【プロ家庭教師監修】慶應義塾大学の数学の傾向や対策、勉強法
最難関私立大学の慶應義塾大学。慶應義塾大学の入学試験の中で最も合否に関係する科目のひとつであるのが数学です。
数学を攻略することが慶應義塾大学合格への第一歩となります。
今回は、慶應義塾大学入試における数学の傾向や対策などについてご紹介いたします。
慶應義塾大学を受験予定の方は、ぜひ参考にして合格に役立てていただければと思っております。
■まとめ
慶應義塾大学の数学とは?
まず、過去に出題された慶應義塾大学の数学の基本情報をご紹介します。
基本情報を知って今後の勉強に役立てましょう。
慶應義塾大学の数学の基本情報
学部名 | 試験時間 | 配点(全科目の総合点) | 問題数 | 解答形式 |
---|---|---|---|---|
経済学部(A方式) | 80分 | 150点(420点) | 6題 | マーク式・記述式 |
商学部(A方式) | 70分 | 100点(400点) | 4題 | マーク式・記述式 |
総合政策学部 | 120分 | 200点(400点) | 5題 | マーク式 |
環境情報学部 | 120分 | 200点(400点) | 5題 | マーク式 |
理工学部 | 120分 | 150点(500点) | 5題 | 空欄補充式・記述式 |
医学部 | 100分 | 150点(500) | 4題 | マーク式 |
薬学部 | 80分 | 100点(350点) | 3題 | 空欄補充式 |
看護医療学部 | 80分 | 200点(500点) | 5題 | 空欄補充式・記述式 |
慶應義塾大学で数学を受験科目としていない学部
文学部と法学部は数学を受験科目に入れていません。
慶應義塾大学で数学が選択科目となっている学部
経済学部・商学部・総合政策学部・環境情報学部・看護医療学部は受験生の得意な教科を選択できる受験方式になっています。
【慶應経済学部】数学
【経済学部】数学の出題傾向・内訳
経済学部で出題される数学について紹介します。
出題範囲
経済学部で頻繁に出題される分野は、
「微分・積分」「ベクトル」「数列」「確率」「指数・対数」です。
三角比・三角関数についての問題はあまり出題されていない傾向にあります。
出題形式
例年大問1~3がマーク式、大問4~6が記述式で出題されます。
マーク式で一定の点数を得点しなければ、記述式が採点されない足切りが行われる
経済学部の数学ではマーク式で一定以上の得点をしなければ記述式問題が得点されないため注意しましょう。
出題傾向
出題される問題の難易度は標準レベルの問題が多いです。
しかし、問題数や計算量が多いだけでなくマーク式での得点率も上げなければならないため、スピーディーかつ正確性が求められます。
【経済学部】数学の対策
本番の試験では緊張感の中、素早い問題処理能力と正確に解答する力が求められます。
しかし、受験勉強をする上で解答スピードを気にしすぎてしまうと正確性が低下してしまう可能性がありますので、まずは問題を「正確に解く」ということを心がけて演習しましょう。
過去問を解く場合
過去問を解く場合は制限時間を少し短く設定し、その中でもマーク式の正解率の意識して演習しましょう。
✔︎マーク式で一定以上得点しなければならない
✔︎難易度は標準的
✔︎正解率を意識して勉強しよう
【慶應商学部】数学
【商学部】数学の出題傾向・内訳
商学部で出題される数学について紹介します。
出題範囲
商学部の数学で頻出の分野は「微分・積分」「ベクトル」「確率」ですが、比較的全ての分野から出題されます。
そのため幅広い分野の問題に柔軟に対応する力が要求されます。
慶應商学部の数学は文系学部としてはやや難しい問題が出題されています。
問題集では見たことがないような問題が出題されることも多いなか、問題数に対する試験時間の割合が少ないので時間配分にも注意しましょう。
出題形式
出題形式はマーク式と記述式で出題されます。
年度によって大問の難易度は変化しますが、大問1・2が大問3を解答するヒントになっている誘導問題になっている場合があります。
