関西大学の環境都市工学部は、まちづくりを様々な観点から分析し、探求を行う学部です。

建築や都市デザインに興味を持った方が多く入学し、実際に建築業界に就職する卒業者も非常に多く見られます。

しかし、事前に関西大学の環境都市工学部の特徴を詳しく知りたかったり、今から何を準備しておくべきか分からなかったりする方は多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、関西大学の環境都市工学部の概要や、入試難易度、合格するためにやるべきことについて解説します。

なお、関西大学の環境都市工学部を受験するべき方の特徴もご紹介します。

関西大学の環境都市工学部の受験を検討し、将来環境関連や建築業界に就職することを検討している方は、ぜひ参考にしてください。

関西大学の環境都市工学部の概要

まずは、関西大学環境都市工学部の概要について見ていきましょう。

関西大学環境都市工学部の基本情報
キャンパス名	千里山キャンパス
キャンパス住所	大阪府吹田市山手町3-3-35
神学部開設年	2007年

関西大学の環境都市工学部とは、人々が豊かな暮らしを継続するために、快適な都市空間を持続的に発展させ、まちづくりに必要な建築や都市システム、環境システムについて探求をする学部のことです。

3つの学科からなり、それぞれでまちづくりや都市デザインに関する学習が可能です。

建築と科学技術を連動させた、これからの時代のまちづくりを行う人材を創出する学部であり、毎年多くの卒業生が建築業界に就職しています。

キャンパス情報

環境都市工学部のキャンパスは、大阪府に位置する千里山キャンパスです。

緑に包まれた広大な敷地は、生徒の創造性と自由な精神を育みます。

千里山キャンパスのアクセスは、阪急電鉄千里線の関大前駅を下車すると正門まで徒歩約5分程度で到着するほど駅から近く、アクセスは非常に良いです。

新幹線や空港からのアクセスも非常に良好で、千里山キャンパスまで約30分となります。

関西大学の環境都市工学部の特徴

関西大学の環境都市工学部の特徴は、下記の通りです。

それぞれ順番に解説します。

3種類の学科がある

関西大学の環境都市工学部には、3種類の学科があり、それぞれで学べる内容は異なります。

関西大学の環境都市工学部の3種類の学科と、それぞれで学ぶ内容は下記の通りです。

環境都市工学部の学科
建築学科	建築の専門知識および建築にまつわる人間の心理や自然現象を学び、 より良い空間を作るための知識と技能を身に着ける学科
都市システム工学科	都市の中にある、過密や交通渋滞などの様々な問題に対して、 情報やシステムの力による解決の手立てを探求する学科
エネルギー環境・化学工学科	エネルギー問題や、環境問題に対する解決策を探求する学科

一口に環境都市工学といえども、学科によって学ぶ内容は大きく異なります。

受験する場合は、それぞれの学科でどのようなことを学べるのかを把握した上で、入試に挑むことが大切です。

デザインを学ぶ

まちづくりにおいて、デザインは非常に重要な要素の1つであるため、全学科においてデザインを学ぶことが可能です。

都市を構築するために必要な、都市全体のデザインや、建築物一つひとつを作る際に必要なデザインを学べるため、社会に出てからも使えるようなスキルを学べるのは、環境都市工学部の強みと言えるでしょう。

進路決定率は98％超え

関西大学の環境都市工学部の進路決定率は98%を超えており、多くの卒業生が自分の進路を見出した状態で卒業しています。

およそ10%程度の生徒は大学院に進み、より深く都市工学について探求する選択肢を取っており、卒業後は就職・大学院進学の両方の選択肢があります。

卒業生の就職先は、建築業が多いものの実に多様であり、関西大学の環境都市工学部を卒業することで、多くの選択肢を得られるでしょう。

関西大学の環境都市工学部の受験方法

関西大学の環境都市工学部の受験方法は、実に様々です。

自分の得意科目や学力、併願する大学との兼ね合いを考慮した上で、受験方法を考えると良いでしょう。

全学入試はもちろんのこと、共通テストの点数を加味したものなどがあり、自分の得意な分野で戦える入試形態を選択することが大切です。

また、学力による選抜の他にも、書類選考や小論文、プレゼンテーション等が合否判定となるAO入試や、スポーツにおいて素晴らしい成果を挙げた方が対象のSF入試、公募入試などの入試形態があります。

