監修記事|慶應大学理工学部の数学・入試対策・勉強法について解説
慶應義塾大学理工学部は私立大学理系学部の最難関です。
国公立最難関の東京大学や京都大学を第一志望とする受験生が多く受験しますので、さらに高いレベルが要求されるといえるでしょう。
慶應大学理工学部の入試は数学、理科(物理と化学)、英語の3科目で構成され、数学は総得点のうちの3割を占めます。
合格を目指すには数学は避けては通れない科目です。
難問も出題されますが、問題のレベルとしては標準的です。
傾向を知り正しく対策を練れば、十分合格ラインに達することができるでしょう。
■まとめ
大問数 | 試験時間 | 配点 | 出題範囲 |
---|---|---|---|
5つ | 120分 | 150点 | 数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ 数学A「場合の数と確率」「整数の性質」「図形の性質」 数学B「数列」「ベクトル」 |
問題数に対して時間が短く設定されています。
数学は5~7割取れると合格圏内と言われていますが、年度ごとに難易度の差があり、合格基準をはっきり言うことは非常に困難ですので、1つの目安と考えてください。
大問番号 | 採点方法 | 問題の傾向 |
---|---|---|
大問1 | マークシート方式 | 比較的簡単で5問程度の短めの問題 |
大問2 | マークシート方式 | 微積分、数列、極限、確率、ベクトルが頻出分野。大問1つにつき、6~8問程度の解答数 |
大問3 | マークシート方式 | 同上 |
大問4 | マークシート方式 | 同上 |
大問5 | 記述式 | 計算問題と証明問題 |
上表のとおり、ほとんどがマークシート方式の解答となります。
国公立でよくみられる記述式と違って部分点が狙えないため、最後まで解き切らないと点数になりません。
簡単な問題でも難しい問題でもきっちり答えを出すことを普段から心がけましょう。
例年証明問題が少なくとも1題は出題され、記述問題となっています。
大問5つ120分ですので、単純計算で大問1つを少なくとも30分以内に解くことになります。
部分点を狙えないことから、解ける問題から順に解いていくことが重要です。
最初に問題全体を見渡して、解けそうな問題と解けなさそうな問題に分類するところから始めましょう。
まず解けそうな問題を計算ミスのないように確実に得点し、時間の限りそのほかの問題にも手をつけて他の受験生との差をつけましょう。
※上表は例年の傾向からの目安です。
記述式の出題順や形式が変わる可能性もありますので注意してください。
✔大問5つ、試験時間120分、配点150点
✔年度によって難易度の差が大きい
✔解ける問題から解いていくことが大切
慶應義塾大学の理工学部の詳細は以下の記事をご参考にしてください。
慶應大学理工学部の数学の頻出単元と問題傾向を5つご紹介します。
数学Ⅲから微積分が最も頻出の分野です。
2題出題されることもよくあり、必ず出題されるといっても過言ではないでしょう。
微分や積分の単純な計算問題ではなく、体積を求めるときなどに使用する形で、他の分野と組み合わさって出題されます。
やり方のみならずその操作の本質を理解していないと誤答につながるようにできていることがよくありますので、積分の意味や仕組みまで理解しておくように心掛けましょう
数列の漸化式がかなり頻出です。
漸化式には様々なパターンがあります。
できる限りすべてのパターンを網羅しておきましょう。
過去には漸化式を立式する問題も出題されました。
漸化式を立てる演習も1度経験しておくと安心です。
確率でも漸化式が毎年のよう出題されています。
確率は得意と苦手がはっきり分かれる分野ですが、一度コツがわかれば確率の全部の問題ができるようになるといっても過言ではありません。
慶應大学理工学部では頻出の問題ですので、苦手な人はぜひ克服してください。
極限は微積分や数列と組み合わせて出題されることが多いです。
単体で出題されることはほとんどなく、全体で数問しか出題されないので優先順位は低いですが、得意であれば他の受験生から頭ひとつ抜けることができるでしょう。
近年空間ベクトルの出題が見られます。
苦手意識を持つ人も多く、難しめな内容ですが、空間座標上で内積や距離を求めさせる基礎的な問題も出題されますので、少なくとも基本的な問題は解けるようになっておくと安心です。
過去にベクトルの定石が通用しない、考えさせる問題が出題されたことがあります。
こだわって時間をかけすぎてしまうと総得点の低下を招きかねません。
どこまで解くかを考えながら解き進めていったほうがよいでしょう。
ここまで見てきたとおり、慶應大学理工学部の数学では本質を理解していないと解けない問題が多く出題される傾向にあります。
勉強の際には、公式や解き方だけでなく、その解き方や公式がどう導き出されるのかというところまでしっかりおさえておくようにしましょう。
✔頻出分野は微積分、数列、確率、極限、ベクトル
✔他分野と組み合わせた応用問題が多い傾向
✔解き方と公式だけでなく、本質の理解が一番大切
なんといってもまずは基礎力です。
年度ごとに難易度がかなり変化することから、他の人が解ける問題は確実に解けるようにしておかないと合格は厳しくなってしまいます。
