【図形が苦手な学生必見】扇形の面積・弧の長さの求め方を分かりやすく解説
中学生で勉強する単元のうち非常に扇形の分野は重要な項目であるとも言われています。
少し複雑な公式を使うことからも点数を取れない生徒も見られますが、実は扇形の図形さえ理解してしまえば、飛躍的に点数が伸びる非常にお得な単元項目になっています。
苦手意識のある生徒さんが多い扇型の単元ですが、この記事を最後まで目を通して復習して定着すれば、扇形の分野が得点源になることも間違いなしです!
扇形をまず知る
扇形とは
まず初めに扇形という形とはどのようなものを指すのか教えて行きます。
扇形とは簡単に説明すると円の中心から円周に伸びていった直線と交わった交点とその間にある円の弧の部分で作られた形の事を扇形と呼びます。
こうして出来た形に注目して見ると扇のように見えますね。
扇形を作る上で円の弧の長さが円の半周よりも長くなってしまったら一見扇形のように見えないようにも思われますが、これも扇形と呼ぶことができます。
この考え方を用いると半円という形も扇形の種類の一つとして捉える事が出来ます。
扇形の中心角
では次に扇形の中心角について教えて行きます。
扇形の中心角ですが、中心角とは扇形を作る上で円の中心から円の弧の部分に向かう2つの直線の間の角度の事を中心角と呼びます。
こちらも先ほど同様に180度を超えたら扇形の中心角として呼ぶ事が出来ないのでは?とも思われますが、こちらも一見扇形として見る事が出来なくても扇形の中心角として呼ぶ事が出来ます。
✔扇形とは円の中心部分から円周に伸びていった交点の間にある弧の部分で構成された形のことである。
✔円の弧の部分が長くなってしまっても扇形の一つとして捉えることができる。
✔中心角とは扇形を作る上で円の中心から円の弧の部分に向かう2つの直線の間の角度の事を中心角と呼ぶことができる。
扇形と度数法
度数法から面積を求める
ではまず初めに円の面積の求め方を復習して行きます。
円の面積の求め方は以下の通りの公式で求める事が出来ます。
復習として確認してみます。
半径×半径×π=円の面積
以上の式で求める事が出来ます。
想像しやすいように円の4分の1の扇形の面積を求めて見ます。
求めたい扇形の面積は円の状態と比較して4分の1の状態ですので、円の公式に4分の1を掛け算してあげれば、円の4分の1の扇形の面積を求める事が出来ます。
次は扇形の中心角が決まっているケースの扇形の面積を求めて見ます。
先ほどの扇形の求め方をもう一度思い出してみましょう。
先ほどは円の状態から比較して4分の1の状態であるため、円の面積に4分の1をかけてあげる事で面積を求めました。
つまり、これを言い換えると360度分の90度をかけた事と同じ事をしたと言い換える事が出来ます。
これを踏まえると、円の公式に扇形の中心角の角度をかけてあげる事で、どんな複雑な扇形の面積を求める事が出来ます。
度数法から弧の長さを求める
次は扇形の面積の求め方の応用として度数法から弧の長さを求めます。
先ほどと同様に円の円周の求め方を復習すると、円周は半径×2π=円周の長さで求める事が出来ます。
これを先ほどと同様に全体の円の4分の1の円の弧の長さで考えて見ます。
すると、求めたい弧の長さは円周の全体の4分の1の長さとなりますので、円周を求める公式に4分の1を掛け算してあげれば円の4分の1の長さの弧の長さを求める事が出来ます。
そこで次は扇形の中心角が決まっているケースから扇形の弧の長さを求めて行きます。
では先ほどの円の弧の求め方を思い出してください。
先ほどのケースでも、円の4分の1の長さの弧を求めた時は円周を求めてそこから4分の1をかけてあげる事で円の弧の長さを求める事が出来ました。
つまりこれも言い換えると、最後に360度分の90度をかけた事と同じ事をしたと言い換える事が出来ます。
これを考慮する事で、円周を求める公式に扇形の中心角の角度をかけてあげる事で、どんな長さの円の弧の長さを求める事が出来ます。
度数法から中心角を求める
では次は度数法での扇形の中心角を求める場合について考えます。
度数法で扇形の中心角を求める場合には必要な条件があります。
その条件とは、扇形の面積が判明している場合、もしくは円の弧の長さが判明している場合。
いずれかの条件を満たしている場合に扇形の中心角を求める事が出来ます。
ではまず初めに面積が判明している場合について考えて行きます。
まず面積をSと置いて、求めたい中心角の部分をaと置いて考えると、次のように考える事が出来ます。
S=半径×半径×π×360度分のaと考える事が出来ます。
この考え方にSに扇形の面積の数値を代入する事でaの中心角の大きさを求める事が出来ます。
次の条件である円の弧の長さがわかっている場合について考えていきます。