これらの入試形態では、学力だけではなく、課外活動での成果や進学への意欲、小論文の出来なども合否の判断基準になるため、偏差値が足りない場合は検討するべきでしょう。

関西大学の環境都市工学部に入るための選択肢は実に様々であるため、自身に合った入試形態で受験することを推奨します。

入試日程

ここでは、関西大学環境都市工学部の入試日程を見ていきます。

筆記試験を利用する入試方式の日程

まずは、筆記試験を利用する入試方式の日程を見ていきましょう。

-	一般入試	共テ併用	共テ利用(前期)	共テ利用(後期)
データ登録期間	2024年1月6日～1月20日		2024年1月6日 ～1月17日	2024年2月17日 ～3月7日
試験日	2024年2月 2/5/7日	2024年2月 2/4/5日	共通テスト試験日程
合格発表日	2024年2月16日			2024年3月17日

※詳細は、必ず公式募集要項にてご確認ください。

関西大学環境都市工学部では、上記に記載した一般入試や共通テスト併用入試・共通テスト利用入試の他にも、推薦型選抜タイプの枠も用意されております。

基本的に、共通テストや個別学力試験等の学力を図る試験を利用した入試方式では、1月～3月で出願から合格発表までが行われます。

どの入試方式においても、出願期間は1カ月もないので、早めに出願書の準備をしておきましょう。

また、共通テスト利用方式の後期日程以外は、同日に合格発表が行われます。

推薦方式の入試の日程

次に、小論文や面接で試験を行う推薦型タイプの入試方式についての日程を見ていきます。

-	AO入試	SF入試(9月)	SF入試(12月)	公募制推薦入試
データ 登録期間	2024年9月1日 ～9月5日	2024年9月3日 ～9月6日	2024年12月2・3日	2024年11月1日 ～11月6日
選考日	2024年10月20日		2024年1月12日	2024年11月24日
最終合格発表	2024年11月1日		2024年1月17日	2024年12月2日

※詳細は、必ず公式募集要項にてご確認ください。

AO入試およびFS入試の9月募集は、データ登録期間を除き、同日に選考・合格発表が行われます。

公募制推薦入試以外は、データ登録期間から選考までに1カ月ほどあり、多少選考の準備をする余裕がありそうです。

公募制推薦入試はデータ登録期間後すぐの選考となるので、前もってしっかり準備しておく必要があるでしょう。

受験科目

次に、一般入試の受験科目について見ていきます。

教科	3教科型出題範囲	2教科型【英数】出題範囲
国語	現代の国語/言語文化(漢文除く)	-
外国語	英語コミュニケーションⅠ/Ⅱ/Ⅲ、論理・表現Ⅰ/Ⅱ/Ⅲ
数学	数学ⅠAⅡB・数学C(ベクトル) +地歴公民の5科目から1科目選択	数学ⅠAⅡB・数学C(ベクトル)
地歴公民	世界史、日本史、地理、政治・経済 +数学の5科目から1科目選択	-

※公式募集要項より、必ず詳細をご確認ください。

3教科型の入試方式では、国語・外国語は必修教科となっており、数学と地歴公民(世界史、日本史、地理、政治・経済)の5科目から1科目選択制となっております。

2教科型入試方式では、外国語と数学のみでの受験となります。

国語の出題範囲は、現代の国語と漢文を除く言語表現からとなっており、外角後は英語コミュニケーションⅠ/Ⅱ/Ⅲ、論理・表現Ⅰ/Ⅱ/Ⅲです。

3教科型入試方式の配点は、国語150点・外国語200点・選択科目100点の合計450点で構成されています。

2教科型は、外国語・数学ともに200点ずつの合計400点で配点されています。

また、推薦方式の入試は、AO入試・SF入試ともに一次選考は書類選考となっており、二次選考ではAO入試は口頭試問を含む面接試験、SF入試は小論文および面接が実施されます。

