東大生物の入試傾向や難易度・対策や勉強法・おすすめの参考書を徹底解説!
東大理系の受験生は受験教科も多く、学習内容も非常に多くなるため質の良い学習が必要になってきます。
ここでは東大生物の受験生に向けての入試傾向や対策、おすすめの参考書の紹介をしていきます。
限りある学習時間を上手に利用するためにも、効率的な学習方法で東大合格を目指しましょう。
■まとめ
東大生物の入試問題の特徴と傾向
東京大学の生物入試問題にはどのような特徴と傾向があるのか見ていきましょう。
東大生物入試の特徴
問題数に対して時間が短い
東大の理科は2科目を150分で解答するものです。
単純に計算すると1科目あたり75分になります。
理科2科目で、生物と化学を選択する受験者が多いですが、化学は生物より時間がかかることが考えられるので、時間配分をしっかりと決めましょう。
生物、化学選択者は「生物60分、化学90分」(見直し5分)が理想的な時間配分とされています。
生物は例年大問が3題出題されますので、1題20分程度を目安にしましょう。
論述問題が多い
東大生物では2~3行の論述問題が数多く出ます。
生物用語を適切に使うため高い推敲力も必要とされます。
基本的な生物用語・概念は正確に覚えましょう。
実験考察問題を中心とした論述問題の対策は講師について添削指導をしてもらうのが良いでしょう。
実験考察を中心とした問題構成
東大生物では、見たこともない実験内容の問題が出題されます。
そのため文章、図表を正確に読み解く力が問われます。
最新の研究内容からの出題も考えられますので、基礎力を付けた上で柔軟に対応できるようにしましょう。
数学的な分析や解釈を必要とする問題が出されることもあります。
東大生物入試の傾向
大問は例年3問で構成されていることが多いです。
テーマは主に「動物関連(代謝・反応、生殖と発生など)」「植物関連」「遺伝、分類、進化」になっていますが、分野が融合したりあらゆる分野から出題されるので注意が必要です。
- 遺伝分野
- 植物分野
- 複素数平面
遺伝分野
東大の生物は全ての分野から出題されると考えるべきですが、遺伝分野は特に頻出です。
2022年度は海馬の神経細胞における記憶の形成・想起のメカニズムについて、遺伝子導入を施したマウスを用いた実験を絡めた問題が出題されました。
東大生物の遺伝分野は実験の流れを通して出題するという傾向があります。
知識の蓄積だけでなく遺伝のメカニズムをしっかり理解することが求められます。
植物分野
2022年度の大問2では、光合成についての問題が出題されました。
重力、青色光、水分による屈性実験結果を示すグラフや図を見ながら解答していきます。
タバコの実験では、風刺激、接触刺激、低温刺激の実験について出題されました。
どちらも問い一つ一つの内容が重く、実験結果を考察して解く必要があるため、時間がかかります。
動物分野
2022年度大問3では、動物の中枢神経系についての問題が出題されました。
選択問題、計算問題、3文程度の記述問題が数題出題されました。
形式としては、実験の構築を行う流れとなっており、性の仕組みに関する総合的な知識が求められました。
✔大問は分野ごとではない場合が多い
✔論述問題が多いが、基本知識で解ける問題もある
✔試験範囲が広いので「広く深い学習」が必要
東大生物の入試問題の対策・勉強法
生物全範囲を網羅した基礎知識を身につける
東大の生物は全範囲から出題がされ、受験生物の中でも難易度は非常に高い試験になります。
そのため、分野に偏ることなく教科書の全範囲の学習をしていく必要があります。
ですが、知識自体は高校生物の指導要領を超えることはほとんどありません。
高い思考力を必要とする問題も多いですが、教科書の基本知識が土台になることを頭に入れておきましょう。
時間配分に気を付ける
これまで見てきたように、東大の生物は問題量が多く、時間配分が命です。
そのため、用語問題や正誤問題などの一瞬で分かる知識問題はどんどん解いていかなければなりません。
実験考察問題は理解するのに時間がかかりますので、まずは問題文を読む前に知識問題を解答していきましょう。
「解ける問題から確実に解いていく」ことで正答率を高めることができます。
実験考察問題の対策
復習には時間をかける
東大生物の大問は実験考察を中心とした問題構成になっています。
考察問題の中には、演習をしていても解法の仕方が掴めないことも多いでしょう。