【商学部】数学の対策
計算力の強化
商学部の数学は幅広い分野を少ない時間で対応しなければなりません。
そこでまず強化していただきたいのは計算力です。
計算力の強化というのは、スピードだけでなく、複雑な問題を式変形する力も同時に鍛えてほしい力です。
ベクトルについて
商学部の数学ではベクトルが過去に多数のパターンで出題されています。
ベクトルへの対策はまずは典型的な解法を網羅しておきましょう。
商学部は前例のない問題が出題されることがあります、そのようなことも考慮しながら対策を進めましょう。
✔︎誘導式の問題が出題される
✔︎文系学部としては難解
✔︎計算力の強化
【慶應総合政策学部】数学
【総合政策学部】数学の出題傾向・内訳
総合政策学部で出題される数学について紹介します。
出題範囲
✔図形と式
✔確率
✔微分・積分
✔数列
総合政策部の数学では一般的なテキストでは似たことがないような特殊な問題も例年出題傾向にあり、文系学部の中ではかなり難易度が高い教科になります。
難易度が高い理由として、問題数が多い中で特殊な問題を試験時間内に解くことが難しいため高難度といわれる理由です。
特徴としては、総合政策学部の数学と環境情報学部の数学は出題傾向が似ていると言えるでしょう。
出題形式
大問が5題出題される形式が長年続いており、全てマーク式での解答です。
【総合政策学部】数学の対策
問題の取捨選択
総合政策学部の数学の問題は特殊な問題が出題されるだけでなく、問題数も多いです。
対策としてまずは基本的な問題を抜け目なく解答できるよう学習を進めましょう。
特有な問題に対しての対策
特有な問題は一般的な問題集では対応しきれていません。
総合政策学部の過去問を解くことをおすすめします。
直近の過去問だけでなく、年度の古い過去問まで取り組み少しでも特有な問題になれましょう。
✔︎難易度の高い問題が出題
✔︎全問マーク式
✔︎特有な問題が出題することも頭に入れておく
【慶應環境情報学部】数学
【環境情報学部】数学の出題傾向・内訳
環境情報学部で出題される数学について紹介します。
出題範囲
✔微分・積分
✔図形
✔整列
✔確率
環境情報学部の数学は上記で説明した通り、総合政策学部の数学と出題内容が似ています。
環境情報学部でも特殊な問題が出題されることも総合政策学部と似ている点です。
環境情報学部の数学は、理系並みの難易度の問題が出題されます。
出題形式
大問が5題出題され、全てマーク式での解答方法になります。
出題問の特徴としては、素早い処理能力を問う問題と論理的な思考力が問われている問題の2つのタイプがあります。
【環境情報学部】数学の対策
環境情報学部の数学は理系並みの難易度で、特殊な問題が多く出題されます。
重複してしまいますが、環境情報学部特有な問題に対しても過去問を解いて慣れておくことが重要になってきます。
問題と問題の間にリード文がある形式で、一つ答案を間違えるだけでそのあとの答案全てがずれてしまいます。
過去に出題された問題では他にもリード文を整理しながら解答しなければならない大問が出題され、試験時間が120分と長く設けられている理由が感じ取れます。
特有の問題を解いたことがある人と解いたことがない人ではかなり得点率に差が出ます。
解答だけでも見ておくだけでもおすすめします。
✔︎理系並みの難易度
✔︎全てマーク式での解答
✔︎特有な問題に慣れておくことが大切
【慶應理工学部】数学
【理工学部】数学の出題傾向・内訳
理工学部で出題される数学について紹介します。
出題範囲
✔微分・積分
✔ベクトル(特に空間ベクトル)
✔確率
試験時間が120分間設けられていますが、120分だけでは解き切ることができないほど質が高く、量も多いです。
難易度は年度によってですが、例年難易度の高い問題が出題されています。
出題形式
大問が5題出題される形式が長年続いています。
例年、空欄補充式と記述式で出題され、空欄補充式では素早く正確に処理する力が問われ、記述式では記述内容の正確性が問われます。
