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更新日 2019.8.19

不動産鑑定士の難易度/倍率、独学は可能?合格率や仕事内容について

 

不動産鑑定士になるには?

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不動産鑑定士として活躍するためには、まずその資格があると公に認められるために不動産鑑定士名簿に登録しなければいけません。

登録は住んでいるところを管轄する都道府県知事を通して、その都道府県を管轄する地方整備局に必要な書類を提出することということになっています。

具体的にどうすればいいのか、というと申請書や履歴書、不動産鑑定士試験の合格書のコピー、身分証明書、法務局が発行する登記されていない証明書、誓約書等々の必要書類を揃えて、都道府県の窓口に提出します。

郵送で提出する事はできず登録免許税6万円を納付して、領収書を申請書に貼りつけます。

申請が受理されたら、登録通知書が届きます。

不動産鑑定士試験にはマークシートで答えを選ぶ短答式試験論文問題・演習問題を記述する論文式試験のふたつがあります。

短答式は毎年5月中旬に実施され不動産に関する法律についての問題、鑑定評価の理論に関する問題が出題されます。

論文式は8月上旬に実施され、民法・経済学・会計学についてと不動産の鑑定評価に関する理論についての問題が3日間の日程で出題されます。

演習では計算も必要になるので電卓の持ち込みも可能です。

短答式の合格ラインは70%で論文式は52%です。

どちらかの試験に合格したら合格発表の日から2年間は、有効となります。

再び試験を受ける時には、有効期限内であれば合格した試験は免除されます。

2種類の試験に合格したら、国土交通省が認めた研修期間で実務修習を受けて、無事に合格をしてからということになります。

何をするのかというと物件調査実地演習及び一般実施演習というものです。

物件調査実地演習は指導鑑定士の指導を受けながら、土地と建物をそれぞれ1物件について調査を行い、報告書をまとめて日本不動産監視協会連合会にネットで提出します。

それが終われば次に一般実地演習は実際にある13物件についての鑑定評価報告書を指導鑑定士に指導してもらいながら作成して、同じくように提出します。

ただ、直近1年間に鑑定事務所での実務経験があるならばみなし履修と言って実施修習の一部を免除されます。

不動産鑑定士の試験は、年齢や学歴、国籍、実務経験等々、一切問われることはありません。

受験願書を国土交通省土地・建設産業局地価調査課での配布、または国土交通省に郵送で請求することで手に入ります。

請求をするときには返信用の封筒に郵便切手と宛先等を記入しておかなければいけません。

紙の受験願書を使わずに電子申請をすることも可能です。

電子申告は電子政府の総合窓口電子申請システムから行うことができます。

受験手数料は電子申請であれば電子納付で行い、紙の受験願書であれば収入印紙を受験願書に貼り付けます。

願書を提出すると、試験前に受験票が郵送されてきます。

それを持って試験日に全国各地の試験地及び試験場へと足を運びます。

不動産鑑定士は国家資格であり、試験の合格率は短答式が30%前後論文式は15%前後と難易度の高い内容です。

ですから独学で勉強をすることは絶対に無理とは言えませんが、かなり難しいです。

短答式だけであればなんとかなるかもしれませんが、論文式となれば市販されている参考書だけで勉強してもわかりにくいので合格のノウハウを持っている資格スクールで学んだほうが、合格までの道のりは短くなります。

POINT

✔不動産鑑定士として活躍するためには、不動産鑑定士名簿に登録する必要がある

✔不動産鑑定士試験に合格した後、実務修習を受けて合格する必要がある

✔独学よりも資格スクールで学んだほうが良い

仕事内容は不動産の鑑定評価

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不動産鑑定士の具体的な仕事としては、国や都道府県から不動産の価格の評価を依頼される公的評価と、一般の会社や個人から依頼される、民間評価の二つに分けることができます。

そもそも不動産に関する公的な評価は、道路などを新たに作る場合に国民から土地を買収するための価格や、税金の根拠となる不動産の価格を調べる必要性から始まりました。

現在不動産鑑定士が依頼される代表的な仕事には、次のようなものがあります。

国土交通省から依頼される公示価格・地価公示制度は地価公示法に基づいて不動産鑑定士による鑑定をもとに、毎年一回一月一日時点の正常な価格を算定し毎年三月初旬ごろに公示価格として、官報で公示するものです。

都道府県知事から依頼される都道府県地価調査・この地価調査は、地価公示制度の一層の整備拡充を図る目的で国土利用計画法に基づいて実施されています。

都道府県が地点を選定し、不動産鑑定士の鑑定をもとにした一平米あたりの更地としての価格を判定するのです。

国税局長から依頼される相続税財産評価・相続税や贈与税の計算根拠とするために、毎年一回各国税局長が不動産鑑定士の評価に基づいて、一月一日時点の土地の価格を路線価などとして公表しています。

