早稲田大学基幹理工学部では、数学系の学系I、工学系の学系Ⅱ、メディア映像系の学系Ⅲの、3つの学系別入試を採用しています。
理学系学科、工学系学科、表現工学系の学問領域において、7学科で構成されています。
今回は、早稲田大学基幹理工学部の入試の基本情報や出題傾向、対策・科目別の勉強法について紹介しますので、是非参考にしてください。
■まとめ
早稲田大学基幹理工学部の基本情報 | |
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創設 | 2004年 |
生徒数 | 2,499人(2022年5月1日時点) |
キャンパス | 西早稲田キャンパス 〒169-8555 新宿区大久保3-4-1 |
早稲田大学の基幹理工学部を含む理工学術院は2004年に設置され、現在では約2,500名が所属してます。
早稲田大学の基幹理工学部は、工学の基礎と数学の基礎を学び、深めることのできる学部です。
数学や情報・技術の研究はもちろんのこと、デザイン表現の学科も設けられており、自分の学びたいことを追及することができます。
早稲田大学は、理工学部が「基幹理工学部」「創造理工学部」「先進理工学部」に分かれており、理工学の研究が盛んな大学です。
これらの3つの理工学部は、大学院や研究所と連携し一貫して行うため、
基幹理工学部の学科 | |
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数学科 | 数学の深い理解とともに高度な数理現象を追及する |
応用数理学科 | 数理ファイナンスや情報セキュリティを数学の観点から研究する |
機械科学・航空宇宙学科 | 機械工学を身に付け、技術と組み合わせる実践力を養う |
電子物理システム学科 | ナノエレクトロニクスなど情報技術に関する基幹技術を学ぶ |
情報工学科 | 情報科学・情報工学・通信工学を学ぶことで最先端技術を研究する |
情報通信学科 | 情報通信の仕組みや構成を学び、技術やシステムに活用する |
表現工学科 | アート・デザイン制作や音楽など表現化学の技術を学ぶ |
早稲田大学の基幹理工学には7つの学科があり、様々な分野の基礎から応用までを学ぶことができます。
早稲田基幹理工学部では、基幹理工学の基礎を学ぶ1年生時には3つの学系に分かれ、
そのため、入試では学科を選択するのではなく、3つの学系の中から1つの学系を選択し入試を受けることとなります。
以下では各学系から進級することができる学科を表で表しています。
各学級が進級することができる学科 | |
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学系Ⅰ | 数学科・応用数理学科 |
学系Ⅱ | 応用数理学科・機械科学/航空宇宙学科・電子物理システム学科・情報理工学科・情報通信学科 |
学系Ⅲ | 情報理工学科・情報通信学科・表現工学科 |
学科・専攻 | 偏差値 |
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基幹理工学部【学系I】 | 65.0 |
基幹理工学部【学系II】 | 65.0 |
基幹理工学部【学系III】 | 65.0 |
早稲田大学基幹理工学部は、どの形式であっても、偏差値は65前後のようです。
受験者数 | 合格者数 | 倍率 | |
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2018年 | 4,401人 | 953人 | 4.6倍 |
2019年 | 4,209人 | 1,011人 | 4.2倍 |
2020年 | 4,384人 | 937人 | 4.6倍 |
2021年 | 3,915人 | 895人 | 4.4倍 |
2022年 | 4,120人 | 1,052人 | 3.8倍 |
2023年 | 4,252人 | 1,011人 | 4.2倍 |
基幹理工学部の倍率は例年4~5倍の範囲にあります。
早稲田大学の他学部の最新の倍率は、先進理工学部が3.9倍、創造理工学部は4.1倍なので、理工学系の中では比較的高い傾向にあるようです。
理工学部の偏差値比較 | |
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早稲田大学 基幹理工学部 | 65.0 |
慶應大学 理工学部 | 65.0 |
上智大学 理工学部 | 60.0~62.5 |
東京理科大学 理工学部 | 55.0~60.0 |
明治大学 理工学部 | 57.5~62.5 |