【理工学部】数学の対策
理工学部の数学で多く出題されるのは空欄補充式の問題です。
空欄補充の問題で問われるのは素早く処理する計算力です。
素早く処理するだけでなく、正確性も高めながら演習に取り組みましょう。
過去問演習
試験時間が120分と一見長く感じますが、問題数を考慮すると120分があっという間に感じてしまいます。
過去問演習する際は本番の試験を想定して、少し短い時間で問題の取捨選択を頭の隅に置きながら演習しましょう。
✔︎難易度の高い問題が頻出
✔︎空欄補充式と記述式が出題
✔︎時間配分に注意しながら演習
【慶應医学部】数学
【医学部】数学の出題傾向・内訳
医学部で出題される数学について紹介します。
出題範囲
✔微分・積分
✔ベクトル
✔三角関数
✔数列
✔確率(特に漸化式)
例年、大問が4題出題されています。
小問集合の大問が1つと、標準問題レベルの大問が1つ、残りの2つの大問は高難度の問題が出題されます。
微分・積分については単体で問われる大問ではなく、他分野と混ざり合い複雑化した問題が例年のように出題されます。
出題形式
大問が4題、全問マーク式です。試験時間は100分です。
大問4題で試験時間は100分ですが、かなり重たい問題内容になっているため素早い対応と問題の取捨選択がポイントとなります。
【医学部】数学の対策
高い計算力の育成
小問集合の大問と複雑な問題を解くために必要な力は素早い対応力と正解率の高い計算力です。
多くの問題を解いて計算力だけでなく、経験を養うことで煩雑で面倒な問題でも問題を解き切ることで、少しでも得点を稼ぎましょう。
確率の漸化式への演習
医学部では2001年度入試から「確率の漸化式」を解く問題が出題されています。
確率の漸化式は種類が多くあるので、全体像を掴んでおくことが大切です。
✔︎最高難度の問題が出題
✔︎全てマーク式
✔︎確率への演習が必須
【慶應薬学部】数学
【薬学部】数学の出題傾向・内訳
薬学部で出題される数学について紹介します。
出題範囲
✔微分・積分
✔ベクトル
✔場合の数
✔確率
「数学Ⅰ・Ⅱ・A・B」が試験範囲です。
例年、微分・積分についての問題が出題されています。
また異なる分野を掛け合わせた問題や小問が集合した問題も出題され幅広い分野の知識が問われる試験になります。
出題形式
2018年度入試以降大問が3題での出題形式になりました。
また、全問空欄補充式になっています。記述式と異なり部分点のような加点がないため、ケアレスミスなどに注意して解答しましょう。
【薬学部】数学の対策
基礎の定着
薬学部の出題形式が空欄補充式であるため、正解率を上げるためには基礎を徹底することが大切です。
基礎が定着することで解答スピードも相乗的に上がっていきます。
微分・積分への演習
薬学部では微分・積分が毎年出題されています。
確実に得点を重ねるためにも微分・積分への演習を忘れずに行いましょう。
薬学部の微分・積分を演習する際は、数Ⅱの範囲を丁寧に学習することをおすすめします。
✔︎「数学Ⅰ・Ⅱ・A・B」が試験範囲
✔︎全問空欄補充式
✔︎微分・積分の演習が必須
【看護医療学部】数学
【看護医療学部】数学の出題傾向・内訳
看護医療学部で出題される数学について紹介します。
出題範囲
✔微分・積分
✔統計
「数学Ⅰ・Ⅱ・A・B」が試験範囲です。
微分・積分、統計についての問題が例年出題されています。
慶應の看護医療学部は、看護系の私大では最難関校と名高いですが、数学で出題される問題の難易度は基本問題のレベルです。
出題形式
大問が5題出題され、大問5だけが記述式で解答し、それ以外の大問は空欄補充式です。
試験時間は80分です。
【看護医療学部】数学の対策
スピード勝負
問題レベルは標準的と表記しましたが、試験時間の割に問題数が多いです。
慶應義塾大学理系学部の数学の傾向として、試験時間に対して問題数が多いことが挙げられます。
問題レベルが標準的だからこそ解答スピードを上げて全ての問題を解き切ることを意識しましょう。
✔︎微分・積分、統計について出題傾向にある
