神戸大学は兵庫県にキャンパスがある国立大学で、医学部の他、理学部・工学部・文学部などの学部があります。

医学部は、海外実習もあるなど豊かなカリキュラムが特徴です。

偏差値は非常に高く、医学部の中でも屈指の難易度です。

どの試験科目も幅広い分野から出題され、総合的な実力が求められるため、入念な準備が必要です。

この記事では、神戸大学医学部のカリキュラムや学費、入試科目や必要な対策などを紹介します。

神戸大学医学部の基本情報

神戸大学の基本情報
正式名称	神戸大学
大学設置年数	1902年
本部所在地	〒657-8501 兵庫県神戸市灘区六甲台町1-1
キャンパス	六甲台第1キャンパス/六甲台第2キャンパス/鶴甲第1キャンパス/鶴甲第2キャンパス 楠キャンパス/名谷キャンパス/深江キャンパス

まず、神戸大学医学部の基本情報を解説します。

神戸大学医学部について何も知らない方やあまり詳しく知らない方は、ご参照ください。

キャンパス・学部

神戸大学医学部医学科の生徒は、主に楠キャンパスで学習しています。

医学部医学科の他に、医学研究科医科学専攻や、神戸大学附属病院が存在します。

保健学科の生徒は主に名谷キャンパスで学習します。

なお、1年次のみ、基礎教養科目を中心に鶴甲キャンパスで学習を行い、クラブ・サークル活動やその他の活動に参加します。

神戸大学医学部の特徴

複数のキャンパスで授業を受けることができる

神戸大学医学部では、複数のキャンパスで授業を受けることができます。

1年次は、全学共通授業科目と呼ばれる基礎教養科目や外国語などの科目と、転換教育と呼ばれる科目のうち現代医療と生命倫理の2科目を鶴甲キャンパスで履修し、転換教育科目の残りの科目（医学序説、細胞生物学、初期体験臨床実習）を楠キャンパスで履修します。

2年次からは、楠キャンパスで専門科目を履修します。

2・3年次では、基礎医学として人体の構造と機能や病理病態について学びながら、問題解決型学習を取り入れた授業で課題解決能力を育成していきます。

学生の海外派遣

神戸大学医学部では、6年次に個別計画実習として海外での実習に行くことができます。

学生が自ら考えた実習計画に基づき、臨床実習だけではなく研究室や海外での実習も対象とします。

また、学生一人一人に対して丁寧な指導を行うため、教授または准教授がチューターとなり指導を行います。

5年次の実習では大学病院の全臓器別診療科にて臨床経験を広く積みますが、6年次の実習ではより医療チームの一員として深く学ぶため、より高度な知識や診察スキルを習得することができます。

個別計画実習はその一環として行われ、海外での臨床または研究実習を行うことで、国際的な視野を獲得することを目指します。

神戸大学医学部の学科紹介

医学部には、医学科と保健学科の2種類あります。

特に、保健学科は、4つの専攻に分かれています。

そのため、ここでは、保健学科の4つの専攻の特徴を紹介していきます。

看護学専攻

看護学は、個人や家族、地域社会、さらには国際社会が取り組む健康問題に対して、人間の優先と個別性を尊重しながら、環境と相互作用しつつ、健康的な生活を支援し、ヘルスプロモーションを推進する実践的な分野学問です。

看護学専攻では、学生が人間として、また専門職として成長するために必要な多様な学問領域を学び、看護学に関する高度な知識と技術を提供します。

養成、保健、医療、福祉などの広範な分野での実践、教育、研究、地域社会や国際社会に貢献できる人材の育成をします。

検査技術科学専攻

近年、医学や生命科学の発展は、基礎から応用に至る高度な技術の発展によって支えられてきました。

特に医学および医療分野では、優れた臨床検査技術の開発と実践がその進歩に大きく貢献してきたことは間違いありません。

病気の早期発見、診断、治療、そして健康状態の把握に耐えかねる臨床検査は、現在では医療の中心的な役割を担い、チーム医療の中でも重要な位置を占めています。

なのでそれに対応するためのより高度な専門知識、専門技術技術を育成します。

理学療法学専攻

近年、人口の高齢化や疾患構造の変化、さらに障がい者の社会復帰を支援する取り組みが進んでいる中で、人々の福祉向上の重要性が見据えています。

このような背景の中、リハビリテーション医学は機能回復を目指す重要な医学領域として位置づけられ、ますます重要な役割を果たしています。

理学療法は、物理的治療法や運動療法によって身体の機能回復を図るものです。

そのため、形態のチーム医療においては、医師や看護師など他の医療スタッフとの緊密な連携さらに、最近では物理療法や運動療法に使用される機器や技術の開発が急速に進んでおり、その進歩は目覚ましいものがあります。