復習の際には「設問文の要求や条件」を確認し、解答に至るまでの「リード文や実験の着目するポイント」を考えましょう。
けれども、問題文を正確に読み解く読解力、用語に対する深い理解、高度な思考力が必要とされます。
典型問題で演習を重ねる
典型的な題材の図表やデータを見て「実験全体の目的」「それぞれの実験の目的」を把握しましょう。
その上で「どのような流れで実験の目的が達成されたのか」を確認しましょう。
常に実験の全体像を把握した上で、適切な用語を用いて論述をしていく練習をしましょう。
論述問題の対策
東大入試では論述問題は必ず出題されます。
2~3行(100文字程度)に収めるためには、正しい生物用語の使い方ができるかどうかがカギになります。
適切な生物の用語が出てこない場合、概念や説明をすることになり行数を超えてしまいます。
教科書の用語や定義の確認は必ず「実際に書いて」学習をしましょう。
また論述問題に慣れるよう、参考書を徹底的に解き進めましょう。
✔大問は遺伝が頻出分野
✔実験考察問題は解ける問題から解いていく
✔論述問題は短い文章に的確な生物用語が必要
独学で東大生物を対策することは可能か?
東京大学の生物の対策には、ただ時間をかけるだけではなく質の高い学習をしなければなりません。
生物分野全体への広範な理解力、考察力、そして高い表現力は短期間では身に付けることができません。
受験教科の多い東大受験生にとって、東大生物の対策を独学でやるのはかなり厳しいでしょう。
記述対策はプロの指導者の添削がおすすめ
過去問を見ると分かりますが、東大生物は幅広い範囲からの出題となり、見慣れない問題も数多く出題されます。
そうした問題に出会った場合にも今までの知識を組み合わせたり、仮説を立ててみたり、といった応用力が必要になります。
論述問題の多い東大生物の対策にはマンツーマンで添削・指導してもらいながら学習するのが効率的です。
独学では受験全体のスケジュール管理も必要
東大合格を目指すためには二次試験対策だけではなく、共通テストの対策もしっかりと立てなくてはなりません。
限られた時間の中で多くの科目の学習をするには、綿密なスケジュール管理が欠かせません。
個別指導や塾に通うことで受験全体のスケジュールも立ててもらうことができます。
そのことで今自分がやるべき学習に集中できるようになり、焦りや迷いも少なくなります。
✔論述対策には時間がかかる
✔効率良く得点を上げるには個別指導がおすすめ
✔スケジュール管理も任せられる
東大生物対策に強い塾は?
東大の生物の実験考察問題では、与えられた資料から実験の意図や目的を正確に読み解く力が必要とされます。
その上で適切な表現、正確な生物用語を用いて論述をしていかなければなりません。
東大生物を合格点に到達させるためには個別指導に通うことが効率的です。
ここでは東大生物の学習におすすめな2つの個別指導をご紹介します。
【大学受験に特化】大学受験予備校のトライ
大学受験予備校のトライの基本情報 | |
---|---|
対象学年 | 大学受験生(新高3生、高卒生) |
地域 | 全国各地(北海道から九州まで) |
指導形式 | 完全個別マンツーマン授業 |
大学受験予備校のトライがおすすめの人
- 徹底的に管理してほしい人
- 最短ルートで合格に近づきたい人
- 充実したサポートのもと勉強したい人
オーダーメイドカリキュラム
大学受験予備校のトライでは、完全個別でオーダーメイドカリキュラムを作成しています。
さらに月別のカリキュラムだけでなく、学習管理カレンダーでその日やるべきことまで細かく管理してくれます。
そして、トライには下記の表の通り東京大学を含む難関大学への合格者を多数輩出しています。
豊富な合格実績に基づいたノウハウで指導してもらいたい方にもおすすめです。
大学受験予備校のトライの合格実績 |
---|
東京大学、京都大学、上智大学、早稲田大学、慶應義塾大学、学習院大学、明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学 他多数 |
【いつも隣に東大生を】東大毎日塾
東大毎日塾の基本情報 | |
---|---|
対象地域 | 全国(オンライン指導) |
指導形態 | オンライン個別指導 |
講師 | 東大生本人が指導 |
自習室の有無 | 〇 |
東大毎日塾がおすすめの人
- 何をやればよいか勉強法がわからない人
