微分とは?公式徹底解説!接戦の傾きの表し方や接戦の式のポイントも紹介
数学Ⅱを勉強しているものの、内容の難しさに困惑している人もいるかもしれません。
しかし、どの分野も基本的な理屈を押さえることが先決です。
基礎がわかっていなければ、応用問題にも上手く対処できません。
ここでは、高校数学の後半で習う「微分の表し方」について解説します。
どのような現象を解き明かす分野なのかを理解しながら勉強しましょう。
微分の公式を作るうえでの計算方法や、学習する際におすすめな参考書および塾も紹介します。
極限とは
まずは、微分の解説へ進む前に「極限」の内容を取り上げます。
こちらは、数Ⅱだと表現がどうしても曖昧になってしまい、正確に理解することが難しいかもしれません。
ただし、微分の構造を知る際には重要なテーマです。
極限の詳細については後述でまとめますが、一般的には「xが限りなく何かの値に近づくときに関数が何の値に近づくか」と定義されます。
この一文だけだと意味がいまいち分からないため、実際に練習問題も交えながら説明しましょう。
極限の定義
極限の定義についてまとめます。
前述で触れたとおり、定義を一言で要約すると「xが限りなく何かの値に近づくときに関数が何の値に近づくか」です。
補足として、日常生活に活用される「具体例」を持ち出して極限を解説しましょう。
例えば、なるべく高い建物を建てる計画がありました。
しかし、日光を遮ると民家の日当たりが悪くなるため、10m以上の設計は禁止するルールが課されたと仮定します。
この条件では10mの建物を建てたら違反してしまいますが、そこまで達しなかったら特に問題ありません。
9mで完成させるだけではなく、「9.99m」や「9.9999m」でも建設が可能です。
小数点以下の値をどんどん増やしていけば、ルールに違反する高さの10mに限りなく近づきます。
このような考え方が「極限」です。
-
つまり、極限の値は「=(イコール)」で結びつきません。
あくまで「近づく」様子を示します。
非常に複雑な数値を求めなければならないように感じるものの、数Ⅱの範囲に限っては計算方法も大して難しくありません。
指数関数のグラフを使った計算
では、実際に数字を用いながら「極限」の計算を解説しましょう。
「Y=ax」で表せる関数は「指数関数」と呼ばれます。
ここで説明する内容は指数関数のグラフを用いた計算です。
まずは、「lim(x→1)(x2-x+2)(3x+1)」を求めます。
非常に複雑そうにもみえますが、計算方法自体はそこまで難しくありません。
ちなみに、近づく値を求める際には、「lim」が使われます。
こちらは「limit」の略であり、日本語に直した言葉が「極限」です。
「x→1」とあるためxを1に代入するだけです。
代入してみると「lim(12-1+2)(3・1+1)」であるから「lim2×4」で「8」と求まります。
すなわち、この指数関数の極限の値は「8」です。
上述しましたが、「x→1」は「1に限りなく近づく」値であり、イコールではないことに注意してください。
次に応用として「lim(x→2)x2-3x+2/x2+x-6」を求めましょう。
はじめは先程の問題と同じように「x→2」から式に2を代入します。
ただし、分子と分母をそれぞれ計算した場合、算出される値は「0」です。
このような場合はどう求めるべきなのでしょうか。
仮に分母が「3」で固定され、分子が「0」になるときは「0/3」で限りなく「0」に近づきます。
反対に、分子が「3」で固定されると分母の数が小さくなるほど全体の値は大きくなります(「3/3」よりも「3/1」のほうが大きい)。
もし、分母が限りなく小さくなるときは、分数全体の値が「無限大(限りなく大きい)」となるはずです。
ただし、分子と分母の両方が限りなく「0」に近づいた場合、「無限大」になるか「0」になるかがわかりません。
-
このように結果がすぐにわからないことを数学では「不定形」と表現します。
不定形になってしまう場合は、関数の式を変形して不定形にならないようにする必要があります。
例題のケースにおける「不定形」の解を避ける際には、「因数分解」で式を変形しなければなりません。
「lim(x→2)(x-2)(x-1)/(x-2)(x+3)」と整理します。
「lim(x→2)(x-2)(x-1)/(x-2)(x+3)」と約分し、2を代入した解は「1/5」です。
CHECK
- 極限は「xが何かの値に近づくとき、関数が何の値に近づくか」を表す考え方を指す
- 近づく値を求める際には「lim」が使われる
- 「不定形」の解を避けるには関数の形を変える
微分とは
極限の考え方を使い、関数の曲線における接線の傾きを求める計算方法が「微分」です。
問題文では「y=x3-3x2」などと記載されるため、はじめて見ると驚いてしまうかもしれません。