理学療法学専攻では、既存の理学療法の知識を学び、科学的な視点で思考する力を養いながら、将来的には科学的根拠に基づいた効果的な理学療法を実践し、創造できる専門家の育成をしています。

作業療法学専攻

作業療法士のおもな役割は、医学の知識を十分に有したうえで、対象者の持つ作業特性を理解し、環境や個人因子を配慮した治療技術と支援を提供することです。

作業療法には、対象者の病状に応じた機能障害の回復、生活手段の習得、社会復帰への支援といった技術が求められます。

そのため、各分野における高度の専門的知識と技術を有した高度専門作業療法士の育成をしています。

神戸大学医学部の偏差値・倍率

ここでは、神戸大学医学部の偏差値について解説します。

さらに、神戸大学医学部に近い偏差値の医学部がある大学を紹介しますので、大学選びで迷っている方は、参考にしてください。

偏差値について

2024年度の偏差値

神戸大学医学部の2024年度の偏差値は、69.5です。

これは大学の医学部同士で比較してもかなり高い値であり、合格には高い学力が必要だということがわかります。

直近５年間の偏差値の推移

神戸大学医学部の直近5年間の偏差値の推移は、以下の通りです。

年度	偏差値
2020年	69.5
2021年	70.8
2022年	69.3
2023年	69.5
2024年	69.5

直近5年間はほとんど偏差値70近くと、非常に難易度が高いことは間違いありません。

入念な受験対策が求められます。

国公立医学部偏差値ランキング

神戸大学医学部の偏差値は、全国の医学部82校の中で10位となっています。

各校の医学部の中でも上位の大学であると言えるでしょう。

また、医学部のある国公立大学は全国に50校あります。

国立医学部の偏差値ランキングを上位10校ランキング形式で紹介します。

順位	偏差値	大学名	都道府県
1	76.8	東京大学	東京都
2	76.2	京都大学	京都府
3	73.7	大阪大学	大阪府
4	73.3	東京医科歯科大学	東京都
5	70.2	九州大学	福岡県
6	69.8	千葉大学	千葉県
7	69.5	名古屋大学	愛知県
8	69.5	神戸大学	兵庫県
9	69.5	山梨大学	山梨県
10	69.2	東北大学	宮城県

国公立大学の医学部の中で、神戸大学医学部は、第8位に位置しています。

レベルがとても高いことが分かります。

そのため、滑り止めの大学の受験を検討しておくべきです。

神戸大学と偏差値が近い私立大学

神戸大学医学部より偏差値が高い私立大学医学部をご紹介します。

神戸大学より偏差値が高い私立大学は、以下の通りです。

偏差値	大学名	都道府県
74.2	慶応義塾大学	東京都
70.3	東京慈恵会医科大学	福岡県
69.7	順天堂大学	愛知県

神戸大学医学部より偏差値が高い私立大学の医学部は、3校しかありません。

次に、神戸大学医学部より偏差値が低い私立大学医学部をご紹介します。

神戸大学より偏差値が低い私立大学は、以下の通りです。

偏差値	大学名	都道府県
69.0	日本医科大学	東京都
68.3	関西医科大学	大阪府
67.8	自治医科大学	栃木県
67.8	大阪医科薬科大学	大阪府
67.5	国際医療福祉大学	千葉県

