冠詞とは?定冠詞・不定冠詞のルールや使い分けを例文とともに解説!
英文でよく見かける、名詞の前に付く「a」「the」「an」は「冠詞」と呼びます。
日本語にはない要素のため、使い分けがピンとこない方が多いのではないでしょうか。
冠詞は名詞の前で使われており、名詞がどのような意味なのかを特定する役割を果たします。
ここでは、日本ではなじみのない「冠詞」について解説します。
冠詞には使い方のルールがあり、正しい文章を作るためにはルールを押さえましょう。
冠詞は試験にもよく出題されます。
冠詞の表現方法を勉強するうえでおすすめの学習塾も紹介します。
これらの内容をしっかりと押さえ、試験に出題されても解けるように練習しましょう。
冠詞とは
今回は、冠詞について解説します。
冠詞は名詞がどのような意味なのかを特定する働きがあります。
日本語には見られない要素なのでわかりづらいかもしれません。
ネイティブスピーカーがどのように使っているのか、一緒にコツを掴んでいきましょう。
-
冠詞は不定冠詞と定冠詞の2種類に分かれます。
ただ、すべての名詞の前に冠詞が付くという訳ではありません。
冠詞を使う用法は次の3種類あります。
- 不定冠詞
- 定冠詞
- 冠詞を使わない無冠詞
それぞれ不定冠詞の重要表現と定冠詞の重要表現、あえて冠詞をつけない無冠詞の重要表現の3つを解説していきます。
冠詞を使うパターンを例文を元に理解しよう
冠詞には不定冠詞と定冠詞の2種類あることを説明しました。
不定冠詞は「a」や「an」を指しており、定冠詞は「the」のことを指します。
ただ、なかには冠詞を使わずに文章を作成するパターンもあります。
入試でも冠詞はよく出題されますので、不定冠詞から見ていきましょう。
不定冠詞とは
ここでは、不定冠詞を使った例文を4つ紹介します。
- 1)There is a university in our town.
- 2)We have to wait for an hour.
- 3)A whale is a mammal.
- 4)He is a clever in a sense.
これらの例文から、不定冠詞の気を付けるべきポイントを理解しましょう。
不定冠詞とはaやanであると伝えました。
ネイティブスピーカーは、とあるという意味や、不特定だけどこれ というような漠然としたニュアンスを指すときに、不定冠詞を使っています。
このことを踏まえて、先ほどの例文を見ていきましょう。
不定冠詞の用法
1)There is a university in our town.「私たちの街には大学があります」
この文章で気を付けるべきポイントは2つあります。
まず、There is は「新しい情報を言うよ」というときに、ネイティブスピーカーが好んで使う表現です。
新しい情報を言うという文章なので、後ろの主語になる部分はaやanを使うか、所有格を使わずに無冠詞のものを使います。
気を付けるべきポイント2つ目はuniversityの前に付いている不定冠詞が「a」になっていることです。
不定冠詞のaとanは母音か子音かで使い分けます。
ただし、スタートの単語が母音か子音かではなく最初の発音が母音なのか子音なのかで使い分けましょう。
今回の例文ではuniversityは「う」ではなく「ゆ」で始まっているので、不定冠詞はanではなくaを使います。
2)We have to wait for an hour.「私達は1時間待たないといけない」
例文1のときと同様に考えてみると、hourの発音は「あ」で始まっているので不定冠詞はaではなくanを使う必要があります。
上記の理由から、2つ目の文章の不定冠詞は「あ」で始まっているので「an」を使います。
例文を元にパターンの違いを理解しよう
2つの例文では、名詞の発音が母音か子音かで判別しaかanを使い分けていました。
3つ目と4つ目の例文は、少しパターンが異なります。
3)A whale is a mammal.「鯨は哺乳類です。」
「mammal」は鯨という意味ですが、aをつけることによって「定まった哺乳類」というよりも「哺乳類というグループの中」にあるというニュアンスを言いたい時に使えます。
4)He is a clever in a sense.「彼はある意味クレバーな方です。」
cleverという形容詞の前に「a」をつけることによって「とある種の賢い人」といった、ぼやかす言い方ができます。
「一種の」というちょっと皮肉のようなニュアンスで言いたい時に使用します。
数えられる名詞の概念
冠詞は、名詞が特定の人やものなのかを示すために使われます。
名詞の属性を示すために使用する、と言った方がわかりやすいかもしれません。