しかし、数Ⅱで習う微分はコツを押さえれば簡単に求めることができます。
テストで点数を稼ぐうえでは、公式を暗記するだけで問題ありません。
とはいえ、ここでは理解を深めるためにあえて理屈から学習します。
微分と導関数の定義
はじめに「微分」と「導関数」の定義について説明します。
微分は、元々の関数から「導関数」を求める計算式です。
導関数とは、「微分係数(接線の傾き)」を作る式のことを指します。
この計算方法は、接線の傾き(瞬間的な変化の割合)を算出する際に役立ちます。
例えば、波打つようなグラフから細かい上下動を分析する場合、接線の存在が非常に重要です。
直線を引くことにより、どの程度の割合で変化しているかが読み取りやすくなります。
実社会においても天気予報や楽器の製造、スマートフォンのバッテリー残量の表示などとあらゆる場面で使われている考え方です。
微分の公式の覚え方
微分の定義を一通り押さえたら、次は微分の公式について解説します。
要するに、「導関数」を求めるための表し方です。
下記に微分の計算に使われる公式を記載します。
「f’(x)=lim(h→0) f(x+h)-f(x)/h」
公式があまりにも複雑すぎるため、実際に例題を使って押さえましょう。
導関数の定義に従って「y=x2+3x-2」を微分してみます。
上記の式に当てはめると、「y’=lim(h→0) {(x+h)2+3(x+h)-2}-(x2+3x-2)/h」です。
これらを計算すると「y’=lim(h→0)(2x+h+3)」と表せます。
「h→0」であるため答えは「y’=2x+3」です。
この「y’=2x+3」が導関数となります。
公式の覚え方(基本問題)
ここまで、微分の最も基本的な計算方法について紹介しました。
しかし、あまりにもプロセスが複雑です。
全ての問題に「f’(x)=lim(h→0) f(x+h)-f(x)/h」へ代入するのは面倒だと思う人もいるでしょう。
実は、関数の形によって「微分すると導関数がどのように求まるか」はおおよそ決まっています。
加えて、「数Ⅱ」の場合における公式の覚え方は1種類しかありません。
関数の表し方は以下のとおりです。
「(xn)’=nxn-1(nは自然数)」
-
「(xn)’=nxn-1(nは自然数)」の公式は微分を解くうえで必要不可欠です。
公式だけだとわかりづらいため、プロセスについても整理します。
- 1.指数をそのまま係数に持ってくる
- 2.係数が変わった項の指数は「もともとの指数−1」をする
- 3.該当する文字数のない項は「0」となる
例えば、「x4」であれば「4x3」と表せます。
では、この考え方を使って「y=x3+2x-1」の計算をしましょう。
「x3」を微分すると「3x2」です。
「2x」は省略されているものの、「2x1」と同じ意味を持ちます。
そのため「2×1」で微分した値は「2」です。
-1は文字数がないため「0」と考えます。
これらを整理した式と解を記述しましょう。
y=x3+2x-1
y’=3・x3-1+2・1+0
y’=3x2+2
公式の覚え方(応用問題)
次に「y=(2x+3)(x2-2x+1)」はどう求めるか解説します。
もちろん、一度展開して計算する方法もありますが、面倒に感じるのであればこのままの状態で微分することもできます。
この場合は、左の式から1つずつ微分して、残りの式はとくに微分せずに取っておく方法があります。
最後に全ての数字を合わせれば、簡単に解を導くことが可能です。
これを「積の微分」といい、計算方法は以下のとおりです。
「y=(2x+3)’(x2-2x+1)+(2x+3)(x2-2x+1)’
=2・(x2-2x+1)+(2x+3)(2x-2)
=2x2-4x+2+4x2+2x-6
=6x2-2x-4」
導関数は「y’=6x2-2x-4」と求まりました。
CHECK
- 微分はある関数から「導関数」を求める方法を指す
- 微分の簡単な公式は「(xn)’=nxn-1(nは自然数)」
- 「積の微分」を使うと計算が省略できる
接線の傾きの表し方
微分をして求める「導関数」は、接線の傾きを導き出す関数でした。
では「y=x2」のx=1の点で接する接線の傾きを求めてみましょう。
この場合は、「y’=2x」と導関数が得られます。
ここに「x=1」を代入すると「接線の傾きは2」と求めることができます。
接線の式を作るときのポイント
接線の傾きを導き出せれば、「接線の式」も簡単に作れます。
接線の式の表し方で重要なポイントは以下の4点です。
- 1.元々の関数の導関数を作る
- 2.求めたい接点のx座標をを代入し、接線の傾きを計算する
- 3.接線の傾きと平行な原点を通る直線の式を作る
- 4.原点から接点まで平行移動させる
では、上記のポイントを踏まえて以下の問題を解いてみましょう。