他の大学の理工学部の偏差値と比較すると、早稲田大学の基幹理工学部は慶應大学の理工学部と同等の難易度であることがわかります。
早稲田大学の創造理工学部の偏差値が62.5~65.0、先進理工学部の偏差値が65.0~67.5となっているため、早稲田大学の理工学術院の中では真ん中の難易度であると考えられます。
✔基幹理工学部は理工学術院の中の1つ
✔6つの学科がある
✔偏差値は65.0
早稲田大学の基幹理工学部では、一般入試・指定校推薦・特別選抜入試など様々な入試形態があります。
ここでは、最も募集人数の多い一般入試の日程や受験科目・配点をご紹介します。
基幹理工学部の一般入試の日程 | |
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募集人数 | 320名 |
出願期間 | 2023年1月6日(金)~1月20日(金) |
試験日 | 2023年2月20日(月) |
合格発表 | 2023年2月28日(火) |
早稲田大学基幹理工学部の募集人数は、学系Ⅰが45名、学系Ⅱが210名、学系Ⅲが65名、合計が320名です。
2023年度の一般入試は、2月20日(水)に行われます。
早稲田大学の理工学術院の3つの学部は、同じ日程で同じ内容の試験が行われます。
教科 | 科目 | 解答時間 | 配点 |
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外国語 | コミュ英Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ 英語表現Ⅰ・Ⅱ |
90分 | 120点 |
数学 | 数I・Ⅱ・Ⅲ 数A・数B |
120分 | 120点 |
理科 | 物理・化学・生物 | 120分 | 120点 |
基幹理工学部の理科は、物理・化学・生物から2つ選択して受験することができます。
基幹理工学部学系IIの場合は、理科の科目は物理・化学となり生物で受験することができないので注意が必要です。
また、数Bは「確率分布と統計的な推測」が範囲外となります。
基幹理工学部の英語は出題形式が多様で、ユニークであることが特徴です。
解答方式はマークシート式、大問は5問で、読解問題が4問、文法が1問出題されます。
早稲田大学基幹理工学部の英語は、英語量が多く、全部で2,500語前後の読解問題が出題されます。
また、本文の合計語数は昨年度より270語程増加し、さらに速読の必要性が高まりました。
英文の内容も、基幹理工学部ということから、科学系の専門的な話題が多く出題されています。
2021年度は「医用画像」についての文章が出題されました。
「指定されたルール(文字を一定の規則で置き換えるなど)の問題」や「数学的な知識を必要とする計算問題」など、独特の出題がみられます。
2021年度は、例年同様、3つの英文について横断的な理解力が問われる問題や、5つの文を並べ替える段落整序問題が出題されました。
例年、大問4では「計算力」が試される問題が出題されていましたが、2021年度は出題されませんでした。
基幹理工学部の英語は、出題形式が多様で独特なので、過去問を有効活用しましょう。
過去問をたくさん解くことで、出題される多様な問題形式や、解答パターンに慣れることが重要です。
また、「論理的思考力」も必要になるので、文章を正しく読み、整理する力を鍛えましょう。
英語の長文読解にはスラッシュリーディングがおすすめです。
英文の句や節ごとにスラッシュを入れることで、英語の構文を理解しながら読むことができます。
また、理解して読めるようになった英文を音読することで、速読力が身につきます。
パラグラフリーディングとは、パラグラフごとにトピックスと内容を整理し、読み進めていく方法です。
パラグラフに必ずあるトピックセンテンスと、詳細説明の文章に注目することで、長文が読解できるようになります。
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✔早稲田大学基幹理工学部の英語は、英文量が多く、出題形式が独特である
✔理数系の内容が出題される
✔「計算力」や「論理的思考力」を問う問題に注意
例年、出題範囲から幅広い分野がバランスよく出題されます。
教科書の内容を超えるような難しい問題が出題される傾向があります。
大問は、5問出題され、全問記述式です。
毎年、さまざまな分野を融合させた問題が出題されています。
例年、数学Ⅱ、Ⅲに重点を置いた出題が多い傾向があります。
数学Ⅲの微分法・積分法の問題は毎年出題されていましたが、2021年度は出題されず、文量が減り難易度もやや下がりました。
