分詞形容詞で感情動詞を使うポイントと分詞構文の特殊パターンと作り方
分詞形容詞は、分詞を単体で意味の通じる形容詞にしたものを指します。
分詞形容詞の代表的なものはワクワクさせるという意味のexcitingや、凍ったという意味のfrozenなどが該当します。
分詞構文は現在分詞や過去分詞を用いて、主節を修飾します。
「接続詞+主語+動詞」で構成されている文章は、分詞構文にすると、文章を短縮してわかりやすく表現できるようになります。
分詞構文は新聞・書籍・論文といったフォーマルな文章で使われることが多く、日常会話ではあまり使いません。
ただ入試問題ではよく出題されるので、文章の組み立て方を理解しておくのが大切です。
今回は分詞構文と分詞形容詞について見ていきたいと思います。
分詞形容詞とは?
分詞形容詞とは、分詞をそれ単体で意味の通じる完全に形容詞にしたものです。
「動詞+~ing」や、「動詞+~ed」と同じ形状をしていますが、動詞の性質は失っているのが特徴です。
分詞形容詞のチェックポイントは次の通りです。
CHECK
- 動詞+~ing、動詞+~edと同じ形を持っている
- 動詞としての性質は失っており、形容詞として使われる
- 辞書で見出し語になっている場合が多い
- 分詞とは違ったニュアンスで使われることもある
- 動詞に由来していないことがある
感情動詞を分詞形容詞にすると意味が変わる
感情動詞を分詞形容詞にするときは、思っている意味と若干変わることに注意しなくてはなりません。
感情動詞を分詞形容詞にすると意味が変わる例を「excite」という単語を使って解説します。
例)I was excited to see the actor. 「私はその俳優を見て興奮した」
この文で使用しているexciteは、excitedで過去分詞ですが、「〜される」という意味になっています。
もう1つ例文を挙げます。
例)His story was exciting to me.「彼の物語は私を興奮させた」
こちらではexcite+ing「exciting」は現在分詞ですが、「〜させる」という意味になっています。
excitedとexcitingでそれぞれ過去分詞と現在分詞の2つを形容詞として使っています。
「あれ?現在分詞〜ingは『〜させる』という意味で、過去分詞は『〜される』という意味なのでは?」と疑問に感じるでしょう。
入試問題で引っ掛け問題として出題されるパターンです。
感情動詞とは
例文でも紹介したexciteは感情動詞と呼ばれています。
-
感情動詞とは、3秒後に自分自身がなれない感情を表す動詞のことです。
例えば、3秒後に興奮するというのは難しいですよね。
3秒後に突然疲れることも難しいでしょう。
自分自身は3秒後になれない感情だとしても、相手をその状態にさせることはできます。
たとえば相手を興奮させる、仕事を依頼して疲れさせるというのは可能です。
感情動詞にはほかにもたくさんあります。
感情動詞として使われている単語を紹介しますのでご覧ください。
- agitate「動揺させる」
- amaze「びっくりさせる」
- astonish「びっくりさせる」
- bore「退屈させる」
- confuse「困惑させる」
- delight「喜ばせる」
- disappoint「失望させる」
- excite「興奮させる」
- impress「感動させる」
- interest「興味を起こさせる」
- move「感動させる」
- offend「怒らせる」
- relieve「安心させる」
- satisfy「満足させる」
- scare「怖がらせる」
- shock「あきれさせる」
- surprise「びっくりさせる」
- thrill「感動させる」
- tire「疲れさせる」
- worry「心配させる」
CHECK
- 分詞形容詞は物がS(主語)であれば現在分詞(~ing)
- 人がS(主語)であれば人から感情を受けることになるので過去分詞(p.p)
分詞構文とは?
分詞構文とは、動詞を副詞として使うもので、名詞以外を修飾する形で使いたいときに使います。
文章の形態にも特徴があります。
分詞構文は以下のような文章です。
例)Walking along the street, I saw her.「私は歩いている時に彼女を見た。」
このように分詞からスタートしていて、,(カンマ)で区切られていて「主語S+述語V」がきている文章を分詞構文といいます。
動名詞・分詞とは?
動詞をほかの品詞として使うものとしては、分詞構文以外にも動名詞や分詞があります。
動名詞は、動詞を名詞として使います。
また、動詞を形容詞として使うのが分詞です。
分詞構文は動詞を副詞として使うものです。
分詞構文は文のはじめ、文中、文末のいずれかに使われます。
それぞれ、以下のような構造になります。
- 文のはじめ:分詞構文+主語+動詞+その他
- 文の中盤:主語+分詞構文+動詞+その他
- 文の終わり:主語+動詞+その他+分詞構文
分詞構文の作り方のルール
分詞構文を学ぶうえで一番大切なのは、分詞構文の作り方のルールを覚える事が大切です。
分詞構文の作り方のルール
- Step1:接続詞を消す
- Step2:主語が同じなら接続詞側の主語を消す
- Step3:動詞を意味に合わせて分詞に変える
〜しているというニュアンスであれば現在分詞に変えて、〜されるというニュアンスであれば過去分詞を使います。
プラスアルファで覚えておきたいのはbe動詞は省略してもOKということです。
以下の例文を見てみましょう。
例)Because I got up early I was able to catch the bus.「早起きしたのでバスに乗ることができた」
まずStep1の接続詞を消すに従い「Because」を消します。
Step2は主語が同じなら接続詞側の主語を消すなので、Becauseの後ろにある「I」も消します。
Step3は動詞を意味に合わせて分詞に変えることです。
今回の例文は「got up early」は早く起きたという能動的な意味になるので、「got」を現在分詞の「getting」に変えます。
完成した文章は次の通りです。
Getting up early, I was able to catch the bus.