「曲線y=x3-3x2について、次の直線の方程式を求めよ。
曲線上の(1,-2)における接線と法線」
元々の関数の導関数を作る
まずは、「y=x3-3x2」の式から「導関数」を作ります。
つまり、微分するだけであるため時間もかかりません。
「y=x3-3x2」を微分して求めた導関数は「y’=3x2-6x」です。
=ここまでの計算はトレーニングを何度も繰り返し、なるべくスムーズにできるよう心がけましょう。
接線の傾きを計算する
微分して導関数を作り出せたら、x座標の数値を代入して接線の傾きを計算します。
例題の問題文を確認してみるとx座標は「1」です。
すなわち、「y’=3x2-6x」の「x」に「1」を代入します。
すると、「f(1)’=3・12-6・1」で「f(1)’=-3」と解を出すことができました。
つまり、ここで求められる接線の傾きは「-3」です。
接線の傾きと平行な原点を通る直線を作る
ここまで求めたら、接線の傾きと平行な原点を通る直線を求めましょう。
とはいえ、計算自体は非常に簡単です。
原点を通る直線は「y=ax」と表せます。
この式に上述で求めた接線の傾きを代入させるだけです。
接線の傾きは「a」に値するため、−3を代入すると「y=-3x」と関数を作ることができます。
原点から接点まで平行移動
最後に、原点から接点まで平行移動させます。
例題の場合は、xをプラスの方向に1つ、yをマイナスの方向に2つ移動させなければなりません。
実際に関数で計算すると以下のようになります。
y-(-2)=-3(x-1)
あとはこのまま計算を進めましょう。
すると「y=-3x+1」となるはずです。
したがって、「y=-3x+1」が例題で求めたかった接線の式に該当します。
CHECK
- 接線の傾きの表し方には4つのポイントがある
- 原点を通る直線「y=ax」に微分して求めた傾きを代入する
- 原点を通る関数を平行移動するため(x,y)をそれぞれ代入する
微分のおすすめ参考書・勉強法
微分を解くうえでおすすめな勉強法は、ひたすら問題を解くことです。
数Ⅱの範囲であれば複雑な応用問題にも対処しやすく、解き方をマスターするだけでもある程度はカバーできます。
加えて、余裕がある人はこの記事で紹介した「定義の理屈」について押さえることも重要です。
そもそも、微分が何かを分かっていないと理解も追いつかなくなるかもしれません。
はじめは問題を解くことに専念して基本を覚え、応用問題は「理屈」を意識しておくと対応しやすくなります。
問題集の勉強範囲
微分の問題が豊富に掲載されている問題集は以下の3点です。
- 青チャート 【第6章 微分法】34 微分係数と導関数 35 接線
- サクシード【第6章 微分法と積分法】39 微分係数,導関数、40 接線
- 4STEP 【第6章 微分法と積分法】1 微分係数、2 導関数
- Legend 【5章 微分と積分】13 微分係数と導関数 14 導関数の応用
最初は簡単なレベルの問題を解くだけでOKです。
基本的な内容をしっかりと押さえるためにも、徐々にレベルを上げていくことが大切です。
少しずつ理解できるようになったら、応用問題にも挑戦しましょう。
微分の後半部分で習う「増減表」を使った問題に対応できれば、微分の範囲はある程度押さえたと捉えて問題ありません。
-
問題集で勉強するには、なるべく1冊に絞るほうが効率よく勉強を進められます。
複数の教材を一度に購入しても、中途半端になるだけで費用も無駄になってしまいます。
まずは、1冊のものを完璧にマスターできるよう意識しましょう。
CHECK
- 最初は簡単なレベルの問題でOK
- 慣れてきた段階で応用問題に取り組む
- 問題集はあまり多く買いすぎないようにする
微分を勉強するなら「オンライン数学克服塾MeTa」
日本にもさまざまな学習塾がありますが、微分の分野を学ぶうえでは「オンライン数学克服塾MeTa」がおすすめです。
対象 | 高校生 |
---|---|
授業形式 | マンツーマン形式 |
校舎 | オンライン |
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CHECK
- 「オンライン数学克服塾MeTa」の国立大学合格率は75%
- 「論理的思考力」が身につく
- 生徒1人1人に綿密な授業計画を立てる
まとめ
「数Ⅱ」の範囲で出題される「微分」の表し方について解説しました。
一見、複雑そうに感じるものの、覚える内容はそこまで多くありません。
練習問題を何度も繰り返しながら「解き方」をしっかりと身につけましょう。
もし、塾で指導を受けたい場合は、「オンライン数学克服塾MeTa」がおすすめです。
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