✔︎空欄補充式と記述式
✔︎スピード勝負で得点を狙う
慶應数学を突破するためのおすすめの参考書
青チャート
青チャートの基本情報 | |
---|---|
教材名 | チャート式 基礎からの数学Ⅰ+A (Ⅰ・A・Ⅱ・B・Ⅱ+B・Ⅲの複数展開) |
ページ数 | 640ページ(別冊解答編404ページ) |
価格 | 2,101円(税込) |
特徴1:問題数の多さ
青チャートには、初心者向けの問題から難関大学受験者向けの重たい問題まで幅広い問題を網羅している参考書です。
特徴2:丁寧な解説
青チャートには一つ一つの問題に丁寧な解説が記載されています。
間違えた問題をわかりやすい解答・解説を読むことで次に繋げましょう。
慶應大学の数学では、基礎的な問題を素早く処理する能力が必要とされています。
青チャートも時間設定を行い緊張感を持ちながら、基礎の定着を図りましょう。
医学部攻略の数学
医学部攻略の数学の基本情報 | |
---|---|
教材名 | 医学部攻略の数学 |
ページ数 | 191ページ |
価格 | 1,760円(税込) |
特徴1:医学部だけでなく難関大学へも対応
「医学部攻略の数学」は、名前から推測できる通り医学部入試で頻出している問題についての問題集です。
そのため慶應義塾大学を医学部の受験を検討している受験生のみならず、他大学の医学部受験を検討している受験生には必需品になります。
この参考書は医学部だけでなく、難関大学の数学にも対応しているため、慶應義塾大学を検討している受験生におすすめです。
特徴2:わかりやすい解答付き
演習問題を解答した後は、「解説」「参考」「発展」「補足」「問題の意味」が掲載されています。
正解した問題もその問題の発展問題まで確認することができるので高みを目指す生徒にはもってこいの参考書になります。
慶應数学対策におすすめの家庭教師
家庭教師のトライ
家庭教師のトライの基本情報 | |
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対象学年 | 幼児・小学生・中学生・高校生・高卒生 |
指導形態 | 完全個別指導 |
対象地域 | 全国各地 |
家庭教師のトライでは、全国各地の生徒に完全個別指導を実施し、生徒の学力向上に努めています。
トライ式難関大学コースとは?
家庭教師のトライでは、従来の画一的な志望校別プログラムや演習が欠如した講義中心のプログラムではなく、難関大合格実績豊富な講師による完全マンツーマンの指導を実施し、志望校別の予習問題演習や丁寧な添削指導を行っています。
コースも東大対策コースや慶大対策コースなど大学別にコースを設け、生徒一人一人に合った学習カリキュラムを提案しています。
まとめ
慶應義塾大学は文系学部でも数学を重視している学部が多いです。
傾向として、試験時間に対し問題数がかなり多い学部が多数あるため、解ける問題を確実に見極めることが重要になります。
これから入試対策を始めようと検討している方は、【青チャート】などの網羅系参考書をおすすめします。
【初心者でもわかる】この記事のまとめ
「慶應義塾大学の数学」に関してよくある質問を集めました。
慶應義塾大学の数学とは?
慶應義塾大学の数学は、各学部で受験方法方が異なります。また、数学を受験科目に設けていない学部や、数学を選択科目に指定している学部など受験する学部によって特色があるため受験する前に事前に確認しておくことが必要です。
慶應義塾大学の数学の難易度は?
慶應義塾大学の数学の難易度は、慶應義塾大学の数学の難易度は受験する学部によってかなりの差が見られます。ただ、すべての学部に共通して問題数に対して試験時間が短く感じられます。素早い処理能力かつ正確性が求められています。詳しくは記事内をご参照ください。
StudySearchでは、塾・予備校・家庭教師探しをテーマに塾の探し方や勉強方法について情報発信をしています。
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