また、基礎力が他大学の対策にも役に立つことは言うまでもありません。
まずお気に入りの参考書を一冊見つけましょう。
諸公式や頻出問題をカバーしているものあと非常に良いです。
そして1冊を完璧にできるようにします。
そうすれば、全部の分野の基礎を網羅したことになりますし、達成感と自信もつきます。
ここで1冊選ぶときのコツです。
とにかく自分が気に入っている問題集を選びましょう。
嫌いな問題集は続きませんし、ただの苦行です。
問題の量、難易度と試験時間を考えると、すべてを完ぺきに解き切ることはかなり困難です。
全体を見渡し、まずは解けそうな問題から解いていきましょう。
問題を解く優先順位をつけるために、普段から解けなさそうな問題を見極める訓練をしてみてください。
解なさそうかどうかの判断にはまず、自分の苦手分野であるかどうか、提示されている条件が少ないかどうかが基準になります。
この2つにあてはまると自分にとって難しい問題である可能性が高い傾向にありますので、模試で実験してみてください。
慶應大学理工学部の数学は大半の解答がマークシート方式です。
他大学や国公立2次試験の記述式のように部分点を狙うことができません。
そのためか、計算自体が複雑になるような問題が好んで出題されています。
複雑な計算を最後まで正しく解き切る計算力と忍耐力をつけましょう。
さらに質と量に対して時間が短いので、慣れてきたら速さにも気をつけてみてください。
また、複雑な計算をいかに簡単にするかという発想力も大いに大切です。
答えしか解答する必要はないのですから、途中計算はなるべく楽をしましょう。
楽をすることは数学を解く上でとても大切な技術です。
慶應大学理工学部の数学では、本校や有名大学で過去に出題された良問がアレンジされて出題されることがあります。
慶應大学理工学部の数学の過去問は何十年にも渡って存在しています。
時間の許す限りさかのぼって解いてみましょう。
また、他大学で過去に出題された良問をさらっておくのも良い対策です。
受験生のみなさんは日々たくさんの模試を受けていることと思います。
模試で自分の今の合格可能性を見ることも大事ですが、模試の本質は自分の弱点を見つけることにあります。
当たり前のことではありますが、間違えた問題は確実に復習して解けるようにしておきましょう。
模試の復習の際には、間違えた問題と同じ分野の類題を解いたり、周辺知識のおさらいができたりすると完璧です。
✔基礎は解き方からその原理まで徹底的に理解する
✔どんなに複雑な計算でも最後まで解き切る練習
✔過去問は重要な資料。しっかり押さえておくことが大事
慶應大学理工学部に独学で入学することは可能です。
実際に学校の勉強と独学だけで慶應大学理工学部に進学する人はいます。
しかし、独学で勉強するということは、勉強スケジュールの作成・管理や苦手分野の分析、モチベーションの維持まですべてひとりでこなしていかなくてはいけません。
これはとても難しいです。
短い受験勉強期間をより効果的に効率的に過ごすには、やはり塾や予備校に通うのが近道でしょう。
塾や予備校には、受験勉強のエキスパートがたくさんいます。
エキスパートに頼ってみるのも手です。
参考書のみでの受験をお考えの方は以下の記事をご参考にしてください。
塾や予備校といってもかなりたくさん存在し、どこがいいのか迷うと思います。
各予備校は生徒の大学合格実績を出しており、それを見て決めようと考えている受験生の方もいると思います。
しかし、その大学合格実績はもともと成績のいい生徒が合格できたというパターンが多くありますので参考にする際には、注意が必要です。
塾と予備校には大きく分けて2つの種類があり、集団指導と個別指導です。
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慶應大学理工学部の数学は超難題が出題されるというよりも、時間内に正確に解くことが難しい構成になっています。
標準レベルの問題でも、時間のなさや計算式の複雑さによって受験生をふるいにかけているようなイメージです。
言わずもがなですが、普段から複雑な問題を早く正確に処理する能力を鍛えるようにしてください。
他大学の類題を解いてみることも助けになるでしょう。
受験生のみなさんが自分にあった勉強法を見つけ出し、華々しく第一志望に合格できることを願っています。
【初心者でもわかる】この記事のまとめ
「慶應大学理工学部 数学」に関してよくある質問を集めました。
慶應大学理工学部数学の出題傾向は?
慶應義塾大学理工学部の数学の出題傾向は、微積分・数列・確率・極限・ベクトルの5単元が頻出単元になっています。また、基礎問題ではなく、応用問題が多く出題されるようなので本質までの理解が必要とされます。出題傾向の詳細はこちらを参考にしてください。
慶應大学理工学部数学の入試対策は?
慶應義塾大学理工学部の数学の入試対策は、まず本質の理解のために基礎を身に着けること、また自分が解けそうな問題から解いていくこと、過去の問題にも触れておくことなどが対策として考えられます。数学の入試対策についてはこちらを参考にしてください。
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