ほかの例文も見てみましょう。
例)If it is seen from the distance, the rock looks like a lion.「遠くから見るとこの岩はライオンのように見える」
まずStep1の接続詞を消すので「If」を消します。
次Step2は主語が同じなら接続詞側の主語を消すなので、Ifの後ろにある「it」と「the rock」は同じ意味を表すので「it」も消します。
Step3は動詞を意味に合わせて分詞に変えることです。
今回の例文の「is seems」は受動態になっているので、受けているというニュアンスなので「~する」ではなく「~される」を意味する過去分詞に変えます。
この場合「being seen」になりますが、be動詞は省略してもOKなので完成した文章は次の通りです。
Seen from the distance, the rock looks like a lion.
例)When I was running in the park, I saw her.「公園を走っている時、彼女を見ました」
この文章も同じように接続詞の「When」を消し、Whenの後の「I」も消します。
「was running」はbe動詞を省略して「running」とします。
完成した文章はRunning in the park, I saw her.となります。
例)My Plane leaves Tokyo at ten, and arries in Okinawa at two.「私の飛行機は10時に東京を出発し、沖縄に2時に着きます」
こちらの文章は、先に紹介した3つの例文とは文章が少し異なります。
まず後ろの文章に主語がありません。
考え方は同じで、まず接続詞「and」を消しましょう。
andには、後ろにつなげた文章の同じものを消すことができるという法則があります。
この場合は「arrives」を「arriving」に変えてあげます。
そうするとMy Plane leaves Tokyo at ten, arriving in Okinawa at two.
分詞構文を作成するときにルールを意識して変えなければならないのかというと、文章を読んだときに接続詞や主語が消えているからです。
接続詞や主語を補って文章を読む意識を持つのが大切なポイントです。
CHECK
- 分詞構文は接続詞や主語が消えているので補って文章を読む
- 分詞構文をみたらそれに合った接続詞や主語のニュアンスを意識する
例文・練習問題をもとに理解しよう
では、分詞構文の練習問題に取り組みましょう。
次の文章を1.2は分詞構文に書き換え、3.4は和訳を書きなさい。
1)Because I was sick, I didn’t go to school.
2)Though it was written centuries ago, the book is still popular.
3)Being busy, I can’t go shopping with you.
4)Seen from the space, the moon looks like a white ball.
できましたか?
では、解答を見てみましょう。
1)Being sick, i didn’t go to school.
2)Written centuries ago, the book is still popular.
3)忙しいので、私はあなたと買い物にいくことができません。
4)宇宙から見ると、月は白いボールのように見える
分詞構文は高校英語の中で少しつまづきやすい文法です。
長文のなかではよく出てきますし、上位校の問題でも頻出です。
3つのステップを思い出し、接続詞や主語を補いながら動詞の意味を考えながら訳してあげましょう。
分詞構文の特殊なパターンとは?
ここからは、分詞構文の特殊なパターンについて紹介していきます。
分詞構文の特殊パターン3種類
- 否定文
- 時差があるとき
- 主語が違うとき
分詞構文の特殊パターンはどちらかの文章が否定文の場合、2つの文章に時差があるとき、2つの文章の主語がそれぞれ違うときの3パターンがあります。
一つずつ例文を参考に見ていきましょう。
否定文
まず否定文を含む分詞構文です。
例)As he didn’t know what to say, he kept silent.「彼は何を言ったらよいのかわからず、黙っていた」
まず接続詞のasを消します。
続いて接続詞側のheを消します。
ここで注意が必要なのは、didn’tという単語は、普通の動詞しか後ろにつけられない点です。
この場合didn’tのnotだけを残し、その後ろは「知っている」という能動的な意味を表すため、knowingをつけましょう。
完成した文章はNot knowing what to say he kept silent.です。
もし接続詞の中に否定語がある場合は、普通に分詞構文を作ったあと、前にnotを付けましょう。
時差があるとき
続いて前後2つの文章に時差があるときについて説明します。
以下の例文を元に見ていきましょう。
例)Since she had failed before, she didn’t want to do that.「彼女は前に失敗したことがあったので、それをやりたがらなかった」
「had failed before」は前に失敗したことがあるという過去で、「didn’t want to」は現在の状況を指します。
このように時差がある場合、まず接続詞を消します。
続いて接続詞側のsheを消します。
時差を表したい場合は、完了形を使いましょう。
今回の例文の場合は、「had failed before」を完了形にして、Having failed before, she didn’t want to do that.とします。
時差を表したい場合は、分詞を「having+p.p」にします。
例)Though it was built decades ago, the building remains beautiful.「何十年も前に建てられたけれど、その建物は美しいままである」
まずThoughを消します。
「it was built decades ago」という過去と、「the buiding remains beautiful」という現在が存在し、時差があるため「having+p.p.」を使います。
そして今回は受動態なので、be動詞は省略せずに使用しましょう。
完成した文章は次の通りです。
Having been built decades ago, the building remains beautiful.