関西エリアで偏差値の近い大学は、関西医科大学や大阪医科薬科大学が挙げられます。

どちらも神戸大学の医学部よりは偏差値が低いため、志望校のレベルを少し下げたい場合は、上の二校が候補に入ってくるでしょう。

また、神戸大学医学部より偏差値が低い私立大学は多くあるため、選択肢は多いです。

共通テスト得点率ボーダー

神戸大学医学部の共通テストでのボーダー得点率は、2024年で87%、2022年と2023年は82〜87%となっています。

こちらも偏差値同様、非常に高い値と言えるでしょう。

各入試方法の倍率

神戸大学医学部医学科の倍率は、およそ3.2倍となっています。

なお、保健学科の倍率は、専攻ごとに以下の通りとなっています。

決して気を抜けない倍率であるため、注意が必要です。

神戸大学医学部の費用

ここでは、神戸大学医学部の費用について解説していきます。

医学部は、料金が費用が高いので、しっかりと確認してから受験するようにしてください。

学費は、以下の表の通りです。

学生区分	授業料(円)		入学料(円)	検定料(円)
学部	年額	535,800	282,000	17,000
大学院研究科	年額	535,800	282,000	30,000
聴講生	1単位	14,800	28,200	9,800
科目等履修生	1単位	14,800	28,200	9,800
乗船実習科	6か月	267,900	169,200	18,000
研究生	月額	29,700	84,600	9,800
特別聴講学生	1単位	14,800	ー	ー
特別研究学生	月額	29,700	ー	ー

国立大であることもあり、医学部にしては比較的安価な学費となっています。

授業料は、前期（４月）、後期（１０月）の２期に分けて納入します。

【2025年】神戸大学医学部の入試日程

ここでは、神戸大学医学部の入試日程について解説していきます。

2025年に神戸大学医学部に受験をしようと考えている方は、参考にしてください。

一般試験

一般試験入試日程は、以下の表の通りです。

日時	前期	後期
出願期間	2025年1月27日（月）〜2月5日（水）	2025年1月27日（月）〜2月5日（水）
試験日	2025年2月25日（火）	2025年3月12日（水）
合格発表日	2025年3月10日（月）	2025年3月21日（金）

なお、医学部医学科に関しては後期日程の試験はないため注意が必要です。

さらに、前期と後期の出願期間が同じな点も注意してください。

補欠合格の発表期間は、前期と後期同じで、3月28日（金）~3月31日（月）までです。

総合型選抜

総合型選抜の入試日程は、以下の表の通りです。

出願期間	2025年1月14日(火)から令和7年1月22日(水) 17時まで
試験日	2025年2月9日（日）
合格発表日	1次試験：2025年2月6日（木）15時
	2次試験：2025年2月12日（水）10時

第１次選抜合格者に送付する選抜結果通知書は、最終選抜の受験票を兼ねます。

ですので試験当日、大学入学共通テスト受験票とともに、必ず持参してください。

合格発表は、大学のホームページに掲載と電子郵便により通知されます。

神戸大学医学部の試験科目・配点

ここでは、神戸大学医学部の試験科目と配点について解説していきます。

神戸大学医学部に受験を検討している方は、参考にしてください。

一般試験

神戸大学医学部の一般試験では、大学独自のテストと共通テストの両方を受けなければなりません。

神戸大学医学部医学科における共通テストの要求科目と配点は以下の通りです。

教科	科目	科目数	配点
国語	「国語」	1	80
地理歴史 公民	「世界史B」、「日本史B」、「地理B」、「倫理、政治・経済」から1科目選択	1	40
数学	「数学I・数学A」と、（「数学II・数学B」「情報」「簿記」）から1科目選択	2	80
理科	「物理」、「化学」、「生物」から2科目選択	2	80
外国語	「英語」、「ドイツ語」、「フランス語」、「中国語」、「韓国語」から1科目選択	1	80

また、二次試験の要求科目と配点は以下の通りです。

科目	詳細	点数
数学	数学I・II・III、数A・数B（数列・ベクトル）から出題	150点
理科	物理、化学、生物から2科目	150点
英語	コミュニケーション英語基礎・I・II・III、英語表現I・II、英語会話から出題	250点

一般選抜は、共通テストの成績と大学独自の試験の成績の両方で評価されます。

面接はありません。

総合型選抜

総合型選抜の選抜方法は、共通テストの点数と面接です。

科目	配点
国語	150
数学	200
英語	200
公民	50
地歴
理科	200
情報	25
面接・口述試験	50
合計	925

地歴と公民の両方を受験した場合、第１解答科目の成績が評価されます。

出願者数が募集人員の約２倍を上回る場合は，大学入学共通テストの成績により第１次選抜を行います。

そしてその通過者のみ、2次試験の面接・口述問題を行うことができます。

神戸大学医学部の5年間の合格最高点・合格最低点

神戸大学医学部の合格最高点・合格最低点は、以下の通りです。

受験年	合格最低点	合格最高点
2021年	613点	714点
2022年	619点	720点
2023年	650点	735点
2024年	649点	740点
2025年	687点	784点