不定冠詞を使うパターンは、後ろの名詞が数えられる名詞「可算名詞」である場合です。
可算名詞は次のような名詞です。
- animal(動物)
- book(本)
- cup(カップ)
- desk(机)
- driver(運転手)
- house(家)
- lake(湖)
数多くあるものから1つを選ぶために、不定冠詞であるaやanを使います。
とはいえ、可算名詞のなかには、抽象的な単語でも数えられる可算名詞に含まれるものもあります。
学習用の英語辞典には、可算名詞と不可算名詞にはそれぞれCとUのマークが付いているので、どちらかわからないときは辞書を調べると良いでしょう。
ただし、名詞の中には1つの単語で可算名詞と不可算名詞と両方の役割を果たす単語もあります。
物質を表す名詞は、可算名詞として使うと1杯、1個などと数を表すことも可能です。
- coffee(コーヒーそのもの)とa coffee(1杯のコーヒー)
- stone(石材)とa stone(1個の石)
- beautyr(美しさ)とa beauty(美人)
不可算名詞として使用するときは、冠詞を使わない無冠詞の状態で文章を組み立てます。
CHECK
- 不定冠詞aやanは数えられる名詞の可算名詞の前に付きます
- 名詞の中には可算名詞と不可算名詞の両方の役割を果たすものもあります
定冠詞とは
定冠詞は「the」のことを指します。
-
ネイティブがtheを使うのは共通認識を持っている場合で、自分も相手もしっかりわかっているというときにtheを使うことができます。
世の中に1つしかないものや、最初からそれとわかるものの前にtheを付けましょう。
例文を元にパターンの違いを理解しよう
ここからは、定冠詞の重要表現について例文を元に見ていきましょう。
1)Do you have the time?「いま何時?」
この文章は直訳すると「その時間を持っている?」という意味になりますが、「いま何時?」という意味で使われます。
the timeはみんなが共通認識できる時間で、「いまこの時、この時間」はどの人も共有してわかっているからです。
2)I pat her on the shoulder.「私は彼女の肩をポンと叩いた」
「動詞+人+前置詞+身体の部分」という文法の場合、身体の部分の前に付ける冠詞は定冠詞のtheを使います。
「その人のその部分」というお互いが認識しているニュアンスを出すために「the」を使います。
3)She bought the magazine by the week.「彼女は週おきに(週単位)でマガジンを買う。」
「by the week」は「決まったその単位で」というニュアンスで使うことができます。
単には皆が共通して持っている認識なので、定冠詞のtheを使います。
4)The rich is not always happy.「金持ちの人々はいつも幸せというわけではない」
「rich」という「金持ちな」という形容詞の前に「the」を付けると「~な人々」という言い方になります。
5)I have the same watch as yours.「私はあなたと同じ時計を持っている」
sameは同じという意味ですが、同じということは自分と相手の共通認識があるという意味になります。
sameの前は、ほぼ間違いなくtheが付きます。
正誤問題でよく試験にでるので覚えておきましょう。
唯一無二の名詞の種類
定冠詞のtheを付けて使用する名詞は、ほかには存在しない唯一無二の名詞です。
唯一無二の名詞を紹介しますので参考にしてください。
- moon(月)
- earth(地球)
- sun(太陽)
- water(水)
- money(お金)
- music(音楽)
- time(時間)
- art(芸術)
- food(食べ物)
- weather(天気)
定冠詞theを付けて使用する不可算名詞は、数えられないため常に単数扱いとなります。
be動詞の場合は三人称でisを使用し、一般的な動詞の場合はsを付けて三単現になる点に注意しましょう。
無冠詞とは?冠詞を使わない理由
無冠詞とは、冠詞が無い状態を表します。
不定冠詞aやanの「とある」「漠然とした一つの」や定冠詞theの共通認識のどちらも入れたくない時に無冠詞を使って文章を作ります。
無冠詞の重要表現
ここからは、無冠詞の重要表現について例文を元に見ていきましょう。
- 1)She sent me the data by e-mail
- 2)We elected Ken chairperson.
- 3)We studied from morning till night.