市町村から依頼される固定資産税評価・固定資産税の計算根拠となる固定資産の価格の基礎を、不動産鑑定士が行っているのです。

裁判所から依頼される裁判関係の仕事・不動産を競売する際の競売最低価格の算出や、事件に関する裁判上の必要性から依頼されています。

民間の会社や個人からの鑑定の目的は、不動産を売買するときの参考にする場合や資産や担保の評価などが中心になっていて、最近では会社の会計制度の国際化や、J-REITなど不動産の金融商品化が進み民間評価が増えているのです。

次のようなものが民間評価になります。

売買の参考のための評価・民間の会社や個人が不動産を売る場合や買う場合、あるいは不動産を貸したり借りたりする場合に、その不動産の価格や賃料がいくらであれば妥当であるのかがわからない場合や、不動産を公平に分けようとする場合などに、不動産鑑定士に依頼して売買価格などを決定する際の参考にする場合の評価です。

資産評価・会社などでは常に持っている財産が、いくらの価値があるのかを把握しておく必要があります。

財産の中でも大きな価値のある不動産については、慎重な価値の把握が必要となるので不動産鑑定士に仕事を依頼するのです。

担保評価・金融機関などがお金を貸す時に不動産を担保とすることが多く、担保とする不動産は貸す金額よりも高い価値がなくてはなりません。

そこで担保となる不動産の価値が貸す金額よりも高いのかどうかを確認するために調べることを担保評価といい、一般的には金融機関などが自分で行いますが、正確さを期すために第三者の不動産鑑定士に鑑定を依頼することも多くあります。

不動産鑑定士は不動産に関する専門家としての能力を高く買われ、さまざまな職場で活躍しているのです。

個人として不動産鑑定事務所を開業している人や、その事務所で勤務している人また大手の鑑定業者など百人を超す社員を有する専門業者や、不動産鑑定部門を持っている信託銀行・不動産会社・保険会社で仕事を行っている人もいます。

そのほかにも役所や専門学校、リフォーム会社や建設会社、普通の会社の総務部門や農業協同組合などで働く人もいるのです。

不動産は社会の中で無関係ではいられないものですから、さまざまな幅広い職場で活躍しています。

POINT

✔不動産鑑定士の仕事内容は、不動産の鑑定評価

✔公的評価と民間評価がある

✔不動産鑑定士は様々な職場で活躍している

不動産鑑定士は国家資格

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不動産鑑定士というのは不動産の鑑定評価を行うことができる唯一の資格者として、不動産の鑑定評価に関する法律という法律で、定められた人のことです。

不動産鑑定評価を行う業種のことを、不動産鑑定業と言って宅地建物取引業者とは区別されています。

不動産鑑定士の仕事は、公示価格や相続税評価額、固定資産税評価額や公共用地の買収などにかかわる価格評価業務など国や地方公共団体からの依頼に基づく重要なものが多く、民間の不動産についての評価業務も行うのです。

仕事としては、国や都道府県が土地の適正価格を公表するための地価公示制度や地価調査制度をはじめ、公共用地の買収評価、相続税路線評価などに携わる公的評価業務が多く、景気に左右されることが少ないので仕事が安定しているということができるでしょう。

また民間からの依頼についても、仕事が安定しているということができます。

なぜならば好況時には不動産取引が増えるし、逆に不況時には融資に伴う担保評価などが増えるためいずれにしても、不動産鑑定士の需要があるからです。

不動産鑑定士の活躍のフィールドは広がってきており、高度な技能が要求される仕事だけに資格取得までの道のりは険しく、資格取得後もたゆまず勉強を続けていく必要がありますが、社会的ニーズの大変に高い資格であるといえるでしょう。

不動産鑑定士の資格者は不動産に関する高い能力を国から認められたスペシャリストとして、銀行や投資業など不動産業以外の業種から必要とされています。

近年の不動産市場の大きな変化に伴って、不動産のプロに対する社会の期待が大いに高まり、業務の範囲も急激な広がりを見せていて、特に不動産鑑定士の魅力は業務範囲の広がりとともにその活躍の場が飛躍的に広がっている点です。

独立開業、不動産会社はもちろんのこと不動産の金融や会計世界との密接なつながりによって、銀行や保険会社、証券会社などの金融機関をはじめシンクタンクや投資顧問会社さらには監査法人など様々な分野で、優秀な不動産鑑定士を必要としています。

不動産鑑定士は土地や建物の価格や賃料などといった不動産の経済価値を決めることを主な業務としており、不動産の鑑定評価を専門的かつ独占的に行うことのできる不動産鑑定士は、まさに不動産関連資格の最高峰と言われているのです。