公募制推薦入試では、筆記試験および面接が課されています。

倍率

そしてここでは、一般入試・共通テスト利用方式・全学部日程の2023・2024年度の倍率を見ていきます。

-	一般入試	共テ利用	全学部日程	AO入試	SF入試
2023	3.0	3.5	4.3	4.1	1.5
2024	3.4	3.8	4.6	4.0	2.0

関西大学環境都市工学部の倍率は、上記で紹介したどの3つの入試方式においても2023年に比べて2024年の倍率は高くなっています。

各方式0.3ずつ倍率が高くなっており、2024年度に関しても倍率が上がる可能性があるので、しっかり対策を行って試験に挑みましょう。

また、自分の得意分野で試験が受けられる場合もあるので、受験科目等もしっかり確認するようにしましょう。

関西大学の環境都市工学部の偏差値

関西大学の環境都市工学部の偏差値は、学科によって若干異なります。

関西大学の環境都市工学部のそれぞれの学科における偏差値は、下記の通りです。

各学科の偏差値は上記の通りであるため、学部全体の偏差値は50.0～60.0となります。

若干の偏差値の差はあるため、どの学科にするか迷っている場合は、合格可能性を考慮した上で受験することも、手段の1つです。

入試形態によって異なりますが、どの入試形態であっても一定の学力は必要であると考えられます。

その一方で、学力以外の部分も合否判定の対象となるAO入試や公募入試が実施されているため、学力が満たなかった場合でも、入学するチャンスはあると言えるでしょう。

ただし、いずれの学科にせよ、学力による入試を通過してきた方向けの授業が展開されるため、大学に入ってから遅れを取らないためにも、勉強を続けておくことを推奨します。

関西大学各工学部の学部別偏差値

ここでは、関西大学各工学部における偏差値を見ていきます。

関西大学各工学部の学部別偏差値
環境都市工学部	50.0～60.0
化学生命工学部	50.0～55.0
システム理工学部	50.0～55.0

関西大学各工学部の学部偏差値は上記の通りです。

基本的にどの学部も、50.0～55.0となっておりますが、今回ご紹介している環境都市工学部のみ、50.0～60.0と少し高めとなっております。

特に大きな差は見られないため、工学部の偏差値ボーダーは50.0～60.0であると言えるでしょう。

なお、同じ工学系学部ではありますが、学習領域はかなり異なるため、何について学びたいかをしっかり見極めましょう。

関西大学の環境都市工学部の評判や口コミ

ここでは、関西大学環境都市工学部の評判や口コミを見ていきましょう。

授業はきちんと出席すれば理解できるようになっていて、詳しく聞きたければ教授に直接聞けば答えてくれます。

授業内容自体は他の大学の建築学科とあまり変わりないと思いますが、村野藤吾建築が好きな人には、キャンパス内に村野藤吾建築が沢山あり、詳しい教授もいるのでお薦めです。

出典：みんなの大学情報

化学を使って社会に貢献したい、と考えているならおすすめです。

概要から詳細まで、分からないところも少しずつしっかりと学習できる環境が揃っているので安心できます。

実験の授業や研究室等の設備は、発展的な学びを得るのに十分だと思います。

出典：みんなの大学情報

自分の学科についての知識がしっかり学べて、授業に関してもしっかり出席していれば理解できるといった意見が目立ちます。

また、日本建築家協会会長・イギリス王立建築学会名誉会員およびアメリカ建築家協会名誉会員であった村野藤吾の建築がキャンパス内に多いとのことで、実際に建築を視覚的に見て学ぶことも可能であるため、建築をしっかり学びたい方、村野藤吾の建築に興味がある方にもおすすめです。

