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更新日 2019.8.19

司法試験の内容や難易度とは、予備試験や勉強法、弁護士への道

「司法試験って具体的にはどんな試験なの?」

「司法試験って難しいと聞くけど合格率はどれくらいなの?」

このような疑問を抱く方は多いと思います。

今回の記事は、そんな司法試験について詳しく説明していきます。

弁護士になるには司法試験に合格する

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弁護士となるためには弁護士資格が必要です。

では弁護士資格はどのように取得できるのでしょうか。

結論から言えば、司法修習を終えた人が弁護士となることができます(弁護士法4条)。

他にも弁護士資格を得る特例(弁護士法5条)がありますが、実際にその特例を使って弁護士となる人の数は多くありません。

そのため、司法修習を終えることが弁護士になるために必要と言えます。

以上のように弁護士になるためには司法修習を終えることが必要です。

その司法修習を受けるためには司法試験に合格しなければなりません(裁判所法66条)。

つまり、弁護士となるためには司法試験に合格する必要があります。

以上で説明してきた通り、弁護士になるためには司法試験に合格しなければなりません。

現在行われている司法試験には受験資格が規定されています。

そのため、誰でも受験できるわけではありません。

司法試験の受験資格を満たすには、具体的には法科大学院を修了する予備試験に合格する必要があります(司法試験法4条)。

法科大学院とは法律の実務家になるために必要な素養を学ぶための専門職大学院です。

法科大学院には2年で修了できる既修者コース3年で修了することができる未修者コースがあります。

未修者コースでは一度も法律を学んだことのない人を対象に、法律論を一から学ぶことができます。

法学部出身者であっても、基礎をしっかり固めるために未修者コースに進学する人もいます。

法学を学んだことのない人であっても、基礎をしっかり学ぶ環境が整っているため、検察官、裁判官といった法律家になる道が開かれているといえます。

注意点としては、法科大学院で学ぶということは、大学院へ進学ということになります。

そのため、法科大学院ルートを選択するためには原則として大学を卒業することが必要となります。

また、法科大学院を修了すれば、法務博士という学位を取得することができます。

法科大学院に進学することのメリットとしては、2年間ないし3年間、大学の恵まれた環境でしっかりと勉強することできることなどがあります。

法科大学院に進学することのデメリットとしては費用の問題があります。

比較的安価と言われている国立大に設置されている法科大学院であっても1年あたり80万円以上の学費が必要となります。

金銭的に余裕がない場合には、予備試験ルートの検討奨学金制度などが充実した経済的支援のある私立大学に設置された法科大学院への進学授業料免除制度等の利用を念頭に国立大学の法科大学院に進学するといった選択する人が多いです。

予備試験とは、法科大学院修了者と同じ水準の知識があるかが問われる試験です。

法科大学院の高額な学費を払うことができない人に法律家の道を開くために行われています。

予備試験で司法試験の受験資格を得ることには費用の節約の他にもあります。

予備試験には受験資格が特にありません

そのため、10代で司法試験に合格することも可能です。

つまり時間の節約も可能である点が魅力です。

一方でデメリットとしては、試験対策範囲が法科大学院ルートより広くなる点があります。

予備試験対策には刑訴や民訴の短答式試験など、司法試験対策には必要ないものまでしなければなりません。

POINT

✔司法修習を終えることが弁護士になるための条件

✔司法修習を終えるには法科大学院に通うか予備試験を受ける必要がある

✔予備試験は受験資格の制限はないが法科大学院よりも試験範囲が広い

弁護士の仕事内容とは?