確率の極限、数列の極限、図形に関する問題もよく出題されます。
証明問題や図示問題は、毎年出題されています。
試験時間120分に対して、大問5問ですが証明問題が多く出題されるため、問題量が多くなっています。
また、次の問題への適切なヒントが小問として出題されるため、数学の基礎を固めておく必要があります。
早稲田大学基幹理工学部の数学は、出題傾向が毎年似通っていることから、過去問を解くことが重要です。
計算を迅速に行えるように、できるだけ多くの過去問を、徹底的に解くと良いです。
基本的な問題から標準的な問題が中心の出題となっているので、過去問を通して、出題パターンを身につけましょう。
基幹理工学部では難易度の高い証明問題が、毎年出題されています。
証明問題は、自分で方針を立て、論理を分かりやすく相手に伝えることが大切です。
日頃から多くの証明問題を解き、解説を読むことで、公式を自分で導き出せるようにしましょう。
記述力と、証明力を身につけるためにも、先生に解答を添削してもらいましょう。
✔頻出は確率の極限、数列の極限、図形
✔証明問題が毎年多く出題される
化学は、早稲田大学基幹理工学部の理科の解答パターンとして、全ての学系で選択可能です。
大問は3問出題され、第1問がマーク・計算式、第2問と第3問が記述・選択・計算式です。
例年、大問第2問と第3問は、無機化学、有機化学のさまざまな分野から出題されています。
無機化学は、理論化学と融合した問題が多く出題されています。
2021年度は、無機化学からは水素に関する問題、有機化学からは脂肪族化合物・油脂に関する問題が出題されました。
化学は酸化還元、反応速度が頻出ですが、例年ほぼ全範囲から出題されるので、全ての分野の基礎から標準レベルは完璧にしましょう。
また、実験操作や器具、薬品についてなど、実験に関する問題が多く出題される傾向にあります。
教科書に載っている内容を中心に、実験操作の意味や留意点、器具の名称や使い方、観察事項をおさえておきましょう。
生物は、早稲田大学基幹理工学部の理科の解答パターンとして、学系Ⅰと学系Ⅲを志望する場合、選択することが可能な科目です。
近年、大問は3問出題されています。
ほぼすべての問題が論述・記述式ですが、一部選択式の問題があります。
例年、遺伝情報、細胞、生殖・発生分野が多く出題されています。
特にDNAやタンパク質など分子レベルの出題内容が多い傾向にあります。
2021年度は、微生物から昆虫、人間の遺伝情報、塩基配列に関する問題が出題されました。
また、PCR法についての問題など、時代に合わせた出題をする傾向にあるので、社会の流れにも注目が必要です。
生物の出題は、一部に教科書レベルを超えた難問もみられますが、ほとんどは教科書レベルです。
教科書に載っている内容を中心に、しっかりと理解し、基礎知識を学習しましょう。
グラフ作成などの描図や、計算問題がよく出題される傾向にあります。
2021年度はわずかに難化したので、余裕があれば発展問題にも取り組みましょう。
物理は、早稲田大学基幹理工学部の理科の解答パターンとして、全ての学系で選択することが可能な科目です。
例年、大問は3問出題され、第1問がマークシート式、第2問と第3問が記述式です。
力学と電磁気の分野から、大問単位で毎年多く出題される傾向があります。
他分野の問題で、力学と電磁気に関連する問題が出題されることもあります。
2021年度は、熱力学から熱サイクル、力学から球の運動、電磁気から荷電粒子に関する問題が出題されました。
試験時間120分で2科目に解答する必要があります。
計算を伴う問題が多いため、正確で迅速な計算力を養いましょう。
難しい問題は後回しにするなど、全ての問題に目を通せるように、解答順序を考えることも大切です。
余裕があれば、見慣れない問題にも対応できるよう、 過去問や問題集の数をこなして発展問題に挑戦しましょう。
✔化学は有機・無機が頻出問題
✔生物は遺伝子情報が頻出する傾向
✔物理は力学と電磁気が頻出分野
講義の分かりやすさや面白さは教授による。
必修授業はクラスによって当たり外れがあり、クラスは自分で選べないため、ガチャ状態。
学生数が多いためか、選択出来る教養科目や他学部の科目も多く、自分の興味のある科目を自由に選択できる、
必修授業はクラスによって当たり外れがあるようですが、選択授業は様々な授業を取ることができて良いという意見がありました。
理工の各学部が設置されている西早稲田キャンパスは、高田馬場から歩いて10分程度、副都心線西早稲田駅はキャンパスに直接繋がっているため、アクセスは良い。
西早稲田にあり周りは新大久保、新宿があり、飲食店なども多く都会の環境で満足できます。