-
受動態のニュアンスを入れたい場合は「having+been+過去分詞」を使います。
主語が違うとき
続いて、主語が違うときについて説明します。
以下の例文をもとに見ていきましょう。
例)If it rains tomorrow, I’ll stay home.「もし明日雨が降ったら、私は家にいるでしょう」
まず接続詞のifを消します。
主語が一緒の意味であれば接続詞側の主語を消しますが、今回の例文では主語が異なります。
主語が違う場合は残しましょう。
動詞を分詞に変えるので、完成した文章はIt raining tommorow, I’ll stay home.となります。
主語が違う場合はそのまま残した状態で、動詞を分詞に変えましょう。
例)Because there was no cab, he had to walk.「そこにはタクシーがなかったので、彼は歩いていかなければならなかった」
まず接続詞のBecauseを消します。
thereは残した状態にして、There being no cab,he had to walk.とします。
There beingというのは文法書にはあまり出てきませんが、よく出てくるので要チェックです。
CHECK
- 否定文の分詞構文はnotから始める
- 時差がある時は分詞を「having+p.p」にする
- 主語が違う場合は、接続詞側の主語を残す
分詞構文の慣用表現
分詞構文の慣用表現を2つ紹介します。
例)Judging from her face, she is angry.「彼女の顔から判断するに、彼女は怒っている」
Judging fromは「~から判断すると」という意味になります。
例)All things considered you had better not do that.「あらゆることを考えるとあなたはそれをしないほうがいい」
「All things considered」は、「全てのものが考えられ得ると」=「あらゆることを考慮すると」という意味です。
- generally speaking:一般的に言えば
- strictly speaking:厳密に言えば
- frankly speaking:率直に言えば
- judging from ~:~から判断すると
- considering ~:~を考慮すると
- taking ~ into consideration:~を考慮に入れると
- speaking [talking] of ~:~と言えば
- frankly speaking:率直に言えば
- weather permitting:天気が良ければ
- compared with ~:~と比較すると
- all things considered:あらゆることを考慮すると
分詞構文の問題演習
では、分詞構文の問題演習に取り組みましょう。
次の文章を分詞構文に書き換えなさい
1)As I didn’t know what to say, I remained silent.
2)Since he had met her before, he noticed her at once.
3)While I was taking a shower, he was reading a book.
4)Though there were many books at the store, I couldn’t find the book I want.
できましたか?
では、解答を見てみましょう。
1)Not knowing what to say, I remained silent..
2)Having met her before, he noticed her at once.
3)I taking a shower, he was reading a book.
4)There being many books at the store, I couldn’t find the book I want.
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まとめ
今回は、分詞形容詞と分詞構文について学習しました。
分詞形容詞は感情動詞を使うときには通常の意味と違った使い方をします。
分詞形容詞は物が主語の場合は現在分詞~ingで、人が主語の場合は、人から感情を受けることになるので、過去分詞p.p.を利用します。
また、分詞構文は動詞を副詞として使うものです。
分詞構文をつくるときは作り方のルールに則って作成する必要があります。
接続詞を消す、主語が同じなら接続詞側の主語を消す、動詞を意味に合わせて分詞に変えるの3つの手順に沿って分詞構文を作りましょう。
【初心者でもわかる】この記事のまとめ
「分詞形容詞」に関してよくある質問を集めました。
分詞形容詞で動詞に由来しないものはありますか?
分詞形容詞には、動詞にも名詞にも関連しない独自の語形の単語があります。 例えばashamed(恥ずかしく思う)、assorted(各種取り揃えた)、beloved(人気のある)などが動詞に由来しない分詞形容詞です。動詞に由来しない分詞形容詞の詳細はこちらを参考にしてください。
感情動詞を分詞形容詞にするときに気を付けるべきコツはありますか?
日本語では感情は内から湧き上がると考えられていますが、英語では、感情は受け取るものと判断されています。そのため、英語で感情を表現するときは受動態で表現します。日本語との違いを知ると、感情動詞の使い方をしっかり理解できるでしょう。感情動詞を分詞形容詞にするときに気を付けるべきコツについてはこちらを参考にしてください。
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