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司法試験に合格した後の弁護士の仕事は多岐に渡ります。

いつも忘れてはいけないこととしては「依頼者の利益を考える」ことです。

まず、代表的なところとしては、様々な法律相談や困りごとの解決方法の相談に乗るというものです。

基本的に弁護士は司法試験を通過した後はある程度法律に詳しい人と判断されますし、法律相談を受け付けることができます。

この法律相談は無料のこともありますが、中にはそこから訴訟や弁護士としての活動に発展することが多いため、あまり高額で受け付けることは多くありません

むしろ無料のサービスとして初回相談は無料としている所も多いのです。

弁護士というと、すぐに裁判をするイメージがあるかもしれません。

ですが、すぐに裁判にするだけではなく、その後にも再度相談をしたり、話し合いで解決できそうなら話し合いで解決することもとても大事なことです。

これはやはり依頼者との相談はもちろん、依頼者が困っているような内容の関係者からも話を聞くことがあります。

また、自分がよく分からない内容であれば専門家の知識を借りる場合もあるでしょう。

特にたくさんの人と関わるため、ある程度のコミュニケーション能力が重要です。

もちろん法律の知識も必要ですが、その案件についてのそれぞれの立場を考慮し、様々なことを考えながら解決に向かう事が重要でしょう。

何も裁判するだけが弁護士の仕事とは限らず、場合によっては極力裁判を避けるように動くことがとても重要です。

もし案件が裁判にまで発展した場合、その裁判への出廷も必要になります。

この時、依頼者の裁判の出廷だけではなく、場合によっては代理人として出廷する場合もあるのです。

というのも、法律や裁判というのは一般人には馴染みがなく、場合によっては一生関わることはありません。

このため、裁判について抵抗があったり必ずしも勝てるわけでない人を勝たせるために、弁護士として動く必要があります。

また、そのためには裁判で依頼者の考えや意見、依頼者がどうしたいのかというような希望も把握しておかなくてはなりません。

場合によっては裁判の技術を使って難しい局面を乗り越えることも必要になるでしょう。

また、中には法律による様々な処理を行う場合もあります。

これは例えば相続後の各種手続きだったり、法律に基づいた手続きが必要な場合、代理として弁護士が出る場合が必要になります。

この時に一般人が処理を行うと手間がかかったり不備がとても大きい場合は、弁護士が専門的に処理を受け付ける場合があるのです。

法律による様々な手続きについては、特に詳しい人と詳しくない人の間で大きな違いが出て来る場合があります。

このため、場合によっては自分でできることと自分でできないことを考えなくてはなりません。

場合によっては司法書士や税理士、行政書士などの様々な人達と協力して手続きを完了させなくてはならない場合があります。

最後に、司法試験に合格した後でもすぐに独立して個人事務所を持つわけではありません。

どこかの事務所に所属して、そこで経験を積むのが一般的です。

ですがその後独立した後には、自分の法律事務所の運営が必要になります。

自分の法律事務所については様々な仕事があり、場合によっては人を雇用したり、宣伝をしたりと広く動く必要があります。

これらを上手にこなすことで、もしかしたら大きな弁護士事務所になるかもしれません。

POINT

✔法律相談や困りごとの相談を受け付ける

✔話し合いや裁判での代理人の役割

✔独立した場合の法律事務所の運営

司法試験は最難関の国家資格

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司法試験は取得がとても難しいとされている医師などの資格ほどではありませんが、国の行政上大きく関わってくる国家公務員Ⅰ種などと同様に、最難関の資格といわれています。

合格すれば、弁護士などの資格がある職業に就けますが、その分敷居の高い資格なのです。

受験資格を取るためには、法科大学院で法律学未修者であれば3年、既習者であれば2年を経て卒業することで、受験の資格が与えられます。

法律学未修者は、1年間は基礎の法律科目を学び、2年で実務法律科目を学びます。

資格を得る方法はもう一つあり、司法試験予備試験に合格すれば資格を得ることができます。

この試験は、学歴や国籍などは関係なく、だれでも受けることが可能となっています。

司法試験予備試験は、法科大学院へ行きたくでも資金や時間の都合で行けない人でも、好きな時間に勉強してだれでも受験資格が得られるようにした制度です。

試験はいくつかの科目に分かれています。

公法系科目は、国家賠償請求訴訟の判例に弁護士としてどんな主張をするのか、反論を想定しながら憲法上の問題点などを問われます。

民事系科目では、土地賃貸借契約についての請求権の棄却などに対して根拠が問われ、他にも会社設立に関する会社法の問題点などが問われます。

刑事系科目は、覚せい剤取締法違反に対して捜査の違法性や具体的な事実を、証明力を争うための証拠の有無、裁判所が証拠として捜査が可能となるのかを問われる科目です。

その他に、選択科目の試験も実施されます。

高卒でも弁護士や検事になることはできますが、大学院への進学か予備試験に合格しなければならず、相当量の勉強をしたり、卒業後に専門学校などで法律を学ぶ必要があります。