- 授業だけでは成績は上がらないと感じている人
- 東大生の圧倒的な指導力を体感したい人
東大生メンターに毎日指導が受け放題
東大毎日塾は、専属東大生メンターから毎日指導が受け放題の環境が整っています。
通常の家庭教師は週1、2回授業を行うだけですが、東大毎日塾は違います。
東大毎日塾は、授業が受け放題の中で、厳しい選考基準を突破してきた東大生メンターによる指導なため、しっかりと合格実績を上げています。
各生徒のサポート管理が徹底されており、各生徒のオーダーメイドカリキュラムを作成したり日々の声かけを実施してやるべきことを確実に実行できるように手助けしてくれます。
東大生物の入試概要
まずは東京大学の生物の入試概要をみていきましょう。
東大生物の試験日・配点
大学入学共通テストの試験日
大学入学共通テスト | |
---|---|
第1日程 | 2023年1月14日(土)・15日(日) |
理科科目 | 物理・化学・生物・地学から2つ2科目 |
配点 | 計200点 |
試験日が2日間ある中で生物は2日目の15:40~です。
また、2科目を選択する場合は、第1科目、第2科目各60分で行いますが、答案用紙回収などの時間を加えて、合計試験時間は130分になります。
個別学力検査の試験日
個別学力検査 | |
---|---|
日程 | 2023年2月25日(土)・26日(日) |
理科科目 | 物理・化学・生物・地学から2つ |
配点 | 各60点で計120点 |
個別学力検査の試験日程は3日間ありますが、理科の試験日は2日目の9:30~です。
3日目は理科Ⅲ類の面接試験のみ行われます。
東大理系 個別学力検査の配点
国語 | 数学 | 理科 | 英語 | 計(点) |
---|---|---|---|---|
80 | 120 | 120 | 120 | 440 |
東大入試では、共通テストが900点から110点に換算されます。
よって、共通テスト+二次試験=550点満点となります。
前期日程における募集人員
科類 | 前期募集人員 |
---|---|
理科一類 | 1,108人 |
理科二類 | 532人 |
理科三類 | 95人 |
令和4年の募集人数です。
理科三類については、2人の募集定員増(95人から97人)についてまだ未決定のため変更があり得ます。
定員人数を見たらわかる通り、理科一類は比較的入りやすく、理科三類は非常に狭き門だということが分かります。
東大入試の最低点や難易度
東大は合格者の科目別の平均点を公表していません。
そのため、総合的な点数から目標得点率を決める必要があります。
【合格最低点】
理科一類 | 理科二類 | 理科三類 |
---|---|---|
303(55.1%) | 287(52.2%) | 348(63.3%) |
合格最低点は55%~64%前後であることが分かります。
合格するには絶対に半分以上は取ることが条件になってくるため、しっかりとした対策が必要です。
【合格平均点】
理科一類 | 理科二類 | 理科三類 |
---|---|---|
334(60.7%) | 313(56.9%) | 377(68.5%) |
平均点は56%~69%前後であることがわかります。
また、理科三類は68.5%ということから全ての問題が理解できているぐらいのレベルは必要となってくるでしょう。
【共通テストボーダーライン】
理科一類 | 理科二類 | 理科三類 |
---|---|---|
765(85%) | 756(84%) | 801(89%) |
共通テストのボーダーは約90%前後と非常に高いことが分かります。
受験生のレベルと大学が設ける基準から、理科三類が最も難易度が高いようです。
✔試験日は2月の下旬
✔共通テストは900点から110点に換算
✔共通テストは90%、二次試験は60%以上を狙う
東大生物対策におすすめの参考書
ここでは、東大生物の学習者におすすめの参考書を紹介していきます。
最難関の東大生物の対策といっても、大切なのは基礎的な知識の定着です。
まずは教科書レベルの基礎知識をしっかりと頭に入れた上で論述対策をしていくようにしましょう。
しっかりとした基礎固めにおすすめの参考書
セミナー生物 2021年度版
多くの進学校で教科書として使用されている問題集です。
問題量が多く、基礎から発展までの応用力を養うことのできます。
幅広い分野、レベルに対応した問題で構成されており、解説もとても分かりやすいです。
