大問1同様 |
大問3 | マークシート方式 | 大問1同様 |
大問番号 | 採点方法 | 問題の傾向 |
---|---|---|
大問1 | マークシート方式 | 無機、有機、理論問題が出題される。文章の穴埋め問題が大半や計算問題。 |
大問2 | マークシート方式 | 大問1同様 |
大問3 | マークシート方式 | 大問1同様 |
物理の出題傾向として、力学が1問、電磁気が1問、その他分野から1問の計3問というパターンが多くなっています。
問題の難易度は標準的ですが、ミスしやすい式展開になることが多くあります。
力学と電磁気は超頻出ですので、基礎から応用まで抑えておくことがマストです。
化学は電気分解、酸化還元、反応速度の出題が多くみられます。
これらの分野では計算問題と周辺知識が同時に出題されますので、無機、有機の基礎知識はきちっとまんべんなく抑えておく必要があります。
解ける問題を素早く見極めて確実に得点できるようにしましょう。
基本知識はどの科目でも必須ですが、慶應理科では特に幅広い知識が問われます。
どうしてもできない分野は捨てるという手もありますが、それは最終手段としてできる限り対策をしておくことをおすすめします。
基礎が徹底されていれば応用問題にも対応できるようになります。
物理では、計算式が複雑になることがよくあります。
普段から記号や計算ミスに細心の注意を払いながら演習をすると良いでしょう。
マークシート方式で部分点が狙えませんので、常に最後まで正しく解き切る意識を持ってください。
物理、化学ともに標準的なレベルの問題ですが、2教科で120分と試験時間が短くなっています。
過去問で対策をする際に、物理と化学をどのような配分で解き進めていくかを実験して確認しておいてください。
先に全体をさらってできる問題から解いていくと点数の底上げになるでしょう。
✔物理大問3問+化学大問3問、試験時間120分
✔基礎知識を幅広く抑えておく
✔自分にあった時間配分の練習が必要
受験勉強を始めてから試験の本番当日まで集中を切らさずに勉強するのは、体力的にも精神的にもなかなか大変なことです。
自分が目指している大学に入るための勉強とはいえ、嫌になることもあるでしょう。
それが普通です。
ONとOFFをはっきりすることがモチベーション維持の一助となります。
志望校の学園祭に行ってみたり、参考書ではなく動画を見て勉強してみたり、絶対に勉強しない時間を決めるのも一手です。
勉強のしかたが上手な人は息抜きも上手です。
問題集の中には、「すでに解ける問題」と「頑張れば解けるかもしれない問題」と「時間をかけても解けない問題」が存在します。
すでに解ける問題は何回解いても絶対に解ける問題です。
つまり、問題集を最初から最後まで完璧に真面目にこなそうとしてしまうのはムダな作業となる場合があります。
校内テストや校外模試で自分の弱点をきちんと見つけ、「解けそうな問題」を徹底的に解けるようにしていきましょう。
みなさんも何度も経験があることと思いますが、小さなことでもなにかを成し遂げたときには達成感を得ることができます。
長期的で達成が難しすぎる大きな計画・目標を立ててしまうと、なかなか達成感を得られず、だんだんと勉強がきついだけになってきます。
受験勉強において達成感は大きな原動力です。
少なめの努力と短い時間で達成できる小さな目標を、日々立てては達成していきましょう。
受験勉強の期間はなるべく短くしたいものです。
効率的でストレスレスな受験勉強期間を過ごせると、大学からの勉強も前向きに始められますね。
慶應義塾大学理工学部に独学で合格することは可能です。
実際に学校の勉強と独学だけで入学する人もいます。
しかし、独学のみで合格するには前述のポイントをひとりでこなす必要があり、非常に難しいのも事実です。
参考書のみでの受験をお考えの方は以下の記事をご参考にしてください。
効率的に効果的に成果を出すには、塾や予備校に通うのが近道なのは間違いありません。
塾や予備校と一口に言っても様々な形態がありますが、個別指導をおすすめします。
集団指導の塾や予備校の場合、教室内の全員に理解してもらえるような授業がメインとなります。
クラスがレベル分けされているとしても、クラス内でもレベルが同じではなく、結局もともと勉強できる人だけが難関大学に合格し、自分は本番までに追いつけなかったということになることがあります。
ここから逆転合格を狙いたいのであれば、自分のレベルとスピードに合わせて勉強を進められる個別指導が適しています。
個別教室のトライの基本情報 | |
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対象 | 小学生・中学生・高校生 |
授業形式 | 1対1の個別指導 |
校舎 | 全国600教室以上 |
特徴 | 厳選されたプロ講師陣による全国No.1の個別指導塾 |
個別教室のトライを勧める理由は、志望校別に実績豊富な講師陣がそろっており、志望校の傾向に合わせて効果的に対策をとれること、また、一人ひとりに合わせたオーダーメイドの学習カリキュラムを作成してくれることです。
モチベーションの維持、弱点の把握、達成可能な計画と目標の作成を、信頼できる講師とともに進められます。
ひとりで全部こなすより、心強い講師を味方につけて受験期を乗り越えましょう。
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志望校に関することや料金に関して詳しく知りたい方は、是非お問い合わせください。
総合型選抜専門塾AOIの基本情報 | |
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対象 | 高校生・高卒生 |
授業形式 | 集団指導・個別指導・オンライン |
校舎 | 東京、大阪、京都、兵庫、神奈川、愛知、オンライン |
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ここまで慶應義塾大学理工学部の入学試験について概要を確認し、おすすめの勉強法等を提案してきました。
受験勉強をする期間はそう長くはありません。
ただがむしゃらに頑張るには短すぎる期間です。
どう準備したら最高の結果を残せるか、この記事が改めて考えるきっかけになれば幸いです。
StudySearchでは、塾・予備校・家庭教師探しをテーマに塾の探し方や勉強方法について情報発信をしています。
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