不動産鑑定士の国家資格を得るためには、不動産の鑑定評価に関する法律に規定された国家試験に合格し不動産鑑定士としての登録を行う必要があります。

短答式・論文式の国家試験に合格した人で、実務修習を終了して、国土交通大臣の確認を受けた人がこの資格を有する人となるのです。

国家試験では短答式の試験に合格した人だけが、論文式の試験に進むことができるようになっています。

実務修習においては、不動産鑑定評価書を独力で実地に作成できる能力を養成することに力点が置かれていて、そのためには自ら鑑定事務所に所属するなど鑑定評価書を作成できる環境に身を置く必要があるのです。

終了考査というものもあり、この考査では80%程度の合格率が見込まれていますが、修習期間内に20件以上の鑑定評価書を作成するには、実質的には1か月に1件以上の評価書を作成しなければならず修習期間内に脱落するものが出てくる可能性もあります。

国家試験は難しいものですが、目指してみる価値は十分にあるでしょう。

POINT

✔不動産鑑定士は社会的ニーズがとても高い

✔短答式の試験に合格した人だけが、論文式の試験に進むことができる

✔実務修習では期間中に不動産鑑定評価書を20件以上作成する必要がある

不動産鑑定士の合格率は?

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不動産鑑定士試験は、旧司法試験や公認会計士試験と並び称されるほどの難関の国家資格試験として知られています。

それだけに合格率は低く、およそ3%から5%となっているようです。

2018年の合格率は、申込者比では5.1%となっています。

短答式試験の合格率が33.4%で、論文式試験の合格率が14.8%でした。

短答式試験に合格できた人が論文式試験に合格すると、不動産鑑定士の国家資格が得られます。

短答式試験に合格すると、翌年と翌々年の短答式試験が免除されますから、申込者で短答式を試験を受験しない人がいることとなります。

そのため、通常なら対受験者で計算するところ、申込者比での合格率で見ることとなります。

国家試験の合格率で5.1%と言うのは、相当低い方です。

しかも深い専門知識を持ち、この道に賭けている受験者ばかりであると見られる中でのこの数字です。

ただ、ここ3年は短答式試験でも論文式試験でも合格率は安定的に推移しており、対策しやすいとも考えられます。

2016年は短答式試験の合格率が32.6%で論文式試験が14.5%であり、翌2017年は32.5%と14.5%でほとんど同じでした。

2018年は両方の合格率が微増しています。

それでも2018年の最終合格者数は117人で、文字通り数えるほどしか合格者はいません。

合格率が低いせいか、受験者自体がなかなか増えないようです。

不動産鑑定士は社会的信用の高い資格であり、資格保持者は官公庁の依頼も受けます。

そのため、常に需要はありますが、論文式試験が非常に難しく、申し込んでも結局受験しない人も少なくはないようです。

短答式試験に1回合格すれば、その後3回は論文式試験だけを受ければいいことになりますから、短答式試験の勉強時間を割く必要がなく、論文式試験対策に専念できます。

それでも受験を敬遠されるほど、論文式試験が難しいということで、旧司法試験や公認会計士試験と並び称されてきたのでしょう。

ただ、論文式試験の受験者数はここ数年増え続けています

2018年は789人でしたが、これは近年にない多さでした。

2008年の1308人をピークに、受験者は減り続け、2015年は705人とこの12年で最も少なく、このまま減り続けるかと懸念されましたが、2016年に上昇に転じ、708人に微増しました。

2017年は733と増加し、2018年に大幅に増えます。

ピーク時の1308人に比べれば、まだ受験者は少ないほうではありますが、増え続けているというのは望ましいこととされています。

論文式試験の合格者、即ち最終合格者も増え続けています

ピークは2008年の132人でしたが、その後減少して2014年は84人という少なさでした。

しかしその年に底を打って増加を続け、2015年には100人と大幅上昇して100人の大台を回復し、2016年には103人、翌2017年には106人と微増を続けます。

そして2018年に117人と再び大幅上昇となりました。

論文式試験の合格率は、2010年が最低で9.4%でした。

それ以外の年は10%以上をキープし続けており、10%を切った年の翌2011年には11.3%と大幅上昇しました。

2015年に14.2%となってからは、ずっと14%台で推移し続けています。

合格率が9.4%だとさすがに論文式試験の受験がためらわれますが、14.8%ならトライしたくなる数字でしょう。

POINT

✔論文式試験の難関さが資格取得の難易度を上げている

✔近年では受験者数も合格者も増え続けている

✔旧司法試験や公認会計士試験と並び称されるほどの難関の国家資格試験

まとめ

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不動産鑑定士は国家資格であり、不動産鑑定士になるには国家試験の不動産鑑定士試験に合格する必要があります。

仕事は不動産の鑑定評価であり、公的な評価をする際に官公庁から依頼を受けることもあります。

不動産鑑定士試験の合格率は、2018年で5.1%でした。

最終合格者は117人という少なさで、合格の難しさや合格率の低さは国内最難関試験である旧司法試験や公認会計士試験と並び称されることもあるほどです。

不動産鑑定士試験には、短答式試験と論文式試験があり、両方に合格できた場合に、不動産鑑定士の資格が得られます。