そして、口コミからもわかる通り、まちづくりなどに関わる環境都市工学部は、社会に貢献したいと考えている方にはおすすめの学部となります。

関西大学の環境都市工学部がおすすめな方

下記のような方には、関西大学の環境都市工学部がおすすめです。

それぞれ順番に解説します。

まちづくりに興味がある方

環境都市工学部では、どの学科においてもまちづくりが重要なテーマです。

そのため、まちづくりや都市デザインについて興味がある方に、関西大学の環境都市工学部は非常におすすめです。

多くの教授がそれぞれ別の分野の研究を行っており、自分でどの教授のゼミに入るかなども選択できるため、自分の興味がある分野の学習に集中できるでしょう。

建築関係の職に就きたい方

関西大学の環境都市工学部を卒業した生徒の多くが、建築関係の職業に就いています。

また、大学内で建築関係で働く上で必要な知識は、網羅的に学習できるため、就職後すぐに活躍する機会が得られる可能性も十分に考えられます。

建築関係の職に就きたい方にとって、環境都市工学部は社会で活躍する上での近道と言えるでしょう。

大学院進学も検討している方

関西大学の環境都市工学部の卒業生の中には、大学院に進学する方も大勢います。

そのため、入学前の段階から大学院に進学し、より深くまちづくりについて探求したい方にとって、非常に良い環境と言えるでしょう。

なお、大学院の修了者の進路決定率も96%を超えており、進路を決定する際も様々な選択肢の中から、自分に適した進路を選べるでしょう。

関西大学の環境都市工学部とシステム理工学部を比較すると

関西大学の環境都市工学部とシステム理工学部はどちらも工学系の学部となっておりますが、今回は2つの学部にどのような違いがあるのか見ていきましょう。

各学部の特徴

環境都市工学部では、建築やエネルギー等のまちづくり的な観点からSDGsの分野にも力を入れ、持続可能な都市づくりや暮らしのデザインをキーワードとして考え研究します。

一方、システム工学部では、「システム＝しくみ」と捉え、「しくみづくり」を基幹コンセプトとして科学技術システムにおける高機能で安全なしくみの創造を理念に掲げています。

どちらも、工学系の学部であり、ヒトの暮らしに関わることについて共通点があります。

しかし、環境都市工学部に比べて、システム工学部はより科学技術的な分野であることが、2つの学部の最大の違いではないでしょうか。

難易度

まず、各学部の偏差値に関して、偏差値の紹介でも述べた通り、環境都市工学部の偏差値は50.0～60.0、システム工学部の偏差値は50.0～55.0となっております。

また、共通テストにおける得点率は、環境都市工学部が74～80%、システム工学部が72～78%となっております。

各学部の学科によっても異なりますが、偏差値や共通テスト得点率の観点から見て、難易度に特段大きな差はないでしょう。

関西大学の環境都市工学部に合格するには

ここでは、関西大学環境都市工学部に合格するための3つのポイントを見ていきます。

関西大学環境都市工学部に合格する3つのポイント

関西大学の環境都市工学部に合格するには、下記の内容を行うことが大切です。

それぞれ順番に解説します。

例年の問題を把握する

関西大学の環境都市工学部を受験する場合は、まずは例年の問題の傾向を把握しましょう。

例年の問題の傾向を把握することで、対策として適切な勉強を行うことができ、効率の良い学力の向上に繋がります。

例年の問題を把握するために、できる限り過去問を遡り、一通りの問題を確認しましょう。

余裕があれば、関西大学の環境都市工学部に特化した模擬試験を受けることで、より出題傾向を正確に理解できるでしょう。

学習に充てる時間を増やす

関西大学の環境都市工学部に合格するためには、学習に充てる時間を増やすことが大切です。

関西大学の環境都市工学部を受験する際には、広い範囲を深く理解する必要があり、そのためにはそれぞれの分野の勉強に時間をかける必要があります。

学習時間が不足していると感じる場合は、入塾などを検討の上、学習時間を確保するための対策を打つようにしましょう。

学習塾を活用する

大学受験をする際に学習塾を利用することも、学習を効率的に進めていくうえでの1つの手段となります。

学習塾では、基礎知識の定着や知識の応用・難易度の低い問題から高い問題まで、プロ講師がしっかり対応してくれます。

勉強時間が取りにくい方や何を勉強したらいいかわからない方などは、学習塾に通うことで独学で勉強するよりも効率的かつ効果的になり、学力向上が容易になるかもしれません。

志望校に合格するために、学習塾の活用も検討してみてください。

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まとめ

本記事では、関西大学の環境都市工学部の概要や、合格するためのポイントについて解説しました。

関西大学の環境都市工学部は、まちづくりや建築に携わりたい方にとって、社会に出てからも使える知識を身に着けられる、実践的な学部です。

一般入試だけではなく、AO入試やSF入試もあり、学力が不足していたとしても入学のチャンスがあるため、諦めずに入学の方法を模索することが大切です。

ぜひ本記事を参考に、効率的に関西大学の環境都市工学部を目指してみてはいかがでしょうか。