1)She sent me the data by e-mail「彼女はE-mailを通じてデータを私に送ってくれた」
e-mailを特定したり、「とある」というニュアンスを表すのではなく、「手段」として表したい時は、無冠詞にしましょう。
例えば、バスで学校に行くという表現でも、by the busと言わずにby busと言います。
2)We elected Ken chairperson.「私達はケンを議長に選出した」
「役職」を表したい時に「the」や「a・an」をつけてしまうとムダなニュアンスが含まれてしまいます。
theを付けてしまうと、みんなが知っているあの役職、のような意味になってしまいます。
aやanを付けると、「とある役職」のような意味になり、おかしな意味になってしまうので、役職を表現するときは冠詞は付けないのが基本です。
3)We studied from morning till night.「私達は朝から夜まで勉強をした」
moningもnightも名詞ですが、その夜やその朝という言い方はしないので、冠詞を付けず無冠詞で対応します。
ほかにも「day by day」「face to face」なども、冠詞は一切付けずに無冠詞で対応する表現です。
冠詞を付けないパターン
名詞の前に冠詞を付けない、もしくは省略するパターンはいくつかあります。
無冠詞になるパターンを4つ紹介します。
- 1)名詞の前に冠詞に相当する単語がある場合
- 2)名詞の具体性を見いだせないとき
- 3)特定の国名や地名を指すとき
- 4)慣用表現のとき
ここでいう冠詞相当の単語には、代名詞(所有代名詞、指示代名詞、疑問代名詞)および不定代名詞が該当します。
名詞の具体性を見いだせない単語は、手段や目的を示すものです。
例えば、交通(car、bus、air、on foot)や、通信(email、phone)などがあります。
ほかには、目的を示す単語で建物(school、work、bed、class)や食事(breakfast、lunch、dinner)なども、冠詞を使用しないパターンが多いです。
さらに冠詞を使わず無冠詞になる名詞には、国名や地名が挙げられます。
冠詞を使わず無冠詞になるパターンとして、慣用表現も挙げられます。
以下では、無冠詞の慣用表現を3つピックアップします。
- 1)day and night(昼も夜も)
- 2)in fact(実際は)
- 3)take place(起こる)
無冠詞になる場合は、名詞にいくつかのパターンが存在します。
紹介した単語例をもとに、無冠詞になるパターンを理解しておきましょう。
冠詞を使用した問題演習"
では、冠詞を使用した問題演習に取り組みましょう。
次の文章の日本語に当てはまるように( )に適切な語を入れなさい。
1)君はなんて正直な男の子なんだ!
What( )( )boy you are!
2)見知らぬ人が私の腕を掴んだ
A Stranger seized me( )( )( ).
3)彼と私は同じ高校を卒業した
He and I graduated from( )( ) high school.
4)彼らは隣あって歩いていた
They were walking ( )( )( ).
できましたか?
では、解答を見てみましょう。
1)What an honest boy you are!
2)A Stranger seized me by the arm.
3)He and I graduated from the samehigh school.
4)They were walking side by side.
CHECK
- 冠詞は不定冠詞と定冠詞に分けられる
- 不定冠詞と定冠詞は後ろにくる名詞が数えられるかどうかで決まる
- 冠詞を使わない場合もあるので注意しよう
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対象 | 高校生・大学生・社会人 |
---|---|
授業形式 | パーソナルトレーニング |
校舎 | 6教室 |
特徴 | 言語習得のプロによるパーソナルトレーニング |
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徹底した学習管理で効率を上げる
2つ目は、徹底した学習管理で効率を上げることです。
授業以外のトレーニングメニューも指定してくれるので、自習の際に「何から始めれば良いのか?」と迷うことがなくなります。
また、専用アプリで学習記録が可視化されるため、学習習慣の維持につながります。
CHECK
- 苦手を克服し最短で成績アップ
- 自習の際のメニューも指定してくれるので迷いがなくなる
- 専用アプリで学習記録が可視化されるため学習習慣が維持される
まとめ
冠詞は日本人にはあまりなじみの無いものです。
ネイティブは、共通認識、漠然とした何か、もしくはどちらも入っていない手段や方法であるかを、冠詞で判断しています。
変な冠詞を付けてしまうと、自分が伝えたい内容とは違ったニュアンスになってしまうこともあります。
正誤問題でも良く問われるので、冠詞のニュアンスをしっかり覚えながらポイントを学習し、入試に対応できるようにしましょう。
【初心者でもわかる】この記事のまとめ
「冠詞」に関してよくある質問を集めました。
冠詞と形容詞はどちらを先に置きますか?
冠詞は、名詞の前に置くのが基本です。名詞の前に形容詞や副詞がくる場合でも、冠詞は先頭に置きます。形容詞がある場合は「冠詞+形容詞+名詞」の順番です。さらに副詞が含まれる場合、「冠詞+副詞+形容詞+名詞」の順番になります。冠詞の詳細はこちらを参考にしてください。
冠詞のaとtheの違いを教えてください
冠詞のaは不定冠詞で、theは定冠詞と呼ばれています。不定冠詞は、とあるものや漠然としたものを指すときに使います。 theは定冠詞で、世の中に1つしかない名詞や、自分と相手と共通認識を持てる名詞に対し使用します。共通認識を持てる名詞としてはtime(時間)やsame~(同じ~)などがあります。 冠詞のa・theの違いについてはこちらを参考にしてください。
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