大卒であれば、法科大学院への進学が必要となります。

法学部を卒業していれば、法律試験を受けて入学した場合、2年で卒業をすることができ司法試験を受けることが可能となります。

大学を卒業したからといって、司法試験に合格できる保証はありません

なぜなら、大学では法律の仕組みや判決例の講義が中心ですが、試験では具体的な案件の解決法を求められるからです。

司法試験に合格するためには、専門書をたくさん読んで知識を身につけなければなりません

法律の基本や判決例、論文などインターネットや書籍を上手に使うことで知識を植え付ける必要があります。

さらに、過去に出題された問題をしっかりと読み返して、その問題がどのような意図をもって出されているのかを理解することが大事になってきます。

それまでの出題がどんな傾向だったか、問題の意図を自分なりに読み取ってじっくりと検討し、答えを出すなど過去問題をしっかりと勉強することが重要なポイントとなります。

自分が出した答えに対して、解説をしっかりと理解し、専門書などを活用してとにかく同様の問題を少しでも多く解くことが対策といえます。

たとえ法律を専門的に学んだからといって、合格は約束されたものではありません。

弁護士や検事などプロの法律家として活躍するために、法律に限らず幅広い教養や専門知識が必要です。

また、教養や知識とともに案件に対して柔軟な思考力国際的な視野訴えるための語学力も必要とされるので、非常にハードルが高い資格といえます。

POINT

✔試験内容には、公法系科目、民事系科目、刑事系科目、選択科目がある

✔過去問を、問題の意図を読み取りながらたくさん解くことが大切

✔法律にかぎらず、幅広い知識や学力が必要

司法試験の合格率の推移

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司法試験合格率の推移を見ていくと、合格率が司法試験制度によって大きく影響されるということがうかがえます。

大きな司法試験改革がおこなわれたのは2006年です。

その年以前のいわゆる旧司法試験の合格率は、おおむね3%前後で長く推移していました。

新司法制度となってからは、これが大きく跳ね上がり、合格率は20%前後で推移するようになっています。

新司法試験では受験資格が限定されるようになり、誰でも受験できるというものではなくなりました

その影響が大きいと見られます。

またあえて司法試験改革をおこなったのは、法曹界の人間を増やすためであり、そのために合格基準が変わったとも見られ、その影響もありそうです。

2006年の新司法試験の合格率は、48%余りという高いものでした。

その翌年は40.2%、翌々年は33%、その翌年の2009年は27.6%と合格率はその後大幅に下がり続けます。

2010年に25.4%、2011年に23.5%と合格率はその後も下がり続け、そこでようやくいったん下げ止まります。

2012年に24.6%と初めて合格率が上昇しました。

2013年にも25.8%と合格率が前年より上昇したため、しばらくはその傾向が続くかと見られましたが、2014年には21.2%と大幅に下がり、新司法試験導入後の最少の合格率となります。

翌2015年は21.6%と微増にとどまり、2016年は20.7%と再び制度改革後の最小記録を更新します。

2017年の合格率は、25.8%でした。

2016年までの合格率は、対受験者で計算したものです。

このように司法試験制度改革後の合格率は飛躍的に上がったものの、国家試験としては依然として難関のままとなっています。

合格率が3%から20%に跳ね上がったことは、試験制度や方針がいかに合格率に大きく影響するかを物語っています。

法曹人口を増やそうとすれば、このように数字が劇的に上がるという結果にもなります。

合格率が7倍になったというのは、合格者が7倍に増えたということよりも変化の大きさを印象づけるものと言えるでしょう。

合格者を増やして、あとは消費者に該当する依頼者たちの選択眼に任せる、といった方針ともとれます。

それを歓迎する人がおおぜいいる一方で、不安に感じる人もいますが、ひと昔前のような弁護士不足の状況を放置するわけにいかないのは明らかです。

司法試験は国家試験の最難関として、公認会計士試験および国家公務員上級甲種試験と並び称されるものです。

公認会計士試験の合格率は、2016年で5.6%であり、司法試験よりも低くなっていますが、受験資格が制限されず、誰でも受けられることを考えると、旧制度下のような合格率になるのもうなづけます。

司法書士試験も受験資格がなく、同様に合格率が極めて低いものとなっています。

受験資格が制限されたことで、合格率が20%前後とはなりましたが、新制度下でも難関であり続けることに変わりはないようです。

ただそう考えたとしても、世間一般の人々からは、制度改革前よりは合格しやすくなっている、という目で見られてはいます。

現在は旧制度よりは合格しやすい状況と言えますので、今後再び制度改革がおこなわれ、合格するのが更に困難とならないうちに、受験するのが得策であると考えられます。

POINT

✔新制度の導入以降、合格率は大体20%くらい

✔旧制度よりも合格しやすくなった今のうちに受験しておくのが得策

まとめ

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弁護士になるためには、国家試験に合格する必要があります。

わが国で最難関であるとされる試験であり、合格率は受験資格制限があっても20%前後で推移するという厳しいものとなっていますが、旧制度よりは合格しやすくなっていると言え、今後の新たな制度改革に備えて、現在の制度下で合格しておくのが得策です。

弁護士は、さまざまな分野で活躍できます。

仕事は裁判における代理人だけではありません。

交渉の仲裁や企業法務などでも必要とされます。

社会的評価も高く、旧制度下では資格があれば生涯安泰とされていたほどです。

社会的信用が高く、それを有効活用して人の役に立つ仕事ができます。