合格最低点は613〜687点で推移しています。

2023年に急激に最低点が高くなり、2024年も続きました。

しかし、最高点はあまり変化がみられなかったです。

神戸大学医学部の口コミ

神戸大学医学部の口コミを2つ紹介します。

医師になるために必要な知識や、学問をしっかり学び国家試験の合格率も高いです。

皆が切磋琢磨し合って学んでいるのでとても良いですし、教授や先生方のサポートも手厚いです。

出典：みんなの大学情報

周りの環境を非常に良いので、医師になりたいと思っている方には本当におすすめの大学です。

私自身、入学してから本当に集中して講義を受けることが出来ている。

出典：みんなの大学情報

周りの環境が良いとの声がありました。

周りから感化されて、学習への意欲も上がりやすくなります。

また、国家資格の合格率が高いとの声がありました。

講義の質が高く、教授のサポートが手厚いため、勉強の内容が定着しやすいです。

神戸大学医学部の入試の問題傾向と対策

ここでは、神戸大学医学部の入試問題の傾向と対策について解説します。

神戸大学医学部に受験を考えている方は、参考にしてください。

二次試験の問題傾向と対策

英語

英語の問題傾向は、次の通りです。

時間が厳しいため、総合的な英語力としっかりとした過去問演習が要求されます。

特に和訳問題は難易度が高く、語彙力・文法力・読解力の全てが求められます。

自由英作文は出題のパターンが幅広いため、過去問演習などの練習が必要です。

数学

数学の問題傾向は、次の通りです。

証明問題や複数分野が融合した問題等もあり、難易度は高いものの、丁寧な誘導があり、合格のためには着実な得点が必要です。

なお、出題頻度の高い単元は以下の通りです。

化学

化学の問題傾向は、次の通りです。

教科書を十分に理解していれば解ける難易度ですが、出題パターンがやや特殊なため、過去問演習が必要です。

また、語句や式の正確な暗記も要求されます。

生物

生物の問題傾向は、次の通りです。

分野・出題パターンともに広い範囲からバランスよく出題されるため、苦手分野を作らないようにしましょう。

空所補充型の知識問題や記号選択問題といった問題も多いため、取りこぼさないように注意が必要です。

物理

物理の問題傾向は、次の通りです。

生物同様幅広い分野からの出題が多いですが、特に力学・電磁気は毎年大問1と大問2で出題されているため、確実に押さえておく必要があります。

それ以外の大問の出題頻度は波動＞熱＞原子と言えますが、熱・原子については難易度が比較的低いため、標準的な問題に対応できれば十分である可能性が高いです。

神戸大学医学部の入試対策におすすめの塾

ここでは、神戸大学医学部の入試対策におすすめの塾を紹介します。

神戸大学医学部に向けて学習を続けているが、つまずいてしまっている方や今から勉強を始めようと考えている方は、参考にしてください。

京都医塾

京都医塾の基本情報

京都医塾の基本情報は以下の通りです。

京都医塾の基本情報
対象学年	高校生、高卒生
授業形態	個別指導、集団指導
展開地域	オンライン(全国)、京都府

オンライン学習であれば、全国どこからでも指導を受けられるのは良い点といえます。

オーダーメイドのカリキュラム

京都医塾はオーダーメイドカリキュラムにて生徒の指導をしています。

徹底的な分析のもと生徒にどのような学習をさせるべきなのかわかるのが大きなポイントです。

京都医塾が実施している分析は以下の通りです。

1日中勉強に集中できる環境

京都医塾では0時就寝の6時起床を推奨しており、生活リズムまで管理してくれます。

また、一人ひとりに個別ブースがあり、そこで自習や課題などを行うことが出来ます。

全員それぞれブースを持っているので教室や教材を移動させる必要がないのも集中できる特徴ですね。

ヒアリングに始まり、授業を通して学力に合わせて指導を変えていくことができるため、常に自分に合った勉強が可能となります。

集団指導や個別指導といったさまざまなスタイルで学習できるため、気になる方は問い合わせてみてください。

まとめ

この記事では、神戸大学の医学部について紹介しました。

神戸大学の医学部は、海外での実習など、深い学びを可能にするプログラムが豊富に用意されています。

非常に難易度が高く、受験する際には入念な準備が求められます。

入試問題の傾向としては、どの科目においても幅広い分野・出題パターンから出題されるため、総合的な実力が必要と言えるでしょう。

早くから英語の総合的な対策を実施することと、数学や理科は着実に得点を積み上げることが合格に向けてのポイントです。

幅広い分野を効率よく学習するため、塾に通うことも視野に入ってくるでしょう。