では円の弧の部分の長さをlと置いて、求めたい中心角をbと置くと次のように考える事が出来ます。
l=半径×2×π×360度分のbと考える事が出来ます。
この考え方に特定できている円の弧の長さであるlの部分に数値を代入する事でbの中心角の大きさについて求める事が出来ます。
度数法から半径を考える
では次に度数法の考え方から扇形の半径を求める場合について考えていきます。
扇形の中心角をcとして、先ほどの扇形の面積が判明している場合を想定する時の半径を求めていきます。
そうすると、先ほど同様にS=半径×半径×π×360度分のcと考える事が出来ます。
ここで注意して欲しいのが、半径が2回かけられている事です。
答えを導く際に2乗になっている点に注意が必要となります。
✔半径×半径×π=円の面積に扇形の中心角の角度をかけてあげる事で、どんな複雑な扇形の面積を求める事が可能である。
✔半径×2π=円周の長さに扇形の中心角の角度をかけてあげる事で、どんな長さの円の弧の長さを求める事が出来ます。
✔扇形の面積が判明している場合、もしくは円の弧の長さが判明している場合に円の中心角を求めることができる。
扇形と弧度法
弧度法から面積を求める
ではまず初めに弧度法での面積の求め方を考えていきます。
円の面積は半径×半径×πで答えを導き出す事が出来ました。
この場合と一緒である角度を2×πであると考えます。
これに比率を用いて公式を導き出していきたいと思います。
円の面積をSとし、 扇形の中心角をaとしていくと以下のような公式に変形する事が出来ます。
半径×半径×π:2×π=a:Sといった比率と捉える事が出来ます。
これももっと簡略化していくと、さらに以下の通りにさらに変形する事が出来ます。
S=2分の1×半径×半径×aと置き換える事が出来ます。
弧度法から弧の長さを求める
では次は弧度法から弧の長さがどれくらいあるのか求めていきます。
先ほど面積の公式を作り上げた方法と同じように考えていきます。
今までの事を再確認すると、円の弧の部分は2×半径×πで導き出せました。
その時に弧度法を利用する事で、円を2×πと置き換える事が可能です。
これも先ほど同様に比率を用いて公式を導いていきます。
円の弧の部分をlと置いて、角度の部分をbと置くと以下のような比率式を作る事が可能です。
2×半径:2×半径×π=b:lと置き換える事が出来ます。
ここからさらに簡略化すると以下のように変形する事が出来ます。
l= 半径×bといった公式になります。
弧度法から中心角を求める
では次に弧度法を利用して扇形の中心角について求めていきます。
先ほど作り上げた公式から中心角を求める公式を作り変えていくと以下の通りになります。
先ほど作り直した公式から考えると面積がわかっている場合と弧の長さがわかっている場合に弧度法で中心角を導き出す事が出来ます。
最初に面積が判明している場合から考えていきます。
先ほどの面積を求める場合の公式はS=2分の1×半径×半径×aですので、これを変形するとa=(2×S)÷(半径×半径)とさらに変形する事が出来ます。
では円の弧の長さがわかっている場合について求めていきたいと思います。
先ほどの公式を引き出してみると弧の長さは l= 半径×bで求める事が出来ました。
これを中心角を求める場合に変形するとb=l÷半径と変形し直す事が出来ます。
弧度法から半径を求める
では次に弧度法を用いて扇形の半径を求めていきたいと思います。
これもまた面積と円の弧の長さが特定されている二つの条件の時扇形の半径を求める事が出来ます。
こちらもまた面積の数値が判明している場合についてから考えていきます。
先ほどの面積を求める公式はS=2分の1×半径×半径×aですので、これを半径を求める公式に変形し直すと次のようになります。
半径= +√(2×S)÷aと変形する事が出来ます。
では次に円の弧の長さがわかっている場合について考えていきたいと思います。
こちらも先ほどの式を変形して考えていきます円の弧の長さを導き出す公式は l= 半径×bですので、これも今まで同様に半径を導く公式に変形すると半径=l÷bと変換する事が出来ます。
✔弧度法で面積を求める場合にはS=2分の1×半径×半径×aと置き換える事が出来ます。
✔弧度法を用いて円の弧の長さを割り出す場合には l= 半径×bで求める事ができます。
✔弧度法を用いて中心角を割り出す場合面積がわかっている場合にはa=(2×S)÷(半径×半径)で、円の弧の長さが判明している場合にはb=l÷半径で求められる。
例題
基本問題
扇形の面積を求めよう
では実際に問題を解いてみましょう。
今回解いてみる問題はこちらです。
半径12cmで中心角80°のおうぎ形の面積を求めよ
こちらの問題を解いてみます。
この問題で要求されているのは扇形の面積ですので、扇形の面積を求める公式を利用していきたいと思います。