キャンパスは東京都新宿区に位置しており、アクセスが良いという意見がありました。
早稲田大学理工学術院の進路状況は、全体の約70%が大学部進学・約30%が就職となっており、大学院に進む方が大半であることがわかります。
基幹理工学部では、特に機械科学・航空宇宙学科と電子物理システム学科の大学院進学率が高く約80%、その他の学部は約50%となっています。
主な就職先 | |
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NTT | キャノン |
ヤフー | みずほ証券 |
ソニー | ソフトバンク |
アクセンチュア | トヨタ自動車 |
中部電力 | テレビ東京 |
早稲田大学の基幹理工学部の主な就職先は上記のような大手企業が多くあります。
数学科では、約7.5%が国公立学校の教員となっているようです。
✔アクセスや講義の評判は良い
✔半数以上は大学院に進学
✔大手企業が多い
ここでは、早稲田大学に特化したコースのある大学受験に強い学習塾をご紹介します。
大学受験予備校のトライの基本情報 | |
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対象学年 | 大学受験生(新高3生、高卒生) |
地域 | 全国各地(北海道から九州まで) |
指導形式 | 完全個別マンツーマン授業 |
大学受験予備校のトライでは、個別に合格戦略を練ります。
現在の学力と志望校合格に必要な学力から、合格に向けた学習の進め方を科目・単元別に明確にすることで、最短ルートで合格に近づくことができます。
大学受験予備校のトライでは、月別・週別でカリキュラムを作成することで、常に必要な学習量と学習範囲を明確にしています。
また、毎週難関大生コーチが面談で1週間の成長を一緒に確認してくれるため、確実にやり遂げることができます。
現論会の基本情報 | |
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対象年齢 | 高校生・浪人生 |
校舎 | 新宿校・横浜校・柏校・大宮校・天王寺校 千種校・四条烏丸校・藤沢校・オンライン校 |
指導形式 | 個別指導 |
特徴 | 受験に必要な全科目をバランスよく指導 |
現論会は、早稲田大学と慶応義塾大学の合格者のノウハウを凝縮した『早慶コース』があります。
早慶独自の入試傾向や小論文対策も万全に行うことができます。
高校3年生・高卒生の早慶コースの月謝は設備費込みの56,650円(税込)となっています。
現論会では、生徒を合格に導く年間の学習計画を作成します。
苦手な分野や、つまずいてしまったところは計画を修正しながら進めてくれるので、常に今やるべきことを提案してくれます。
マンツーマンの授業で苦手分野を克服することができるので、効率性を追求した学習プランで最短合格を目指すことができます。
ここでは苦手な数学を克服し、早稲田大学と同じのレベルの慶応大学に合格した方の合格体験記をご紹介します。
安定的に好成績を取ることができるようになりました。
自分のできない分野を埋める形で、基礎から応用まで積み上げていくので、なんで模試だと解けないんだ!というシーンが無くなりましたね。
現論会の指導カリキュラムによって、基礎から応用まで積み上げることができ、数学を克服することができたという声がありました。
早稲田大学基幹理工学部は、英語・数学・理科の3教科入試です。
英語では、基幹理工学部ということから、理数系の英文も出題され、数学は教科書レベルより難易度の高い問題、証明問題が多く出題されます。
理科は、2科目選択となっており、志望する学系ごとに選択パターンが異なります。
化学、生物、物理は、近年どの科目も問題量が多い傾向が続いています。
過去の出題傾向から対策を練り、教科書の内容を中心にしっかりと理解し、基礎知識を身につけ合格を目指しましょう。
過去問を何度も解き、早稲田大学の入試に慣れておくことが合格への一番の近道です。
「早稲田大学 基幹理工学部」に関してよくある質問を集めました。
早稲田大学の基幹理工学部の一般入試は、2023年2月20日に行われます。試験科目は外国語・数学・理科の3つで、各120点です。学系Ⅰと学系Ⅲは物理・化学・生物から2科目選択でき、学系Ⅱは物理・化学で受験が必要です。詳しくは記事に記載しています。
早稲田大学の基幹理工学部の進路先は、半数以上が大学院に進学します。特に、特に機械科学・航空宇宙学科と電子物理システム学科は約80%の人が大学院に進んでいます。就職先としては、ヤフーやソニー・トヨタ自動車など大手の企業が多くあります。詳しくは記事に記載しています。