何度もこの問題集を利用し、解説を丁寧に読み知識を深めましょう。
参考書 | 出版社 | 価格 | レベル | 販売サイト |
---|---|---|---|---|
セミナー生物 | 第一学習社 | 880円 | 基礎~応用 | 第一学習社 |
標準レベルが完璧な人におすすめの参考書
標準問題精講
標準問題精講は、難関大学を目指す受験生に向けた参考書です。
「標準」というタイトルですが、内容は難問の良問ばかりが揃っています。
厳選された105題が掲載されており、問題以上に量がある非常に丁寧な解説がついています。
難問に対応する力があっても、解説でつまづいてしまうという受験生に特におすすめです。
参考書 | 出版社 | 価格 | レベル | 販売サイト |
---|---|---|---|---|
標準問題精講 | 旺文社 | 1,595円 | 上級 | Amazon、楽天など |
記述問題を対策したい人におすすめの参考書
記述・論述問題の完全対策
生物の知識問題の記述・論述問題に特化した参考書です。
基礎知識がある受験生は、この参考書で論述の対策をすると良いでしょう。
解答例だけではなく、解答に至るプロセスの詳細、採点基準、誤りやすいポイントもまとめられています。
この参考書は知識問題についての記述・論述対策用になります。
実験考察問題の論述対策は赤本を利用して個別指導などで対策を取ると良いでしょう。
参考書 | 出版社 | 価格 | レベル | 販売サイト |
---|---|---|---|---|
記述・論述問題の 完全対策 |
駿台文庫 | 1,320円 | 中・上級 | 駿台文庫 |
新・考える問題100選
この参考書は、問題を解くことを通じて生物学の方法論を理解することができます。
字数制限のある記述問題を多く掲載しているので、難関国公立大学を目指す受験生には必須です。
思考力を求められる問題ばかリなので、解き進めることで入試問題に慣れることができます。
ただ知識を問う問題ではなく、知識の深堀が必要な問題が揃っていて、非常に難易度の高い参考書となっています。
医学部受験にもおすすめです。
参考書 | 出版社 | 価格 | レベル | 販売サイト |
---|---|---|---|---|
新・考える問題100選 | 駿台文庫 | 1,320円 | 上級 | 学参ドットコムなど |
まとめ
東大の生物は文章の量や情報量が非常に多く、解答も記述をさせる問題が数多くあります。
そのため、試験問題を初めて見る受験生は驚くかもしれません。
他の教科の対策にも時間が取られますので、計画的に学習を進めて東京大学の合格を勝ち取ってくださいね。
【初心者でもわかる】この記事のまとめ
「東大入試 生物」に関してよくある質問を集めました。
東大生物の特徴や傾向は?
東大生物の入試問題の特徴と傾向は、問題数が多いこと、合計5題程度の論述問題が出題されること、実験考察問題を中心としていることなどが挙げられます。また、遺伝分野が頻出の傾向にあります。詳しくは記事内をご参照ください。
東大生物の対策・勉強法は?
東大生物の入試問題の対策・勉強法は、まずは生物全体の基礎をしっかり固めることが挙げられます。実験考察問題では、解答に至るまでのメカニズムを理解することや、演習問題で練習を積むことが慣れにつながります。記述問題の対策としては、正しい専門用語を身に着けることが重要です。
東大生物の対策におすすめの参考書は?
東大生物対策におすすめの参考書として、基礎固めに「セミナー生物2021年度版」、応用レベルでは「標準問題精講」、記述対策では「記述・論述問題の完全対策」と「新・考える問題100選」をご紹介しています。細かい特徴や価格について記事内でまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
東大生物の対策におすすめの塾は?
東大生物対策に強い塾として、難関大学受験専門塾の「現論会」、東大対策コース、医学部対策コースがある「東大毎日塾」をご紹介しています。詳しくは記事内をご参照ください。
StudySearchでは、塾・予備校・家庭教師探しをテーマに塾の探し方や勉強方法について情報発信をしています。
StudySearch編集部が企画・執筆した他の記事はこちら→
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