その公式とは、S=半径×半径×π×360度分のaですので、わかっている数値を代入していきましょう。
そうすると次のようになります。
S=12×12×π×360度分の80となります。
これを解いていくと32π㎠となります。
扇形の弧の長さを求めよう
では次の問題を解いていきます。
その問題とはこちらです。
半径5cmで中心角30°のおうぎ形の弧の長さを求めよ。
こちらが解いていただく問題となります。
この問題では扇形の弧の長さを求めているので、弧の長さを求める公式を利用していこうと思います。
その公式とはl=半径×2×π×360度分のbとなります。
こちらにわかっている数値を代入していくと次のようになります。
l=5×2×π×360度分の30となります。
これを解いていくと答えは5/6πcmとなります。
✔分かっている数字は必ず書いておく
✔公式を利用すると簡単に解ける
応用問題
分数が入る計算
では次は扇形の応用問題について考えていきます。
そこで次の問題文はこちらになります。
半径10cmで中心角20°のおうぎ形の面積を求めよ。
ではこちらの問題を解いていきたいと思います。
この問題では扇形の面積を要求しているので、扇形の面積を求める公式を利用していきます。
その公式とはS=半径×半径×π×360度分のaでしたね。
これにわかっている数値を代入していくと次のようになります。
10×10×π×360度分の20こちらが代入した後の式になります。
これをさらに綺麗にしていくと答えは50/9分π㎠となります。
小数点が入る計算
では最後に解いていただきたい問題とはこちらになります。
半径8cm, 中心角40.5°のおうぎ形の弧の長さを求めよ。
こちらが今回解いていただく問題となります。
この問題では扇形の弧の長さを求めているので、弧を求める公式を利用して答えを導き出していきます。
扇形の弧の長さを求める公式はl=半径×2×π×360度分のbでしたね。
ここに現在わかっている数値を代入していくと次のようになります。
8×2×π×360度分の40.5となります。
これを解いていくと最後には9/5πcmとなります。
✔問題文で何が要求されているのか読み取る事が重要である。
✔わかっている数値を当てはめる事で問題の答えにたどり着く事ができる。
✔小数点などの複雑になっても冷静に対処すれば問題の答えにたどり着ける。
中学生におすすめの家庭教師
【マンツーマン指導】家庭教師のトライ
授業形態・特徴
家庭教師のトライは個別指導に力を入れており、今までに収集した莫大なデータから生徒の特徴に合わせた指導方法を採用しています。
加えて学習効率を格段に上げるために記憶定着のための「エピソード反復法」であったり、生徒の「やる気」を引き出す環境が整えられています。
この特徴は他の塾にはみられない家庭教師のトライならではの取り組みです
中学生コースについて
では中学生のコースはどんなコースなのか説明していきます。
中学生コースは生徒が部活と両立して勉強を進めたいのか。
あるいは高校受験を見据えたカリキュラムを組んで欲しいなどといった様々な生徒さんの要望に応じたカリキュラムを立てています。
集団塾ではないので、生徒個人の要望に親身になってくれるのはこの家庭教師のトライならではの取り組みです。
料金について
では最後に家庭教師のトライの料金を説明していきます。
気になる料金ですが、家庭教師のトライは家庭それぞれの要望にそった料金プランを提供してくれます。
特に対策したい教科をはじめ、何科目指導して欲しいのかなど様々な項目で料金プランを提案してくれる塾となっております。
教育プランナーによる無料相談も行なっているので気軽に相談できる環境が整っているのが他の塾と比較しても良い点です。
✔塾の形態は基本的に個別指導でトライで収集したデータを使って生徒の学力にあった指導をされている。
✔生徒の目標や環境に合わせて生徒に寄り添ったプランを提供している。
✔料金は低額から可能であり、教育プランナーからの無料相談も可能である。
まとめ
では最後にこの扇形のまとめをします。
扇形の面積と円の弧の部分をはじめ、度数法や弧度法などそれぞれ公式が違うので今一度最後に振り返って確認してみましょう。
- 扇形の面積:S=半径×半径×π×360度分のa
- 扇形の弧の長さ:l=半径×2×π×360度分のb
- 弧度法の扇形の面積:S=2分の1×半径×半径×a
- 弧度法の円の弧の長さ: l= 半径×b
こちらが今回の扇形の単元で重要となった公式となります。
この公式をしっかりと覚えて扇形の単元がテストに出題されたら確実に点数が取れるようにしましょう。
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